1979年の大河ドラマ『草燃える』総集編・5話では、義時(松平健/小栗旬)の父・時政(金田龍之介/坂東彌十郎)の追放から、和田義盛(伊吹吾郎/横田栄司)の乱、実朝(篠田三郎/柿澤勇人)暗殺、公暁(堀光昭/寛一郎)、そして承久の乱での政子(岩下志麻/小池栄子)の演説。
武家が朝廷を超えたところまでが描かれています。
ストーリーだけ見ますと、パワーゲームと血みどろの殺し合いですが、『草燃える』は愛憎劇を大事に描かれていますので、政子と頼家の母子の葛藤や、義時の前に愛した茜と瓜二つの小夜菊(松坂慶子二役/新垣結衣?)が登場したりと、波乱万丈の展開を見せてくれます。
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5話あらすじ(ネタバレ注意)
牧の方(大谷直子)の策略で、畠山重忠(森次晃嗣)が謀反の嫌疑により、滅ぼされます。
義時が時政に詰め寄ります。
時政「小四郎、そなた食えん男になったのう。」
「草燃える」総集編5話より
時政「わしはつい己の欲が顔に出るが、おぬしは政子の影に隠れ、目立たぬように。とふるまいながら、涼しい顔で人を陥れる。戦の旗揚げの時にはイヤイヤ戦に加わり、人も殺せぬようなやつだったのに、それは今ではこのような薄気味悪い男に…」
時政「悪党め、北条一族の中でも最たる悪党よ。」
この会話の間、義時が返した言葉は「父上」のみ(何度も)。
そして、時政自身に鎌倉を離れることを決めさせます。自分では言い渡さない巧みさです。
1話の頃の、ぼーっとした気の弱い義時はどこにもいません。
実朝(篠田三郎)の苦しみ
実朝(篠田三郎)と妻・音羽(多岐川裕美)の間に、お世継ぎが生まれないことについて、執権を継いだ義時(松平健)が、「腹を割って話してください」と実朝の本意を聞きます。
実朝は「これまで何人と源氏の嫡流が殺されてきたか見てきた。子どもを持つのが怖いのだ。」と胸の内を話します。
木曽義仲・義高、源義経・静御前の子、阿野全成とその息子、義家に息子の一幡も甲斐源氏の武田も。と名を挙げていきます。
そして実朝自身が殺されることがあったら、必ず自分の息子も殺される。と。義時はそんなことはない、全力で実朝の命を守ります。と口では言いますが。
実朝は幼い頃から色々見てきているので、さすが達観しています。
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小夜菊(松坂慶子・茜と二役)登場
ある時、小夜菊(松坂慶子・茜と二役)という美女が義時を訪ねてきました。
和田義盛の謀反に加担した嫌疑で、義時の幼い頃からの因縁の盟友、伊東十郎祐之(滝田栄)が牢に入れられていたからです。
小夜菊は祐之の養女なので、父を牢から出してほしいと義時に懇願しに来たのです。
『草燃える』2話で、大庭の娘・茜が頼朝に懇願しに来ました。
歴史は繰り返されます。
自分がかつて一番愛した茜に瓜二つの小夜菊(松坂慶子さんの二役なので瓜二つは当然)を見て、我を失う義時。
『草燃える』総集編2話、茜が頼朝に父・大庭を許してほしいと懇願し、頼朝が茜の美しさに目を奪われ、ついには寝取ってしまうという一連のシーンがオーバーラップします。
義時は秒速で小夜菊を自分の女にしてしまいました。小夜菊も計算済み?
そして、伊東は無罪放免、義時と二人で酒を酌み交わします。
義時「鎌倉の執権として北条の天下を守っていくために、味方につけるものはつけ、殺すべきものは殺す、それがこれまで俺が培ってきた論理だ。」
と悪びれる様子もなく、祐之に話します。
祐之「小夜菊はくれてやるから和田との戦はやめないか。」と持ち掛けます。
「茜と一緒だった頃の、心に汚れのない義時に戻らないか。」と持ち掛けます。
「そこまで力の亡者になってもらいたくない。権力に目がくらんで、目が見えなくなっている。」
義時に畳みかけます。
祐之に義時のわずかに残っている良心を見透かされたからでしょうか、義時は動揺し逆上します。
そしてあろうことか、祐之の両目をつぶさせます。
この展開、もう信じられないです。
和田義盛の乱
義時の思惑通り、和田義盛が兵をあげます。
義盛が御所に火を放ちました。当時の撮影は本当に燃えていて迫力が大変です。和田が滅びます。
公暁が鎌倉に戻る
公暁の乳母父にあたる三浦義村(藤岡弘)も義時に引けを取らない策略家です。
正義の味方・仮面ライダー一号の藤岡弘さんらしくない動きです。
『鎌倉殿の13人』では、三浦義村を山本耕史さんが熱演されており、
ラスボスか?と思われる言動に目が離せません。
ここでも策士・義時は、鎌倉に波が立たないようと、公暁を鶴ケ岡八幡の別当に据え、後鳥羽上皇の御子の内一人を将軍家の世継ぎとして鎌倉に迎えることを実朝と政子に承諾させます。
義時、頭良すぎです。
しかし、実朝の次は自分のつもりで鎌倉に戻ってきた公暁は、これを不服とし、実朝を討つと決意します。
義村の息子・駒若(京本政樹)が公暁を助けようとします。総集編にはなかったですが、公暁と駒若には特別な関係があったようです。
三浦義村は公暁の乳母父ですので公暁をバックアップしています。
ですが、経験値にたけた父・義村は、
