「鎌倉殿の13人」は12月18日に幕を閉じました。
今回は、義時の盟友であり続けた三浦義村の全話を通しての名言と行動を追跡しました。
最後に最初に戻った小四郎と平六の二人を味わい尽くしましょう。
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口説いて、口説いて、どこまでも口説くが、独自ルールがある。
「鎌倉殿の13人」の三浦義村は、まるでそれが礼儀であるかのように女性を口説きます。
挨拶するように口説く義村ですが、11話で「友の女には手を出さない」と明言しています。
そういえば、きっと義村のタイプだと思われる比奈にはちょっかいを出していません。
八重さんが亡くなって悲しみに暮れる義時には、「女を失ってできた穴は女でしか埋められない。」と持論で気遣いの言葉をかけます。
実朝への「処世の術」講座
鎌倉殿のなりたての実朝への講座。それぞれの得意分野を講義します。
後腐れのない、おなごとの別れ方について。
「鎌倉殿の13人」34話より
相手に自分と出会ったことを決して後悔させてはなりません。
楽しかった思い出しか残さない。これが一番。
だから私はおなごの前では力の限りを尽くします。
義村の後ろに「天命」と書かれているのもシュールで、実朝の困った表情も印象的でした。
義村は頼朝の背中を見て大いに学び、それを実朝に伝授したのかもしれません。
義時には本音を漏らすことも
伊豆にいた頃から、義村は盟友の義時には時々本音を漏らします。
まだ鎌倉幕府設立前、頼朝の命に翻弄される義時に対して義村はうらやましさも感じています。
楽しいだろう生きていて、何が起こるかわからない人生、うらやましい。
おれは家督を継いで三浦の一族を率いていくのが当たりまえで、
女をからかって生きていくのが関の山。
「鎌倉殿の13人」13話より
24話では「裏切ったり裏切られたり、いい加減飽きた。隠居しようと思う。」と義時に漏らしています。
義時はいつも自分の一歩先を歩いている義村を頼りにしているので、もう少し付き合ってくれと冗談めかして言っていました。
伊豆の頃は、義時はことあるごとに義村に「どうしたらいいのか」を相談していましたが、
頼朝の死後、覚悟を決めて覚醒していく義時は、義村と肩を並べるようになってきます。
36話:二人の心理的ポジションが入れ替わった
時政追放の外堀を埋めるために、義時に命じられて稲毛重成を斬首した義村に対して、
義時が「ご苦労だった。下がっていい」と言った場面。義村、にやりと笑っていました。
31話で「三浦が力を持つのがそんなに嫌か?」と聞く義村に、義時はそういうことではないと否定していましたが、とどのつまりそういうことで、三浦は力は持たず影で北条を支えてほしいのです。
コメディータッチでしたが、善哉の乳母の地位を盤石にするために、頼朝の文を何通も捏造する義村もいましたね。
義村の娘・初
義村の娘・初(福地桃子)は義村の血を受け継ぎ、八重に育てられました。初の性格を見ると義村と八重の長所を併せ持っている感じがします。
義時の息子・泰時にとってこれ以上の伴侶はなく、北条と三浦の盟友関係は引き継がれていきます。
大姫と頼家にも本音トーク
義高を忘れられず、雨に打たれる大姫に
「己の幸せのために生きる。当たり前のことです。」
「鎌倉殿の13人」24話より
となぐさめる義村。
修善寺に幽閉された頼家にも
「この先何十年、猿楽くらいしか楽しみがないのなら、華々しく散るのも悪くないかもしれません。おやりなさい。」
「鎌倉殿の13人」33話より
と言ってしまえる三浦義村。
ですが、鎌倉に戻って頼家の状況を報告する時には「言ってるだけで兵が集まらない」と現実的な分析をします。
義村という人は、大姫と頼家、命運が尽きた人には本音を語れるのかもしれません。
「じいさん三段活用」は、山本耕史さんのアドリブだった!
鎌倉殿の13人の合議制メンバーを選定する時の「じいさん三段活用」
時政「佐々木のじいさんは?」
義村「もう死にました。」
時政「千葉のじいさんは?」
義村「もうすぐ死にます。じいさんはやめておきましょう。」
「鎌倉殿の13人」27話より
山本耕史さんは「台本の通り演じている。」と言っていましたが、
台本に込められた三谷幸喜さんの思いの通り。と解釈をするのがいいのかもしれません。
じいさん三段活用の手前で、和田義盛や畠山重忠もメンバーにというアイディアを出しています。
父・義澄の前に出ないようにしながら、大江広元的な参謀の役割を見事に果たしています。
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三浦義村がブチ切れたのは二度、そして最終話!
