『光る君へ』34話”目覚め”では、まひろ/籐式部の紡ぐ『源氏物語』に帝も彰子も公卿たちも夢中になります。
まひろと道長の出会いと、『源氏物語』の「若紫」が繋がって、まひろも彰子も一条天皇も「目覚め」ていくさまが手に取るように感じられました。
を知りたい方にネタバレあらすじとみどころと「光る君へ」34話の視聴方法をお届けします。
大河ドラマ「光る君へ」の再放送は、地上波では放送翌週の土曜午後1:05から放送されます。
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34話は『源氏物語』の情景を思い浮かべるシーンが目白押しで、とても素敵な話でした。
興福寺の別当が押しかけてくるという政治的な緊張状態の中、道長がまひろを誰よりも頼りに思っている姿にウルウルしますし、御簾越しに父たちの話を聞いて目をきょろきょろビックリする彰子の姿など繊細な演技に魅せられる放送回です。
第34話あらすじ(ネタバレ注意)
興福寺の僧たちが都に押し寄せ、朝廷に要求を突きつける騒ぎが起こり、道長(柄本佑さん)はその対応に奔走します。
一方、まひろ/籐式部(吉高由里子)の書く物語は宮中で話題になりますが、一条天皇(塩野瑛久さん)と中宮・彰子(見上愛さん)の仲は思うように進展しません。
彰子の懐妊も遠く、不吉な病や火事が都に続く中、道長は大きな決断をします。
土御門邸で道長が催した「曲水の宴」のシーンは、美しい平安絵巻を見ているようでした。
「光る君へ」ネタバレあらすじまとめはこちらから↓
『光る君へ』はNHKオンデマンドで1話から最新話まで全話配信されています。
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紫式部の生涯。まひろは38歳。
紫式部の生涯を年表にまとめてみました。第34話にあたるのは、赤字の部分です。
年 | 年齢 | 出来事 | 天皇と周辺 |
---|---|---|---|
966年 | 三郎/道長が生まれる | 円融天皇 | |
970年頃? | 1歳 | まひろ/紫式部が生まれる | |
978年 | 8歳 | 三郎/道長と出会う 母・ちやはが亡くなる | |
984年 | 15歳 | まひろが成人する。 父・為時、式部省の役人に。 | 花山天皇即位 |
985年 | 16歳 | 4月7日道隆主催・漢詩の会 | 忯子死去。 |
986年 | 17歳 | 為時、解職。 | 藤原義懐が権中納言に。 一条天皇即位 |
990年 | 21歳 | 藤原定子が一条天皇に入台。 兼家を継ぎ、道隆が関白に | |
993年 | 24歳 | 清少納言が定子に仕える | |
994年 | 25歳 | 都で天然痘が大流行する | |
995年 | 26歳 | 道隆が死去、道兼が死去。 6月 道長が右大臣に 長徳の変 | |
996年 | 27歳 | 父・為時の赴任地・越前に同行。 | 道長、左大臣に。 |
998年 | 29歳 | 帰京。藤原宣孝と結婚。 | |
999年 | 30歳 | 長女・賢子(大弐三位)出産。 | 彰子が一条天皇に入内。 一条天皇と定子に敦康親王誕生 |
1000年 | 31歳 | 定子が皇后、彰子が中宮に。 定子死去。 | |
1001年 | 32歳 | 藤原宣孝と死別。 | |
1004年 | 35歳 | 『源氏物語』執筆開始。 | |
1005年 | 36歳 | 道長の求めで宮仕え開始。 道長の娘・彰子に仕える。 | |
1006年 | 37歳 | 宮仕えを放棄→再び戻る。 | |
1007年 | 38歳 | 『源氏物語』が人気になる。 | |
1008年 | 39歳 | 一条天皇と彰子の間に敦成親王(後の後一条天皇)誕生 | |
1009年 | 40歳 | 一条天皇と彰子の間に敦良親王誕生 | |
1010年 | 41歳 | 『紫式部日記』執筆開始。 | |
1011年 | 42歳 | 弟・惟規死去。 | 一条天皇が退位。三条天皇即位。 一条天皇死去。 |
1012年 | 43歳 | 彰子が皇太后となる | |
1013年 | 43歳 | 宮仕えを辞める | |
1014~31年 | 44~61歳 | 紫式部死去(諸説あり) | |
1028年 | 道長死去(62歳) |
公任夫妻、斉信、行成も『源氏物語』に夢中
公卿や女房たちの間では『源氏物語』が大人気、彰子(見上愛さん)も一条天皇(塩野瑛久さん)もまひろに直接質問に来るという熱の入れようです。
公任(町田啓太さん)が妻・敏子(柳生みゆさん)に読んで聞かせていたのは、源氏物語第三帖「空蝉」の一場面でした。
