2025年9月28日放送の大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第37話「地獄に京伝」。
春町の死後、出版の信念と向き合う蔦重と、才ある戯作者・政演がすれ違い始めます。「たわけ者は抗ってねえと…」と言う蔦重と、「面白けりゃいい」と反論する政演。吉原の衰退、ていの厳しい諫言、歌麿ときよの幸福と不穏も描かれた37話。
実在の作品『傾城買四十八手』『心学早染艸』の背景にも注目です。
本記事では、「べらぼう」37話の徹底レビュー&感想をわかりやすくご紹介します。
見逃してしまった方や、もう一度じっくり振り返りたい方にもおすすめです。
>>こちらの記事で『べらぼう』のあらすじネタバレを全話紹介 しています。
>>こちらの記事で『べらぼう』の話ごとのキャスト&相関図を紹介しています。
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べらぼう第37話「地獄に京伝」のあらすじ

春町の死後、揺れる出版界と蔦重の葛藤
寛政元年から2年にかけて、恋川春町(岡山天音さん)の自害をきっかけに江戸の出版界は大きく揺れます。
蔦重(横浜流星さん)は自責の念にとらわれ、春町の遺志(源内先生、新之助、意次も全部)を継ごうと奮闘しますが、戯作者たちは恐れて筆を折り、出版の将来が危ぶまれています。
蔦重は町方の戯作者・北尾政演/山東京伝(古川雄大さん)に希望を託しますが、
政演も風刺黄表紙でお咎めを受けたため執筆をためらいます。
松平定信の改革と吉原への波紋
一方、老中・松平定信(井上祐貴さん)は棄捐令(きえんれい)を発動し、日本橋中洲の取り壊しなど改革を断行。
倹約令が強まり、吉原では客足が激減します、中洲からの遊女たちも吉原に送られ、
りつは「めっぽうでかいだけの地獄になっちまうよ」と危機感をあらわにしました。
歌麿の朗報と、きよに忍び寄る不穏
歌麿には豪商・釜屋伊兵衛から肉筆画の依頼が舞い込み、
ようやく明るい兆しが見え始めます。
ですが、妻・きよの足に赤い湿疹が……不穏な空気が漂い始めました。
蔦重と政演、そしてていの諫言
蔦重は政演に、絢爛豪華な女郎を描く作品の執筆を依頼しますが、
妻・ていからは「市井の一本屋に過ぎない」と痛烈な言葉を浴びせられます。
「韓信のまたくぐり」を引き合いに、今は耐えるべきだと諭すていの言葉も蔦重には届きません。
『傾城買四十八手』『心学早染艸』の出版と決裂
葛藤する政演は、やがて洒落本『傾城買四十八手』を完成させ、
さらに教訓書『心学早染艸』を別の版元・大和田から出版。
それを知った蔦重は激怒し、ふたりはついに決裂。
政演は「もう書かねえっす」と蔦重の元を去っていくのでした。
37話の感想と徹底レビュー!
37話の蔦重と政演を見ていると、以前、春町がスランプに陥った時に、歌麿と喜三二が励ましにいったことや、歌麿が枕絵が描けない苦悩から、蔦重ではなく、鳥山石燕が救った過程が重なります。

プロデュースする側と、作り手とでの感性の違い、創作意義の違いを実感した回でした。どちら正しい訳でも間違っている訳でもないのは、定信の政治と同じだなと思いました。
理想と現実、蔦重と政演のすれ違い
今回の大きなテーマは、出版をめぐる「信念」と「エンタメ」のすれ違いです。
「たわけ者は抗ってねえと、一つもたわけられねえ」と訴える蔦重と、
「面白けりゃいいんじゃねぇですかね」と応じる政演(山東京伝)。
かつて源内、新之助、田沼意次、そして春町らとともに歩んだ蔦重にとって、出版は人々の心を救う「志」そのものです。
一方で政演は、江戸庶民の「笑い」や「本音」に一番近いところにいる作り手。
戯作の「面白さ」を純粋に追求する彼の姿勢は、蔦重にとって歯がゆく映ったことでしょう。
このふたりの対立は、単なる口論ではなく、
「プロデューサーと作り手」という立場の違いを象徴するものでした。
「一本屋にすぎない」の限界を突きつけるていの諫言
蔦重の理想に、容赦なくメガネを外して現実を突きつけたのが妻・ていの言葉でした。
「所詮、市井の一本屋に過ぎません」
この一言には、蔦重の限界、そして「志だけでは守れない現実」が込められています。
ていが語った「韓信のまたくぐり」の故事。
目的を果たすためには、時に屈辱も甘んじて受けるべき、という教えも、
まっすぐすぎる蔦重には届きません。
蔦重とてい、それぞれの正しさがぶつかる場面に、
どちらの気持ちも分かるし「その中間はないのかい?」と突っ込みたくなりました。

