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【源氏物語】六帖「末摘花(すえつむはな)」簡単あらすじ&登場人物

「源氏物語」六帖末摘花あらすじ 光る君へ
「源氏物語」六帖末摘花あらすじ

この記事では、全54帖ある超長編『源氏物語』の六帖「末摘花(すえつむはな)」のあらすじと主な登場人物を簡単にまとめました。

2024年大河ドラマ『光る君へ』で、主人公まひろ(吉高由里子さん)が『源氏物語』の執筆を始めました。

『光る君へ』では何話のどの辺りのこと?についても独自の考察をお届けします。『光る君へ』『源氏物語』の両方を楽しんでいただくきっかけになれば幸いです。

大河ドラマ「光る君へ」の全話のあらすじ&感想はこちらからどうぞ。

六帖「末摘花(すえつむはな)」あらすじ。光源氏は18歳

六帖「末摘花」のあらすじを一言で表すと

頭中将と競って末摘花と関係するも、その容姿に驚く。

【ざっくりあらすじ】六帖「末摘花(すえつむはな)」

急死した夕顔の面影を忘れられずにいた源氏は、気の置けない女房・大輔の命婦から亡き常陸宮の姫君の噂を聞いて興味を覚える。

大輔の命婦の仲立ちで姫君の琴の音を聴く源氏。その日はそこで帰ろうとする源氏が見つけた男の人影。それは源氏を探りにきた頭中将だった。姫にはその後何度か文を出すものの全く返歌がこず、頭中将も姫君に歌を贈っても返歌がこないという話を聞いて、頭中将と競い合う気持ちも手伝い、源氏はついに姫君との逢瀬を果たす。

関係を持ったものの、彼女の対応の無粋さ冷淡さに源氏は幻滅する。ある雪の朝、姫君の顔を横目でのぞき見た光源氏はその醜さに仰天する。

あまりに古臭く、世情に疎い姫君からの贈り物やセンスのない歌に閉口しつつも、源氏は姫君の困窮ぶりに同情し、素直な心根に見捨てられないものを感じて、彼女の暮らし向きへ援助を行うようになっていった。

二条の自宅に戻った源氏は、絵を描いている若紫のそばで鼻の赤い女人の絵を描き、さらに自分の鼻にも赤い墨を塗って、まだ幼い若紫を心配させたりして仲良く戯れる。

いろは
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末摘花はしっかりとした教育係がいないため男女の粋が分からないままなのです。ただお嬢様が持つ素直さで大輔の命婦に言われて琴をひき、年老いた女房たちの勧めで源氏に衣を贈ったり、必死にひねり出した歌も贈ったりします。その心根が源氏に伝わります。

六帖「末摘花(すえつむはな)」の主な登場人物

光源氏:19歳

頭中将:源氏の親友であり良きライバル。末摘花をめぐって、源氏と競い合う。

大輔の命婦:常陸の宮にも出入りする女房。源氏と乳母兄妹で源氏には気の置けない女房。末摘花の話をして源氏がその気になる。

末摘花:故常陸の宮の娘。とても内気な性格。

紫の君:11歳。光源氏に引き取られている。

六帖「末摘花(すえつむはな)」:容姿・センスがいけてない女性もOK

六帖「末摘花」では、姫君の座高が長い、鼻が長くて赤いと容姿の面ばかり注目されますが、頭の形と髪の毛は素晴らしいとも形容されています。

顔とか声ではなく、琴の音色や歌のやりとりで恋に落ちる平安時代。暗闇の中でだけ逢瀬を重ね、生涯顔を見ない選択肢もあったのに「鶴の恩返し」や「メドゥーサの首」のように真実を見てしまって、次のストーリーが生まれます。

19歳の源氏は頭中将と張り合う気持ちもあって、常陸の宮の姫君の噂を聞いてアプローチします。この時の反応のなさにしびれを切らして(逃げるモノは追いたくなる本能)関係を持って、顔を見て落胆するものの、この姫との関係を我慢できるのは自分くらいだろう(ナルシスト)と思い、貧窮した姫の生活の援助を決意する源氏。その後も見捨てることなく関係は続いていく。と『源氏物語』独特の世界観が繰り広げられてます。

いろは
いろは

「末摘花」の巻の最後の方の、何も知らない若紫とおままごとで自分の鼻を赤くするおふざけはいただけないですが、草子地(そうしぢ)といわれる語り手の独特のツッコミにブラックユーモアを感じます。

「光る君へ」では何話のどの辺りに出てくる?

