【どうする家康】第9話ネタバレあらすじ「守るべきもの」

2023年大河ドラマ「どうする家康」。第９話では７話から3話にわたって描かれてきた一向一揆が集結します。自分の殻に閉じこもっていた家康の心に鳥居忠吉（イッセー尾形）の言葉が響きます。「どうする家康」前半部分の最大の山場です。松本潤さん、イッセー尾形さん、松山ケンイチさんの魂の演技に注目です。

・９話を見逃した

・９話「守るべきもの」のみどころを知りたい

方に向けて、ネタバレあらすじと感想をお届けします。

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第9話は今まで「頼りないプリンス」だった家康にターニングポイントが訪れます。狡猾な手法を用いたり裏切った家臣を許す決断をします。許すという決断をする主君も大変なら、許された家臣の心情も浮き彫りになった第9話。前半部分の最大の山場だと思います。鳥居忠吉、本多正信、そして家康の言葉ひとつひとつに思いが込められていて、ぎゅっと心を掴まれた回でした。

第９話あらすじ（ネタバレ注意）

　第9話は「守るべきもの」。松平家康（松本潤さん）は鳥居忠吉（イッセー尾形）の進言によって家臣を信じ、三河一向一揆を鎮圧。水野信元の入れ知恵で、和睦と見せかけて本證寺を手中に収める。

一向宗側に寝返った夏目広次の謀反の罪について不問とし、一向宗側の軍師だった本多正信（松山ケンイチ）が家康を裏切った理由も明かされる。そして踊り巫女の千世は武田と通じていた…

徳川家康の生涯。

徳川家康の生涯を年表にまとめてみました。第9話にあたるのは、赤字の部分です。

年	出来事
1542年	三河国・岡崎城で生まれる
1547年	尾張国・織田信秀（信長の父）の人質となる
1549年	父・弘常が暗殺される。 駿河国・今川義元の人質となる。
1560年	「桶狭間の戦い」で義元討ち死。岡崎城に戻る。
1562年	織田信長と清須同盟
1563年	今川義元の偏諱である「元」の字を返上し「家康」と名乗る
1563～64年	三河一向一揆（1563～1564）
1572年	「三方ヶ原の戦い」で武田信玄に敗北。 直後に武田信玄死去。
1582年	「本能寺の変」で信長死去。
1584年	「小牧・長久手の戦い」で羽柴秀吉（のちの豊臣秀吉）と戦う。
1600年	秀吉死後の「関ケ原の戦い」で勝利。
1603年	征夷大将軍に任命。江戸幕府を開く。
1605年	息子・秀忠に跡を継がせる。
1615年	「大阪夏の陣」で豊臣家を滅ぼす。
1616年	75歳で死去。

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本多正信（松山ケンイチ）の過去、そして裏切りの理由とは？

「どうする家康」では、回想シーンや夢枕シーンを用いて登場人物の想いを表現していますが、本多正信も、銃で撃たれて意識を失う中で悲しい回想シーンが流れます。

8年前のこと、正信（弥八郎）は戦で生き別れになっていた、幼なじみのお玉（井頭愛海）と再会。瀕死のお玉を背負って寺内町に連れ戻しましたが、お玉は

この世は苦しみばかり

「どうする家康」第9話より

と阿弥陀仏にすがりながら息を引き取ります。

9話の最後、家康に放った言葉に、正信が一向宗側についた理由が明かされています。

正信：毎日たらふく飯を食い、おのれの妻と子を助けるためだけに戦をするようなお方には、日々の米一粒のために殺し合い、奪い合う者たちの気持ちはお分かりにならんのでしょう。

「どうする家康」第9話より

鳥居忠吉（イッセー尾形）の進言が効きました。

家臣たちに対して完全に疑心暗鬼に陥っている家康、主君がこんな状態では家臣団がまとまるはずがありません。最古参の鳥居忠吉（イッセー尾形）が「じぃ」の口調で家康を諭します。

