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大河ドラマ「草燃える」「草燃ゆる」どちらが正しい題名?その理由はここにあった。

草燃える草燃ゆるどっち 草燃える

「鎌倉殿の13人」と同じ鎌倉時代を描いた1979年の大河ドラマ「草燃える」

ドラマの題名を「草燃る」だと思われている方も多いかもしれません。わたしもその一人でした。

この記事では、

  • 「草燃える」それとも、「草燃ゆる」どちらが正しいのか 
  • 「草燃える」となったいきさつ をご紹介します。

結論は

正しいのは「草燃る」

原作に沿ってセリフが現代語なので、題名も現代仮名遣いにしたため。

詳しく見てきましょう。

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歴代大河ドラマ題名一覧を見てみると

まずは、歴代大河ドラマの題名を見てみましょう。

何作目放送年題名
622023年(R5)どうする家康
612022年(R4)鎌倉殿の13人
602021年(R3)青天を衝(つ)け
592020~21年(R2~3)麒麟(きりん)がくる
582019年(R元)いだてん
572018年(H30)西郷(せご)どん
562017年(H29)おんな城主 直虎
552016年(H28)真田丸
542015年(H27)花燃ゆ
532014年(H26)軍師官兵衛
522013年(H25)八重の桜
512012年(H24)平清盛
502011年(H23)江~姫たちの戦国
492010年(H22)龍馬伝
482009年(H21)天地人
472008年(H20)蔦姫
462007年(H19)風林火山
452006年(H18)功名が辻
442005年(H17)義経
432004年(H16)新選組!
422003年(H15)武蔵MUSASHI
412002年(H14)利家とまつ
402001年(H13)北条時宗
392000年(H12)葵 徳川三代
381999年(H11)元禄繚乱
371998年(H10)徳川慶喜
361997年(H9)毛利元就
351996年(H8)秀吉
341995年(H7)八代将軍 吉宗
331994年(H6)花の乱
321993年~94(H5~6)炎立つ
311993年(H5)琉球の風
301992年(H4年)信長KING OF ZIPANGU
291991年(H3年)太平記
281990年(H2年)翔ぶが如く
271989年(H元S64)春日局
261988年(S63)武田信玄
251987年(S62)独眼竜政宗
241986年(S61)いのち
231985年(S60)春の波涛
221984年(S59)山河燃ゆ
211983年(S58)徳川家康
201982年(S57)峠の群像
191981年(S56)おんな太閤記
181980年(S55)獅子の時代
171979年(S54)草燃える
161978年(S53)黄金の日々
151977年(S52)花神
141976年(S51)風と雲と虹と
131975年(S50)元禄太平記
121974年(S49)勝海舟
111973年(S48)国盗り物語
101972年(S47)新・平家物語
1971年(S46)春の坂道
1970年(S45)樅(もみ)の木は残った
1969年(S44)天と地と
1968年(S43)竜馬がゆく
1967年(S42)三姉妹
1966年(S41)源義経
1965年(S40)太閤記
1964年(S39)赤穂浪士
1963年(S38)花の生涯
歴代大河ドラマ一覧

ひらがなが入っている題名では旧仮名遣いが多いことに気づきます。

1984年の「山河燃ゆ」や、2015年「花燃ゆ」は「ゆ」になっていて、歴史を扱った大河ドラマ独特の重厚な響きが伝わってきます。

この流れで行くと「草燃える」も「草燃ゆる」か「草燃ゆ」が座りが良い気がしますね。

ですが、「草燃える」です。

制作にあたって、原作者の永井路子さんから

「草燃える」の原作は、歴史小説家・永井路子(ながいみちこ)さんの『北条政子』『炎環』『つわものの賦』『相模のもののふたち』『絵巻』などの小説や随筆です。

大河ドラマ制作にあたって、NHKサイドは鎌倉幕府設立の時代、源頼朝と北条政子を主役にしたドラマ制作を企画し、永井路子さんの『北条政子』を原作にしたいと提案したところ、永井さんから2つの条件付きで、『炎環』『つわものの賦』『相模のもののふたち』『絵巻』も原作に使用してもいいとの申し出がありました。

