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【源氏物語】二帖「帚木(ははきぎ)」簡単あらすじ&登場人物

「源氏物語」二帖帚木あらすじと登場人物 光る君へ
「源氏物語」二帖帚木あらすじと登場人物

2024年大河ドラマ『光る君へ』で、主人公まひろ(吉高由里子さん)がいよいよ『源氏物語』を執筆していきます。

この記事では、全54帖ある超長編「源氏物語」の二帖「帚木(ははきぎ)」のあらすじと主な登場人物を簡単にまとめました。

『光る君へ』では何話のどの辺りのこと?についてもご紹介します。『光る君へ』『源氏物語』の両方を楽しんでいただくきっかけになれば幸いです。

大河ドラマ「光る君へ」の全話のあらすじ&感想はこちらからどうぞ。

二帖「帚木(ははきぎ)」あらすじ。光源氏は17歳

「帚木」のあらすじを一言で表すと

光源氏の妻・葵の上の兄である頭の中将らが、女性談義に花を咲かせる。その翌日、光源氏は方違えした先で出会った人妻・空蝉と強引に契りを交わす。

【簡単あらすじ】二帖「帚木・雨夜の品定め」

雨が降り続く5月のある夜、頭の中将と光源氏が話しているところに、左馬頭、藤式部丞も加わって4人で女性談義が始まります。

女性を上流・中流・下流に分けると、家柄もよく美人で才知もある上流の女性にはほとんど出会うことはできないが、下流は話にならない。中流の女と意外なところで出会うと面白味があって心惹かれる、と盛り上がります。

経験豊富な左馬頭は、嫉妬深い元妻や浮気な恋人の経験談を披露。頭中将は本妻に責められて姿を消した愛人(常夏、のちの夕顔)、藤式部丞は、蒜(ニンニク)を食べる女のことを話します。

結局、完璧な女性はいないので、身分や容姿は見ないことにして、素直で落ち着くことができる相手を妻として選ぶのがよい、と皆は結論付ける。

光源氏の心の中には、身分が高く美しい上に才能がありながら慎ましやかな理想の女性、義母・藤壺が浮かんでいます。

雨夜の品定めの翌日、光源氏は久しぶりに妻・葵の上を訪ねます。美しく気品に満ちた様子に、皆が理想の女性として挙げていた女性だと思いますが、妻と心を通わせることができずにいました。その夜は方角が悪いため、葵の上の館に泊まることはせず、方違えで紀伊守の屋敷に泊まることになりました。

邸にたまたま居合わせた紀伊守の父親の若い後妻・空蝉に強く惹かれた光源氏。その夜、強引に契りを結びます。その後も、源氏は空蝉に逢う機会を狙いますが、空蝉は「近づくと見えなくなるという帚木のように、私は姿を消します」という歌を詠んで、光源氏を拒み続けます。光源氏は、空蝉の弟・小君を側に置いて可愛がります。

いろは
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式部丞の経験談に出てくるニンニクを食べる女。この時代にすでに薬草としてニンニクを食していたということを知って、ちょっと意外でした。

二帖「帚木」の主な登場人物

光源氏:17歳。

頭中将(とうのちゅうじょう):源氏の妻・葵の上の兄。光源氏の親友。

左馬頭(さまのかみ):豊富な女性経験を披露する。

藤式部丞(とうしきぶのじょう):源氏の同僚。学問に優れた女性と付き合っていたが、その女性が風邪をひいて薬草(にんにく)を食べていた、無理やり会ったらすごい臭ったという話。

空蝉(うつせみ):紀伊守の父である伊予守の若い後妻。光源氏と無理やり関係を持つ。

小君(こぎみ):空蝉の弟。男女の機微もわからないまま、光源氏と姉を引き合わせるため奔走する。

二帖「帚木」のポイント:雨夜の品定めでインスパイア

宿直の夜の「雨夜の品定め」のメンバーは、光源氏、頭の中将、左馬頭、藤式部丞の4人。女性談義に花を咲かせています。光源氏は聞き役ですが、話題にのぼった「中流の女」というのに興味津々です。

いろは
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オーディブルの「源氏物語」瀬戸内寂聴版ではそれぞれを俳優さんが演じられています。一番年長の左馬頭の熱弁が長くて、お腹いっぱいになります汗。光源氏は品よく聞いているといった体ですが、耳ダンボで自分の中の理想像と現実をすり合わせている感じがしました。

左馬頭の「妻にするならこんな女」は

いと口惜しくねぢけがましきおぼえだになくは、ただひとへにものまめやかに、静かなる心のおもむきならむよるべをぞ。

年長ということもあり、人生経験豊富な左馬頭の持論によると、意外性にときめくこともあるけれど、夫を助けて家を取り仕切る妻となると話は別で、取るにたらない愚か者とか性格的にすごいひねくれてるとかの決定的な欠点がないなら、家柄や容貌、たしなみや能力が少し足らなくてもよくて良しとする。正妻に求める資質は、何より真面目で落ち着いて浮気せず、焼きもち焼きでない女性ならいい。という結論です。

その他、頭中将の「常夏の女の物語」や、式部丞の「畏れ多い女の物語」と続き、この先光源氏が経験する数々の恋のヒントと女性像、伏線が散りばめられています。

いろは
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『源氏物語』を読み進めていくと、光源氏がキレイに「雨夜の品定め」の女性像をなぞっていく様子が分かります。

「光る君へ」では何話のどの辺りに出てくる?

