『光る君へ』最終話”物語の先に”は、通常の放送より15分長い60分でした。ラストシーンでのまひろのセリフは「嵐が来るわ」。道長が守り抜いた、戦いのない時代が終わろうとしています。
を知りたい方にネタバレあらすじとみどころと「光る君へ」最終話の視聴方法をお届けします。
大河ドラマ「光る君へ」の再放送は、地上波では放送翌週の土曜午後1:05から放送されます。
放送後7日以内はNHKプラス、7日過ぎた場合や見逃しイッキ見したい場合には、1話から最新話まで全話配信されているNHKオンデマンドで。
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最終話では、まひろが道長との出会いから今日までの関係を全て語りました。1年間の思い出がギュッと詰まった最終話でした。正妻の倫子も立派でした。
第最終話あらすじ(ネタバレ注意)
まひろ(吉高由里子さん)は倫子(黒木華さん)から道長(柄本佑さん)との関係を問いただされ、2人のこれまでを打ち明ける。全てを知った倫子は驚きと共に、ある願いをまひろに託す。その後、まひろは「源氏物語」に興味を持った見知らぬ娘と出会い、思わぬ意見を聞くことに。
やがて時が経ち、道長は共に国を支えた公卿や、愛する家族が亡くなる中、自らの死期を悟って最後の決断をする。まひろは道長が危篤の知らせを聞き…。
倫子がまひろに道長との関係を聞いてから、道長が法成寺に移るまで実際には7年くらいの月日が流れています。その間、道長には子が先立たれるという大きな悲しみが。まひろの家族も老いてきます。
「光る君へ」ネタバレあらすじまとめはこちらから↓
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紫式部の生涯。まひろは58歳。
紫式部の生涯を年表にまとめてみました。第最終話にあたるのは、赤字の部分です。
年 | 年齢 | 出来事 | 天皇と周辺 |
---|---|---|---|
966年 | 三郎/道長が生まれる | 円融天皇 | |
970年頃? | 1歳 | まひろ/紫式部が生まれる | |
978年 | 8歳 | 三郎/道長と出会う 母・ちやはが亡くなる | |
984年 | 15歳 | まひろが成人する。 父・為時、式部省の役人に。 | 花山天皇即位 |
985年 | 16歳 | 4月7日道隆主催・漢詩の会 | 忯子死去。 |
986年 | 17歳 | 為時、解職。 | 藤原義懐が権中納言に。 一条天皇即位 |
990年 | 21歳 | 藤原定子が一条天皇に入台。 兼家を継ぎ、道隆が関白に | |
993年 | 24歳 | 清少納言が定子に仕える | |
994年 | 25歳 | 都で天然痘が大流行する | |
995年 | 26歳 | 道隆が死去、道兼が死去。 6月 道長が右大臣に 長徳の変 | |
996年 | 27歳 | 父・為時の赴任地・越前に同行。 | 道長、左大臣に。 |
998年 | 29歳 | 帰京。藤原宣孝と結婚。 | |
999年 | 30歳 | 長女・賢子(大弐三位)出産。 | 彰子が一条天皇に入内。 一条天皇と定子に敦康親王誕生 |
1000年 | 31歳 | 定子が皇后、彰子が中宮に。 定子死去。 | |
1001年 | 32歳 | 藤原宣孝と死別。 | |
1004年 | 35歳 | 『源氏物語』執筆開始。 | |
1005年 | 36歳 | 道長の求めで宮仕え開始。 道長の娘・彰子に仕える。 | |
1006年 | 37歳 | 宮仕えを放棄→再び戻る。 | |
1007年 | 38歳 | 『源氏物語』が人気になる。 | |
1008年 | 39歳 | 一条天皇と彰子の間に敦成親王 (後の後一条天皇)誕生 | |
1009年 | 40歳 | 一条天皇と彰子の間に敦良親王誕生 | |
1010年 | 41歳 | 『紫式部日記』執筆開始。 | |
1011年 | 42歳 | 弟・惟規死去。 | 一条天皇が退位。三条天皇即位。 一条天皇死去。 |
1012年 | 43歳 | 彰子が皇太后となる | |
1013年 | 43歳 | 宮仕えを辞める | |
1017年 | 47歳 | 頼通、後一条天皇の摂政となる | |
1019年 | 49歳 | 叙位の儀(45話内の映像から) 刀伊の入寇(4月) | |