家康の「信じて裏切られたらどうする」の問いには、「その時はもう、しょうがない。」と。

この忠吉の言葉を聞いて、家康は覚悟を決めます。家康が「信じる！」と態度を決めたおかげで、家臣団の士気が一気にあがり、一向一揆の鎮圧へと進んでいきました。

夏目広次（甲本雅裕）の反応に泣けてくる。

苦渋の選択で、一向宗側に寝返った夏目広次（甲本雅裕さん）。

第8話での夏目広次の表情からは苦しみしか見えてこず、見ていても辛い回でした。

8話のネタバレあらすじはこちらから↓

ですが、9話では家康がちゃんと「夏目広次（なつめひろつぐ）」と呼んであげました。この時点で全てが水に流された気がしました。

そして謀反の罪は「不問とする」と家康に告げられた後の、夏目広次の表情、家康が去った後の嗚咽がたまらないですね。

夏目広次が本来抱いていた家康への忠誠心と、謀反したにもかかわらず不問とされたことによって、殿への忠誠心＋恩情が爆上がりです。

2月12日放送の「どうする家康 ウラ話トークスペシャル」で甲本雅裕さんが「明日撮影のシーンの事で頭がいっぱいなんだ」と語っていたのですが、まさにこのシーンだったのかもと思うとドキドキします。

2月12日放送の「どうする家康 ウラ話トークスペシャル」はこちらから↓

本多正信（松山ケンイチ）の「殿」と「おまえ」

本多正信は一向宗側についたことを弁明しない理由を家康に問われます。

過ちを犯したのは、殿だから。殿は、阿弥陀仏にすがる者たちの心をご存じない。

仏にすがるのは、現世が苦しからじゃ。生きているのがつらいからじゃ。

殿が、おまえが、民を楽にしてやれるのなら、誰も仏にすがらずに済むんじゃ。

この大たわけが！悔いなければならぬのは、殿でござる。

「どうする家康」第9話より

主君を「おまえ」呼ばわりする本多正信。首をはねられても、その場で斬り棄てられても構わない覚悟の正信の心の叫びです。

覚悟を決めた正信の言葉は家康の心にもずっしりと響きます。そして

とうに悔いておる（涙）

だが、この国を立て直さねばならぬ。そのために、過ちをすべて引き受け、わしは前へ進む

「どうする家康」第9話より

ここまで何度かあった松本潤さんの声が裏返る瞬間、心の奥底の不安や情けない気持ちがバーンと前に出てきます。頑張れ殿！と見守って励ましてあげたい気持ちになりますね。

その気持ちは本多正信も抱いたようで、家康が困っている本證寺について「寺はもともと野原だった」という策を置き土産にします。

昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の源頼朝（大泉洋さん）の時も感じたのですが、上に立つ者は大きな目標を達成するためにはダークサイドを一手に引き受け、前進していくしかない節目があるのだと思いました。

瀬名がいい。

ハラハラと桜の花びらが舞い落ちる中「守るべきものは、民と家臣たちであったというのに。」涙をためて悔いる家康に対して、瀬名は「ならば、これから成し遂げましょう。」と励まします。それでも不安な家康。

瀬名：できるような気がします。なんとなく。

家康：なんとなくのぉ

瀬名：ええ、なんとなく…

「どうする家康」第9話より

鳥居忠吉もですが、家康の周りには「頼りない殿」を柔らかくサポートする人々がいて幸せだと感じます。そして、その人々を惹きつけるのは「殿」の人間力なのだと思います。

第9話のキャスト

役名	俳優名
松平元家康	松本 潤
瀬名	有村架純
酒井忠次（左衛門尉）	大森南朋
本多忠勝（平八郎）	山田裕貴
榊原康政（小平太）	杉野遙亮
鳥居元忠（彦右衛門）	音尾琢真
夏目広次	甲本雅裕
鳥居忠吉	イッセー尾形
大久保忠世	小手伸也
平岩親吉（七之助）	岡部 大
本多忠真	波岡一喜
渡辺半蔵守綱	木村昴
空誓	市川右團次
水野信元	寺島 進
吉良義昭	矢島健一
松平昌久	角田晃広
千代	古川琴音
お玉	井頭愛海
おふう	天翔 愛
おりん	天翔天音
本多正信	松山ケンイチ
服部半蔵	山田孝之
石川数正	松重 豊
武田信玄	阿部 寛

「どうする家康」のキャスト一覧はこちらから

第9話の制作陣

脚本	古沢良太
音楽	稲本 響
ナレーション	寺島しのぶ
演出	小野 見知

最後に

第９話では、3話にわたって描かれてきた一向一揆が集結します。自分の殻に閉じこもっていた家康の心に鳥居忠吉（イッセー尾形）の言葉が響きます。「どうする家康」前半部分の最大の山場だと言えます。家康（松本潤さん）、鳥居忠吉（イッセー尾形さん）、夏目広次（甲本雅裕さん）、本多正信（松山ケンイチさん）の渾身の演技に心を打たれます。

本多正信は三河から追放されますので、第9話で一旦退場ですが、史実によると後半で再登場します。布石もどんどん置かれている気がする「どうする家康」。今のうちに1話から見直してみてはいかがですか？

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