『鎌倉殿の13人』の30回、冒頭に出演者の名前が流れるところで、結婚以来ずっと「阿野全成(新納慎也)、実衣(宮澤エマ)」と2人仲良く並んで名前が表示されていたのが、30回は別々に名前が出てきました。これを見た瞬間、もう胸が苦しくなってきました。
30回では、宿老が4名減って9名になったものの平穏だった鎌倉。そんな中、頼家が病に倒れます。
全部回収したはずの人形(ひとがた)が1つ、軒下に残っていました…。
30話のあらすじ(ネタバレ)
源頼家(金子大地)に対して呪詛を行った疑いにより、詮議を受ける阿野全成(新納慎也)。比企能員(佐藤二朗)はその背後に北条家の暗躍があると確信し、対決姿勢をさらに強める。そのころ北条家では、夫・全成を巻き込まれて激怒した実衣(宮澤エマ)が父・時政(坂東彌十郎)を追及。名乗り出ようとする時政だが、りく(宮沢りえ)に止められる。義時(小栗旬)は北条家を守るために一案を講じ、畠山重忠(中川大志)の助力を得て……
引用:https://www.nhk.or.jp/kamakura13/story/30.html
うすうす結末は予想していましたが、見るのが非常につらい回でした。
義時の顔つきがまた変わりましたね。アイライン?心の内から?目元が前回にも増して険しくなり、ダークサイド一直線です。第1回、2回の頃の、髪の毛ボサボサでぼーっとした義時が懐かしいです。
全成と実衣
全成役の新納慎也さんへのインタビューによると、メイクではアイラインもマスカラもされていたそうで、どこか中性的で浮世離れした印象を受けたのはそこからなのかもしれません。三谷さんは「新納さんに役をやっていただくと、自分でも想像しなかったところに役を連れていってもらえるので楽しい」と言っておられたそうで、新納さんの魅力と、それを引き出す脚本のすごさを感じました。
阿野全成(新納慎也)さんのインタビューはこちら
https://www.nhk.or.jp/kamakura13/special/interview/061.html
鎌倉殿になる器でもなく、策略家でもない全成が壮絶な結末を迎えなければならない時代。
全成の呪詛に効果がなかったのは、本人が気乗りしていなかったからなんですね。実衣さんへの思いを込めた呪文や念仏は天に届いたことで証明されました。最期のシーンは迫力に圧倒され、その後、悲しさと喪失感が押し寄せてきました。
実衣さんのインタビューはこちらです。https://www.nhk.or.jp/kamakura13/special/interview/062.html
大江広元という人
鎌倉殿の13人の宿老のうち、文官が4人います。
大江広元(栗原英雄)・中原親能(川島潤哉)・三善康信(小林隆)・二階堂行政(野仲イサオ) です。
(中原親能は政子の次女・三幡の乳母夫で、28回で三幡が病死したのを悲しみ、鎌倉を去り出家しました。)この4人のうち、頼朝からも絶大な信頼を寄せられていたのが、大江広元です。
義時の才覚や忠誠心を早くから見抜いて買っていて、頼朝にも「義時は大丈夫」と言っていました。
大江広元の発言や動き方から、私利私欲なく鎌倉幕府のことだけを考えている様子がうかがえます。私は『鎌倉殿の13人』を素の状態で楽しみたいと思い、あまり予習していませんが、大江広元には最後まで残って欲しいです。
13人のメンバーはこちら
https://dramani-hoheto.com/kamakuradono-13cast/
政子の髪
尼になった政子は頭を剃っているのかどうか、前から気になっていました。30話で真相が明かされるとは思っていませんでした。「尼剃ぎ」という髪型だそうで、ワカメちゃんカットの少し長い版、『女城主直虎』の柴咲コウさんのヘアースタイルです。かぶり物の中に納まればいい長さということですね。
ちょうど伊豆山神社の敷地内にある伊豆山郷土資料館で政子の白髪を織り込んだ曼荼羅の実物(普段は複製を展示)を特別展示されているそうです。2022年8月末までの展示です。
詳細は、伊豆山郷土資料館HPからどうぞ
https://www.city.atami.lg.jp/kanko/kankoshisetsu/1001839/1001864/1012860.html
政子と実衣の会話もよかったです。ただただ泣き崩れるのではなく、伊豆で皆で住んでいた頃のコントみたいなポンポン飛び交うトークで、姉妹が昔に戻ったようで見ていて心が和らぎました。
悪役入れ替わり?
30回では比企能員(佐藤二朗)が一手に悪役を引き受けていました。演じる佐藤二朗さんは、三谷さんから比企能員について「気のいいお父さんの皮をかぶったマクベスだ」と言われているそうで、完全に皮を脱ぎ捨てた状態です。頼家のとんでもない命令に「本気でおっしゃっておられるのですか?」と答えた時の比企能員(佐藤二朗)さんの血管浮き出る演技は圧巻です。もう、本当に憎たらしくてしょうがないですね。比企出身の比奈さんや、頼家が共に歩むと決めた、せつと跡取り・一幡の行く末が案じられます。
そして、なんと、善児がヒーローに転じるのか?と思われるシーンもありました。昨日の敵は今日の友?誰を応援していいのかわからなくなります。
まとめ
毎回、退場者が続出で感情が追い付いていかない展開です。『鎌倉殿の13人』では、何度ロスを味わえばいいのでしょうか?
少し和んだのが冒頭の蹴鞠のシーンでした。『吾妻鑑』に記述のある、時連が時房に改名するエピソードが綴られていました。つらいストーリー展開の中で、着実に次代へのお膳立てが整えられています。
そしていよいよ義時が覚醒してきました。義時も考え、政子も考え、二人の心は決まり、ここからはイッキに頼朝のような「悪い根を断つ」行動に出ていくと予想されます。そのためには多くの犠牲を払うことになるでしょう。見たいような、見たくないような次回以降の展開です。
>>『鎌倉殿の13人』のあらすじネタバレを全話紹介 はこちらから。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。31話のあらすじと感想はこちら
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