頼みの藤原秀衡が死去したことによって、パワーバランスが崩れてきます。
見直し20話の感想や考察をまとめていきます。
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平家を倒したのはおまえだ by藤原秀衡
義経は西に落ち延びたと見せかけて、平泉に身を寄せます。
奥州平泉に義経が帰ってしまうと(義経にその気がないとしても)鎌倉の最大の驚異になります。
これはいけません。
藤原秀衡に「平家を倒したのはお前だ。ようやった九郎!」と言われ、義経は涙を流しました。
大好きな兄・頼朝から、この一言を直接聞けていれば、歴史は変わっていました。
戦略家・頼朝
義時が平泉に行って義経を連れて帰りたい。と頼朝に申し出ます。
頼朝から、以下のような指示を受けます。
1、生きて連れて帰らない。
2、直に手を下さない。
3、藤原国衡・泰衡兄弟の仲を裂け、泰衡をたきつけて、九郎を討たせる。
4、勝手に九郎を討ったことを大義名分にして、平泉を滅ぼす。
戸惑う表情を見せる義時に「あくどいか?あくどいよのぅ」と頼朝が言います。
あくどい策とわかった上での戦略です。「やらねば戦は終わらん。新しい世を作るためじゃ」
義時が平泉に行きたいと申し出ただけで、こんな筋書きが出来上がっていることにびっくりします。
思えば、平氏も清盛が亡くなると、宗盛では抑えが効かず滅亡、藤原氏も秀衡が亡くなると、後継者が争って弱体化。とカリスマ指導者が亡くなると滅亡への道、まっしぐらです。
頼朝亡き後、後継ぎの頼家はダメでしたが、義時や大江広元を筆頭に部下や組織が盤石だったおかげで鎌倉幕府は続いていきました。頼朝が築いた組織力と戦略に感服します。
善児がお供します。
梶原景時の命で、平泉に行く義時に善児がお供します。
頼朝の戦略1と2を実行するためには、必要不可欠な人選です。
静御前と里
生き延びるより、己の我を通した二人でした。
里は比企の娘=坂東の女なので頭に血が上ると導火線が短くなって、京で静の暗殺を企んだり、義経にも黙っていればいいのに、京の刺客は自分が差し向けたことを言ってしまいます。
静御前は京都の女子だと思いますが、勝気なところは里以上です。
義経を愛していただけで、権力欲がなかったので、生き延びるより、自分が静だということに誇りを持つ道を選びます。政子には静の気持ちが痛いほどわかりました。
義経を破滅に追いやった一因を担っている2人ですが、短い生涯を戦にかけ、2人の女性から一心の愛を受けた義経は幸せ者だったとも言えます。
「音曲三人衆」の登場
静御前が、頼朝の前で急きょ舞を披露することになりました。
「音曲3人衆」として、畠山重忠(中川大志)、工藤祐経(坪倉由幸)、三浦義村 (山本耕史)が集められました。
重忠「武芸とともに、この腕も磨いてきました。
鎌倉殿の前で披露できるのは、このうえない幸せ」祐経「私は武芸には脇目も振らず、鼓に命を懸けてきました」
義時「(義村に向かって)なんでいる?」
義村「決まってるだろ。静御前を間近で見たいからよ。適当に叩いていればいいんだろ」
重忠「音曲を侮るな!私がこの域に達するまで、どれだけの年数がかかったとお思いか!」
「鎌倉殿の13人」20話より
と言ってからの、次のシーンに、思わず笑いが。20回唯一のコメディーパートでした。
8月に開かれた「鎌倉殿の13人スペシャルトークin横浜」でも、
中川大志さんが「印象に残ったシーン」として、音曲のシーンをあげていらっしゃいました。
兄・頼朝の姿
義経の首桶が鎌倉に帰ってきました。
首桶に向かって、頼朝が語りかけます。
頼朝「九郎。よう頑張ったな。さぁ、話してくれ。一ノ谷、屋島、壇ノ浦。
どのようにして平家を討ち果たしたのか。お前の口から聞きたいのだ。
さぁ、九郎。九郎、話してくれ、九郎、くろぉおおお」
「鎌倉殿の13人」20話より
「草燃える」総集編では、頼朝(石坂浩二)が、義経が自害した場所に立ち寄り、義経の名前の入った矢を見つけます。
義経(国広富之)の回想シーン。
「話せばわかるはず。野心はありません。平家を滅ぼす以外の事を考えるはずがない。兄上、信じてください。」
頼朝「九郎、九郎、くろぉおおおお」何度も九郎と名前を叫んで、泣き崩れます。
鎌倉攻めのプラン
最後に義時と義経が対面します。
義経の鎌倉攻めの戦略を聞かされます。三浦義村の性格まで読んでの、見事な鎌倉攻撃法でした。
梶原景時なら称賛してくれるだろう。鎌倉に帰ったら渡してくれと頼まれます。
義時は鎌倉に戻った後、義経との約束通り、景時に戦略の詳細を見せます。景時はうなります。
これは、義時と景時二人のトップシークレットになりました。
最後に
「鎌倉殿の13人」20話は、義経が頼朝と語り合うチャンスがないまま、最期を遂げました。
伊豆にいた頃の義時だったら、義経にあえて静御前の話はできなかったと思います。
頼朝化してきている義時が、自分に戻れるのは八重さんと金剛のいる前だけです。
見るのがつらいと思う20話の中で、音曲のシーンに救われました。
実際、畠山重忠は音曲に秀でておられたそうで、史実も含ませながら笑いありの20話、
見直し20話に、再び引き込まれました。
>>こちらの記事で『鎌倉殿の13人』のあらすじネタバレを全話紹介 しています。
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本ページの情報は2022年10月時点のものです。最新の情報はU-NEXTサイトでご確認ください。
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