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【源氏物語】十八帖「松風(まつかぜ)」簡単あらすじ&登場人物と感想

『源氏物語』 十八帖松風(まつかぜ) 光る君へ
『源氏物語』 十八帖松風(まつかぜ)

この記事では、全54帖ある超長編『源氏物語』の十八帖「松風(まつかぜ)」のあらすじと主な登場人物を簡単にまとめました。

『源氏物語』十八帖「松風(まつかぜ)」は『光る君へ』では何話のどの辺りのこと?についても独自の考察と感想もお届けします。

『光る君へ』『源氏物語』の両方を楽しんでいただくきっかけになれば幸いです。

大河ドラマ「光る君へ」の全話のあらすじ&感想はこちらからどうぞ。

【源氏物語】十八帖「松風(まつかぜ)」あらすじ。

十八帖「松風(まつかぜ)」のあらすじを一言で表すと

明石の君が、姫君、母の尼君ともに上京し、大堰の山荘に移り住む。

では、ざっくりあらすじは?


六条院ジオラマ(宇治源氏物語ミュージアム)
六条院ジオラマ(宇治源氏ミュージアム)

光源氏は二条東院を建てて西の対に花散里を住まわせました。東の対には明石の君を迎えるつもりでしたが、身分の差を感じて決断できない明石の君は大堰川近くの山荘に移り住みます。なかなか会いに来ない光源氏を思いって明石の君は光源氏が残した琴を奏でます。紫の上に気を遣いながらも大堰の山荘にやってきた光源氏は、3年ぶりに明石の君、そして姫君を初めてわが手に抱いて、姫君の愛くるしさに心を打たれ、将来の后候補にとも思います。一日も早く手元に迎えたいと思い、紫の上に相談すると、子ども好きな紫の上は快諾します。

主な登場人物

光源氏:31歳。須磨から都へ戻り内大臣に昇格。

紫の上:23歳。

明石の君:22歳。明石で源氏と結ばれ姫君を出産する。源氏との身分差に苦悩する。

明石の姫君:3歳。源氏と明石の君との間に生まれた女の子

十八帖「松風(まつかぜ)」のポイント

須磨から戻った光源氏が紫の上の機嫌を損ねないようにしながら、明石の君と姫君に会いに行く。というちょっとコントな展開ながら、姫君に見目麗しさを見た源氏が将来后になると考えて、引き取って養育したいと発想する点。心情と政治的判断がピタッと合致しているところが、光源氏が生まれ持ち、また生きていく中で学んだ美意識と政治的センスだと感じました。明石の君が奏でる琴が松風に乗っているというところからこの巻は「松風」と名付けられたのに、味わいを感じます。

紫の上の心情は?

光源氏を支える妻の鑑として描かれている紫の上。明石の君に対して激しい嫉妬心を抱いていましたが、自分には子どもいなくて、子ども好きなこともあり、喜んで明石の姫君を引き取って養育することになります。光源氏の良き相談相手となって、明石の君のことだけでなく、浮気の話も聞いてしまっている(光源氏が話してしまっている)ので、女三宮の降嫁以降、辛い気持ちで耐えられなくなり、最終的には出家へと傾いていきます。

六条院の建設も進んでいます。花散里が迎えられ、夕霧、玉鬘を養育することになります。六条院は光源氏のハーレムという言い方もできると思いますが、関わりのあった女性、後ろ盾を失った女性たちのオアシスという受け止め方もできます。しかし、この六条院の実際のきりもりも紫の上が采配しているわけで、江戸時代の大奥のようなものでしょうか。それを正妻の紫の上が行っているのには、やはりひずみが生まれてきます。

いろは
いろは

『光る君へ』で例えるなら、土御門邸に明子もまひろも住んでいて、倫子の開くサロンに彰子たち娘もやってきて、その養育にまひろが一役買っているというような状況です。

「光る君へ」では何話のどの辺りなのか考察、そして感想も。

『光る君へ』31話”月の下で”で道長が賢子を自分の膝の上に乗せて「母に似て賢そうな顔をしているなぁ」と言ったシーンが、大堰の山荘で光源氏が明石の君をわが手に抱いたシーンとオーバーラップします。

この時の道長(柄本佑さん)は、賢子が自分の子だとは露とも知らず、まひろに物語を書いてもらうために紙を届けに来て、そこにいた賢子を宣孝とまひろの娘だと思って「おいで」といって、膝に乗せたのですが、いきさつを知っているいと、乙丸、そしてまひろ本人も目がキョロキョロ動いていました。

