「鎌倉殿の13人」最終話”報いの時”のネタバレあらすじと感想をお届けします。
承久の乱、そしてこの先「御成敗式目」を作る泰時の完全なる覚醒と、泰時を守りぬいた義時が最期を迎えました。
義時と泰時の対比、政子と義時、義時と三浦義村。義時の妻・のえの慟哭すら伝わってくる48話でした。
>>こちらの記事で『鎌倉殿の13人』のあらすじネタバレを全話紹介 しています。
オープニングが松本潤さんの徳川家康!
サプライズ過ぎますね、この展開は。
こういうバトンタッチの仕方もあるのか。と本当に驚きました。
確かに徳川家康は源頼朝を尊敬し『吾妻鑑』を愛読していたとのことですが、
これで4年連続大河ドラマに「徳川家康」が登場することになります。
放送年 | 題名 | 役名 | キャスト |
---|---|---|---|
2020年 | 麒麟(きりん)がくる | 徳川家康 | 風間俊介 |
2021年 | 青天を衝(つ)け | 徳川家康 | 北大路欣也 |
2022年 | 鎌倉殿の13人 | 徳川家康 | 松本潤 |
2023年 | どうする家康 | 徳川家康 | 松本潤 |
承久の乱
泰時が先陣を切って、京に攻め込むことになりました。泰時も含めて総勢18名です。
何話 | 4話:頼朝挙兵(山木攻め) | 48話:承久の乱(京へ進軍) |
兵の数 | 24名 (時政パパ、宗時兄さん、 義時、仁田どのも) | 18名 (泰時総大将、トキューサ 朝時など) |
本陣では | 頼朝は館。 政子が背中をさすってあげる | 義時も館。 のえに愚痴られている。 |
4話で頼朝が山木攻めをした時は24人でした。宗時(片岡愛之助)、時政パパ、仁田殿もいました。
その時は、八重が放った一本の矢によって堤館に山木が在宅だと分かり、佐々木常隆が放った矢によって、山木攻めが始まりました。
山木攻めの間、頼朝は館に残り、政子に背中をさすってもらっていました。
かたや、義時はのえに愚痴られていました。この差は大きいです。
のわ「うそ、忘れていただけでしょう。悩んだ末に言わなかっただけみたいな物言いはやめてほしいわ。」
「鎌倉殿の13人」48話より
三浦義村と長沼宗政
また裏切ろうとしている三浦義村と長沼宗政。
木曽川で背後から泰時を攻めて、泰時の首を上皇さまに差し出そうとしています。
ところが、泰時の軍勢は木曽川で官軍を打ち破り、宇治川まで進軍してきました。
兵力は10万越えになっていました。
宇治川をはさんで官軍とにらみ合いになっている泰時軍。
戦略に苦慮している泰時の元に駆けつけた義村が
義村「これだから戦の経験がないやつは。」
朝時「じじいは…」
「鎌倉殿の13人」最終話より
泰時役の坂口健太郎さんは笑い上戸らしく、撮影中、義村役の山本耕史さんにいつもいじられていたそうです。
38話でも「源 仲章(みなもとの 一呼吸 なかあきら)」を山本耕史さんが、ぼそっと「源の な・か・お・あきら(中尾彰)」と言って、坂口健太郎さんのツボにはめてしまったというエピソードがありました。
今回も、「わけわかんねえんだよ、じじい」「誰が言ったぁああ!」の箇所で坂口健太郎さんのツボにはまってしまったそうで、大爆笑しながら「いかだを作るぞー!」と言ってしまったとか。
トキューサの敬語
いかだを作るかどうかについて、時房は総大将の泰時に向かって、
総大将、ご決断を。
かしこまりました、いますぐいかだを!
