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【源氏物語】十二帖「須磨(すま)」簡単あらすじ&登場人物

源氏物語十二帖 須磨 未分類
『源氏物語』十二帖 須磨

この記事では、全54帖ある超長編『源氏物語』の十二帖「須磨(すま)」のあらすじと主な登場人物を簡単にまとめました。

『源氏物語』十二帖「須磨(すま)」は『光る君へ』では何話のどの辺りのこと?についても独自の考察をお届けします。『光る君へ』『源氏物語』の両方を楽しんでいただくきっかけになれば幸いです。

大河ドラマ「光る君へ」の全話のあらすじ&感想はこちらからどうぞ。

【源氏物語】十二帖「須磨(すま)」あらすじ。

現在の須磨海岸
現在の須磨海岸。前方に見えるのは淡路島。明石は右手の山を越えた向こう側。

十二帖「須磨(すま)」のあらすじを一言で表すと

自ら須磨へ下る光源氏。頭中将は会いにやってくる。

では、ざっくりあらすじは?

右大臣一派からの流罪の決定が出される前に、光源氏は残していく紫の上に全て財産を残し、女人たちには文をしたためて自ら須磨へ下る。一風変わった隣国、明石の入道の噂を耳にする。光源氏は須磨で寂しく過ごしているが、宰相中将となった頭中将だけは右大臣家の婿でありながら須磨の光源氏の元を訪れる。

主な登場人物

光源氏:26~27歳

頭中将:左大臣家の息子で、葵の上の兄。右大臣家の四の君と結婚。源氏の君とは盟友。

十二帖「須磨(すま)」のポイント

源氏の君は、流罪を言い渡される前に、自分で謹慎しますという意思表示に須磨に蟄居します。華やかな都を離れて寂しい日々を過ごします。わずかな供の者たちから聞いた一風変わった明石の入道の話。都で別れを告げてきた女人たちからの文を読んでは世捨て人のような暮らしをしています。身に迫る天変地異の恐ろしさや、次の巻での新たな出会いなど、須磨から源氏の君の第二章が始まります。

須磨返りとは

『源氏物語』が54帖もある大作であることから、この十二帖「須磨」の巻のあたりで挫折する人が多く、このことを俗に「須磨返り」と言います。

いろは
いろは

光源氏のモテモテぶりはよく分かったし、藤壺は出家して、源氏の君も自らとはいえ須磨に行ってしまったし…よく分かります。

ここからは、源氏の君を中心としたラブロマンスから、因果応報や次の世代に繋がる壮大なストーリーになっていきます。登場人物が増えますが、『光る君へ』の場面を思い浮かべてエピソード拾いをしながら読み進めると楽しみが尽きません。

「光る君へ」では何話のどの辺りに出てくる?

伊周が歌に詠んだ須磨の関
神戸・現光寺境内の須磨の関碑(2024年10月管理人いろは撮影)

そのものずばりというシーンはないものの、伊周が流罪となって、母・貴子と京を離れようとしたものの、道長と実資に貴子は残るようにと指示された場面など、都を離れる辛さ、身内と離れる寂しさが通じると思います。

いろは
いろは

今の須磨はとても便利で京都から電車だと1時間かかりませんが、平安時代に輿に乗っての移動で、都の香りがしない須磨の土地は、源氏の君にとって、どれほどわびしい土地に感じたのだろうと…想像もできません。

いろは
いろは

「光る君へ」は『源氏物語』を土台にして全方位にストーリーを展開していますね。 

大河ドラマ「光る君へ」の全話ネタバレあらすじはこちらかどうぞ↓

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まとめ

十二帖「須磨(すま)」の簡単あらすじと、「光る君へ」におけるオマージュを探りました。

先手を打った形で、須磨に下った源氏の君。若干26歳ながら、世を捨て、自分を見つめ直す場所と時間を設けたと思います。その後、都に戻った源氏の君は権勢を盛り返すので、情勢を読んでさっと身を引いた源氏の君の才覚はあっぱれです。

いろは
いろは

須磨への蟄居はすごろくで言うところの「振り出しに戻る」くらいのインパクトがありますが、目配り、気配りができるモテ男子・源氏の君は、仕事もデキる。ということが証明されていきます。

『源氏物語』は54帖の超大作。スキマ時間を利用して3か月かかってやっと読破しました。前半で目の疲れに悩まされて、耳の読書を色々試してみました。その様子はこちらからお読みいただけます。
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「源氏物語」を読んでみたい方におすすめの本7選!

『源氏物語』原文は文字数約100万文字(といってもイメージ沸きませんよね)、400字詰め原稿用紙で約2400枚と言われています。現代語訳だと注釈の言葉も入ってくるので、とんでもない長編小説です。

まずはオーディブルでざっくり内容を把握して、興味のある部分を深堀りしていくことをおススメします。

いろは
いろは

活字や紙のボリュームを見ると「むり~」と思ってしまいますが、オーディブルだと全体ボリュームに関係なく流れていきますので私には耳での読書が合っていました。

一番売れている現代語訳は角田光代さん版。全8巻です。

現代語訳は瀬戸内寂聴版と与謝野晶子版もおすすめします。

読破するぞと読み始めたものの、須磨の巻あたりでギブアップするのを「須磨がえり」(高床式倉庫のネズミ返しみたいですね)と言うらしいですが、そこまでたどり着けず、二帖”帚木”で「どの巻もこんなに長いの~」と思って諦める人も多いと聞きます。

私は七帖”紅葉賀”で目の疲労に悩まされて、オーディオブック併用にしました。朗読の収録時間は『源氏物語・与謝野晶子版』で70時間。瀬戸内寂聴版で135時間くらいです。途中寝てしまったり、意識を失いながら、約3か月で聴き終わりました。

いきなり100万文字の大海に漕ぎ出さず、とにかくざっくり『源氏物語』を味わいたい方には、田辺聖子さんの『新源氏物語』がおススメです。一帖”桐壺”がなくて二帖”帚木”から始まっていて、ぎゅっと詰まっています。

参考文献としておススメなのは「紫式部の欲望」。作者の酒井順子さんの着眼点が面白くて、今のご時世だと非難されてしまうかもしれない見解も楽しく読めました。

「イギリスは美味しい」など英国エッセイでご存知の方も多い国文学者の林望先生の源氏物語関連本は、分かりやすく古典に寄せた知見を読めます。「くり返し読みたい」シリーズは特に絵が多くて優しい内容です。

真打ちは林望先生の「謹訳源氏物語」。林望先生の「謹訳平家物語」もとてもいいのですが、源氏物語も読みやすくて、リンボー先生独特の品があります。前書きを読むと内容が予想できるので、ネタバレ不要の方はご注意下さい。

※本ページの情報は2024年11月時点のものです。最新の情報は各公式サイトでご確認下さい。

#源氏物語 

管理人いろは

中学2年生の国語の授業で平家物語「敦盛の最期」を勉強して以来、歴史ドラマにはまっています。特にNHKの大河ドラマが大好きです。リアルタイムでテレビを見る時間がないので、あとから見逃し配信を見たり、過去の作品をイッキ見して楽しんでいます。ゆかりの地を訪ねるのも楽しみの一つです。ドラマにほへとでは、管理人いろはが実際に見た大河ドラマの情報をまとめています。PCやスマホでイッキ見する方法も紹介しています。大河ドラマよ永遠に♪

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