いろは
いろは

そして佳境に入っている『光る君へ』45話で、賢子の父が実は道長である、と明かされる(と予告にはありました)のですが、それを聞いた道長が光源氏のように自分の手元に引き取りたいと思い、行動を起こすのかどうか。気になります。

明石の君が、光源氏が残していった琴を奏でて、なかなか訪れない光源氏を思っている姿は、『光る君へ』でも、まひろが母・ちやはの形見の琵琶を弾くシーンを連想させます。まひろは、母・ちやはを思い、そしてまた道長を思い、幾度となく琵琶を弾いています。

いろは
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「光る君へ」は『源氏物語』を土台にして全方位にストーリーを展開していますね。 

大河ドラマ「光る君へ」の全話ネタバレあらすじはこちらかどうぞ↓

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まとめ

十八帖「松風(まつかぜ)」の簡単あらすじと、「光る君へ」におけるオマージュを探りました。

明石の姫君と『光る君へ』の賢子が重なり、光源氏と柄本佑さんの演じる道長がオーバーラップする「松風」の巻でした。松風に乗って聞こえてくる琴の音と、まひろが『光る君へ』で弾く琵琶の音が今にも聞こえてきそうです。

『源氏物語』は54帖の超大作。スキマ時間を利用して3か月かかってやっと読破しました。前半で目の疲れに悩まされて、耳の読書を色々試してみました。その様子はこちらからお読みいただけます。
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「源氏物語」を読んでみたい方におすすめの本7選!

『源氏物語』原文は文字数約100万文字(といってもイメージ沸きませんよね)、400字詰め原稿用紙で約2400枚と言われています。現代語訳だと注釈の言葉も入ってくるので、とんでもない長編小説です。

まずはオーディブルでざっくり内容を把握して、興味のある部分を深堀りしていくことをおススメします。

いろは
いろは

活字や紙のボリュームを見ると「むり~」と思ってしまいますが、オーディブルだと全体ボリュームに関係なく流れていきますので私には耳での読書が合っていました。

一番売れている現代語訳は角田光代さん版。全8巻です。

現代語訳は瀬戸内寂聴版と与謝野晶子版もおすすめします。

読破するぞと読み始めたものの、絵合の巻あたりでギブアップするのを「絵合がえり」(高床式倉庫のネズミ返しみたいですね)と言うらしいですが、そこまでたどり着けず、二帖”帚木”で「どの巻もこんなに長いの~」と思って諦める人も多いと聞きます。

私は七帖”紅葉賀”で目の疲労に悩まされて、オーディオブック併用にしました。朗読の収録時間は『源氏物語・与謝野晶子版』で70時間。瀬戸内寂聴版で135時間くらいです。途中寝てしまったり、意識を失いながら、約3か月で聴き終わりました。

いきなり100万文字の大海に漕ぎ出さず、とにかくざっくり『源氏物語』を味わいたい方には、田辺聖子さんの『新源氏物語』がおススメです。一帖”桐壺”がなくて二帖”帚木”から始まっていて、ぎゅっと詰まっています。

参考文献としておススメなのは「紫式部の欲望」。作者の酒井順子さんの着眼点が面白くて、今のご時世だと非難されてしまうかもしれない見解も楽しく読めました。

「イギリスは美味しい」など英国エッセイでご存知の方も多い国文学者の林望先生の源氏物語関連本は、分かりやすく古典に寄せた知見を読めます。「くり返し読みたい」シリーズは特に絵が多くて優しい内容です。

真打ちは林望先生の「謹訳源氏物語」。林望先生の「謹訳平家物語」もとてもいいのですが、源氏物語も読みやすくて、リンボー先生独特の品があります。前書きを読むと内容が予想できるので、ネタバレ不要の方はご注意下さい。

※本ページの情報は2024年11月時点のものです。最新の情報は各公式サイトでご確認下さい。

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管理人いろは

中学2年生の国語の授業で平家物語「敦盛の最期」を勉強して以来、歴史ドラマにはまっています。特にNHKの大河ドラマが大好きです。リアルタイムでテレビを見る時間がないので、あとから見逃し配信を見たり、過去の作品をイッキ見して楽しんでいます。ゆかりの地を訪ねるのも楽しみの一つです。ドラマにほへとでは、管理人いろはが実際に見た大河ドラマの情報をまとめています。PCやスマホでイッキ見する方法も紹介しています。大河ドラマよ永遠に♪

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