2023年大河ドラマ「どうする家康」第20話では、勝頼率いる武田に岡崎を攻め込まれそうになる中、忠臣の大岡弥四郎が不穏な動きを始めます。戦いで負傷した兵を献身的に手当てする瀬名。20話では戦うことに疲れた男の叫びと、おなごの瀬名の働きが冴えわたります。
・20話を見逃した
・20話「岡崎クーデター」のみどころを知りたい
そんな方に向けて、ネタバレあらすじと感想をお届けします。
大河ドラマ「どうする家康」の再放送は、地上波では放送翌週の土曜午後1:05から放送されます。
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偉大なる父・信玄が亡くなっても「至高の逸材」である息子・勝頼の勢いは止まりません。信長(岡田准一さん)も「恐るべき才覚」と勝頼のことを警戒しています。信玄の遺言通り「三年の喪」が明けたその時、勝頼は本気で岡崎を取りにかかってきます。長身で圧倒的な存在感だった信玄と比較すると、勝頼は骨太で思慮深い策士に見えます。演じる眞栄田郷敦さんの瞳の力に迫力を感じます。
20話では家康は熱で臥せっていて、浜松は大森南朋さんが、岡崎は瀬名と石川数正ががっちり守ります。
特に瀬名がキレキレだったのが印象的でした。冴えわたって頭角を現すと予期せぬ禍いも呼んでしまいそうです。「おんな城主直虎」の瀬名を思い出したりして、最後のシーンはハラハラしながら見てしまいました。
家康が最終的に天下人になったのは、「こうなったらおしまいだぞ」「足をすくわれるぞ」という悪いデータをいっぱい蓄積しているので、臆病で慎重になり、そんな家康の脇を固める凄まじい迫力の三河武士と三河おなごたちが自分の命を顧みず、家康を生かそうとしたからこそだと改めて思った回でした。
第20話あらすじ(ネタバレ注意)
信玄亡き後も武田軍の強さは変わらず、武田勝頼(眞栄田郷敦さん)は徳川領に攻めこんだ。
総大将の松平信康(細田佳央太さん)は石川数正(松重豊さん)らと応戦するが、苦戦を強いられ、瀬名(有村架純さん)や亀(當真あみさん)も、負傷兵の手当てに走り回る。
病で浜松から動けない家康(松本潤さん)は、本多忠勝(山田裕貴さん)や新たに家来となった井伊虎松(板垣李光人さん)を援軍として送る。
そんな慌ただしい状況の裏で、岡崎城ではある陰謀が仕組まれていた。
20話では、瀬名の凛とした姿が特に際立ちました。老けメイクをしていない有村さんですが、別格の存在感がさすがだと思いました。瀬名の働きによって、城内の不穏な動きも察知できたり、千代にも接触したりと、19話でお万の方が瀬名に言った「政はおなご」が行った方がうまくいくのでは。と思いました。
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徳川家康の生涯。
徳川家康の生涯を年表にまとめてみました。第20話にあたるのは、赤字の部分です。
年 | 出来事 |
---|---|
1542年 | 三河国・岡崎城で生まれる |
1547年 | 尾張国・織田信秀(信長の父)の人質となる |
1549年 | 父・弘常が暗殺される。 駿河国・今川義元の人質となる。 |
1560年 | 「桶狭間の戦い」で義元討ち死。岡崎城に戻る。 |
1562年 | 織田信長と清須同盟 |
1563年 | 今川義元の偏諱である「元」の字を返上し「家康」と名乗る |
1563~64年 | 三河一向一揆(1563~1564) |
1572年 | 「三方ヶ原の戦い」で武田信玄に敗北。 直後に武田信玄死去。 |
武田軍に攻められ、領土を失っていく徳川軍。勝頼が岡崎を狙う | |
1575年 | 「長篠・設楽ヶ原の戦い」 |
1579年 | 「築山殿事件」 |
1582年 | 「本能寺の変」で信長死去。 |
1584年 | 「小牧・長久手の戦い」で羽柴秀吉(のちの豊臣秀吉)と戦う。 |
1600年 | 秀吉死後の「関ケ原の戦い」で勝利。 |
1603年 | 征夷大将軍に任命。江戸幕府を開く。 |
1605年 | 息子・秀忠に跡を継がせる。 |
1615年 | 「大阪夏の陣」で豊臣家を滅ぼす。 |
1616年 | 75歳で死去。 |
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信玄なくとも武田は武田!