1020年 | 50歳 | 隆家、帰京 | |
1014~31年 | 44~61歳 | 紫式部死去(諸説あり) | |
1028年 | 58歳 | 道長死去(62歳) |
『光る君へ』では、道長よりまひろが長生きします。乙丸も最後までまひろと一緒にいてよかったです。
倫子からの提案。そしてソウルメイトへの道のり
都に帰ったまひろは倫子から思いもよらぬ提案を受けます。それは道長の妾になってというものでした。そして倫子から「いつからそういう仲になったの?」と聞かれて、ぽつりぽつりと道長との出会いを語るまひろでした。
- 9歳の時家で飼っていた小鳥が逃げ出して、鴨川のほとりで三郎と名乗る男(おのこ)と出会った。
三郎は優しくて大らかで背が高い - 約束した日母が殺されてしまい、会いに行くことができなくなった。
殺したのは道兼と呼ばれる男
倫子「それなのに、あなたたちは……」 - 共通の友人
直秀について散楽の者が殺されて、2人で葬って……
哀しみを分かち合えるのは、お互いしかいなかった。
倫子は、彰子へはどういう気持ちで仕えていたのかを問います。彰子をだまして、全幅の信頼を勝ち取り、母の私から彰子を奪ったのね。とまひろに言います。
「他に隠し事はないの?」」と聞かれて、まひろはそれ以上答えませんでした。
その次の場面で、賢子が登場したのでどうなってしまうんだろう。と思いましたが、賢子のことは隠し通すと決めたみたいです。
倫子からは全て胸にしまったままで生きて。と言われて、まひろは立ち去ります。倫子にしてみれば、もっと最近になってからの間柄だと思っていたのに、まひろが9歳の頃からの深く、長い間柄だと知ってかなりのショックだったと思います。道長とまひろは身分の壁を越えて、哀しさと苦しさを分かち合い、お互いの存在が唯一無二であると知った倫子。道長が大切にしていた漢詩の文もまひろからのものだったと繋がって、愕然としました。
碁を打っている道長のもとに倫子がやってきます。外戚関係を強固なものにと新たな決意を固める倫子の様子がいつもと違います。倫子は道長の正妻としての覚悟を更に強くしたのでしょう。
まひろが黙っているのだから、余計なこと言わないでね道長。と思いました。
道長のその後と、周囲の人々
月日は流れます。道長とまひろは離れ離れの年月を過ごします。
異母兄・道綱は左大臣になれるのか?
左大臣の顕光が辞表を出すことになり、道綱は道長に「ちょっとの間でいいから大臣をやらせてよ」と持ち掛けます。道長は「大納言を25年もやっているということは、大臣は無理だという証」とやんわり断り、「政とは何だと思う?」と道綱に逆に尋ねます。道綱に言わせると「政とは地位だ」とのこと。
男は座る地位で育つのだ。という道綱の持論も一理あると思いました。
明子と兄・俊賢は?
当初、父の恨みを果たそうと道長と結婚した明子。兼家から扇をもらい受けて、それで呪詛を行い、呪詛返しで妊娠中だった道長との子どもを亡くすという哀しい出来事がありました。
恨みに凝り固まっていた明子に対して、道長は優しく明子の身体を思いやって、次第に明子は道長を信頼するようになります。ですが、正妻の倫子との差は歴然としており、息子たちの立身出世も思うようにならず、道長への当たりがキツイ時もありました。
しかし、明子の兄・俊賢は道長の参謀となって脇を固め、道長と倫子の長男・頼通が摂政となって以降、明子の息子たちにも日の目が当たるようになって、明子は満ち足りた日日を送れるようになってきます。
明子と俊賢がベロを出してひょうきんに笑い合う姿。穏やかな時間が流れている様子ですね。
賢子は?
女房としても能力を発揮している賢子。まひろの気質を受け継いで万事はっきりしていて「光る女君」を目指しています。身分の高い殿方との恋愛を謳歌している様子に、ドッキリしました。
赤染衛門は?
倫子から依頼された『栄花物語』の執筆も進んでいる赤染衛門。倫子に読んで聞かせ、『枕草子』や『源氏物語』のように広く世に受け入れられるかどうか心配な様子です。倫子は「あなたは私の誇りだわ」と自信を持たせます。倫子と赤染衛門、定子と清少納言、そして彰子とまひろ。3組のそれぞれの信頼関係が後世まで残る名作を生んだのだと思うと感慨深いです。
「光る君」の死ぬ姿を描かなかったのは?