もともと敏子のサロンでの『カササギ物語』がきっかけで、公任が道長に「面白い物語を書く女がいる」と話し、道長がまひろに物語執筆を依頼した経緯があるので、公任が「空蝉」を読んでいるシーンは特に公任夫妻の物語への距離感が近いように感じました。
斉信は光源氏のプレーボーイぶりに自分のことか。と思う場面も。身に覚えのある人ばっかりです。
この場面では公任、斉信、行成の三人でしたが、道綱(上地雄輔さん)もいたら、15話「おごれる者たち」石山寺での一件を思い出して「僕はこんなことしないなぁ」と言ったかもしれないですね。
私は3か月かかって『源氏物語』全54帖をオーディブルで聴きました。知っているフレーズがドラマでよみがえる喜びはひとしおです。
「若紫」は下の画像から試し聴きできます。
源氏物語 第五帖 若紫
道長からの檜扇は『源氏物語』イマジネーションの泉。
もう一か所非常に印象的だったのが、まひろが道長から送られた檜扇を見つめるシーンです。扇に描かれている少女と少年、雀の絵から道長との出会いを思い出して、まひろ(心の声)「恋しいあの人のそばで、ずっと生きていけたらどんな人生だっただろう」と考えるシーンです。
檜扇を愛おしそうに見つめるまひろの姿。過去の思い出に浸るだけでなく現在・未来へと思いが羽ばたいていく姿は実に清々しいです。
空想の中で、まひろの目の前には若紫を想起させる少女がいます。「若紫」の構想が降りてくるシーンです。有名なフレーズが続きます。
雀の子を犬君(いぬき)が逃がしつる(雀の子を犬君が逃がしてしまったの)
『源氏物語』五帖”若紫”
『源氏物語』では、恋い焦がれる継母にそっくりな若紫を見出し、理想の女性に育て上げようとする光源氏の視線からの描かれ方なので、そこに幼い若紫の感情はのせられいませんが、「光る君へ」では作者・まひろの創作のスタート地点が若紫側から光る君へを見ているところに衝撃を受けました。
30代後半になったまひろは殿御を「カワイイものですよ」と言っています。『源氏物語』でも光源氏をからかっているような描写もあるところからも、まひろの成熟したイイ感じの余裕が感じられます。
『源氏物語』若紫の巻のオマージュが散りばめられています。【源氏物語】五帖「若紫(わかむらさき)」簡単あらすじ&登場人物で詳しく解説しています。ご興味のある方はぜひ。
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まひろだけでなく、彰子も目覚めます。
まひろが『源氏物語』を執筆している局には、お役で来ている斉信だけでなく、道長も弟・惟規も中宮・彰子も一条天皇も集まってきます。物語に惹きつけられ、作者のまひろに引き寄せらます。
奥ゆかしくて、いまだ冬眠状態のような彰子は『源氏物語』の主人公の光源氏の思考と物語の面白さが理解できません。
ですが「曲水の宴(ごくすいのうたげ)」で、御簾ごしに屈託なく笑い若者のように語る父・道長の姿を見て、何かに「目覚め」ます。
まひろはそんな彰子に「殿御は可愛いものでございます。帝のお顔をしっかりごらんになってお話し申し上げなされたらよろしいかと存じます。」とすかさずアドバイス。
一条天皇と彰子の距離を縮めるには、一条天皇をどうにかするのではなく、彰子が帝に心を開くのが肝要だと思っているまひろ。道長からの頼みというのもありますが、まひろの根底には彰子も人として女性として幸せになって欲しいという思いがあるからに違いありません。
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一条天皇の心も目覚める。
一条天皇もまひろのところにやってきます。『源氏物語』が一条天皇の心をつかみます。
まひろ「何が帝のお心を打つのか思いつかず、左大臣さまに帝のことをあれこれ伺いました。書いているうちに、私は帝の悲しみを肌で感じるようになりました」。
まひろは若い頃から身分の垣根を飛び越えて、まっすぐに自分の意見を述べる人。それを兼家は「虫けら」と言いましたが、一条天皇はまひろのこの姿勢を高く評価しています。
彰子がまひろの局から立ち去る時「また来てよいか」と言っていましたが、一条天皇も「また来る」と言い残して立ち去りました。まひろ(心の声)「私ではなく中宮さまに会いにいらしてください。」全くその通りですね。
34話のタイトルである「目覚め」とは、まひろの「ひらめき」だけではなく、藤原彰子の「気付き」という意味も含まれているのかもしれません。
俊賢とまひろのシーンも感慨深い。
曲水の宴の時に突然雨が降ってきて、道長を囲んで皆が談笑している時の、源俊賢(本田大輔さん)とまひろの会話は感慨深いですね。
俊貴の父は『源氏物語』の光源氏と同様、帝の子で才覚がありながら臣籍に下りて源氏を名乗り、最後は左大臣にまでなったので、俊賢が父を光源氏のモデルと考えるのは自然なことですね。
