脚本家の三谷幸喜さんが、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で第41回向田邦子賞を受賞されました!
2023年5月23日にその贈賞式が行われ、ありえない豪華キャストの皆さんが三谷さんのお祝いに駆けつけました。
についてまとめます。
三谷幸喜さん脚本の2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、毎週、感情移入して視聴されていた方も多いと思います。管理人もドラマを見るだけでは足らず、ゆかりの地めぐりや大河ドラマ館に何度も通ったり、とにかく毎日の生活が鎌倉殿一色でしたので、これまた私が憧れてやまない向田邦子さんの冠がついた「向田邦子賞」受賞のニュースに、感慨無量になりました。
私は小学生の頃から向田邦子ファンでして(特に根津甚八さんの声に釘付けになった『隣りの女』に強烈な印象が残っています)、向田邦子さんの『大根の月』の読書感想文を書いて担任の先生に心配された記憶があります(お母さんが十円玉?でいつも包丁を研いでいて、切れ味のいい包丁=良妻賢母の鑑、と思っていたところ、息子の指を切ってしまった…というストーリーだったと思います。)。同年代の方で同じご記憶がある方がいらしたら、ちょっと嬉しいです。
向田邦子さんご自身についても、常々かっこいいなぁと思っていました。魯山人の器をこよなく愛し、お住まいもその時の自分の身の丈ではなく理想をまず手に入れ、それに合う自分にしていく。という生き方に当時から強い憧れを抱いていました。
そして、突然の訃報(1981年、飛行機事故でお亡くなりになりました)に、子どもながら茫然自失になった記憶があります。
今回の贈賞式によって、三谷さんと「鎌倉殿の13人」が向田邦子さんの思い出を呼び起こしてくれました。三谷幸喜さん、「鎌倉殿の13人」、そしてキャストや制作陣の皆さま、ありがとう。
まずは授賞式の模様から
当日、お祝いに駆け付けたのは、小栗旬さん、小池栄子さん、大泉洋さん、新垣結衣さん、山本耕史さん、宮澤エマさん、新納慎也さん、栗原英雄さん、佐藤浩市さん、菅田将暉さん、坂口健太郎さん、梶原善さん、瀬戸康史さん、中川大志さん、菊地凛子さん、佐藤B作さん、草笛光子さん、生田斗真さん、浅野和之さん、堀内敬子さん、相島一之さん、堀田真由さん、南沙良さん、野添義弘さん、柿澤勇人さん、福地桃子さん、山本千尋さん、きづきさん、西本たけるさん、作曲家のエバン・コールさん。西田敏行さんもビデオメッセージでお祝いされたとのことです。
入退場の激しかった「鎌倉殿の13人」。撮影当時は退場のタイミングなどがあって、一同に会す機会のなかったありえない豪華顔ぶれです。
向田邦子賞の受賞理由
鎌倉時代の北条一門に華々しいヒーローはいない。歴史上に名はあるが顔は見えない。「鎌倉殿の13人」の三谷幸喜氏はこれらの人々に個性ある表情と現代に通じる軽快な言葉を与え、北条義時を初め、この一族の人間臭い複雑な心理を見事に描いて、150年に及ぶ時代の礎を築くプロセスを喝破した。その手腕はさすがと言うほかはない…
第41回向田邦子賞贈賞式より
小栗旬さん(北条義時)の祝賀スピーチ
小栗旬さんは茶色のスーツ姿。髪の毛は義時を演じていた時の長髪ではなく、短く普段の小栗旬さんのヘアースタイル。ひげをたくわえ、丸いフレームのメガネに左耳には見慣れたピアスというお姿。
「なぜ、僕が三谷さんより先に喋るのか、なかなか不思議なんですが…」と恐縮されながらのスピーチでした。いつも謙虚な小栗さんの姿勢に義時~と叫びたくなりました。
向田邦子賞は向田さんが亡くなられた翌年の1982年からスタートして、今回で41回目ということで、小栗旬さんと同い年。
毎週どんな本が上がってくるのか、義時はどんな人生になるんだろうと楽しみでした。役者冥利に尽きる作品です。一人でひたすら折れることなく、ここまで書き続けて下さった三谷さんのお仕事は本当に素晴らしいものだと思います。
そんな素敵な「鎌倉殿の13人」を作っていただきまして、ありがとうございました。受賞おめでとうございます。
第41回向田邦子賞贈賞式~小栗旬さんコメントより
三谷幸喜さん、受賞コメント!