後に更級日記を書いたちぐさ/菅原孝標の娘(吉柳咲良さん)が、市で書物を落としたことからまひろと出会い、『源氏物語』について語るという設定になっています。
ちぐさの叔母は『蜻蛉日記』を書いた藤原道綱の母(財前直見さん)です。
ちぐさが『源氏物語』で、光る君の死ぬ姿を描かなかったのはなぜだと思うか?と作者であることを伏せているまひろに問います。まひろは「さぁ」といってとぼけます。
ちぐさの持論では、『源氏物語』の作者の目的は、男の欲望を描くことで読み手である男性の心を惹きつけたことと、女性の読者に対しては、登場人物の誰かに自己投影できるように描いたのだと。そのために女たらしの光る君が女性の間を渡り歩くことにして、光る君はまさしく女を照らし出す光だった。
倫子から指示を受けて道長の病が重篤なことを知らせにやってきた百舌彦。まひろは道長が移った法成寺に向かいます。
布団から手を出す道長、その手を両手で包み込むまひろ。
道長:先に逝くぞ。
まひろ:光る君が死ぬ姿を書かなかったのは、幻がいつまでも続いて欲しいと願ったゆえでございます。
(道長の表情が映し出される)
まひろ:私の知らないところでで道長さまがお亡くなりになってしまったら、私は幻を追い続け得て、狂っていたやも知れませぬ泣。
「光る君へ」最終話より
安倍晴明に雨乞いと引き換えに自分の寿命を10年差し出したことを後悔する道長。
第30話”つながる言の葉”で干ばつ続きの都に、雨乞いをしてくれと安倍晴明に頼んだ時に道長は自分の寿命を10年引き換えにしていました。
まひろの「続きはまた明日」と道長の旅立ち
振り返って「何も成し遂げてきていない」と語る道長に対して、まひろは「戦のない泰平の世を守った」それに『源氏物語』は道長なしでは生まれなかった。と答えるまひろ。
新しい物語があれば、それを楽しみに生きられるやもしれぬという道長に、まひろは物語を作るから生きて世に広めて。と言います。
次の日、まひろは道長から贈られた鴨川の河辺での絵が描かれた扇を持ってきます。現実世界では超えられなかった身分の壁を越えた三郎とまひろの物語です。
まひろ:昔、あるところに三郎という男(おのこ)がおりました。兄が二人おりましたが……
「光る君へ」最終話より
月が満ちていくように、ゆっくりと少しずつまひろの口から物語が綴られていきます。
意識の境目でまひろの物語にハッと我に返るような道長の様子。柄本さんの演技がそれはそれは素晴らしくて……涙。
御簾の外では雪が舞い始めました。
道長:生きることは、もう、よい……
まひろ:(あふれる涙)
道長:(目を閉じる)
まひろ:(物語の続きを語り始める)川のほとりで出会った娘は名を名乗らずに去っていきました。
道長:(はっと目を開ける)
「光る君へ」最終話より
しんしんと雪の降る朝、道長は布団から手を伸ばして亡くなっていました。倫子がその手をそっと布団に戻します。まひろは自分の家にいて、道長の声を聞きます。
オープニング映像に手と手を重ねるカットがあり、あぁこれは道長の伸ばしとその手に重なるまひろの手だったんだ。と思いました。
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道長と同じ日に旅立つ行成
実際に、道長が午前中、午後に行成が亡くなったそうで、道長の死のインパクトが強かったので、行成はひっそりと亡くなってたとありました。
行成の死後、公任と斉信が二人を偲んで酒を酌み交わします。
公任:見し人の亡くなりゆくを聞くままに いとど深山ぞさびしかりける
斉信:消え残る頭の雪を払いつつ さびしき山を思いやるかな
「光る君へ」最終話より
道長、公任、斉信、行成の4人の関係は最後まで続きました。行成は道長を心の底から慕っていて、道長も行成を心底信頼していたので、最期も引き合ったのでしょう。
旅に出るまひろと乙丸
賢子に歌集を託すまひろ。
まひろ:めぐりあひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな
「光る君へ」最終話より
賢子は「幼友達に歌った歌ね」と言っていましたが、道長への歌とも取れますね。
『光る君へ』は全編に渡って「月」がキーワードでした。
まひろは乙丸と再び旅に出ます。旅の道中で、東国で戦が始まり、加勢に向かうという双寿丸と再会します。「何にも縛られずに行きたいと思って」と旅の理由を双寿丸に語るまひろ。
まひろ:(心の声:道長さま)嵐が来るわ。
「光る君へ」最終話より
道長が守り抜いた「戦いのなり泰平の世」が終わりを告げようとしています。
まひろのアップのラストシーン。印象的でした。吉高由里子さん主演のドラマ「風よあらしよ」を連想しました。
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まとめ
『光る君へ』最終話”物語の先に”。道長が亡くなり、鳥かごが壊れて旅立ったまひろは、本当の意味で解放されて、時代の大きなうねりの中に身をゆだねたのかもしれません。見る人によって、どのようにでも投影できる余韻の残るラストシーンでした。
大河ドラマの歴史に新しい頁が刻まれたと感じました。
『光る君へ』のネタバレあらすじと感想を1年間お読み下さりありがとうございました。
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大河ドラマガイド・前編はこちらから↓
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