『光る君へ』37話”波紋”では、美しい『源氏物語』の冊子が作られていく様子と、里帰りしたまひろを迎えた娘・賢子の反応に注目です。
中宮・彰子に敦成親王が誕生して、皆が幸せに包まれますが、その光の陰で波紋が広がっていきます。
を知りたい方にネタバレあらすじとみどころと「光る君へ」37話の視聴方法をお届けします。
大河ドラマ「光る君へ」の再放送は、地上波では放送翌週の土曜午後1:05から放送されます。
放送後7日以内はNHKプラス、7日過ぎた場合や見逃しイッキ見したい場合には、1話から最新話まで全話配信されているNHKオンデマンドで。
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久しぶりに里帰りしたまひろのお酒の飲み方に乙丸もいとも戸惑っている様子でした。
第37話あらすじ(ネタバレ注意)
中宮・彰子(見上愛さん)が一条天皇(塩野瑛久さん)の皇子を出産し、まひろ(吉高由里子さん)と道長(柄本佑さん)は喜びを分かち合います。
彰子がまひろの書いた物語を冊子にして天皇への土産にしたいと言い、まひろをはじめ、女房たちが力を合わせて豪華本を制作することになります。
一方、新たな皇子の誕生により、伊周(三浦翔平さん)らの思惑が外れ、皇位継承を巡る不穏な気配が漂い、内裏で事件が起こる。
『源氏物語』33帖までの装飾本の優美さに、うっとりしました。
「光る君へ」ネタバレあらすじまとめはこちらから↓
『光る君へ』はNHKオンデマンドで1話から最新話まで全話配信されています。
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紫式部の生涯。まひろは39歳。
紫式部の生涯を年表にまとめてみました。第37話にあたるのは、赤字の部分です。
年 | 年齢 | 出来事 | 天皇と周辺 |
---|---|---|---|
966年 | 三郎/道長が生まれる | 円融天皇 | |
970年頃? | 1歳 | まひろ/紫式部が生まれる | |
978年 | 8歳 | 三郎/道長と出会う 母・ちやはが亡くなる | |
984年 | 15歳 | まひろが成人する。 父・為時、式部省の役人に。 | 花山天皇即位 |
985年 | 16歳 | 4月7日道隆主催・漢詩の会 | 忯子死去。 |
986年 | 17歳 | 為時、解職。 | 藤原義懐が権中納言に。 一条天皇即位 |
990年 | 21歳 | 藤原定子が一条天皇に入台。 兼家を継ぎ、道隆が関白に | |
993年 | 24歳 | 清少納言が定子に仕える | |
994年 | 25歳 | 都で天然痘が大流行する | |
995年 | 26歳 | 道隆が死去、道兼が死去。 6月 道長が右大臣に 長徳の変 | |
996年 | 27歳 | 父・為時の赴任地・越前に同行。 | 道長、左大臣に。 |
998年 | 29歳 | 帰京。藤原宣孝と結婚。 | |
999年 | 30歳 | 長女・賢子(大弐三位)出産。 | 彰子が一条天皇に入内。 一条天皇と定子に敦康親王誕生 |
1000年 | 31歳 | 定子が皇后、彰子が中宮に。 定子死去。 | |
1001年 | 32歳 | 藤原宣孝と死別。 | |
1004年 | 35歳 | 『源氏物語』執筆開始。 | |
1005年 | 36歳 | 道長の求めで宮仕え開始。 道長の娘・彰子に仕える。 | |
1006年 | 37歳 | 宮仕えを放棄→再び戻る。 | |
1007年 | 38歳 | 『源氏物語』が人気になる。 | |
1008年 | 39歳 | 一条天皇と彰子の間に敦成親王 (後の後一条天皇)誕生 | |
1009年 | 40歳 | 一条天皇と彰子の間に敦良親王誕生 | |
1010年 | 41歳 | 『紫式部日記』執筆開始。 | |
1011年 | 42歳 | 弟・惟規死去。 | 一条天皇が退位。三条天皇即位。 一条天皇死去。 |
1012年 | 43歳 | 彰子が皇太后となる | |
1013年 | 43歳 | 宮仕えを辞める | |
1014~31年 | 44~61歳 | 紫式部死去(諸説あり) | |
1028年 | 道長死去(62歳) |
赤染衛門がまひろに釘をさす
五十日の儀での道長との歌の詠み合いで全てを悟った赤染衛門。「わからないではないけれど、倫子さまを傷つけることだけはやめて」とまひろに釘を刺します。
赤染衛門は「倫子推し」、清少納言は「定子推し」、そしてまひろは「彰子推し」。それぞれ寄り添い思い入れの深いお方様には辛い思いをして欲しくないものです。