まひろが「どなたの顔を思い浮かべられても、それはお読みになる方次第でございます。」とサラっと返す場面が清々しいです。
まひろの頭の中にある『源氏物語』の色々なピースが合わさり、読む人が「自分のことだ」と感情移入する様子に直接触れることは、作者として最高の喜びだと思います。
『源氏物語』は光源氏の華麗なる恋愛小説と捉えられることが多いですが、実は中国の史実や漢詩がふんだんに盛り込まれた教養の宝庫であり、読者は女性だけでなく、貴族の男性の心もつかんで読み継がれてきました。「自分ごと」と思えるリアリティーも大きな魅力の一つです。
- さまざまな女性の生き方が書かれている
- 史実の摂関政治を彷彿させるリアリティ
- 中国の史実や漢詩が盛り込まれた教養の宝庫
- 草子地による皮肉たっぷりなツッコミで臨場感アップ。
『源氏物語』の1帖”桐壺”の簡単あらすじはこちらからご覧いただけます。「光る君へ」でのオマージュ拾いも独自に考察していますので、よろしければどうぞ↓
「光る君へ」を見始めて『源氏物語』に興味を持ち、初めて読み始めましたが、長編すぎて目が追いつかず、オーディブルで聴くことに。3か月かかってやっとコンプリートしました。
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道長は御嶽詣(みたけもうで)に出立する。
重責を担っているのに、柄本佑さんの演じる道長はいつも「そうか」と軽い返事で、政治手腕を発揮し難問を解決していきます。がそれでも次々と不吉な事が起こります。
一難去ったかと思ったのも束の間、四女を産んだ倫子の産後の肥立ちが悪かったり、斉信と道綱の館が火事になったり、敦康親王が病に伏せったりします。
道長は一念発起して「御嶽詣(みたけもうで)」を決心します。
以前、宣孝(佐々木蔵之介さん)が黄色のハデな衣で御嶽詣に行っていましたが、道長は白装束でしたね。
敦康親王が道長を慕っているのを良く思わない伊周の悪意が画面からにじみ出ていました。不穏な空気はどうなっていくのでしょう。
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第34話のキャスト
役名 | 俳優名 |
まひろ/籐式部 | 吉高由里子 |
藤原道長 | 柄本佑 |
藤原伊周 | 三浦翔平 |
藤原惟規 | 高杉真宙 |
藤原公任 | 町田啓太 |
藤原行成 | 渡辺大知 |
藤原隆家 | 竜星涼 |
藤原斉信 | 金田哲 |
源俊賢 | 本田大輔 |
藤原顕光 | 宮川一朗太 |
赤染衛門 | 凰稀かなめ |
藤原頼道 | 渡邊圭祐 |
定澄 | 赤星昇一郎 |
敏子 | 柳生みゆ |
源幾子 | 松田るか |
藤原道雅 | 福崎那由他 |
平致頼 | 中村織央 |
藤原公季 | 米村拓彰 |
恒方 | 尾倉ケント |
慶理 | 渡部龍平 |
一条天皇 | 塩野瑛久 |
藤原彰子 | 見上愛 |
藤原道綱 | 上地雄輔 |
藤原実資 | 秋山竜次 |
宮の宣旨 | 小林きな子 |
左衛門の内侍 | 菅野莉央 |
宰相の君 | 瀬戸さおり |
筑前の命婦 | 西村ちなみ |
大江匡衡 | 谷口賢志 |
敦康親王 | 渡邉櫂 |
大納言の君 | 真下玲奈 |
小少将の君 | 福井夏 |
馬中将の君 | 羽惟 |
まひろ(回想) | 落井実結子 |
三郎(回想) | 木村皐誠 |
語り | 伊東敏恵アナ |
作 | 大石静 |
音楽 | 冬野ユミ |
テーマピアノ演奏 | 反田恭平 |
制作統括 | 内田ゆき、松園武大 |
演出 | 松本仁志 |
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まとめ
34話”目覚め”では、バトンレースのように『源氏物語』を読んでいくシーンが最高でした。
道長とまひろのちょっとした表情から、二人の心の繋がりを垣間見るのも楽しいですね。
まひろの弟・惟規の「俺、神の斎垣(いがき)を越えるかも」が意味深で、こちらも目が離せません。
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大河ドラマガイド・前編はこちらから↓
あらすじや人物相関図、そして豪華な出演者インタビューなど盛りだくさんの内容です。
大河ドラマガイド・後編はこちらから↓
あらすじや人物相関図、平安時代の貴族の風俗・暮らしが分かりやすく解説されています。出演者インタビューも充実。
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