『光る君へ』44話”望月の夜”では、道長の三人の娘、彰子が太皇太后、妍子が皇太后、威子が中宮となり、道長が栄華を極めます。そして道長が有名な「望月の歌」を詠みます。そこにはまひろがいました。
を知りたい方にネタバレあらすじとみどころと「光る君へ」44話の視聴方法をお届けします。
大河ドラマ「光る君へ」の再放送は、地上波では放送翌週の土曜午後1:05から放送されます。
放送後7日以内はNHKプラス、7日過ぎた場合や見逃しイッキ見したい場合には、1話から最新話まで全話配信されているNHKオンデマンドで。
U-NEXT経由のNHKオンデマンドなら31日間無料お試し期間中に視聴できます。
望月の歌の場面で、10話”月夜の陰謀”での満月のカットが差し込まれていました。幸せで悲しいまひろと道長のあの時が思い出されて、心がズキズキしました涙
第44話あらすじ(ネタバレ注意)
道長(柄本佑さん)は公卿らにも働きかけ、三条天皇(木村達成さん)に譲位を迫るも、代わりに三条の娘を、道長の息子・頼通(渡邊圭祐さん)の妻にするよう提案される。しかし頼通はすでに妻がいるため、その提案を拒否。道長は悩んだ末、皇太后の彰子(見上愛さん)に相談したところ…。一方、まひろ(吉高由里子さん)は父・為時(岸谷五朗さん)から予期せぬ相談を受ける。さらに源氏物語の執筆を続けていると、ある決意を固めた道長が訪ねてきて…。
44話”望月の夜”放送の前日11月16日が満月。44話の放送後に雲のない夜空に満月(っぽい)が出ていたので思わずスマホで撮影しました。
↓11月17日(日)夜9時に関東地方で撮影の「ほぼ望月」です。画像の右側は思いっきり拡大したもののスマホの限界でした汗。肉眼で見るほぼ望月は本当に美しく、しんとした冷気と満月に道長とまひろを思いました。
「光る君へ」ネタバレあらすじまとめはこちらから↓
『光る君へ』はNHKオンデマンドで1話から最新話まで全話配信されています。
U-NEXT経由のNHKオンデマンドなら31日間無料お試し期間中に視聴できます。
紫式部の生涯。まひろは47歳。
紫式部の生涯を年表にまとめてみました。第44話にあたるのは、赤字の部分です。
年 | 年齢 | 出来事 | 天皇と周辺 |
---|---|---|---|
966年 | 三郎/道長が生まれる | 円融天皇 | |
970年頃? | 1歳 | まひろ/紫式部が生まれる | |
978年 | 8歳 | 三郎/道長と出会う 母・ちやはが亡くなる | |
984年 | 15歳 | まひろが成人する。 父・為時、式部省の役人に。 | 花山天皇即位 |
985年 | 16歳 | 4月7日道隆主催・漢詩の会 | 忯子死去。 |
986年 | 17歳 | 為時、解職。 | 藤原義懐が権中納言に。 一条天皇即位 |
990年 | 21歳 | 藤原定子が一条天皇に入台。 兼家を継ぎ、道隆が関白に | |
993年 | 24歳 | 清少納言が定子に仕える | |
994年 | 25歳 | 都で天然痘が大流行する | |
995年 | 26歳 | 道隆が死去、道兼が死去。 6月 道長が右大臣に 長徳の変 | |
996年 | 27歳 | 父・為時の赴任地・越前に同行。 | 道長、左大臣に。 |
998年 | 29歳 | 帰京。藤原宣孝と結婚。 | |
999年 | 30歳 | 長女・賢子(大弐三位)出産。 | 彰子が一条天皇に入内。 一条天皇と定子に敦康親王誕生 |
1000年 | 31歳 | 定子が皇后、彰子が中宮に。 定子死去。 | |
1001年 | 32歳 | 藤原宣孝と死別。 | |
1004年 | 35歳 | 『源氏物語』執筆開始。 | |
1005年 | 36歳 | 道長の求めで宮仕え開始。 道長の娘・彰子に仕える。 | |
1006年 | 37歳 | 宮仕えを放棄→再び戻る。 | |
1007年 | 38歳 | 『源氏物語』が人気になる。 | |
1008年 | 39歳 | 一条天皇と彰子の間に敦成親王 (後の後一条天皇)誕生 | |
1009年 | 40歳 | 一条天皇と彰子の間に敦良親王誕生 | |
1010年 | 41歳 | 『紫式部日記』執筆開始。 | |
1011年 | 42歳 | 弟・惟規死去。 | 一条天皇が退位。三条天皇即位。 一条天皇死去。 |
1012年 | 43歳 | 彰子が皇太后となる | |
1013年 | 43歳 | 宮仕えを辞める | |
1017年 | 47歳 | 頼通、後一条天皇の摂政となる | |