「公暁は親の敵を討つという大義名分で実朝を討つのだ。そのあとならいくらでも三浦から兵を出す。」というアイディアを出します。
義村は公暁に対してボソッと
「よろしいか、将軍家だけが親の敵ではございません、」とつぶやきます。
公暁「北条義時!」
義村の思うつぼです。
1月27日、鶴ケ岡八幡宮での実朝の右大臣拝賀
義時が参拝の列に加わっているはずが、おなかが痛くなって途中退席しています。
虎視眈々とその時を待っている義村のすぐ隣に義時本人がやってきます。義村は心底ビックリしていました。
そして、公暁が実朝を討ちとります。実朝の首を掲げ次の鎌倉殿は自分だと高らかに宣言します。
公暁は三浦の館に向かいましたが、策士の三浦は公暁を館には入れず、門の外で討ち取ります。
義村の変わり身の早さ、パワーゲームにもほどがあります。
こうして、源氏の嫡流は絶えました。
承久の乱、政子の大演説
2年後、後鳥羽上皇が鎌倉討伐のために北面の武士・西面の武士を組織、兵力を増強しています。
義時追討の院宣が下されました。
迎え撃つ北条サイド「院宣は勝ったものについてくるもの。」と、超・強気です。
御家人の心を一つにするために、尼将軍・政子(岩下志麻)の演説が始まります。かつての頼朝(石坂浩二)の映像がいっぱい流れます。凛とした政子が涙を流しながら御家人に訴えかけます。
今幕府は創設以来の危機に見舞われています。
私の一生に一度の言葉です。
亡き頼朝公が朝敵を征伐して、坂東に武家の府を創立されて以来
官位や俸禄のすべて、みな頼朝公のお陰でないものはありません。
昔の坂東の豪族の暮らしは、己の土地から高く税を取られ
官位など望むべくもなかったのです。
それを頼朝公は武士の力を結集して全国の領地に地頭職として武士を配したのです。
鎌倉の力をここまでにするために頼朝公がどれほどの努力を払われたか
どれほどの努力を すべて 武士のためにと。力の限りを尽くされた
亡き殿の厚恩を今こそ思い出さねばなりません。
この恩義に報いるため、何をなすべきか(涙)
それは、亡き殿が作り賜おうた、この鎌倉の力、武士の地盤としての地頭職を守り通すことなのです。にもかかわらず、上皇側は近臣の讒言を入れて、道理の合わぬ令旨を下されました。このままでは鎌倉は危うい、鎌倉は危ういのです。
今鎌倉は創立以来の危険に見舞われているのです。
亡き殿の恩義に感じ、名を惜しむものは早速出発するのです。
鎌倉を出でて逆党を討ち取るのです。
ただし上皇側に尽きたいというものはそれではも構わぬ。
この場で早速、その旨申し出るがよい。
「草燃える」5話より
さっき公暁をそそのかした三浦義村が、
真っ先に雄たけびを上げました。調子いいなー。
義時が「これは謀反ではない、謀反というならば上皇こそ謀反者なのだ」と総括します。
承久の乱は、あっさり幕府軍が勝利し、後鳥羽上皇は隠岐の島に流罪になります。
北条を頂点とした武家社会の到来です。
エンディング
この世の春、の北条家。琵琶法師(伊東祐之)が「平家物語」を語りに訪れます。
義時は祐之に声を掛けますが、目の見えない祐之はただの琵琶法師ですと答えます。
そして、夫・頼朝、子ども・大姫、三幡、頼家、一幡(実朝)、孫・公暁と大事な人に皆、先立たれた政子は悲しみにくれています。
隣に座っている妹・阿波の局(真野響子)が
「もしあの時、祐之と一緒になっていたら、お姉さまの人生も全く違ったものになったでしょうね。」
と一言多い妹ぶりを炸裂。
伊東祐之が物悲しい声で
「祇園精舎の鐘の声、盛者必衰のことわりをあらわす」と歌い上げます。
そして色を失った政子の顔のアップ。「完」
まとめ
43年前の大河ドラマですが、全く色あせることなく、終始ハラハラドキドキしながら視聴しました。
出演されていた俳優さんが豪華過ぎです。松平健さんの声がいいのと、岩下志麻さんのりりしさが輝いていて、松坂慶子さんの艶々した美しさがたまりません。
『草燃える』は総集編だからかもしれませんが「え、場面、これだけ?」と思う俳優さんが、今は大御所になれていて、豪華な顔ぶれため息が出るばかりです。
現在の様子を思い浮かべながら『鎌倉殿の13人』のキャストの将来も思い浮かべながら。
思う存分頼朝と政子、義時の生涯を楽しみました。
『草燃える』と『鎌倉殿の13人』のキャスト一覧はこちらから
『鎌倉殿の13人』は三谷幸喜さんが『草燃える』を参考にして書いているともおっしゃっていたので、特に架空の人物(伊東十郎祐之、茜:小夜菊)を『鎌倉殿の13人』では、誰がどのように。
というのがずっと気になっていました。八重さんの二役。を期待せずにはいられません。
謀反の疑い→討伐、までのいきさつも歴史研究が進んでいることもあり、また、史実の空白の部分が『草燃える』と『鎌倉殿の13人』で同じ登場人物でも描き方が違う点が、とてもとても面白いです。
『草燃える』の伊東十郎祐之+三浦義村=『鎌倉殿の13人』三浦義村(山本耕史)さんに託しているような気がします。
二作品を並べて視聴すると、楽しさが倍増します。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。大河ドラマよ永遠に♪
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