2023年大河ドラマ「どうする家康」。第10話では一向一揆を鎮めた家康が三河を治めています。岡崎城近くの築山に、民の声を聞くための庵を開いた瀬名（有村架純）。於大（松嶋菜々子）から、家を守るために家康に側室を迎えるよう言われます。
そこで側室に選ばれたのは、侍女・お葉（北香那）。当初は嫌がっていた家康もお葉と一夜を過ごすことになりますが、一体そこでは何が？
京の都では政変が勃発。織田信長（岡田准一）や武田信玄（阿部寛）の動きも活発化し、家康は時代の荒波に巻き込まれていきます。
・10話を見逃した
・1０話「側室をどうする！」のみどころを知りたい
方に向けて、ネタバレあらすじと感想をお届けします。
大河ドラマ「どうする家康」の再放送は、地上波では放送翌週の土曜午後1:05から放送されます。
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側室＝「子どもは見ちゃダメ」の回だと思っていたのですが、勇ましいお葉の真面目過ぎる行動と、最後の展開に、いい意味で予想を二度裏切られたような回でした。特徴的なのは、10話は家臣団の皆さんがほぼ登場しない回で、お葉（北香那さん）を初めとする女性が中心の回でした。
家康（松本潤さん）のコミカルな反応に、一向一揆鎮圧の辛い場面から、次の戦乱への狭間でホッと一息つける回だったと思います。が、築山殿（有村架純さん）の寂し気な表情と、お葉の苦しみなど、ほろ苦さも感じた10話でした。
第10話あらすじ（ネタバレ注意）
・一向一揆を鎮圧し、三河を治める家康。
・瀬名は築山に庵を開いて、民の声を聞いている。
・於大の方から側室を置くようにと言われ、瀬名が主導権を持って側室を選ぶ。
・お葉が側室となり、女子が生まれるが、お葉は暇を請う。
・織田信長と武田信玄の動きが活発になる。
第10話は「側室はどうする！」。仲睦まじく過ごしている家康と瀬名ですが、「物言う姑」の於大の方から、家康（松本潤さん）に子どもが二人とは少ない、自分は6人子どもを産んだと言われ、側室を迎えるようにと強く進言されます。
そこで於大の方、瀬名、登与の三人で側室選びに乗り出します。名乗りをあげたおなごたちは本当に様々。家康もデレデレ乗り気になってきます。家康の見る目はともかく、最終的に瀬名のお眼鏡にかなったのは侍女のお葉でした。イノシシを一撃で仕留める姿は怖さMax、不愛想ながら働き者のお葉は周りからの評判も良く、三人でお葉を説得します。最初は固辞していたお葉も、そこまで言われたらお役目をしっかり果たすという気持ちで側室を受けることにしました。
そして当初はお葉を怖がっていた家康も、気働きのできるお葉に次第に傾いていきます。そして女の子が産まれます。於大の方に今後もどんどん子を産むように言われたお葉ですが、家康に側室をやめたいと言います。
徳川家康の生涯。
徳川家康の生涯を年表にまとめてみました。第10話にあたるのは、赤字の部分です。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1542年 | 三河国・岡崎城で生まれる |
| 1547年 | 尾張国・織田信秀（信長の父）の人質となる |
| 1549年 | 父・弘常が暗殺される。 駿河国・今川義元の人質となる。 |
| 1560年 | 「桶狭間の戦い」で義元討ち死。岡崎城に戻る。 |
| 1562年 | 織田信長と清須同盟 |
| 1563年 | 今川義元の偏諱である「元」の字を返上し「家康」と名乗る |
| 1563～64年 | 三河一向一揆（1563～1564） |
| この辺り | |
| 1572年 | 「三方ヶ原の戦い」で武田信玄に敗北。 直後に武田信玄死去。 |
