大河ドラマ『べらぼう』第12話は、”俄(にわか)なる名月余情”。尾美としのりさん演じる平沢常富の正体が明らかになりました!「俄祭り(にわかまつり)」の大文字屋と若木屋の雀踊りの決着も気になります。
・12話を見逃してしまった
・12話のみどころやあらすじ、江戸ことばは?
・『べらぼう』再放送は?どこで見れる?全話を見たい!
について、お届けします。
大河ドラマ『べらぼう』全話のイッキ見には、U-NEXTをどうぞ!
第12話”俄(にわか)なる名月余情”の簡単あらすじ
※以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。
・吉原発の祭り「俄(にわか)祭り」を巡って、大文字屋と若木屋が対立。
・平沢常富=朋誠堂喜三二の“本当の顔”が明かされる!
・蔦重は朋誠堂喜三二を知って…
江戸の三大祭り「山王祭・神田祭・深川祭」に負けじと、吉原の「俄(にわか)祭り」の企画を巡り、大文字屋(伊藤淳史さん)と若木屋(本宮泰風さん)が争います。
蔦重(横浜流星さん)は、俄祭りのケンカの内情を面白おかしく描く本の執筆を平賀源内(安田顕さん)に依頼したいのですが、源内はエレキテルで忙しく「朋誠堂喜三二は?」と勧められます。
秋田藩留守居役・平沢常富、またの名を宝暦の色男・朋誠堂喜三二(尾美としのりさん)はかつて松葉屋で源内のことが源内だと分かった瞬間のあの男だったのです…

平沢常富、またの名を宝暦の色男・朋誠堂喜三二(尾美としのりさん)の素顔が見られてスッキリした回でした。祭りの神隠しも「粋」な計らいでした。
12話「俄(にわか)なる名月余情」のみどころと注目ポイント
平沢常富=朋誠堂喜三二の“本当の顔”が明かされた!
12話は、冒頭から尾美としのりさん演じる平沢平沢常富=朋誠堂喜三二が大活躍でした。2話以降の尾美としのりさんの登場シーンもすべて映像で流れたので、答え合わせができ、また平沢常富の粋で誠実な人柄が分かる回でとても良かったです。

喜三二の口癖「どうだろう まぁ」がそのまま戯号「道陀楼麻阿」になるなんて洒落っ気がすごくて脱帽です。
尾美としのりさんどこ?→いた!については別記事で詳しくまとめています。
12話のキャスト徹底解説も併せてどうぞ。
朋誠堂喜三二が記した『名月余情』の序文

蔦重の本づくりを手伝いたい気持ちはやまやまながら、青本出版では鱗形屋と組んできた朋誠堂喜三二は、鱗形屋に義理立てして、蔦重から持ち掛けられた青本話を反故にします。
ですが、12話のラストシーンで、朋誠堂喜三二が『名月余情』に序文を記しました。一部を引用させていただきます。
鳥が啼く東の華街(いろさと)に
『べらぼう』12話より
速戯(にわか)をもてあそぶこと
名月の余情(よせい)を儲けて
紅葉葉の先駆けとせんと
ある風流の客人(まれびと)の
仰せを秋の花とす
我と人と譲りなく
人と我との隔てなく
俄の文字が調(ととの)いはべり
朋誠しるす

2話「吉原細見 嗚呼御江戸」の源内先生の序文はヤスケンさんの声でしたし、今回は尾美さんでした。序文を物語に乗せてくる手法が素敵だなぁと思います。
俄祭りは8月開催なのに、「名月」や、紅葉の先がけ?と思ったのですが、忘八の親父さま方に回ってKチア廻状に「8月朔日より、晴れの日数えて30日間」とあったので、「ハレ」「ケ」のハレではなく、お天気が晴れの日×30日間なんだと分かりました。
確かに、晴れの日ばかりあるわけではないので、紅葉の季節になってしまうこともあるなぁと思いました。
俄(にわか)祭り

江戸の三大祭り、山王祭・神田祭・深川祭に負けじと、吉原でも「俄祭り(にわかまつり)」を開催。その仕切りをめぐって大文字屋(伊藤淳史さん)と若木屋(本宮泰風さん)が火花を散らします。
江戸の三大祭りって?
江戸の「三大祭り」を簡単にご紹介します。
① 山王祭(さんのうまつり)【日枝神社】

日枝神社はもともと江戸城内で祭られていたので、徳川将軍家とは縁が深く、三代将軍家光以降、江戸城内に祭りの神輿や行列が入って、歴代将軍が観覧したため、「天下祭」と呼ばれました。
開催地は日枝神社(江戸城裏鬼門を守る)、神田神社と隔年交替で本祭が行われました。位置づけは:優雅さと権威が同居する「お上の祭り」!
② 神田祭(かんだまつり)【神田明神】

神田神社の神田祭も、神輿が江戸城内に入ることを許された「天下祭」です。山車(だし)や神輿が何十基と出て、江戸の町が一体となって盛り上がります。位置づけ:町人の力と活気が炸裂!“庶民の天下祭”。
③ 深川祭(ふかがわまつり)【富岡八幡宮】

