『光る君へ』43話”輝きののちに”では、道長とまひろの関係も『源氏物語』も最終章がスタートします。「政(まつりごと)とは?」を語った道長と実資のセリフの違いに注目です。
を知りたい方にネタバレあらすじとみどころと「光る君へ」43話の視聴方法をお届けします。
大河ドラマ「光る君へ」の再放送は、地上波では放送翌週の土曜午後1:05から放送されます。
放送後7日以内はNHKプラス、7日過ぎた場合や見逃しイッキ見したい場合には、1話から最新話まで全話配信されているNHKオンデマンドで。
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実資を演じるロバート秋山さん、清少納言を演じるファーストサマーウイカさんの演技が秀悦でした!
第43話あらすじ(ネタバレ注意)
三条天皇(木村達成さん)の暮らす内裏で度々火事が起こり、道長(柄本佑さん)は三条天皇の政に対する天の怒りが原因だとして、譲位を迫ります。しかし三条天皇は頑として聞き入れず対立が深まる。
その後、道長は三条天皇のある異変を感じ取る。その頃、まひろ(吉高由里子さん)は皇太后・彰子(見上愛さん)に仕えながら、源氏物語の執筆を続ける中、越後から帰京した父・為時(岸谷五朗さん)と再会。さらに娘・賢子(南沙良さん)から恋愛の相談をされて…
『源氏物語』が宇治十帖に進んだからか、まひろが発言するシーンが少なくなり、目の動きで感じ取ることが多くなりました。『光る君へ』でも世代交代の風を感じます。
「光る君へ」ネタバレあらすじまとめはこちらから↓
『光る君へ』はNHKオンデマンドで1話から最新話まで全話配信されています。
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紫式部の生涯。まひろは43歳。
紫式部の生涯を年表にまとめてみました。第43話にあたるのは、赤字の部分です。
年 | 年齢 | 出来事 | 天皇と周辺 |
---|---|---|---|
966年 | 三郎/道長が生まれる | 円融天皇 | |
970年頃? | 1歳 | まひろ/紫式部が生まれる | |
978年 | 8歳 | 三郎/道長と出会う 母・ちやはが亡くなる | |
984年 | 15歳 | まひろが成人する。 父・為時、式部省の役人に。 | 花山天皇即位 |
985年 | 16歳 | 4月7日道隆主催・漢詩の会 | 忯子死去。 |
986年 | 17歳 | 為時、解職。 | 藤原義懐が権中納言に。 一条天皇即位 |
990年 | 21歳 | 藤原定子が一条天皇に入台。 兼家を継ぎ、道隆が関白に | |
993年 | 24歳 | 清少納言が定子に仕える | |
994年 | 25歳 | 都で天然痘が大流行する | |
995年 | 26歳 | 道隆が死去、道兼が死去。 6月 道長が右大臣に 長徳の変 | |
996年 | 27歳 | 父・為時の赴任地・越前に同行。 | 道長、左大臣に。 |
998年 | 29歳 | 帰京。藤原宣孝と結婚。 | |
999年 | 30歳 | 長女・賢子(大弐三位)出産。 | 彰子が一条天皇に入内。 一条天皇と定子に敦康親王誕生 |
1000年 | 31歳 | 定子が皇后、彰子が中宮に。 定子死去。 | |
1001年 | 32歳 | 藤原宣孝と死別。 | |
1004年 | 35歳 | 『源氏物語』執筆開始。 | |
1005年 | 36歳 | 道長の求めで宮仕え開始。 道長の娘・彰子に仕える。 | |
1006年 | 37歳 | 宮仕えを放棄→再び戻る。 | |
1007年 | 38歳 | 『源氏物語』が人気になる。 | |
1008年 | 39歳 | 一条天皇と彰子の間に敦成親王 (後の後一条天皇)誕生 | |
1009年 | 40歳 | 一条天皇と彰子の間に敦良親王誕生 | |
1010年 | 41歳 | 『紫式部日記』執筆開始。 | |
1011年 | 42歳 | 弟・惟規死去。 | 一条天皇が退位。三条天皇即位。 一条天皇死去。 |
1012年 | 43歳 | 彰子が皇太后となる | |
1013年 | 43歳 | 宮仕えを辞める | |
1014~31年 | 44~61歳 | 紫式部死去(諸説あり) | |
1028年 | 道長死去(62歳) |
川辺の誓いを立てた道長とまひろは、もう心が落ち着いた雰囲気です。偏継ぎの時にも道長はまひろを意識し過ぎることもなくシレッと横に座っています。