| 1582年 | 「本能寺の変」で信長死去。 |
| 1584年 | 「小牧・長久手の戦い」で羽柴秀吉（のちの豊臣秀吉）と戦う。 |
| 1600年 | 秀吉死後の「関ケ原の戦い」で勝利。 |
| 1603年 | 征夷大将軍に任命。江戸幕府を開く。 |
| 1605年 | 息子・秀忠に跡を継がせる。 |
| 1615年 | 「大阪夏の陣」で豊臣家を滅ぼす。 |
| 1616年 | 75歳で死去。 |
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お葉（北香那さん）は「鎌倉殿の13人」では、頼家の正室・つつじ
お葉を演じている北香奈さんは「鎌倉殿の13人」で頼家（金子大地さん）の正室・つつじを演じておられました。
「鎌倉殿の13人」27話では、側女・せつ(山谷花純)とのマウントシーンが印象的です。三谷幸喜さんが、つつじは「青」のイメージ、せつは「赤」のイメージで脚本を書かれたとのことで、衣装もつつじは水色系が多く、せつは赤っぽい衣装をまとっていました。
| 名前 | 生まれ年 | 後の | 親 | 乳母夫 | |
| 千幡 | 1192年 | 三代目・実朝 | 源頼朝×北条政子 | 阿野全成、乳母は実衣 | 頼家への呪詛の疑いで斬首 |
| 一幡 | 1198年 | 善児に殺される | 源頼家×側室せつ | 比企能員 | 滅ぼされる |
| 善哉 | 1200年 | 公暁 | 源頼家×正室つつじ | 三浦義村 |
頼家とつつじの間に生まれのが「善哉」で、のちの「公暁」です。「鎌倉殿の13人」44話では、実朝を八幡宮の大階段で暗殺する前に、公暁（寛一郎さん）と母・つつじ（北香那さん）の対面シーンがあります。北香那さんは「鎌倉殿の13人」では、青の清らかなイメージを貫かれていました。
「鎌倉殿の13人」でのつつじは「水色」の澄み切ったイメージでしたが、「お葉」は侍女の時の衣装がエンジ×茶色だったのと、イノシシと格闘して顔についた血のりが鮮烈で「赤」のイメージを連想しました。
レクチャー内容と実践が違い過ぎた
於大の方、瀬名、裏を取り仕切る酒井忠次の妻の登与、3人総出でお葉に家康への接し方を伝授します。
１．袖を顏で隠して、そっと上目遣いで恥ずかしそうに見るともなく見る（by登与）
２．耳を触ってあげて甘えてきた時にお腹を撫でる（by瀬名）
いざ、実践となると、
お葉の目つきがあまりにもまっすぐだったため、家康はお葉の鬼気迫る睨み方に「なんじゃ、なんなんじゃ…」と後ずさり。
それでも、レクチャー通りにしなければと思うお葉は、強引に家康を倒して後ろから羽交い絞めにして「よーしよしよしよし！」と家康のお腹を荒々しく撫でまわします。
通常だと「濡れ場」になってもおかしくないシーンですが、ホラー？コメディー？な展開で、さすが古沢脚本！と思いました。
勇ましすぎるお葉の姿に「鎌倉殿の13人」のトウの面影がちらつきました。
冒頭シーンが伏線だった。
冒頭シーンでお葉と同じ侍女の美代が、渡辺守綱（木村昴さん）に迫られて困っているのをお葉が助けて、また重い水桶を持ってよろめいた美代をお葉が助けてあげるシーンがありました。この頃からお葉と美代は魅かれ合っていたのかもしれません。
渡辺守綱（木村昴さん）は、一向宗の本證寺でもおなごに目がなかったり、変装して潜入してきた家康を殴ったりと、「どうする家康」での面白キャラを確立しています。
家康の側室となって女の子を産んだお葉でしたが、家康に「好きな人がいます」と言って側室の務めを辞したいと願い出ます。