1014~31年 | 44~61歳 | 紫式部死去(諸説あり) | |
1028年 | 道長死去(62歳) |
道長はまひろの4歳年上なので、平安時代だと二人とももう壮年の域ですね。
道長の絶頂とその影
頼通の決意
道長は三条天皇からの希望で、息子・頼通(渡邊圭祐さん)に、三条天皇(木村達成さん)の娘を妻に迎えるように命じます。ですが、愛する妻・隆姫との絆を守るため「左大臣の息子であることも、都も捨てて二人で生きていきます」と断固拒否します。
43話で大宰府へ旅立った双寿丸と賢子の淡い恋心もですが、若い世代は道長とまひろが若い頃超えることができなかった壁を軽々と飛び越えます。
道長の娘、彰子と妍子(きよこ)、そして威子(たけこ)
道長と倫子の娘が3人も「后」になりました。
『光る君へ』では父・兼家の娘であり、道長と仲の良い姉・詮子(吉田羊さん)が円融天皇に入内していましたが(※史実では、兼家の長女超子も63代・冷泉天皇に入内しています)が、それでも2人。
彰子が一条天皇の中宮→一条天皇との間に敦康親王(後一条天皇)と敦良親王(後朱雀天皇)を産み→国母→太皇太后、妍子が三条天皇の中宮→皇太后、そして威子が後一条天皇の中宮となりました。快挙というかウルトラCというか、すごい政略結婚です。後一条天皇は彰子の息子で、その息子に彰子の妹が嫁ぐのは伯母が甥に嫁ぐということで…。
40話では入内するのに親王との年齢差の話題が出ていたので、表にまとめてみました。三条天皇に長年連れ添った娍子と、40話には登場していませんが定子も一緒に表にしました。 緑色の名前が道長と倫子の娘です。
年齢差表
天皇 | 年齢差 | 后妃 |
---|---|---|
一条天皇 (980年生まれ) | 3歳 | 定子 (977年生まれ) |
一条天皇 | 8歳 | 彰子 (988年生まれ) |
三条天皇 (976年生まれ) | 4歳 | 娍子 (972年生まれ) |
三条天皇 | 18歳 | 妍子 (994年生まれ) |
後一条天皇 (1008年生まれ) | ▲8歳 | 威子 (1000年生まれ) |
後朱雀天皇 (1009年生まれ) | 2歳 | 嬉子 (1007年生まれ) |
娘たちの苦悩
彰子(見上愛さん)は妹・妍子(倉沢杏菜さん)の苦悩に心を痛めます。妍子は年の離れた三条天皇に入内させられましたが、生まれたのが皇子ではなかったことから、父・道長の期待に応えられなかったとして、父の犠牲になったと贅沢と酒におぼれて「あきらめつつ、生きております」。
我が娘にこんな言葉を言われて辛くない父親はいません。道長は全くそんなつもりではなかったんだろうと思います。
まひろにも「左大臣さまのように、倫子さま、明子さま等しく慈しむ方はおらぬと思います」と言われて道長は、生まれたのが姫であったり、犠牲という意味も分からないのかも知れません。
公任からの進言
摂政と左大臣を兼務している道長に、「皆の意見を聞きたいというのは道長にとっては筋の通った考え方かもしれないが、はたから見たら欲張り過ぎだ」と公任がはっきりと苦言を呈します。
こんな風に言ってくれる人が周りにいるのは幸せで、それは道長の人柄がなせる技なのですが、道長自身は「今度が俺がやめろと言われる番なのか」と考えさせられます。
三条天皇の譲位と最期
三条天皇(木村達成さん)は、息子・敦明親王の東宮昇格を条件に譲位を決断し、彰子の息子・後一条天皇が即位します。ほどなくして病に倒れた三条天皇は、娍子と敦明親王に見守られながら崩御。最後に「闇でない時はあったかの…」とつぶやく場面は、長い東宮時代を経て帝になったものの、思いが果たせなかった三条天皇の短い生涯を象徴する悲痛な瞬間でした。
三条天皇は娍子とは仲の良い夫婦でいられましたが、その陰には道長の娘・妍子(倉沢杏菜さん)の犠牲があったりと、みんなが丸く収まることはない仕組みになっています涙
『光る君へ』はNHKオンデマンドで1話から最新話まで全話配信されています。これまでの印象的なシーンも見直せます。U-NEXT経由のNHKオンデマンドなら31日間無料お試し期間中に視聴できます。
道長の「望月の歌」は自慢?それとも…
威子の立后の儀のあとに行われた穏座の華やかな宴席で月を見上げた道長は、歴史に名高い「望月の歌」を詠みます。
この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば
この歌を詠む道長の姿は堂々たるもので、実資は返歌をするなんてとんでもないと、公卿たちと共に何度も唱和します。
道長からの盃が皆に回される場面と、唱和のシーンで皆の表情がカメラワークで舐められて、まるで映画『ゴッドファーザー』を彷彿とさせる道長の絶対権力と重厚感を感じました。が斉信はマイペースな感じでホッとしました。
道長とまひろの切ない回想&愛の歌なのかも
この「望月の」歌シーンで、10話”月夜の陰謀”の場面が挿入されます。
道長とまひろが初めて結ばれた夜、東屋から見上げた満月の情景がよみがえる中、頼通や賢子たち若い世代は軽々飛び越えた壁を越えなかった2人の「人は幸せでも泣くし、悲しくても泣く」言葉が回収されます。
10話”月夜の陰謀”の満月が差し込まれたことによって、道長の「この世をば」が「この夜をば」になって、栄華を極めた自慢ではなく、愛するまひろに捧げる歌に変化した気がしました。
さらに、36話”待ち望まれた日”で彰子が敦成親王を産んだ時に、まひろが一人盃を傾けながら詠んだ歌
めずらしき 光さしそふ さかづきは もちながらこそ 千代をめぐらめ
中宮様という月の光に皇子様という新し光が加わった盃は、今宵の望月そのままに千代もめぐり続けるでありましょう。
「光る君へ」36話より
道長がそこにやってきて、歌の心を聞いた後「覚えておこう」と言って2人でじっと月を見つめていたシーンがありました。
道長としては、あの時と同じようにまひろが隣にいて2人で月を眺めているような心情だったのかも知れません。そしてその気持ちや同じ情景がまひろの心にもあって、二人だけが分かる世界が存在したんだと思います。
40話のこの状況で、同じく36話の時のようにまひろを呼んで歌合せはさすがにできないので(36話では無意識だったのか、周りにバレて欲しいと思ったのか…真相は藪の中ですが)
道長がまひろの局にやってきて、頼通に摂政を譲るという話をした際、まひろは「あなたの民を思いやる思いは伝わっているのですか?」道長「どうだろう」と言うやりとりがあり、それでも、
まひろ:一人で成せずとも、時を経れば成せるやもしれません。私はそれを念じております。
道長:ならば、おまえだけは念じていてくれ。
「光る君へ」44話より
道長にとってのまひろは、最後の砦であり、自分を無条件で信じてくれる、三郎の時のままでいられる存在なのです。道長とまひろのふたりだけが分かる宇宙の交信。が交わされた「望月」の歌でした。
まひろの胸の奥に秘めた表情もよかったですね。見ていてジーンときました。倫子のように華々しく堂々とした喜びではなく、ほろ苦さと甘さ、そして「政」「源氏物語」という芯も通った思いが滲み出している微笑みと涙目だったと感じました。吉高さんも柄本さんも素晴らしいです。
1話”月夜の約束”からの10話”月夜の陰謀”ときて、36話”待ち望まれた日”からの44話”望月の夜”です。全てが美しく2人の間で回収されてきています。あとは、賢子に関することが美しく着地するよう、期待してやみません。
U-NEXTなら31日間無料お試し期間中に『光る君へ』1話から最新話まで視聴できます。
まとめ
44話”望月の夜”では、有名な道長の「望月」の歌が詠まれました。道長とまひろの心が通っている姿がじんわり浮かび上がってきて素晴らしい場面でした。そして、彰子の太皇太后姿がりっぱなのと、母・倫子の存在感も響いた回でした。
残すところあと4話となった『光る君へ』。クライマックスに向けて目が離せません。
「光る君へ」1話から最新話までのネタバレあらすじはこちらから↓
『光る君へ』もいよいよクライマックス。1話からのイッキ見には、U-NEXTでNHKオンデマンドを。U-NEXT経由のNHKオンデマンドなら31日間無料お試し期間中に視聴できます。
反田さんのピアノはもちろんエレキギターやハープの音色でどっぷり「光る君へ」の世界へ。胸が打ち震えるサウンドトラックはこちらからどうぞ。
大河ドラマガイド・前編はこちらから↓
あらすじや人物相関図、そして豪華な出演者インタビューなど盛りだくさんの内容です。
大河ドラマガイド・後編はこちらから↓
あらすじや人物相関図、平安時代の貴族の風俗・暮らしが分かりやすく解説されています。出演者インタビューも充実。
『光る君へ』大河ドラマガイド。出演者のインタビューのほかに、歴史の新常識も書かれていて、ちょっと違った角度から楽しめます↓
本ページの情報は2024年11月時点のものです。最新の情報はU-NEXTサイトでご確認ください。
コメント