向田邦子さんとイニシャルが同じことが自慢だったという三谷さん。確かに「K.M」で同じですね。
そして、三谷さんが尊敬する第1回受賞者の市川森一さんは名前が左右対称。三谷さんも左右対称。これも三谷さんの自慢だそうです。
審査員の方々とぼくが並んでいると、誰が受賞者かわからないという、本当に申し訳ないというか、フレッシュな感じが一切ないこの雰囲気。すいません。
向田邦子さんは僕にとって憧れであり目標です。脚本を書くときはいつも向田さんのシナリオを読み返し「どうすれば向田さんに近付けるか」と考えながら書いています。
タネを明かしますと(鎌倉殿の)御家人たちのセリフは『寺内貫太郎一家』の石職人たちのセリフを頂いております。政子と実衣の姉妹の会話は『阿修羅のごとく』からいただきです。向田さんには、ありがたい。本当にお世話になっております。
ずっと以前、向田邦子賞を辞退したことがありまして…向田さんは本当に憧れですし、向田さんと、僕はイニシャルが一緒なんですね。それが自慢でした。
第1回向田邦子賞を受賞した尊敬する市川森一さんと、向田邦子さんに自分の名前が並ぶということが、当時の僕はまだ若輩者で、許せなかったと真剣に思いました。
その時、審査員に市川さんがいらっしゃって、奥様にあとから伺ったのですが、市川さんは僕の作品を薦めてくださっていたみたいで、僕の辞退を残念がっていたと聞きました。今回、市川さんにやっと恩返しができたかなと思います。今日はぼくみたいな人間に集まって下さってですね、テレビで見た人ばっかりいらっしゃるので、本当に嬉しいです。
ぼくは俳優さんと会ってお酒を飲んだりしない人間で、なんでかっていいますと、今回、こんなに素敵な企画を下さり、プロデューサーの清水さん、演出の吉田さん、すごいスタッフの皆さんがドラマ化して下さり、キャストの皆さんがぼくが作ったものを何倍も輝かせてくれる、こんなに脚本家として幸せなことはない。なんでこの上飲みに行かなきゃいけないんだ。これ以上幸せにならないでいいだろうと。今日は、ほとんど同窓会みたいな感じだと思います。楽しんでください。僕は終わったらすぐ帰りますけれども(笑)どうもありがとうございました。
第41回向田邦子賞贈賞式~三谷幸喜さんコメントより
新垣結衣さん(八重)
淡い色のジャケットにインナーは黒、柔らかい中にもきりっとした装いの新垣さん。髪を一つに束ねらていて、お祝いの席にピッタリで素敵でした。
初めての大河ドラマに出演する機会が「鎌倉殿の13人」で、本当に幸福なことだったなと思います。八重と言う人物もたくさんの方に愛していただきましたし、出演している最中もお空に行ってからも最後まで楽しみました。
第41回向田邦子賞贈賞式~新垣結衣さんコメントより
八重さんがお空にいった「鎌倉殿」21話はこちらから↓
菅田将暉さん(源義経)
ぼくを見て以前アカデミー賞のトイレでお目にかかった時に、僕に源義経という、一つの役を想起するエネルギーに感動しておりました。
小池栄子さん(政子)
前髪を眉毛上でバシッと切りそろえていた小池さん、美しい顔立ちがますますキリっとされています。黒のジャケット、パールのネックレスが颯爽としていて素敵です。
三谷さんのお陰で1年半とても楽しい時間が過ごせました。そして今日、三谷さんのお陰で鎌倉殿のメンバーとも再会できました。ただ、大泉さんが「おれはいつ北条家のメンバーに入れるんだ」とぼやいていたので、そこだけフォローお願いします(笑)。
第41回向田邦子賞贈賞式~小池栄子さんコメントより
政子の大演説は47話です。こちらからどうぞ↓
瀬戸康史さん(時房、トキューサ)
他の作品で他の役をやっている時も「トキューサ」とつぶやかれるほど、皆さんに愛された役でした。それほど愛される役をありがとうございました。
梶原善さん(善児)
梶原さん:善児です。役者としてこんなに力を抜いて演じたことがなくって(泣)ぼくの実力ではなくて、三谷さんの本が良くて…
第41回向田邦子賞贈賞式~梶原善さんコメントより
三谷さん:ちょっと待って、泣いてるの?