地団駄踏んで「許さぬ！大罪だぞ！」と言っていた家康ですが、お葉の思い人が美代だと知ると、戸惑いを隠せません。ですが、お葉の話を聞いて2人のことを理解し、側室の務めを解除することに。2人は引き続き侍女として働き、家康との子どもの面倒を見ながら幸せそうに過ごしています。家康の懐の大きさが伺える展開でよかったなぁと思いました。
多様性が重視される昨今、センシティブな内容を扱うのにも神経を使うと思いますが、「どうする家康」10話ではハートウォーミングにまとめられていて、脚本と演技の妙を感じました。
織田信長（岡田准一さん）の弓の腕前がすごい！
場面変わって、小牧城の織田信長（岡田准一さん）が登場します。矢継ぎ早に弓を射る姿が凄すぎて目を疑いました。下半身が微動だにせず矢を連続で放っていました。段違いの貫禄です。
柴田勝家：都より急報あり。将軍様、お討ち死に。天下はますます乱れましょう
織田信長：矢を放って（ニンマリ）
「どうする家康」第10話より
SNSによると、この弓は「日置當流徳山弓道場」（岡山市）から収められた岡田・信長用の弓とのことで、岡田さんは「マイ弓」を実際に射られていたとのことです。武術に長けた岡田さんならではで、今後にますます期待してしまいます。
武田信玄（阿部寛さん）も、今川の調略に動き始めました。
先ほどまでの三河のほんわかムードから一変して、一気におどろおどろしい雰囲気が漂ってきました。
第10話のキャスト
| 役名 | 俳優名 |
| 松平元家康 | 松本 潤 |
| 瀬名 | 有村架純 |
| 於大の方 | 松嶋菜々子 |
| 織田信長 | 岡田准一 |
| 酒井忠次（左衛門尉） | 大森南朋 |
| お葉 | 北 香那 |
| 飯尾連龍 | 渡部豪太 |
| 渡辺半蔵守綱 | 木村昴 |
| 登与 | 猫背 椿 |
| 美代 | 中村守里 |
| お杉 | 小野寺ずる |
| お梅 | 白神美弥妃 |
| 今川氏真 | 溝端淳平 |
| 穴山信君 | 田辺誠一 |
| 柴田勝家 | 吉原光夫 |
| 山県昌景 | 橋本さとし |
| 千代 | 古川琴音 |
| 田鶴 | 関水 渚 |
| 阿部元信 | 田中美央 |
| 鵜殿長照（回想） | 野間口徹 |
| 木下藤吉郎 | ムロツヨシ |
| お市の方 | 北川景子 |
| 武田信玄 | 阿部寛 |
「どうする家康」のキャスト一覧はこちらから
第10話の制作陣
| 脚本 | 古沢良太 |
| 音楽 | 稲本 響 |
| ナレーション | 寺島しのぶ |
| 演出 | 小野 見知 |
最後に
勇ましいお葉の真面目過ぎる行動と最後の展開に、いい意味で予想を二度裏切られたような回でした。
10話は家臣団の皆さんがほぼ登場しない回で、お葉（北香那さん）を初めとする女性が中心の回という点が印象的でした。
家康（松本潤さん）のコミカルな反応に、一向一揆鎮圧の辛い場面から、次の戦乱への狭間でホッと一息つける回だったと思います。が、築山殿（有村架純さん）の寂し気な表情と、お葉の苦しみなど、ほろ苦さも感じた10話でした。
・一向一揆を鎮圧し、三河を治める家康。
・瀬名は築山に庵を開いて、民の声を聞いている。
・於大の方から側室を置くようにと言われ、瀬名が主導権を持って側室を選ぶ。
・お葉が側室となり、女子が生まれるが、お葉は暇を請う。
・織田信長と武田信玄の動きが活発になる。
次回以降、また厳しい展開が予想される「どうする家康」。今のうちに1話から見直してみてはいかがですか？
放送後7日以内はNHKプラスで、7日過ぎた場合や「どうする家康」第1話からの見逃しイッキ見には、U-NEXTでNHKオンデマンドを。
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