常に冷静な義村が、全話を通して二度だけ逆上したシーンがありました。
28話「名刀の主」
梶原景時の弾劾状への御家人の署名集めの段で、りくは時政に一番最後の場所に署名させました。
そして、署名が全部集まった時点で「時政」の名前を切り取りました。
義村はこれを見て、一瞬カッとなって弾劾状を奪おうとします。が、すぐに冷静になり、
りくに対して
義村「あんた、やるな。」
「鎌倉殿の13人」28話より
そして、38回「時を継ぐ者」で、義時に命じられたトウがりくを暗殺しに来ます。
居合わせた三浦義村がトウを撃退して、りくへ一言。
「あんたは会わなきゃいけない。俺に借りがある」
「鎌倉殿の13人」38話より
最終話でりくと義村のツーショットが見られるでは、と今から期待しています。
(→最終話にこのシーンはありませんでした。京でりくに会ったのはトキューサと泰時でした。)
39話「穏やかな日々」
新しく執権になった義時から二年毎に守護を交代していく案を聞かされ(これは相模守の三浦にとっては非常に不利な話)、賛同してくれと持ち掛けられました。
義村は「いいだろう」と言って、義時がその場を去ります。
義時の足音も消えたその瞬間、義村は懐の扇子を思いっきり床にたたきつけます。
坂東武者にとって所領と一族は一番大事なものです。あの畠山重忠も武蔵を奪われそうになって戦うことを決意しました。
ここまで、「常に冷静に先を読んで、損得で判断している」と思っていた三浦義村が一瞬カッとなりました。ですが、さすがの精神力。義時が去ってしまうまで平静を装いました。
ここまで生き延びてきた義村が一世一代の大勝負に打って出るかもしれませんね。
最終話で、一度死んだ義村
最終話で義時の死因となる「アサ」の毒。薬湯だと言って毎日義時に飲ませていたのは、妻ののえでした。そして、のえに頼まれて毒を調達したのは、義時の盟友、三浦義村でした。
のえからその事を聞かされた義時は三浦義村と差し向かいで、(毒の入った)酒を義村に進めます。
最初は拒んでいた義村ですが、覚悟を決めてその酒を飲み干します。
そして、今まで明かすことのなかった本音を吐露していきます。
おれは全てにおいてお前に優っている。子どもの頃からだ。
頭は切れる、見栄えはいい、剣の腕前も俺の方が上だ。
(中略)世の中不公平だよな!
いつかお前を超えてやる、超えて(呂律が回らなくなる…)
「鎌倉殿の13人」最終話より
ここで、義時がネタ晴らしをします。酒に毒は入っていないと。コメディー?
義村「俺の負けだ。」
義時「平六、この先も太郎を助けてやってくれ。」
義村「まだ俺を信じるのか?」
義時「今、お前は一度死んだ。」
「鎌倉殿の13人」最終話より
ここで、盟友に戻った二人。これから先も北条は三浦が支えると微笑む義村。安堵する義時。
そして、キノコ発言。義時が一気に小四郎の表情に戻りました。
最終話の小四郎との1対1のシーンについて、山本耕史さんが語ったヤフー記事があります。
ぜひご覧ください。https://news.yahoo.co.jp/articles/e43da2fa08613c77e367ec7b34f697a80341d07d
一押し!カッコいい場面
管理人おススメの三浦義村のカッコいい場面は、
9話の、頼朝の命を受けて和田義盛と畠山重忠が伊東祐親を討ち取りにきたのを阻止して
「あんなじいさんでも、俺の身内なんでね」という場面。
このシーンの直前に八重さんが善児に殺されそうになるのも義村が助けます。
義時と共に損得なく動いているので、余計にカッコよく感じます。
「草燃える」との比較
同じ時代を描いた1979年大河ドラマ「草燃える」では、藤岡弘さんが三浦義村を演じていました。
実朝の暗殺に関しては、義村が公暁をそそのかし、あわよくば義時もろともと画策しますが、
形勢不利と知るや、実朝を暗殺した公暁を裏切り、三浦館の門前で見捨てます。
「草燃える」での義村は、義時との友情より三浦家を守るため。という色合いが濃く出ています。
オリジナルキャラとして伊東祐之(滝田栄)がいて、義村の役割も担っているからかもしれません。
まとめ
今回は、山本耕史さん演じる三浦義村の名セリフから、無敵のポジショニングを学びました。
義時(小栗旬)と政子(小池栄子)とともに、1話から出づっぱりの三浦義村。
外見も次第に変わっていく義時に対して、変わらない義村。二人の対比も興味深いですね。
自転車やマラソンレースで、2番手につけて体力を温存し、最後に先頭に躍り出る勇者がいますが、
43話での公暁を焚きつける長セリフに、黒幕義村の覚醒を感じました。
実朝の暗殺を機に義村が暗躍していくのか、義時との関係はどうなるのか。と最終話まで予想できない展開でした。
本音を明かさない平六が、まもなく死ぬであろう小四郎に本音を明かせ、それを聞いて安堵した小四郎が平六に心の底から泰時を託すことができて、最後の最後に通じ合ったというか最初に戻った2人を見ることができました。
こういう結末を用意してくれた三谷幸喜さんに感謝しかありません。
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本ページの情報は2024年6月時点のものです。最新の情報はU-NEXTサイトでご確認ください。
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