「雨夜の品定め」のシーンに関しては

①3話”謎の男”で道長、公任、斉信の3人で女性談義をしているシーン。

②7話”おかしきことこそ”で、打毬が終わったあとの道長、公任、斉信、直秀たちの着替えのシーンで(雨も降っています)、公任と斉信がまひろやききょうについて話しているのを、道長と直秀はジーッと聞いているというシーン。が明らかにオマージュだと思われる場面です。

猫の小麻呂を探しに来たまひろがこの会話を偶然立ち聞きするのですが、これが『源氏物語』への創作へインスパイアされていきます。

③33話”式部誕生”で公任と斉信がまひろに会いに来たくだり、公任がかつて7話”おかしきことこそ”でまひろのことを「地味でつまらぬ女」と言っていたのを受けて、まひろが「私のように地味でつまらぬ女は己の才を頼みにするしかありません。」とチクリ。そして、里に下がってまひろは「帚木」の巻を書く。

3話、7話、33話のあらすじは↓のそれぞれのリンクからお読みいただけます。

「光る君へ」で描かれた「帚木」雨夜の品定め
いろは
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そういえば、どちらの会話にも行成(渡辺大知さん)は登場していません。打毬の時は急な腹痛のためドタキャンで、道長が慌てて直秀を呼びに行きました。確かに女性談義は行成のキャラに合っていない気がしますね。

その他にも、左馬頭が「文のやり取りをするのに、学問があるからって半分以上漢文で書いてくる女や、朝の支度の忙しいタイミングに和歌をよこしてくる=返歌を書かなければいけない。女はいただけない。」というくだりがあり、10話”月夜の陰謀”でまひろが漢文の文ばかり道長に送っていたことを思い出しました。

いろは
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いたるところにちりばめられている『源氏物語』の色合い。あなたもぜひお楽しみください。

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まとめ

二帖「帚木」の簡単あらすじと、「光る君へ」におけるオマージュを探りました。

「外は雨、男性4人が女性談義をしている。」という場面設定は簡単そうで難しい場面だなぁと感じました。

また、婚姻制度が現代とは全く異なる平安時代の恋多き男たちも、妻に対する感覚は現代とそう変わらないというのが興味深く感じました。あなたはどう思われますか?

いろは
いろは

『源氏物語』では「方違え」もよく出てきます。私の大好きな『鎌倉殿の13人』でも頼朝(大泉洋さん)が方違えをして遠回りしていました。今も吉方という考え方は根付いていて、日本古来からのエッセンスを感じることができるのも大河ドラマの魅力だなぁと思います。

『源氏物語』は54帖の超大作。スキマ時間を利用して3か月かかってやっと読破しました。前半で目の疲れに悩まされて、耳の読書を色々試してみました。その様子はこちらからお読みいただけます。
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「源氏物語」を読んでみたい方におすすめ7選!

『源氏物語』原文は文字数約100万文字(といってもイメージ沸きませんよね)、400字詰め原稿用紙で約2400枚と言われています。現代語訳だと注釈の言葉も入ってくるので、とんでもない長編小説です。

一番売れている現代語訳は角田光代さん版。2024年8月時点で7巻まで刊行されています。

角田光代さんの現代語訳はまだ全部刊行されていないので、今すぐ読みたい方は瀬戸内寂聴版か与謝野晶子版をおすすめします。

よし!と読み始めたものの、須磨の巻あたりでギブアップするのを「須磨がえり」(高床式倉庫のネズミ返しみたいなもの?)と言うらしいですが、二帖”帚木”で「どの巻もこんなに長いの~」と思って諦める人も多いと聞きます。

私は七帖”紅葉賀”辺りで目が疲れてオーディオブック併用にしました。オーディブルだと収録時間は『源氏物語・与謝野晶子版』で70時間。瀬戸内寂聴版で135時間くらいです。途中寝てしまったり、意識を失いながら、約3か月で聴き終わりました。

いきなり100万文字の大海に漕ぎ出さず、とにかくざっくり『源氏物語』を味わいたい方には、田辺聖子さんの『新源氏物語』がおススメです。一帖”桐壺”がなくて二帖”帚木”から始まっていて、ぎゅっと詰まっています。

参考文献としておススメなのは「紫式部の欲望」。作者の酒井順子さんの着眼点が面白くて、今のご時世だと非難されてしまうかもしれない見解も楽しく読めました。

「イギリスは美味しい」など英国エッセイでご存知の方も多いかもしれない国文学者の林望先生の源氏物語関連本は、分かりやすく古典に寄せた知見を読めます。「くり返し読みたい」シリーズは特に絵が多くて優しい内容です。

真打は林望先生の「謹訳源氏物語」。林望先生の「謹訳平家物語」もとてもいいのですが、源氏物語も読みやすくて、リンボウ先生独特の品があります。前書きを読むと内容が予想できるので、ネタバレ不要の方はご注意下さい。

※本ページの情報は2024年8月時点のものです。最新の情報は各公式サイトでご確認下さい。

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管理人いろは

中学2年生の国語の授業で平家物語「敦盛の最期」を勉強して以来、歴史ドラマにはまっています。特にNHKの大河ドラマが大好きです。リアルタイムでテレビを見る時間がないので、あとから見逃し配信を見たり、過去の作品をイッキ見して楽しんでいます。ゆかりの地を訪ねるのも楽しみの一つです。ドラマにほへとでは、管理人いろはが実際に見た大河ドラマの情報をまとめています。PCやスマホでイッキ見する方法も紹介しています。大河ドラマよ永遠に♪

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