三年の喪に服している間も、徳川を攻め。どんどんと領地を拡大していく武田勢。
高天神城が落とされ、ついに武田は家康のいる浜松城に迫る勢いです。
大久保忠世の一言「信玄なくとも、武田は武田か!」がまさに武田の強さを物語っています。
勝頼:父上の三回忌を終えた。ここからはわしの思う存分やらせてもらう。岡崎を取る。狙うは松平信康。そしてその母、築山殿じゃ。
「どうする家康」20話より
過去のドラマでの勝頼は、信玄の甲冑の斜め前に座ることが多い印象があり、父の威光には及ぼないというイメージがしましたが、「どうする家康」20話の勝頼(眞栄田郷敦さん)は、父の甲冑の真正面に立ちました。あごひげを生やし、貫禄のある勝頼が画面いっぱいで信玄の甲冑の象徴である白いムクの毛は見えません。肝が座った眞栄田郷敦さんの姿は非常に迫力があります。
大河ドラマ「真田丸」での勝頼は、枯れたシブい姿でした。平岳大さんが演じられて、冒頭の2話のみの登場でしたが、物悲しくて強烈な印象を受けました。
大河ドラマ「真田丸」はこちらから↓
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大岡弥四郎「命にかえて岡崎を守る」が本心
20話後半30分過ぎからの「岡崎クーデター」の筆頭・大岡弥四郎(毎熊克哉さん)の一言一言がずっしりときます。よくよく考えると弥四郎の言葉は一貫して全く嘘がないです。
まず、20話前半で信康が総大将になって武田軍を迎え撃つことになり、弥四郎は留守を任されます。
七之助:城に残れ。留守を任せる
弥四郎:大岡弥四郎命に代えて岡崎を守りまする。ご一同のご武運お祈りいたしまする。
「どうする家康」20話より
先陣を任されたのは、山田八蔵(米本学仁さん)。大きな身体にやさしい心はまるでハリポタのハグリットのようです。瀬名に傷の手当をしてもらい、その恩義で胸が押しつぶされそうになります。
米本学仁さんは「鎌倉殿の13人」で工藤茂光役で出演していました。第5話”兄との約束”で義時の兄、宗時(片岡愛之助さん)と共に、善児に殺されてしまいます。
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」退場者一覧はこちらから↓
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閃光のような印象を残した大岡弥四郎は、才覚のある家臣だったようです。政や算術に長けていて、矢作川が氾濫した時には真っ先に瀬踏みを敢行して一気に石高が上がったそうです。
才あるものは、そこに留まっていないもので、徳川と武田を冷静に比較したのかもしれません。「沈む船」の徳川で、戦い続けることに疲弊したこその謀反かもしれません。誰も好んで主君を裏切りたいとは思っていないと思います。
弥四郎:織田信長にしっぽを振って、我らに戦って、死んで来いとず~っと言い続けておる!
(恩や忠義は)まやかしの言葉じゃ、くだらん!戦いは永遠に終わらん。無間地獄じゃ!
「どうする家康」20話より
史実によりますと、謀反は未然に発覚し弥四郎は捕らえられて岡崎と浜松城下において引き回しの上、一番残酷と言われる「鋸挽きの刑」に処されたそうです。弥四郎の妻子は磔(はりつけ)にされたそうです。
「鋸挽きの刑」とは、顔だけ地上に出した状態で、生き埋めにされて、罪人によって被害を被った人や道行く人によって、のこぎりが引かれて最後は死に至る。という刑だそうで、弥四郎は埋められて七日後に死亡したそうです。見せしめというにはあまりにも残酷な刑罰ですね。
刑罰を命じた家康に、息子の信康は不信感を募らせたという説もあります。
井伊虎松(板垣李光人さん)本格始動
虎松は家康を憎んでいて、最初は暗殺しようとしていたのですが、20話で本格的に家康の小姓として仕えることになりました。
- 16話家康を暗殺しようとする
踊りを披露すると見せかけて、家康に襲い掛かる。
⇒家康に放免にされる。 - 17話虎松が目撃したのは、家康の討ち死に?
