『光る君へ』42話”川辺の誓い”では、病に倒れた道長とまひろが「川辺の誓い」を交わします。宇治という土地で、生きていく希望と書き続ける希望を見出した2人。『源氏物語』雲隠から宇治十帖へと続くストーリー展開が憎いです。
ひぐらしの鳴き声が響く中、宇治にいる道長を訪ねたまひろ。(おそらく私だけだと思いますが)『冬のソナタ』のラストシーンがフラッシュバックしました。
を知りたい方にネタバレあらすじとみどころと「光る君へ」42話の視聴方法をお届けします。
大河ドラマ「光る君へ」の再放送は、地上波では放送翌週の土曜午後1:05から放送されます。
放送後7日以内はNHKプラス、7日過ぎた場合や見逃しイッキ見したい場合には、1話から最新話まで全話配信されているNHKオンデマンドで。
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百舌彦の働きに拍手を送りたいですね。逆の立場だったら、乙丸もどうにかして道長を呼んできそうな気がします。
第42話あらすじ(ネタバレ注意)
宮中で、道長(柄本佑さん)と三条天皇(木村達成さん)が覇権争いが続いています。道長は娘・妍子/きよ子(倉沢杏菜さん)を三条天皇の中宮にするも、三条天皇は長年付き添った東宮妃・娍子/すけ子(朝倉あきさん)を皇后にすると宣言します。そこで道長は権力を誇示するため、ある計画を立てますが、道長の体調に異変が…。
一方、まひろ(吉高由里子さん)は里帰り中に、娘の賢子(南沙良さん)がケガをした双寿丸(伊藤健太郎さん)を連れているところに出くわしします。
鈴の音と共に道長が病に倒れ、まひろは”雲隠”と書き残して、筆を持たず琵琶を弾き、宇治でひぐらしの鳴き声が響く中、まひろと道長が再会します。音と映像でこれまでのエピソードを回収している42話。2度目はぜひ目を閉じて聴いてみてください。
「光る君へ」ネタバレあらすじまとめはこちらから↓
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紫式部の生涯。まひろは42歳。
紫式部の生涯を年表にまとめてみました。第42話にあたるのは、赤字の部分です。
年 | 年齢 | 出来事 | 天皇と周辺 |
---|---|---|---|
966年 | 三郎/道長が生まれる | 円融天皇 | |
970年頃? | 1歳 | まひろ/紫式部が生まれる | |
978年 | 8歳 | 三郎/道長と出会う 母・ちやはが亡くなる | |
984年 | 15歳 | まひろが成人する。 父・為時、式部省の役人に。 | 花山天皇即位 |
985年 | 16歳 | 4月7日道隆主催・漢詩の会 | 忯子死去。 |
986年 | 17歳 | 為時、解職。 | 藤原義懐が権中納言に。 一条天皇即位 |
990年 | 21歳 | 藤原定子が一条天皇に入台。 兼家を継ぎ、道隆が関白に | |
993年 | 24歳 | 清少納言が定子に仕える | |
994年 | 25歳 | 都で天然痘が大流行する | |
995年 | 26歳 | 道隆が死去、道兼が死去。 6月 道長が右大臣に 長徳の変 | |
996年 | 27歳 | 父・為時の赴任地・越前に同行。 | 道長、左大臣に。 |
998年 | 29歳 | 帰京。藤原宣孝と結婚。 | |
999年 | 30歳 | 長女・賢子(大弐三位)出産。 | 彰子が一条天皇に入内。 一条天皇と定子に敦康親王誕生 |
1000年 | 31歳 | 定子が皇后、彰子が中宮に。 定子死去。 | |
1001年 | 32歳 | 藤原宣孝と死別。 | |
1004年 | 35歳 | 『源氏物語』執筆開始。 | |
1005年 | 36歳 | 道長の求めで宮仕え開始。 道長の娘・彰子に仕える。 | |
1006年 | 37歳 | 宮仕えを放棄→再び戻る。 | |
1007年 | 38歳 | 『源氏物語』が人気になる。 | |
1008年 | 39歳 | 一条天皇と彰子の間に敦成親王 (後の後一条天皇)誕生 | |
1009年 | 40歳 | 一条天皇と彰子の間に敦良親王誕生 | |
1010年 | 41歳 | 『紫式部日記』執筆開始。 | |
1011年 | 42歳 | 弟・惟規死去。 | 一条天皇が退位。三条天皇即位。 一条天皇死去。 |
1012年 | 43歳 | 彰子が皇太后となる | |
1013年 | 43歳 | 宮仕えを辞める | |
1014~31年 | 44~61歳 | 紫式部死去(諸説あり) | |
1028年 | 道長死去(62歳) |
道長に「俺より先に死ぬな」と言われたまひろ。史実ではまひろの方が先にこの世を去るようですが、『光る君へ』ではどう描かれるのか気になります。
明子は母だった。
最愛の長男・顕信が出家して半狂乱の明子。道長は全体を見渡しての政治判断だったのが、明子も顕信も蔵人頭を辞退するなんて、道長から虐げられたという思いでいっぱいになってしまいます。
『源氏物語』の六条御息所と同様、明子も気高く教養もあるので、自尊心も大いに傷つけられたのだと思います。
ここで、道長の父・兼家に行ったような呪詛を、道長か誰かに向けるのかと思ったのですが、明子はただひたすらに息子のことを思って臥せってしまいます。「比叡山は寒いでしょう。身一つで凍えてはおらぬだろうか」そこには道長への恨みはなく、母の愛しかないです。
伊周が大宰府に流罪になった時、実資と道長に同行するのを阻止された母・高階貴子の泣き叫ぶ姿を思い出します。
道長も顕信の突然の出家に加え、明子の落胆ぶりからも大いにショックを受けて、心労がズシンと積み重なっていきます。