梶原さん:58歳にもなると目が湿っちゃって。ごめんなさい。38年間三谷さんと一緒にやってて、三谷さんには十分いい思いをさせてもらって、もういいよとは思わないので、これからもよろしくお願いします。
善児が殺した人はこちらから↓
菊地凛子さん(のえ)
三谷さんとちょっとしたご縁があって、20年以上前からちょこちょこお会いする機会があったんですけれども、全面にアピールしてきた20年だったんですけれども、ようやく「のえ」という役を頂いて、大河ドラマに出させていただく経験をして本当に嬉しかったです。この片思いが通じでよかった。
山本耕史さん(三浦義村)
黒のスーツに身を包んでも胸板の厚さは隠せません。黒ぶちのメガネをかけられていました。
26年くらいご一緒させていただいて、毎回どんどん違う役が回ってくるというか。静かな青年、荒くれもの、頭の切れる青年、ぼくのことどういう風に見ているのかなと思いながら、全部自分本位ですよね。ぼくの部分をぼくよりも知っていただいていて、なんなら自分が取ったんじゃないかというくらい、自分のことのように嬉しいです。今後もいつでも作品に参加できるように、自分を追い込んでいきたいです。
第41回向田邦子賞贈賞式~山本耕史さんコメントより
山本耕史さんが演じた三浦義村の「襟を直すクセ」についての考察はこちらから↓
中川大志さん(畠山重忠)
初めて三谷作品に参加させたいただいたのは2016年の「真田丸」で高校三年生でした。今回、畠山という役を頂いて、先週、家族で修善寺に旅行に行ってきたのですが。どこに行っても声をかけていただけました。またお仕事ができるように頑張ります。
佐藤B作(三浦義澄)
「三谷くん、三谷くん」と言っているんですが、マネージャーに注意されたばっかりなんですが…30年以上前、「ショーマストゴーン」という芝居で、素晴らしい脚本と思いまして…。この人(三谷さん)と出会ってからいいことばっかりで、地方公演で儲かるし、稽古場まで立てられるし…。何言ってるんだかわからないんですけど(笑)。素敵な家族もできて、子役出てたかなーと思ったんですけど…。
B作さんのコメントで、会場に三谷幸喜さんの奥様と息子さんが来られたことが伺えました。ご家族そろっての贈賞式は喜びもひとしおだと思います。
草笛光子さん(比企尼)
「鎌倉殿」では、面白い役をやらせていただきました。一番初めに頂いた役は、今、息を引き取ろうしている役で「ちと、早すぎた。」というセリフで、一週間悩みました。とても悩んだセリフで、忘れられません。
佐藤浩市さん(上総介)
グレンチェックのスーツに身を包んだお姿。グレーヘアがシブすぎる佐藤浩市さん。
佐藤さん:初めてお仕事させていただいたのは新選組ですよね。その時はここまでの巨匠ではなかったので、時々現場に来られていまして、現場では僕と口を利かなかった。なぜ?