「鎌倉殿の13人」48話より
甥に対して敬語が使えるトキューサを尊敬します。
政子と実衣の念仏
実衣が念仏を唱えている姿は、13話「幼なじみの絆」で、全成と文覚が藤原秀衡調伏のための読経合戦をしている場面とオーバーラップします。
オンタイムで全成役の新納慎也さんが、ツイッター上でライブ参加されていました。
鶴丸(平盛綱)との絆
鎧を脱いでいかだを押していた鶴丸(平盛綱)に矢が命中します。
幼なじみで八重の忘れ形見ともいえる鶴丸。泰時にとって、かけがえのない存在です。
ですが鶴丸は総大将の泰時に「兵が一人負傷したくらいでたじろぐな、俺に構わず行けー!」と鼓舞します。鶴丸死んじゃった…と思いましたが、大丈夫です。安心して下さい。
トキューサも鶴丸も、泰時を信じて支えている姿に感動を呼びます。
後鳥羽上皇
武芸にも自信があり、人一倍負けん気も強い後鳥羽上皇なので、出陣したかったと思いますが、後白河法皇を思い、踏みとどまりました。
尾上松也さん演じる後鳥羽上皇は、蹴鞠にも絵も、武芸にも長けている高雅で素晴らしい上皇でした。
義時の沙汰を聞く直前の後鳥羽上皇のすっとした表情が清廉でした。ので余計に
隠岐の島へ流罪+逆輿(さかごし)
に、パニックになる後鳥羽上皇の変化が際立ちました。文覚の登場も、何とも言えずシュールでした。
再登場!りく。泰時の鈍感力
京で暮らしているりくのもとへ、トキューサと泰時が訪れエるピソードが挟まれていました。
泰時が「時政パパは最後は若くてかわいくて、気立てのいい女の子に面倒を見てもらっていて幸せだったと。」余計なことをりくに言います。
りく「あの人はそういうところがあるのよ。あれで。なぜか女の人がほおっておけないのよ。」
「鎌倉殿の13人」48話より
りくが見せた、ちょっと切ない表情が時政パパへの思いを表していました。
トウにも「報いの時」
「戦がなければ、あなたも暇でしょ」と政子から頼まれて、戦で親を失った子たちに武芸を教えます。
善児に両親を殺され悲惨な人生を歩んできたトウが、自分が命を救った政子によって新しい人生を生きていくという展開に良かったと思いました。
ですが、そこは三谷ワールド。
教えている子どもが13人で、実衣から「殺気がありすぎ」と言われるオチ付きです。
大江広元、見える。
最終話の冒頭から、大江広元の目が開いて現実を直視しています。
47回の政子の大演説で覚醒したと思われます。
そして、上皇の孫を復権させようという動きを阻止しようと老いてなお強気の広元。
災いの芽は摘むのみ。
「鎌倉殿の13人」48話より
泰時が新しい世を作るのはわたしです。と
それを聞いたトキューサのセリフがまたいいです。
いい、とてもいい!新しい世がくる音がした。
「鎌倉殿の13人」48話より
運慶の仏像
運慶が義時に瓜二つだと言った仏像は、「ピカソ」「あらたなドクロ」など色々な形容がなされています。
怒りに任せて運慶を斬り捨てることもできた義時ですが、義時は今まで自分の事で人を殺したことはありません。そんな義時が運慶を殺すはずもなく命拾いします。
運慶の作った十神像などについてはこちら↓
毒を盛られました。
康すおんさん演じる医師が再登場し、義時は毒を盛られたことを知りました。
「あさ」に絡めてのセリフ。
- 4話「矢のゆくえ」で頼朝のもとに駆け付けた老兵の佐々木秀義(康すおん)、援軍の息子たちはいつ来るのかと聞かれ、「あさ、あさ…」(歯が抜けているので、もごもご何を言っているのか分からない)
- 31話「諦めの悪い男」で、役名はないものの、佐々木秀義の孫の医者役で頼家を診ました。
そして、今回義時に「アサ…」の毒だと。伏線回収がすごいです。
盟友、三浦義村、名演技。
のえに毒を調達したのは、義時の盟友、三浦義村でした。
のえからその事を聞かされた義時は三浦義村と差し向かいで、(毒の入った)酒を義村に進めます。
最初は拒んでいた義村ですが、覚悟を決めてその酒を飲み干します。本音を吐露していきます。
おれは全てにおいてお前に優っている。子どもの頃からだ。
頭は切れる、見栄えはいい、剣の腕前も俺の方が上だ。
(中略)世の中不公平だよな!
いつかお前を超えてやる、超えて(呂律が回らなくなる…)
「鎌倉殿の13人」48話より
ここで、義時がネタ晴らしをします。酒に毒は入っていないと。
この段になってコメディー?