1.「容姿」では、強いてあげるなら7話と12話

強いてあげるなら、公任と斉信の会話の中でまひろのことを「パッとしない地味な女」と話していたり、実資(ロバート秋山さん)にまひろとの縁談が上がった12話「思いの果て」で、実資の日記に「鼻くそのような女との縁談ありき」と記されていたこと。があげられます。

まひろは末摘花のように身分が高くないので、オマージュとは言えないかもしれませんが、「光る君へ」での、容姿を絡めての表現はまひろに関する部分だけで読み取ることができます。

いろは
いろは

NHKの放送ですし、今の時代「見た目がどうこう」の表現は厳しい…

2.細かい点ですが「テンの毛皮」は24話で

「光る君へ」越前編24話”忘れえぬ人”でまひろが周明に宋からはどんなものを運んできたの?という問いに「テンの毛皮」と言っていました。末摘花の姫君の館は寒くて、着物の上に毛皮を羽織っている姫。野暮ったいテンの毛皮ですが、寒さ対策には必要不可欠です。

3.見捨てず最後まで面倒を見る。12話で

まひろの父・為時(岸谷五朗さん)が、さわの母・なつめのことを「看病してやる者もいないから、私が看取ってやりたい。」とつきっきりで看病していました。

まひろの亡き夫・宣孝も娶った妻のことは皆かわいがっている。と言っていました。一旦契りを結んだ女性の面倒は最後まで見る。というのが、平安時代の貴族の男性の基本思考だったのかもしれないですね。

1話”約束の月”のあらすじは↓のリンクからお読みいただけます。

「光る君へ」で描かれた「末摘花」オマージュ
いろは
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「光る君へ」を見ていると『源氏物語』の要素がふんだんに感じられます。 

大河ドラマ「光る君へ」の全話ネタバレあらすじはこちらかどうぞ↓

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まとめ

六帖「末摘花」の簡単あらすじと、「光る君へ」におけるオマージュを探りました。

末摘花のように容姿がイマイチな女性も登場する『源氏物語』。紫式部は誰が読んでも共感できるようにと読者層を意識したのか、自分自身の心の醜い部分や皮肉たっぷりな面をのぞかせたのか、とにかく源氏にありとあらゆる女性遍歴を重ねさせたかったのかもしれませんね。

紫式部の真の意図は分かりませんが、一貫しているのは源氏は一旦関係を持った女性に関しては最後まで面倒を見る。というところです。光源氏ならではの美学と政治の駆け引きを感じます。

いろは
いろは

無関係なのですが、管理人が大好きな「鎌倉殿の13人」の三浦義村(山本耕史さん)が実朝に処世術を伝授した際の「後腐れのない、おなごとの別れ方について(中略)私はおなごの前では力の限りを尽くします。」という言葉を思い出しました。

もしご興味のある方は【鎌倉殿の13人】三浦義村の名言と行動を最終話まで追跡。をご覧ください。モテる男の生き方を垣間見れます。

『源氏物語』は54帖の超大作。スキマ時間を利用して3か月かかってやっと読破しました。前半で目の疲れに悩まされて、耳の読書を色々試してみました。その様子はこちらからお読みいただけます。
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「源氏物語」を読んでみたい方におすすめの本7選!

『源氏物語』原文は文字数約100万文字(といってもイメージ沸きませんよね)、400字詰め原稿用紙で約2400枚と言われています。現代語訳だと注釈の言葉も入ってくるので、とんでもない長編小説です。

一番売れている現代語訳は角田光代さん版。2024年8月時点で7巻まで刊行されています。

角田光代さんの現代語訳はまだ全部刊行されていないので、今すぐ読みたい方は瀬戸内寂聴版か与謝野晶子版をおすすめします。

読破するぞと読み始めたものの、須磨の巻あたりでギブアップするのを「須磨がえり」(高床式倉庫のネズミ返しみたいですね)と言うらしいですが、そこまでたどり着けず、二帖”帚木”で「どの巻もこんなに長いの~」と思って諦める人も多いと聞きます。

私は七帖”紅葉賀”辺りで目が疲れてオーディオブック併用にしました。朗読の収録時間は『源氏物語・与謝野晶子版』で70時間。瀬戸内寂聴版で135時間くらいです。途中寝てしまったり、意識を失いながら、約3か月で聴き終わりました。

いきなり100万文字の大海に漕ぎ出さず、とにかくざっくり『源氏物語』を味わいたい方には、田辺聖子さんの『新源氏物語』がおススメです。一帖”桐壺”がなくて二帖”帚木”から始まっていて、ぎゅっと詰まっています。

参考文献としておススメなのは「紫式部の欲望」。作者の酒井順子さんの着眼点が面白くて、今のご時世だと非難されてしまうかもしれない見解も楽しく読めました。

「イギリスは美味しい」など英国エッセイでご存知の方も多い国文学者の林望先生の源氏物語関連本は、分かりやすく古典に寄せた知見を読めます。「くり返し読みたい」シリーズは特に絵が多くて優しい内容です。

真打ちは林望先生の「謹訳源氏物語」。林望先生の「謹訳平家物語」もとてもいいのですが、源氏物語も読みやすくて、リンボー先生独特の品があります。前書きを読むと内容が予想できるので、ネタバレ不要の方はご注意下さい。

※本ページの情報は2024年8月時点のものです。最新の情報は各公式サイトでご確認下さい。

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管理人いろは

中学2年生の国語の授業で平家物語「敦盛の最期」を勉強して以来、歴史ドラマにはまっています。特にNHKの大河ドラマが大好きです。リアルタイムでテレビを見る時間がないので、あとから見逃し配信を見たり、過去の作品をイッキ見して楽しんでいます。ゆかりの地を訪ねるのも楽しみの一つです。ドラマにほへとでは、管理人いろはが実際に見た大河ドラマの情報をまとめています。PCやスマホでイッキ見する方法も紹介しています。大河ドラマよ永遠に♪

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