久しぶりに猫・小麻呂のアップが流れました。倫子のサロンの頃の話なので小麻呂・二世ですね。『源氏物語』ではこのあと、猫が飛び出してきて御簾がめくれて顔を見てしまって恋に落ちるというくだりがあります。小麻呂二世の大写しはそれを連想させるためのものかもですね。
里に下がったことを知らない道長が「籐式部はどこに行った?」と探している時にも赤染衛門は平然としていました。さすがです。
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『源氏物語』の冊子作り
彰子は出産のために里帰りしていた土御門殿から内裏に帰る準備を始めます。そこで帝へのお土産として『源氏物語』を美しい冊子にしたいとまひろ/籐式部や女房たちに提案します。
これにはみんな大賛成で、道長と倫子からは美しい紙や筆と硯が差し入れされます。それを手に取って彰子自ら「○○の巻には○○色の紙がいい」と選び、そして行成ら書家に書いてもらうなど、優雅で心のこもった『源氏物語』装飾本が完成しました。
彰子や女房たちが分業で製本していく様子や、最後に糊でタイトルを貼る作業も興味深いですね。
物語の冊子を手にした一条天皇もご満悦で、藤壺で「読書会」を開こうと言い出します。読書会で読まれた『源氏物語』では日本古来の書籍を批判するようなくだりもありますが、一条天皇は寛容に受け止めます。
かつて、清少納言の橋渡しで一条天皇に目通りが叶ったまひろ。その時、まひろは白楽天の『白氏文集』を引用して「科挙制度」など国の在り方を物申しました。物怖じせず政に関して発言するまひろは一条天皇にとって印象に残る存在でした。そんなまひろの書いた『源氏物語』は帝にも公達たちにも受け入れられます。
装飾本といい、内容が広く受け入れられることといい、作者冥利に尽きるエピソードばかりですね。
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『源氏物語』は光源氏の華麗な恋愛小説と捉えられることが多いですが、実は中国の史実や漢詩がふんだんに盛り込まれた教養の宝庫であり、読者は女性だけでなく、貴族の男性の心もつかんで読み継がれてきました。「自分ごと」と思えるリアリティーも大きな魅力の一つです。
- さまざまな女性の生き方が書かれている
- 史実の摂関政治を彷彿させるリアリティ
- 中国の史実や漢詩が盛り込まれた教養の宝庫
- 草子地による皮肉たっぷりなツッコミで臨場感アップ。
『源氏物語』の1帖”桐壺”の簡単あらすじはこちらからご覧いただけます。「光る君へ」でのオマージュ拾いも独自に考察していますので、よろしければどうぞ↓
まひろったらお酒飲みすぎです
まひろの心の声「ここがなぜかみすぼらしく思えてしまう」。里帰りしてホッとしたのか、家族そろっての夕食で、まひろは飲酒の度を越します。普段は優しい弟・惟規からも「飲みすぎだよ」と言われてしまいます。
まひろは緊張した土御門邸での日々から解放されて、愚痴とちょっぴり自慢したかったんですね。
賢子の言葉は「逆」にすると本心です
賢子にとって、まひろは母以外の何者でもないので、五十日の儀で酔った男性にからかわれた話やお菓子をたらふく食べた話は聞きたくないです。母が違う世界に行ってしまった感覚を味わったのだと思います。
賢子の「一体、何しに帰ってこられたのですか?内裏や土御門殿での暮らしを自慢するため?」「母上はここよりあちらにおられる方が楽しいのでしょう?」などのキツイ言葉は、かつて父・為家が兼家の内通者として花山天皇のそばにいた時に、まひろが父に掛けていた口調と重なります。
「母上が嫡妻でなかったから、わたしはこのように貧しい家で暮らさねばならないのでしょう。母上なんか大嫌い!」は反義語としてとらえるといいですね。
嫡妻であってもなくても、賢子が大好きで尊敬する母はまひろただ一人です。
亡き夫・宣孝が、実資との縁談を持ってきたことがありましたが、そうなっていたら賢子は生まれていなかったわけで。今後、賢子は「実の父」を知ることになるのでしょうか。
「罪」と「罰」の文字
酔いから醒めたまひろは机に向かって文字を書きます。賢子の顔を見たからでしょうか「罪」と「罰」の二文字をしたためます。一条天皇に献上したのが『源氏物語』33帖までなので、まひろの頭の中は34帖”若菜(上)”の構想を練っている場面だと思いました。
『源氏物語』34帖からは女三の宮が光源氏に降嫁して、源氏が裏切られて三の宮が柏木との不義の子を宿す流れです。『光る君へ』でも、道長に?まひろに?罰が待っているのでしょうか…
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直秀(毎熊克哉さん)の再登場?