「一本屋にすぎません」とていが言った場面。信頼している間柄だからこそ、いちばん残酷なことが言える。それも強い目で。さすがていさんです。
歌麿に訪れた希望と、きよの赤い湿疹
一筋の光となったのは、歌麿の躍進です。
豪商・釜屋伊兵衛から肉筆画の依頼を受け、「おきよがいたら何でもできる気がする」と、
幸せそうな笑顔を見せる歌麿。
しかし、直後に映るきよのくるぶしには、赤い湿疹。政演が訪問した場面では湿疹がさらに広がっていました。
『べらぼう』脚本の森下佳子さんは、ドラマ『大奥』で“赤面疱瘡”を描いた経緯もあり、
今後、きよに起こる展開を想像すると、不安が募ります。

歌麿の「おきよがいれば何でもできる気がする」に、こちらまで嬉しくなったのに、きよの足元で一気に不安を掻き立てられました。
蔦重の「吉原を救いたい」という想いと孤独
吉原の衰退を目の当たりにした蔦重は、
政演や歌麿に「絢爛豪華な女郎を描く企画」を持ちかけます。
それは、出版を通して町の空気を変えたいという想いからでしたが、
ていの言葉、政演のためらいにより、その想いは空回りしていきます。
「忠臣蔵」の大石内蔵助のように、のらりくらりと時を待つ選択は、
吉原育ちでまっすぐな蔦重にはできません。
彼の行動力は、時に暴走とも紙一重。
今後の蔦重が、どのようにして己の道を切り開いていくのか……
その一歩手前の試練だと感じました。
政演の才能と新たな道、『傾城買四十八手』と『心学早染艸』

歌麿の襖絵を見て、ありのままの美を感じ、政演は「女郎と客の心理」を描いた洒落本『傾城買四十八手』を完成させます。
さらに、馴染みの花魁・菊園の助言もあり、石門心学をもとにした教訓書『心学早染艸』を、
別の版元から出版するという「戦略的ブレイクスルー」も見せました。
これらは作り手としての政演の才の証ですが、
蔦重にとっては「裏切られた」ように映ったのでしょう。
蔦重が怒りを露わにし、政演が「もう書かねえっす」と絶縁宣言する流れは、
切ないなぁと思いました。

京伝が「面白けりゃいい」と絞り出した瞬間、ああ、これが江戸っ子の本音かも思ってしまいました。

山東京伝の『心学早染艸』で描かれた「善魂」と「悪魂」が、今でも使われている「善玉、悪玉」の元になっているそうで、山東京伝の才能の素晴らしさを再認識します。
37話に登場した実在の本を解説!
『傾城買四十八手』とは?

作者:山東京伝(北尾政演)
刊行年:寛政2年(1790年)ごろ
『傾城買四十八手(けいせいかいしじゅうはって)』は、
吉原の遊郭での男女の駆け引きや、客と花魁の心理を、洒落と風刺を効かせて描いた洒落本の名作です。
登場人物が、どこか現実の花魁や客を彷彿とさせる点が特徴で、
ドラマでは、山東京伝のなじみの花魁・菊園との関係が色濃く投影されていました。
「傾城(けいせい)」は花魁の別称で、
「四十八手」は元々、男女の駆け引きの技のような意味合いがあり、恋愛指南書としての側面もあります。
蔦重もみの吉もていも読みふけっていた文面。山東京伝の字、親しみやすく読みやすいですね↓

ドラマ内でも、蔦重の望んだ「絢爛豪華な女郎」とは真逆の
「ありのまま」の誰もが自己投影できるリアルな女郎と客の心模様を描いたことで、蔦重を驚かせていました。
『心学早染艸』とは?

作者:山東京伝(北尾政演)
刊行年:寛政2年(1790年)ごろ
版元:大和田安兵衛(劇中では蔦重以外の本屋)
『心学早染艸(しんがくはやぞめぐさ)』は、
江戸時代後期に庶民のあいだで広まった教訓道徳「石門心学(せきもんしんがく)」をもとに、
善悪の概念をわかりやすく伝える「教訓黄表紙(おしえ本)」です。
特徴的なのは、擬人化されたキャラクター「善魂(ぜんだま)」と「悪魂(あくだま)」が登場する点。
規制の厳しい寛政の改革に適応した出版で、
「風刺や洒落ではなく、時の権力に寄り添った本」として、
蔦重からは怒りと失望の対象となりました。
そして、「善玉・悪玉」という言葉のルーツは山東京伝の『心学早染艸』からきています。すごいですね。
37話に登場した、印象に残った言葉・地口まとめ
『べらぼう』37話でも、耳に残る地口やダジャレが随所に登場しました。
江戸のことば遊びや、皮肉たっぷりの風刺表現を通して、当時の空気感がより鮮やかに描かれています。
地口や面白い表現
・ふんどしの守(かみ):みなが定信のことを。定信の改革を「ふんどしを担いでる」=持ち上げている、と揶揄する言い方。
・お初徳兵衛:「曽根崎心中」の主人公の名前。曽根崎心中の別名。(栃木の小間物屋・釜屋伊兵衛が蔦重と歌麿に)
・お会いできて、嬉しいの実が一袋(ひとっぶくろ):小間物屋さんならではのダジャレ
・おお、こりゃ、ご無礼仕りの三郎(釜屋のダジャレ・オンパレード)
・遅まきながらの唐辛子なんですけど(〃)
・そりゃ、ありがた山のとんびがらす(蔦重が答えて)
・春町先生に草場の陰から雷みたいな屁ひられっぞ(蔦重が政演に)
・ふんどし担いでるとか担いでないとか(政演が)

