この記事では、全54帖ある超長編『源氏物語』の十五帖「蓬生(よもぎう)」のあらすじと主な登場人物を簡単にまとめました。
『源氏物語』十五帖「蓬生(よもぎう)」は『光る君へ』では何話のどの辺りのこと?についても独自の考察をお届けします。『光る君へ』『源氏物語』の両方を楽しんでいただくきっかけになれば幸いです。
大河ドラマ「光る君へ」の全話のあらすじ&感想はこちらからどうぞ。
【源氏物語】十五帖「蓬生(よもぎう)」あらすじ。
十五帖「蓬生(よもぎう)」のあらすじを一言で表すと
偶然、末摘花と再会した源氏は、一途な末摘花に心を打たれ二条東院に引き取る。
では、ざっくりあらすじは?
源氏が都を追われた後、末摘花は後見を失い困窮していました。召使たちも去り、蓬等の草が生い茂り荒れていく邸で古風な暮らしを守っていました。源氏が帰京しても彼女は忘れられていて、嘆きに暮れる日々が続いていました。春のある夜、荒れた常陸宮邸を見かけた源氏は末摘花が今も待ち続けていると知り、感動します。そして再び彼女の世話を始めます。2年後、彼女を二条東院に引き取ります。
主な登場人物
光源氏:28~29歳。
末摘花:故常陸宮の娘。大きな赤い鼻の容姿、現代風のセンスもないが一途に源氏を思い続けている。
十五帖「蓬生(よもぎう)」のポイント
六帖「末摘花」で頭中将と競い合って末摘花と関係を結んだ光源氏でしたが、残酷なことに末摘花の容姿や古いセンスも相まって、足が遠のきます。源氏が須磨に移ったことで、末摘花は頼れる人がいなくなって困窮を極めていたのですが、ただひたすらに源氏のことを待ち続けていました。
源氏の君は生来、心優しい人なので、ここまで一途に思われていたと知って、ひどく感激します。この後は男女の関係ではないものの、末摘花を生涯手厚く面倒をみます。
紫式部は色んなタイプの女性を登場させましたが、末摘花のような展開は女性を勇気づけますね。
「光る君へ」では何話のどの辺りに出てくる?
「蓬生」の巻、そのものズバリは『光る君へ』のエピソードにはありません。『光る君へ』に登場するのはみな美しい姫ばかりですので、容貌についてもオマージュはないように思います。
近年、ルッキズムが注目されていますし、大河ドラマではなかなか取り上げにくいのかもしれません。
「光る君へ」は『源氏物語』を土台にして全方位にストーリーを展開していますね。
大河ドラマ「光る君へ」の全話ネタバレあらすじはこちらかどうぞ↓
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まとめ
十五帖「蓬生(よもぎう)」の簡単あらすじと、「光る君へ」におけるオマージュを探りました。
蓬がぼうぼう生い茂るような荒れた邸で、ただひたすら光源氏を待ち続けた末摘花。気の利いた歌を詠めずとも、一途な気持ちが報われました。
光源氏も末摘花の気持ちに応えるところはさすがだと思いました。
『源氏物語』は54帖の超大作。スキマ時間を利用して3か月かかってやっと読破しました。前半で目の疲れに悩まされて、耳の読書を色々試してみました。その様子はこちらからお読みいただけます。
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「源氏物語」を読んでみたい方におすすめの本7選!
『源氏物語』原文は文字数約100万文字(といってもイメージ沸きませんよね)、400字詰め原稿用紙で約2400枚と言われています。現代語訳だと注釈の言葉も入ってくるので、とんでもない長編小説です。
まずはオーディブルでざっくり内容を把握して、興味のある部分を深堀りしていくことをおススメします。
活字や紙のボリュームを見ると「むり~」と思ってしまいますが、オーディブルだと全体ボリュームに関係なく流れていきますので私には耳での読書が合っていました。
一番売れている現代語訳は角田光代さん版。全8巻です。
現代語訳は瀬戸内寂聴版と与謝野晶子版もおすすめします。
読破するぞと読み始めたものの、蓬生の巻あたりでギブアップするのを「蓬生がえり」(高床式倉庫のネズミ返しみたいですね)と言うらしいですが、そこまでたどり着けず、二帖”帚木”で「どの巻もこんなに長いの~」と思って諦める人も多いと聞きます。
私は七帖”紅葉賀”で目の疲労に悩まされて、オーディオブック併用にしました。朗読の収録時間は『源氏物語・与謝野晶子版』で70時間。瀬戸内寂聴版で135時間くらいです。途中寝てしまったり、意識を失いながら、約3か月で聴き終わりました。
いきなり100万文字の大海に漕ぎ出さず、とにかくざっくり『源氏物語』を味わいたい方には、田辺聖子さんの『新源氏物語』がおススメです。一帖”桐壺”がなくて二帖”帚木”から始まっていて、ぎゅっと詰まっています。
参考文献としておススメなのは「紫式部の欲望」。作者の酒井順子さんの着眼点が面白くて、今のご時世だと非難されてしまうかもしれない見解も楽しく読めました。
「イギリスは美味しい」など英国エッセイでご存知の方も多い国文学者の林望先生の源氏物語関連本は、分かりやすく古典に寄せた知見を読めます。「くり返し読みたい」シリーズは特に絵が多くて優しい内容です。
真打ちは林望先生の「謹訳源氏物語」。林望先生の「謹訳平家物語」もとてもいいのですが、源氏物語も読みやすくて、リンボー先生独特の品があります。前書きを読むと内容が予想できるので、ネタバレ不要の方はご注意下さい。
※本ページの情報は2024年11月時点のものです。最新の情報は各公式サイトでご確認下さい。
#源氏物語
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