三方ヶ原の戦いも、つぶさに見ていた虎松でした。
- 19話団子売りの老婆(柴田理恵さん)達が家康を笑うの聞いていた。
民が三方ヶ原での家康のぶざまな姿で笑い合っているの見ている。
- そして家康の小姓になる。
あれほど敵視していた家康に仕えようと思った理由がいいなと思いました。
虎松:殿の話をする時は皆、愉快そうに大笑いします。民を恐れさせる殿様より、民を笑顔にさせる殿様の方がずっといい。きっと、みんな幸せに違いない。殿に、この国を守っていただきたい。心の底では皆、そう願っていると存じます。
「どうする家康」20話より
家康の戦いぶりや家臣団の様子などを距離を置いて観察し続け、いつの間にか家康の人柄に魅かれていったパターンです。杉野遥亮さん演じる小平太と同じですね。
「我が家と郷里を立て直すためでございます」と言っていた井伊虎松は、大河ドラマ「おんな城主直虎」では、「万千代」という役名で菅田将暉さんが演じていまして、物おじせず進言していく姿は、板垣李光人さんと菅田将暉さんに共通する姿です。
「おんな城主直虎」39話から万千代=井伊虎松(菅田将暉さん)が家康(阿部サダヲさん)に仕え始めます。小姓というお役目も色々あるんだなぁと思ったりします。
大河ドラマ「おんな城主・直虎」はこちらから↓
「どうする家康」家臣団のZ世代、井伊虎松の今後の活躍に目が離せません。
瀬名は千代を覚えていた
7話「わしの家」で一向宗の寺・本證寺を偵察に行った時に見かけた千代の踊り。瀬名はその時から千代を認識していたんですね。瀬名の洞察力に感服します。
瀬名:またお会いできてうれしい。お千代さん。
千代:私を覚えておいででございますか?
瀬名:うん、昔、お寺で楽しい踊りを。こたびも、あなたではないかと思っておりました。2人きりで話しましょう。お茶を点てますね。
千代:おできになるとお思い?この私を取り込もうなんて
瀬名:家臣に手出しされるくらいなら、わたくしがお相手しようと思って。そちらにとっても、望むところでは?お友達になりましょう
「どうする家康」20話より
「どうする家康」の瀬名は狡猾なところは全くなく、清らかな賢さで筋を通していく印象があります。瀬名と千代。今後どうなっていくのか?史実は変えられないと思うのですが、千代を通じて武田との関係に一筋の光が刺すことを期待します。
「おんな城主直虎」45話”魔王のいけにえ”で瀬名(菜々緒さん)が悲しい最期を遂げるのですが、それを阻止するのに今川氏真(尾上松也さん)が奔走します。「どうする家康」でも溝端淳平さんの再登場があるかもしれません。
大河ドラマ「おんな城主・直虎」はこちらから↓
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第20話のキャスト
役名 | 俳優名 |
徳川家康 | 松本 潤 |
瀬名 | 有村架純 |
織田信長 | 岡田准一 |
酒井忠次(左衛門尉) | 大森南朋 |
本多忠勝(平八郎) | 山田裕貴 |
榊原康政(小平太) | 杉野遥亮 |
鳥居元忠(彦右衛門) | 音尾琢真 |
井伊虎松 | 板垣李光人 |
大久保忠世 | 小手伸也 |
平岩親吉(七之助) | 岡部 大 |
松平信康 | 細田佳央太 |
五徳 | 久保史緒里 |
亀姫 | 當真あみ |
武田四郎勝頼 | 眞栄田郷敦 |
明智光秀 | 酒向 芳 |
山県昌景 | 橋本さとし |
大岡弥四郎 | 毎熊克哉 |
老婆(回想) | 柴田理恵 |
千代 | 古川琴音 |
山田八蔵 | 米本学仁 |
お杉 | 小野寺ずる |
お梅 | 白神美弥妃 |
穴山信君 | 田辺誠一 |
石川数正 | 松重 豊 |
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第20話の制作陣
脚本 | 古沢良太 |
音楽 | 稲本 響 |
ナレーション | 寺島しのぶ |
演出 | 野口雄大 |
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まとめ
20話では、勝頼率いる武田の強さがパワーアップし、徳川の領地がどんどん奪われていきました。そんな中で起こったクーデターを未然に防いだのは瀬名でした。 裏切る家臣の悲痛な叫びと、チーム徳川家臣団の更なる結束、瀬名の采配が印象に残った回でした。
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