35話はサプライズあり、人間ドラマあり、考えさせられる回でした。
1979年の大河ドラマ『草燃える』でいうと、総集編の5話初め辺りに話が進んでいます。『草燃える』5話の初めに時政(金田龍之介)、牧の方=りく(大谷直子)、義時(松平健)、時房(森田順平)の4人の会話のシーンがあります。そこで、時政は義時に「おまえも食えぬ男になったのう」と義時の悪者ぶり語っています。義時をそこまでにさせた大きな事件が起ころうとしています。
35話あらすじ(ネタバレ注意)
源実朝(柿澤勇人)の妻になる後鳥羽上皇(尾上松也)のいとこ・千世(加藤小夏)が鎌倉へ到着。政子(小池栄子)らが出迎えるが、愛息・北条政範(中川翼)の凱旋を心待ちにしていたりく(宮沢りえ)は失意に沈んでいた。そんな中、娘婿・平賀朝雅(山中崇)が畠山重忠(中川大志)の嫡男・重保(杉田雷麟)への疑惑をりくに告げる。一方、朝雅の振る舞いについて重保から相談された義時(小栗旬)は、父・時政(坂東彌十郎)に……
引用:https://www.nhk.or.jp/kamakura13/story/35.html
中川大志さんの拳(こぶし)
畠山重忠(中川大志)が息子の重保(杉田雷麟)を従えて、義時に平賀と息子を評議するようにと談判しにいき、義時の返答を聞いて
重忠は「いわれなき罪に問われてもいいのか!」と怒りをあらわにし、拳で床を殴っていました。床に大きな傷がついていました。
このシーンを見て、映画『坂道のアポロン』で、薫に殴られて、千太郎が殴り返そうとして
思いとどまり、床を殴ったシーンを思い出しました。
『坂道のアポロン』で、中川大志さん演じる千太郎は
「友情は一生もんやと思っとった、取返しのつかんことを。」とも、言っていました。
義時と重忠の友情も一生続くと思っていました…。
細かいシーンが思い出せなかったので、中川大志さん主演の『坂道のアポロン』をU-NEXTで速攻見直しました。文化祭で一緒にやらないかと誘ってくるロックバンドのボーカルが『カムカムエブリバディー』の稔さんでしたね。キャーキャー言いながら一気見してしまいました。全くテイストの違う作品が、自分の中でピタッとつながった気がして、特に感動しました。
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りく(宮沢りえ)
息子が殺されたと知り、りくは傷心から狂気へと変化します。時政は石橋山の戦いの時に長男の宗時を亡くしていますし、戦や御家人同士の争いで多くの死を見てきていますので、政範の死を悲しんではいますが、これも定めと受け入れている節があります。
りくと時政を最終的に突き動かしたのは、やはり権力欲と所領欲なのかなと思います。
政子がりくに話に来るシーンで、りくが小菊の花を手折ったり、ハサミを入れるシーンがありますが、
以前、平賀朝雅が「りくさんには小菊が似合う」と言ったのを思い出すと、実はこの時、りくも息子に毒を盛ったのは朝雅だと悟っていながら、畠山重保の主張をうまく利用して、一気に権力と武蔵の国を手に入れたいと思い、ターゲットを畠山にしたのかもしれないな、と思いました。
小菊をチョキンチョキンと切り落としていたのは、息子を毒殺した朝雅に対する怒りでは。と深読みしてしまいます。だとしたら、りく、すごい政治家です。時政もりくの言いなりと見せかけて、自分の権力欲ゆえなのかもと思いました。伊豆の小さな豪族の頃が懐かしいです。
★時政とりくが欲しがっている武蔵の国のイメージ図です。
のえ
三浦義村は義時の館で、のえに会います。
義時に「惚れてるのか?」「だったらいいが」と言っていました。
さすがな洞察力。義村の意見に大賛成です。
義時はまぁ幸せそうですし、のえが陰で祖父の行政に、義時を「あんな辛気臭い男」と言おうと、「男子を生んで家督を」と思おうと、義時がそれでよいなら良いと思いました。
まっすぐな泰時との相性は最悪だと思いますが、泰時には初がついているのでこちらも大丈夫だと思います。
「子がいればそれはそれで、面倒なのだ」という義時のセリフは、次週以降、実朝に問いかけられるキーワードかなと思いました。
歩き巫女(大竹しのぶ)
サプライズですね。出演者名になかったら誰だかわかりませんでした。特殊メークされていたそうです。声もそういわれれば大竹しのぶさんかなと思いますが、分からなかったです。
『草燃える』でも、大姫(池上季実子)が入内するために政子(岩下志麻)と上洛した時、巫女のもとを訪れています。そこで、巫女が非業の死を遂げた義高を呼んだので、大姫は子どもの頃に戻りたい気持ちに囚われて、追い詰められていくことになりました。
実朝への「雪の日は外出しないように」は出来すぎですが、悩みは自分だけではなく、昔も未来も誰かが同じ悩みを持っている。という言葉は実朝の力になったと思います。実朝は良い鎌倉殿に成長していくこと間違いなしですね。
まとめ
もしかして、今週なのかとハラハラしながら見た35話でした。
最後に義時が武蔵まで出向いて行って、畠山重忠と酒を酌み交わす場面がありました。
鎌倉から畠山重忠の館まで直線距離で93キロ、鎌倉古道の上道か中道を通ってだと100キロ以上かと思われます。馬はジョギング程度の速さで時速13~15キロくらいなので、ちょっと日帰りしてくる。の距離ではないですね。ドラマですから、細かいことはいいのですが、ここであえて2人でゆっくり話ができる時間を作ってくれた三谷さんに感謝したいです。
次回の36話は厳しい回になることが予想されます。三連休で月曜日が休みでよかったです。
今回は思いがけず『坂道のアポロン』を思い出すことができて、しばし違う世界に浸れました。
また、今週も頑張れそうです。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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