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三条天皇と道長のパワーゲーム
三条天皇は、じりじりと道長を追い詰めていきます。二人を取り巻く公卿たちも巻き込んだパワーバランスがはっきりと見えた回でした。
かつて、一条天皇と定子と彰子の間で実現した「一帝二后」は、定子が既に出家してしまっていたので(帝の祭祀に出家していると出られない)、彰子が中宮になれましたが、今度は順番が反対です。三条天皇は既に何人もの子どもがある娍子を何としても中宮にしたかったのと、道長の思いのままにさせたくなかったのでしょう。
三条天皇と道長の勢力抗争は以下の通りです。
- その1彰子を皇太后とした後、まず、妍子を中宮に。
その心は→道長に貸しを作っておく。 - その2娍子を皇后に→さもなくば、妍子の元には渡らない宣言
その心は→三条天皇は、してやったり。
道長は、娍子を皇后。をのまざるをえない。 - その3娍子の立后の儀と、妍子の内裏参入を同日にする。
その心は→三条天皇は午前・午後に分ける対抗措置。
道長は公卿の出席具合で権力を誇示し、派閥判断ができる
三条天皇の術中に落ちたと思われた「一帝二后」大作戦。ここで道長の親衛隊である公任、斉信、俊賢、行成の4人が道長に「娍子の立后の儀と妍子の内裏参入を同じ日にぶつけては」と提案します。どちらに出るかで公卿たちの立ち位置が鮮明になるというのがその理由です。
実際にはお昼・夜と時間帯を分けたので、両方出ることは可能ながら、娍子の立后の儀に出席したのは、実資、隆家などわずか数名でした。
実資の政治的な立ち位置や、シビアな判断は見習いたい部分ですが、ロバート秋山さんが演じておられているので、面白味と共に伝わってきて『光る君へ』のいい味になっています。
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”雲隠”で、役目を終えたまひろ。倒れる道長
定子を元気づけるために書いた清少納言の『枕草子』は、一条天皇を定子に向かせるのに役立ち、その後、まひろの書く『源氏物語』が『枕草子』から一条天皇の関心を彰子に向けさせました。その一条天皇が亡くなり『源氏物語』とまひろの役目も終わろうとしています。
彰子に呼ばれた道長が、まひろの局に立ち寄ります。妍子の悪評と、三条天皇が妍子の元に渡らないことを憂いています。
一条天皇を魅了した『源氏物語』は彰子に仕えているまひろの物語。もう『源氏物語』では役には立ちません。
まひろが夜空の月を眺めます。違う場所で道長もまた同じ月を眺めています。
まひろ:「もの思うと 過ぐる月日も 知らぬ間に 年も我が世も 今日や尽きぬる」
(まひろの心の声)物思いばかりして、月日が過ぎたことも知らぬ間に、この年も我が生涯も、今日で尽きるのか。
「光る君へ」42話より
この歌は『源氏物語』で源氏の君が呼んだ辞世の句ですが、まひろの心境にもぴったりあてまります。
まひろは”雲隠”と記して、里に下がります。
道長がまひろの局を訪れると、まひろはそこにはおらず、文机には”雲隠”と書かれた紙が残されていました。
鈴の音が鳴ります。道長は頭がひどく痛み、病に倒れます。
道長が病に倒れる部分も『源氏物語』とオーバーラップしていて、ここで道長も「雲隠れ」してしまうのかしら…と思ってしまいました涙
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「川辺の誓い」で生きる意味を見つけたまひろと道長。
道長のことが心配なあまり、まひろを呼びに行く百舌彦。まひろは道長に会いに宇治にやってきます。
こういう筋書きにするの?きた~!と思いました。
ぐったりと柱にもたれている道長はまひろの顔を見て、驚き、そして息を吹き返したように覚醒します。
道長が三郎に戻って、熱い血が通った瞬間でした。
川辺を歩く2人。ここで2人で人生を終えるのも幸せです。「この川で2人で流されてみません?」と言うまひろに、道長が我に返ります。
道長:おまえは、俺より先に死んではならぬ。死ぬな。
まひろ:ならば、道長様も生きてくださいませ。道長様が生きておられれば、私も生きられます。
「光る君へ」42話より
道長は川に向かって、涙を流します。今までの重責と、自分の行ってきた強引なやり方の後悔もあるかもしれません、まひろの一言で堰を切ったように涙が流れます。
もともとボーっとしていた三男坊の三郎/道長。政治とは無縁で、まひろと遠い国に逃げて二人で暮らそうと思っていたところを、まひろに「直秀のように不条理に殺される人がいなくなるように、政治の頂点から世の中を変えて」と言われて、その約束のためだけにここまで苦しんできました。
もし、あの時、まひろが道長の妾になることを承諾していたら、『源氏物語』ではなく『蜻蛉日記』のような物語が完成して、道長とまひろは宣孝とまひろのような穏やかな時をもっと持てたのかも知れません。その場合は倫子、明子、まひろのバトルは必然になってきますが。
まひろと川辺での誓いをした道長は、また新しい約束「生き抜く」を全うするために頑張ることでしょう。そしてまひろもまた『源氏物語』宇治十帖の創作へと進んでいきます。
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まとめ
42話”川辺の誓い”では、まひろと道長が新たな誓いを交わし、最後の挑戦が始まります。『源氏物語』も宇治十帖へと進んでいきます。
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