内裏の藤壺が盗賊に襲われます。まひろの機転と中宮・彰子の凛とした慈悲深い行動が印象的です。
盗賊が去った後、鬼遣らいしながら夜回りをしていた男性のフェイスマスクが、不条理な最期を遂げた直秀(毎熊克哉さん)と同じだったので「直秀、復活からの再登場?」と思いましたが、今回から登場の双寿丸(伊藤健太郎さん)でした。
直秀はまひろに「おかしきことこそめでたけれ」と明言を残し、道長とまひろがソウルメイトとなる重要な役割を果たしました。双寿丸は賢子と絡みがあるのでしょうか?
直秀が登場している前半部分の見逃しイッキ見はこちらから↓
盗賊に入られた時のことも書かれている『紫式部日記』とは
紫式部が彰子の女房として仕えていた頃のことが記されています。37話の盗賊が押し入った部分も『紫式部日記』に記載があります。
角川ソフィア文庫の『紫式部日記 ビギナーズ・クラシックス』が原文と現代語訳が別立てになっているので読みやすいです。kindle Unlimited対象本ですので(2024年10月現在)、加入されている方はぜひどうぞ。
皇位継承のデットヒート
娘の彰子に皇子が生まれて、まさに「この世の春」の左大臣・道長。これに水を差すかのように、対抗馬の伊周が道長と同じ正二位へ昇格されます。
順番で言うと、定子との皇子・敦康親王が東宮(第一皇位継承者)になるので、定子の兄である伊周がこの位に着くのは、一条天皇が道長をけん制する狙いもあります。
道長と伊周だけでなく、水面下でもさまざまな動きがあります。
公任、斉信、行成、俊賢は道長派。公任が伊周の弟・隆家を味方につけようとしています。
そして、伊周に頼んで『源氏物語』を読ませもらった清少納言がまひろに会いにやってきます。
闇落ちしていく道長。まひろはどうする?
盗賊事件の夜、まひろは身の危険も顧みず彰子のところに駆けつけ、中宮・彰子もまた自分より盗賊に襲われた女房を案ずる行動をとります。
翌朝、道長がまひろの功績をほめたたえますが、まひろは「中宮様の慈悲深い行動こそ」と彰子を讃えます。
そこで道長がポロっと「(彰子の産んだ)敦成親王は次の東宮になられるゆえ」と口が滑ります。
皇位継承順位では、定子の産んだ敦康親王が一位のはずです。
これを聞いたまひろの表情が一瞬さっと変わりました。慌ててごまかす道長。
月を見上げて、道長とまひろ2人だけの世界に浸っていた頃とは、明らかにフェーズが変わりました。
このシーンから一気に道長の「闇」の部分が隠せないところまで進んだ印象です。中宮・彰子への思いが強くなったまひろは、今後、道長とどう向き合っていくのでしょうか?
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まとめ
37話”波紋”では、母となった彰子が、まひろの指南を受けて慈悲深い国母へと進化していきます。
一方で道長が以前の三郎ではなくなりました。三郎に戻るために双寿丸が登場したのでしょうか。まひろの心にも「波紋」が広がります。
まひろは里帰りや盗難事件を経て、彰子への思い入れの深さを再認識しました。彰子とまひろも定子と清少納言のように更に強い絆で結ばれていくのかもしれません。
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今のうちに1話から見直しておきましょう!放送後7日以内はNHKプラスで、7日過ぎた場合や「光る君へ」第1話からの見逃しイッキ見には、U-NEXTでNHKオンデマンドを。
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