春町の「豆腐の角」には泣いて笑って涙
でも今回の「屁ひられっぞ」は、笑って泣きそうでした。
江戸っ子って、本当に粋な言葉の達人です。
蔦重とていの夫婦喧嘩
「陶朱公のように生きろといったのは、どなたでしたっけ?」(蔦重):世を良くするような商人になれっていってなかったっけ?
→25話のあらすじと感想。ていが「陶朱公のように生きて」と蔦重に言ってました。
「韓信のまたくぐりとも申します」(てい):倒れてしまっては、志を成し遂げることもできない。
韓信のまたくぐり
ていが用いた故事成語。志を遂げるためには恥や屈辱も耐えるべき、という意味。
これを夫婦の口論で使うところに、ていの知性と本気度が見えました。
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よくある質問
- Q『べらぼう』第37話「地獄に京伝」はいつ放送されましたか?
- A
2025年9月28日(日)にNHKで放送されました。
江戸の出版界を揺るがした春町の死の余波と、蔦重と京伝の対立が描かれた回です。
- Q第37話で描かれた主な出来事は?
- A
春町の死後、蔦重は出版の灯を絶やすまいと奔走しますが、戯作者たちは次々と筆を折ります。
一方、北尾政演(山東京伝)は洒落本『傾城買四十八手』と教訓書『心学早染艸』を完成させ、蔦重との間に亀裂が生まれました。
- Q『べらぼう』の「きよ」とは?演じているのは誰?
- A
きよは喜多川歌麿の妻として登場する人物で、耳も聞こえず話せない女性として描かれています。歌麿の心の支えとなる重要な役どころです。演じているのは藤間爽子さん。第37話では幸せの中に赤い湿疹が描かれ、今後の展開で病や運命が波乱を呼ぶ可能性が示唆されています。
- Q「傾城買四十八手」とはどんな本ですか?
- A
江戸の遊郭での男女の駆け引きを描いた、洒落と風刺たっぷりの黄表紙(洒落本)です。
登場人物の心理描写が巧みで、山東京伝の代表作のひとつとされています。
- Q「心学早染艸」とはどんな本ですか?
- A
石門心学をもとにした道徳教訓書で、「善玉」「悪玉」というキャラクターが登場します。庶民にわかりやすく教訓を伝える工夫がされており、定信政治を後押しする教訓本です。
- Q蔦重と政演はどうして決裂したのですか?
- A
蔦重は出版を通じて「権力への抵抗」や「弱者の救済」を志としてきましたが、
政演は「面白さ」と「時流への適応」を優先したため、ふたりの思いがすれ違いました。『心学早染艸』を別の本屋から出したことで決裂します。
- Q『べらぼう』はどこで見逃し配信されていますか?
- A
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まとめ
第37話「地獄に京伝」では、出版の自由を守ろうとする蔦重と、面白さを第一に掲げる政演の対立が鮮烈に描かれました。
「抗ってこそ出版の意味がある」と信じる蔦重と、「面白ければそれでいい」と言い切る政演。二人の姿は、時代を越えてもなお続く「表現と権力」のせめぎ合いを象徴しているようでした。
一方で、歌麿に襖絵の大きな依頼が舞い込み、幸せを分かち合う場面の裏で、妻・きよの足元に赤い発疹が映し出されるという、不安な伏線も……。吉原の衰退、ていの厳しい言葉、定信と治済の対立など、さまざまなドラマが交錯し、ますます目が離せない展開となりました。
実在する『傾城買四十八手』『心学早染艸』といった書物の描写が物語に厚みを加え、史実とフィクションが絶妙に溶け合っているのも「べらぼう」ならではの魅力です。
来週以降、蔦重と京伝はどうなるのか。きよの病の行方は?
歴史の波に翻弄される人々の姿を、次回もじっくり見届けたいと思います。
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本ページの情報は2025年9月時点のものです。最新の情報はU-NEXTサイトでご確認ください。
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