義村「俺の負けだ。」
義時「平六、この先も太郎を助けてやってくれ。」
義村「まだ俺を信じるのか?」
義時「今、お前は一度死んだ。」
「鎌倉殿の13人」48話より
これから先も北条は三浦が支えると微笑む義村。安堵する義時。見ているこちらもホッとしました。
そして、キノコ発言。
義時が小四郎に戻った瞬間がまたやってきました。二人が伊豆の頃に戻りました。
こういうシーンを用意してもらえて感慨無量です。
ラストシーン
12月19日、ラジオ番組に出演された三谷幸喜さんのコメントを引用します。
彼が亡くなるときに一番幸せに感じる言葉ってなんだろうかって考えて
お姉さん(政子)に言ってもらったんですけど
『泰時はあなたに一番似てるんだ』っていう。
僕は息子がいるんですけど、僕が義時だったらその言葉が一番うれしいなと思った」
12月19日TOKYO FM『山崎怜奈の誰かに話したかったこと。』より
最終話の「報いの時」というタイトルに、今まで汚れ役に徹していた義時に対する報い。の意味のほかに、泰時というピュアで純粋に政治を行っていく息子を残せたことへの報い。もあると思いました。
義時が政子に話した13人
「13人」は、全話を通して3回出てきました。
頼家の13人 | 43話:実朝の13人 | 48話:義時の13人 |
---|---|---|
比企能員 | 実朝 | 梶原景時 |
梶原景時 | 千世 | 全成どの |
和田義盛 | 政子 | 比企能員 |
中原親能 | 実衣 | 仁田忠常 |
二階堂行政 | 泰時 | 頼家さま |
大江広元 | 大江広元 | 畠山重忠 |
北条時政 | 時房 | 稲毛重成 |
北条義時 | 義時 | 平賀朝雅 |
八田知家 | 三浦義村 | 和田義盛 |
安達盛長 | 源仲章 | 源仲章 |
三善康信 | 三善康信 | 実朝さま |
足立遠元 | 公暁 | 公暁どの |
三浦義澄 | 阿野時元 | 阿野時元 |
うすうす感じながらも、わが子の頼家は病気で死んだと信じていた政子は、義時の言葉に全てを悟ります。
「嘘つきは自分の嘘を覚えていないとダメ」という政子基準にも泣けましたし、弟思いの姉、姉思いの頼りない次男坊の小四郎で最期の時を迎えようとしていると感じました。
歴代の大河ドラマの最終話は、走馬灯が大部分を占めることの多い中、義時はのえとのシーン、義村とのシーン、そして政子とのシーン、と1対1の芝居に大部分を使っている点で、深い余韻が残りました。
毒が身体に回って辛い義時。医師から処方された毒消しの薬瓶を政子に取ってくれと頼みます。
政子のセリフです。
「私たちは長く生きすぎたのかもしれない。」
「寂しい思いはさせません。私もそう遠くないうちにそちらに行きます。」
「頼朝さまやあなたができなかったことを、あの子(泰時)が成し遂げてくれます。」
「鎌倉殿の13人」最終話より
「稀代の悪女」と言われ続けてきた北条政子。
小池栄子さんが演じる政子の啜り泣きで幕が閉じ、政子像は完全に塗り替えられたと確信しました。
最終話の感想
最終話放送後のツイートをいくつか掲載します。
「鎌倉殿」は、今まであまり取り上げられなかった時代の、歴史上の主人公ではない義時が主人公だったので、ネット上では歴史好きの方、大河ドラマ好きの方、三谷作品が好きな方、今回初めてドラマを見る方など、さまざまな立ち位置の方々が一緒になって楽しめたと思います。
わたしは、リアルタイムで見れないことがほとんどですが、
毎回ハラハラドキドキ、何度も見直しをして
伏線回収や好きなシーンを集めたりと1年間思いっきり楽しみました。
まとめ
「この世の怒りと呪いを全て抱えて、わたしは地獄へ持っていく。太郎のため。」と言って義時は散りました。
ご苦労さまでした。小四郎
鎌倉幕府の創建という壮大な歴史ドラマながら、究極は北条家のホームドラマ、姉と弟の物語でした。
もう、これで大河ドラマが終わってしまうのか。と思うと名残惜しくてたまらない最終回でした。
1年間、楽しませて下さり、ありがとうございました。
>>こちらの記事で『鎌倉殿の13人』のあらすじネタバレを全話紹介 しています。
本ページの情報は2023年9月時点のものです。最新の情報はU-NEXTサイトでご確認ください。
記事をお読み下さりありがとうございました。
「草燃える」や出演俳優さんについてさまざまな情報を教えて下さった皆さま、この場をお借りして改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。>>小栗旬さん『鎌倉殿の13人』から松本潤さん『どうする家康』へのバトンタッチ記事はこちら
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