三谷さん:怖かったんです。
佐藤さん:だ、そうでございます(笑)。今、時代劇は二極化してきていて、私たちが知っている先人先達の時代劇と、若い人の心の中にポンと飛び込んでいける、それをいい意味でコンサバティブな大河ドラマに作られた三谷幸喜はすごいな。と。
三谷さん:ありがとうございます。(見つめ合う二人)
佐藤さん:軽く、いなすなよ(笑)。
第41回向田邦子賞贈賞式~佐藤浩市さんコメントより
いやぁ、佐藤浩市さんの間の取り方といい、時代劇全体を見据えてのコメントといい、そのシブさとかっこよさは上総介そのものです。三谷幸喜さんとのあ・うん感も伝わって感銘を受けました。ちなみに「いなす」は相手の攻撃や追及を軽くかわす。と言う意味です。
上総介が退場し、義時のターニングポイントとなった15話はこちらから↓
坂口健太郎(金剛→北条泰時)
成長著しい金剛ということで、旋風を巻き起こした男です。始めての時代劇。初めての大河。「初めて」は一度しかないと思うので、最初の作品として「鎌倉殿」に出られて本当にありがとうございます。
大泉洋さん(源頼朝)
トリを飾ったのは大泉洋さん。いつものように洋さんのコメントは長いので一部をご紹介します。
ぼくが20歳の大学生のとき、善さんもB作さんも出られていた三谷さんの舞台『ショウ・マスト・ゴー・オン』の再演に出会ってからこんなに面白いものがあるんだと、憧れの人になりました。何本も三谷さんと作品を共にさせていただくようになり、夢のような出来事だと思います。
源頼朝役を頂いた時に、鎌倉幕府を作ったくらいのことしか知らなかったんですが、15話で上総介を殺した回について、小学校5年生の娘が「パパーなにやってんだよ」「上総の、殺しちゃだめだよ~」娘が私をおもんばかってくれました。
いままでたくさんの作品でファンを楽しませてくださってありがとうございました。
第41回向田邦子賞贈賞式~大泉洋さんコメントより
皆さん第一線で活躍する俳優さんだけあって、短いお祝いの言葉の中に、思いがギュッと込められていました。お一人お一人のコメントを聞いて、「鎌倉殿」の様々なシーンがよみがえってきました。
西田敏行さん(後白河法皇)はビデオレター
西田敏行さんはビデオレターでのコメントでした。
(後白河法皇の声色で)起きろ、三谷幸喜。
底抜けの才能をお持ちですね。素晴らしいです。後白河法皇、色々な方がおやりになっていますが、わたしの演じた後白河法皇が素晴らしかったなと思っています(笑)。
第41回向田邦子賞贈賞式~西田敏行さんビデオレターより
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『鎌倉殿の13人』は、NHKオンデマンドでの配信が2023年7月01日 23:59で終了しました。
2023年9月、配信が再開されました!
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「鎌倉殿」のみどころや、面白さの秘密、おススメの視聴する順番等はこちら↓
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のDVD情報!
「鎌倉殿の13人」はDVDも発売されています。
歴史に残る名場面ばかりの「鎌倉殿の13人」を永久保存版として所蔵するのもいいですね。
「鎌倉殿の13人」は、布石拾いといいますか、後から「あの時のあれがこうだったのか。」というギフトがいっぱいあります。ぜひ1話から通してご覧になることをおススメします。
向田邦子賞とは?
テレビドラマの脚本家、直木賞作家でもある故・向田邦子さんの功績功績をたたえ、現在のテレビ界を支える優れた脚本家に送られる賞として、向田邦子さんが亡くなった翌年の1982年に制定。
対象となる作品の脚本が優れているかが選考基準ではあるが、賞の授与対象はその脚本を著した作家である。主催は、向田邦子賞委員会、東京ニュース通信社。
参考:東京ニュース通信社公式HP「向田邦子賞(mukouda kuniko award)」
歴代受賞者には、ここでは書ききれませんが、第1回市川森一さんはじめ、NHK大河黄金時代の中島丈博さん、『ふたりっこ』の大石静さん、『眠れる森』野沢尚さん、『ビューティフルライフ』北川悦吏子さん、『ちゅらさん』岡田惠和さん、『北の国から』倉本聰さん、そして、宮藤官九郎さん、バカリズムさん、現在『どうする家康』の脚本を手掛ける古沢良太さんなど、時代を代表する脚本家の方々が名を連ねています。
前年度に放送されたテレビドラマを対象に、選考委員がノミネート作品を選定する。
選考委員は歴代向田邦子賞の受賞者で構成されます。今回の選考委員は池端俊策さん、大石静さん、岡田惠和さん、井上由美子さん、坂元裕二さん。
三谷さんが参考にした「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」はどこで見れる?
名作の「寺内貫太郎一家」は、TSUTAYA DISCASの無料お試し期間にレンタル可能です。
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まとめ
2023年5月23日に開催された、向田邦子賞贈賞式の模様を中心に、三谷幸喜さん脚本の「鎌倉殿の13人」についてまとめました。
「鎌倉殿の13人」は史上最高の大河ドラマだと確信しています。まだご覧になっていない方、もう一度見直したい方はぜひU-NEXTをご利用ください。
そして三谷幸喜さんが大きな影響を受けた向田邦子さんの作品「寺内貫太郎一家』や「阿修羅のごとく」も、ぜひこの機会にお楽しみください。
本ページの情報は2023年9月時点のものです。最新の情報はTSUTAYA DISCAS、U-NEXTサイトでご確認ください。
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