その条件とは、

条件

  • 原作の通り、セリフは現代語にすること。
  • 脚本は時代劇を書いたことがない人に依頼すること。

大河ドラマの大改革を目指して企画を進めていたNHK側と永井さんのベクトルが一致し、新しい形の大河ドラマが誕生することになります。

時代劇を書いたことのない脚本家さんということで、脚本は中島丈博(なかじまたけひろ)に依頼されました。

中島丈博さんはドロドロ愛憎劇を描いたら右に出る人はいない、当時40代中盤の超売れっ子脚本家。

のちに「失楽園」や「真珠婦人」など大ヒット泥沼メロドラマを、大河ドラマも「春の波涛」「炎立つ」「元禄繚乱」と計4本も脚本を手掛けられています。

永井さんの要望通り、セリフは全て現代風。

それに伴って題名も「草燃える」と現代の言いまわしに決定しました。

題名を「草燃える」にしたのは、

現代的なドラマにするぞ!という意気込みから。だったんですね。

「草燃える」の醍醐味

大河ドラマ17作目の「草燃える」について、それ以前の大河ドラマとは違う主な部分をご紹介します。

草燃える総集編のあらすじと感想はこちらから

義経の描かれ方

それまで「判官びいき」として、悲劇的英雄で、いい人として描かれていた義経は、

「草燃える」では世間知らずで無鉄砲なために自ら破滅を招いた人。に描かれています。

2005年「義経」で滝沢秀明さんが演じた義経は、心優しい青年として描かれていました。

「鎌倉殿の13人」では「草燃える」の進化版で、嫉妬心から兄の慈円が頼朝にあてた手紙を破り棄てるなど、腹黒くサイコパスに描かれています。

オリジナルキャラクターとして滝田栄さん

「草燃える」では、義時(松平健)の盟友として、伊東祐之(滝田栄)が出演しています。伊東祐之というオリキャラを軸に据えたことで、武家社会のだけのストーリーではなく、庶民や盗賊まで幅広い層を物語に織り込ませることができ、視聴者がより共感できる内容になっています。

衝撃的なシーンとしては、伊東祐之が飢えに耐えかねて、盗賊の一団(黒沢年男さんやかたせ梨乃さん)に鍋を食わせろ!と迫るのですが、そこで食べるのが人肉鍋だったという。

落ちるところまで落ちぶれる姿を日曜日夜のゴールデンタイムに放送できた時代に、ある意味感動を覚えます。

また、終盤に自分のダークさを指摘されて逆上した義時が伊東祐之の両眼をつぶしてしまうのですが、今の放送でこんなことしたら、大騒ぎになるだろうなと思ったり、両目が見えなくなった伊東祐之は琵琶法師になって、ラストシーンでは琵琶を弾きながら「平家物語」の祇園精舎を歌うのですが、勧善懲悪でもなく、武士の壮絶な死の場面でもないラストシーンに衝撃を覚えました。

「鎌倉殿の13人」で、伊東祐之のキャラクターに匹敵する人を探すと、盟友の部分は三浦義村(山本耕史)、良心に働きかける部分は泰時(坂口健太郎)が担っているように思います。

そして、京の盗賊団の部分は、善児とトウや、八重が面倒を見ていた子どもたちに反映されいると思われます。

「草燃える」と「鎌倉殿の13人」キャスト徹底比較はこちらから↓

まとめ

「草燃える」の題名について、「草燃ゆる」と思ってしまう理由についてご紹介しました。

題名を「草燃える」にしたのは、現代的なドラマにするぞ!という意気込みから

ということ知り、当時の製作スタッフの熱い気持ちを感じました。

「草燃える」と「鎌倉殿の13人」のキャストごとの比較や、三谷幸喜さんが「鎌倉殿の13人」に込めた「草燃える」へのオマージュなど、また別の機会にご紹介してきたいと思います。

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管理人いろは

中学2年生の国語の授業で平家物語「敦盛の最期」を勉強して以来、歴史ドラマにはまっています。特にNHKの大河ドラマが大好きです。リアルタイムでテレビを見る時間がないので、あとから見逃し配信を見たり、過去の作品をイッキ見して楽しんでいます。ゆかりの地を訪ねるのも楽しみの一つです。ドラマにほへとでは、管理人いろはが実際に見た大河ドラマの情報をまとめています。PCやスマホでイッキ見する方法も紹介しています。大河ドラマよ永遠に♪

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