43話の主人公は実資(ロバート秋山さん)
道長と実資の問答が今回の一番のみどころです。
「幼い東宮を即位させ、政を思いのまましようとしているのは誰の目にも明らか」だと道長に苦言を呈する実資に対して「思いのままの政などしたことがない。したくてもできぬ。全くできぬ」と答える道長。
実資は道長に「左大臣の思う、思うがままの政とは何か」と問います。
道長:民が幸せに暮らせる世を作ることだ。
実資:民の幸せとは?(中略)幸せなどという曖昧なものを求めることが、我々の仕事ではありませぬ。朝廷の仕事とは何か起きたときに、真っ当な判断ができるように構えておくことでございます。
「光る君へ」43話より
道長は、「志を持つことで、私は私を支えてきたのだ」と反論します。実資は、「志を追いかける者が力を持つと、志そのものが変わっていく。それが世の習いにございます」と言い返しました。
民の幸せのため。という道長の言葉こそ理想だと思う反面、実資の発言も鋭いなぁと思います。永遠のテーマですね。
ここは思い切って、道長の民=まひろや直秀と読み替えると、グッと身近に感じられて、志ではなく、胸の奥に熱く持ち続けている個人的な感情によって突き動かされていて、分かりやすくなります。
実資は息子・資平を蔵人頭に命じるという三条天皇からの言葉がぬか喜びに終わり、三条天皇に対して本気で腹を立てていました。「真っ当な判断ができるように」なんて、カッコいいことを言っていた実資の反応がまるでコントのオチのようで、ここでも世の習いを感じました。
今回は特に実資の存在感が大きく取り上げられました。ロバート秋山さんの目ヂカラとオウムとのコラボも印象的です。
「偏継ぎ」の文字にドッキリ
3話”謎の男”で初登場した「偏継ぎ」のシーン。倫子さんのサロンでのまひろの聡明さと空気の読めない感が際立ちました。43話では彰子の皇子・敦成親王に向かってまひろが「偏継ぎ」のお題を出しているところに、道長がやってくるというシーンでした。
ここで、まひろがお題に出した文字は「交」「会」「寺」の3文字でした。
石山寺での出会いと交わり…道長とまひろの二人だけが分かる暗号か、まひろから道長への謎かけ?と思ってしまいましたが、これは制作陣からのギフトかもしれませんね、遊び心があって楽しいですね。
道長は敦成親王の教育係として、まひろではなく男性の学者を。と言っていましたが、43話でまひろの父・為時が帰任してくるので、敦成親王の教育係にスッと着く流れなのかと思いました。
『光る君へ』はNHKオンデマンドで1話から最新話まで全話配信されています。3話”謎の男”の偏継ぎのシーンも見直せます。U-NEXT経由のNHKオンデマンドなら31日間無料お試し期間中に視聴できます。
三条天皇の体調に変化が
念願の帝になったからには、自分のやりたいように政を行おうと、じりじりと道長を追い詰めてきた三条天皇ですが、体調に異変が生じます。目が見えにくくなり、耳も聞こえにくくなってきます。
聞こえにくいのは相手がいて表現できますが、見えにくくなってきているのを表現するのに、三条天皇は書面を逆さにして読んでいました。このシーン『篤姫』で家定が自分をうつけ者と思わせるために、わざと『源氏物語』をさかさまに呼んでいるシーンの引用!だと思いました。江戸時代にも読み継がれていた『源氏物語』が大河ドラマの1シーンでよみがえります。
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倫子も彰子も「まひろ」の存在が…
「私でもない明子さまでもない誰か」「父びいきであるのぉ」と、倫子も彰子も短い言葉の中に、まひろから多大な影響を受けていることが表現されていました。
倫子の聡明な振る舞いと、道長への献身的な内助の功。全てわかっている倫子の発言に道長は降参するしかありません。
倫子のも正室然とした構えも、明子の泣き崩れる様も、まひろの書く『源氏物語』も全て道長への愛です。
正妻の倫子が覚悟を決めてどっしり構えているので、この先も倫子・明子・まひろのトライアングルは安定していて、泥沼バトルの展開にはならないと確信しました。賢子の本当の父のことも、賢子には告げず、みなさん墓場まで持っていって欲しいと思います。
道長から届けられた美しい越前和紙がまひろの生きる糧となり、まひろは『源氏物語』を書くことで道長と彰子を支えてきました。一条天皇が亡くなり『源氏物語』を書き続ける意義がなくなったと感じたまひろが”雲隠”と書き残したのを見て、道長の生気が奪われましたが、百舌彦に呼ばれてまひろが道長に会いに行ったことで、また道長は生きる意味を見出しました。
ですが、これは道長とまひろの魂の繋がりです。道長は心の支えにしながらもリアルな暮らしや政では、倫子と明子の存在なくしては道長は左大臣の務めを果たしてこれなかったと思います。
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隆家と行成のどっちが大宰府に。
先に行成が「大宰府に赴任したい」と道長に申し出ました。「財をなしたいから」と言っていましたが、道長の役に立てているのかどうか、自分の存在意義がわからなくなったから離れたいと思ったのでしょう。
一方、隆家は狩りの時に目に枝が刺さったのが元で目の病を患い、目の病の治療に長けた宋人の薬師が大宰府にいる。ということで、大宰府に行きたいと志願します。
道長は行成に「隆家の目の病を治すため、大宰府には隆家を行かせる」と言えばいいのですが、「俺のそばにいろ」といって行成を都に留まらせました。行成、ちょっと消化不良気味です。
『光る君へ』での行成は、若い頃は4つ年上の道長を兄のように慕って、陰となり日なたとなり支えてきましたが、年を重ね、結果的に道長寄りになりつつも、次第に行成自身が直面する現実的な側面からの、温情あふれる忠告をするようになってきました。
行成の表情が切なそうだったり、少し怒りや絶望感のようなものもあったりするので心配ですが、大宰府での外国からの襲来には「三蹟」の一人である文学に長けた行成ではなく、狩りが好きで花山院に矢を放ってしまうような隆家が欠かせません。
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清少納言の佇まいが変化した
隆家が大宰府に着任することになり、清少納言と挨拶を交わします。
「噛みつきそうな勢いがなくなった」清少納言はたたずまいが変わったと隆家が言います。清少納言は「恨みを持つことで、命を支えてきましたが、それはやめようと思います」静かに生きていこうと決めた清少納言はきっぱりとしていて、カッコよかったですね。
清少納言が本来持つ、明るくカラッとした性格に戻ったようで、年月は人の心を癒すことを感じました。年を重ねてまひろとも親交を再開して欲しいと思いました。
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まひろはフラれたことがある?
隆家に随行して大宰府に向かう為賢と共に双寿丸も大宰府に行ってしまいます。賢子はついていきたいと言いますが「足手まといだ」と双寿丸に断られます。落ち込む賢子は母・まひろに尋ねます。
賢子:母上はフラれたことある?
まひろ:あるわよ
「光る君へ」43話より
まひろの「フラれた」は道長から「北の方にするのは無理だ」と言われた時と、道長の妾になると決心したのに「倫子と結婚する」と告げられた時の2回のことを指しているのかなと思います。
まひろは今では全てわかります。双寿丸が賢子を足手まといと言ったのは、危ない目に合わせたくないから。「生きているとそういうことはままあるのよ」とまひろは娘の賢子に話します。
ここで賢子の気持ちを全否定したら、母子の気持ちは離れてしまいますが、まひろは若い時の自分に重ねて賢子の気持ちに寄り添って、双寿丸の壮行会を開くことも賛成します。
双寿丸と賢子は、道長とまひろが超えられなった身分の壁を軽々と超えて、何でも可能にしてきました。ちょうど道長とまひろが川辺の誓いをするタイミングに若い二人の様子を重ねるところが憎い脚本だと思いました。
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まとめ
43話”輝きののちに”では、道長とまひろのソウルメイトとして生きる姿と『源氏物語』の最終章がスタートします。実資と交わした「政(まつりごと)とは」の問答が見ごたえがありました。そして、倫子の「フフフ」の笑い声が頼もしくも恐ろしく響いた回でした。
残すところあと5話となった『光る君へ』。クライマックスに向けて目が離せません。
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