四代将軍家綱誕生祝いで始まった深川・富岡八幡宮の深川八幡祭り。神輿の担ぎ手に無病息災を願って水をかけてことから、水掛け祭りとなる。位置づけ:豪快な男たちの祭りで、「深川っ子の心意気」が感じられるイベント。
朋誠堂喜三二は、三大祭りはどれも男が主役でむさくるしい。吉原は俄(にわか)=歌舞伎の祭りをするんだから、①遠い昔に禁じられた女歌舞伎をよみがえらせる。その上、祭りの華は「ケンカ」だから②吉原の町が割れるのも悪くない。と言って、吉原の「俄祭り」開催に大賛成します。

そりゃいいよ~。と朋誠堂喜三二に言われたら、いいね!と思いますね。
『べらぼう』第12話で描かれた「俄祭り」は、芝居・浄瑠璃・見世物が一体となった吉原独自のイベント。町内対抗の笑いや踊り、風刺や仮装も盛り込まれ、観る側も参加する側も大盛り上がりでした。
若木屋 vs 大文字屋の雀踊り合戦も、最終日にはお互いの健闘をたたえ合う体育会系爽やかな顛末で、とてもよかったですし、禿のささめとこしのちゃんの「助六さん、たんと吸いなんし~」「キセルの雨が降るようだ~」が上手かったですね。

「キセルの~」のセリフは、花魁が吸いかけのキセルを渡すのは「好きよ」のサインで、超モテ男・助六は雨が降るくらいキセルを渡されていたという歌舞伎「助六由縁之江戸桜」で有名な名ゼリフです。
祭りに神隠しはつきもの⁉新之助とうつせみの恋のゆくえ。
朋誠堂喜三二が「祭りは神さまが来てるから、常には起こらないことが起こるもんでさぁ」と言ったかと思うと、松の井が「祭りに神隠しはつきものでござんす。お幸せに」とうつせみに花笠を手渡して、背中を押します。
うつせみは祭りの人込みを縫って、新之助の方に歩いていきます。手を手を取り合う二人。

このパートだけ映画音楽みたいなBGMが流れていました。うつせみを2階から沿道に見に行かせてやってくれた豪商の林家三平さん、ありがとう。
戯作・喜三二、画・恋川春町の画『鼻峰高慢男(はなのみねこうまんおとこ)』が出てきた。
寛政6(1794)年、蔦重が版元、戯作・朋誠堂喜三二、画・恋川春町の『鼻峰高慢男(はなのみねこうまんおとこ)』が、12話に出てきました。

「吉原あげてのおもてなし」という蔦重の口説き文句に、蔦重と組もうとした朋誠堂喜三二でしたが、鱗形屋に義理立てして、ぐっとこらえます。
鱗形屋の一室で、本を作っていた喜三二と春町のやり取りから、二人の仲の良さが伝わってきました。

そういえば蔦重は『吉原細見 籬の花』の超細かい版木作りを依頼する時にも彫師の人に「吉原でのおもてなし」をセールストークにしていました。当世の男性の憧れだったんですね。
『鼻峰高慢男(はなのみねこうまんおとこ)』のざっくりストーリーは、大富豪の商人が息子の鼻を高くして、高慢ちきにしてやりたい。というナンセンスギャクのような物語。最後には、本当に鼻のたかい天狗にこらしめられるというオチです。風刺がかなり効いている物語です。
引き続き「エレキテル」に夢中な源内

俄(にわか)の様子を茶化して、面白おかしく本を書いてもらおうと相談しに行った蔦重でしたが、平賀源内は、エレキテルの実演&販売に大忙しでした。
12話では、放電装置「エレキテル」の電気針治療器としての威力を見ることができました。「寒熱昇降機(温度計)」や、石綿(アスベスト)を使った燃えない布「火浣布(かかんぷ」)」』など、「江戸のレオナルド・ダ・ヴィンチ」源内先生の才能を追い続けたいです。

新之助はいなくなって、源内先生は一人になるのでしょうか?鉱山で一緒だった平秩東作(へづつとうさく)が再登場するのか?今後の展!開が気になります。
蔦重のネットワーク&商売が軌道に乗ってきた⁉

襲名した豊前太夫(寛一郎さん)直伝の富本本で成功。販売できる本は少ないものの、儲けは出ているようで、蔦重が本屋さんらしくなったきた印象を受けました。
若木屋が西村屋と結託して「錦絵と併せて入金2両」で俄祭りを仕切ろうとするのを、蔦重は「こりゃやらなきゃ損って思いますね。よく考えたなぁ」と称賛するのは、すでにその先を考えているからで、蔦重の余裕すら感じます。
俄祭りは若木屋の仕切りで開催される+宣伝は西村屋がやってくれるので、ゼロ→1の労力は他に任せて、「引いた目」でその上に乗っかって次を考える蔦重はすごい。と思いました。
11話で午之助(寛一郎さん)を口説いた時と同じように、平沢常富にただゴリゴリ押すのではなく、ツボを良く心得ている蔦重。
平沢常富/朋誠堂喜三二と業務提携したいところを、鱗形屋と平沢の関係も承知の上で、喜三二に無理をさせない配慮をして、ちょっとした「スキマ」に、自分の思いをしっかり伝えて、「じゃどうする?」という話を持ち掛けます。

この辺りの勘所が、人たらし・蔦重はべらぼうに上手いです。根底には「吉原のため」があって、上辺ではない「良い本を作りたい」という気持ちがあるので、相手の心に響くのですね。
『べらぼう』第12話”俄(にわか)なる名月余情”の江戸ことば(地口)は?

12話では、地口のほかに芝居がかったセリフもたくさん出てきました。特に禿の二人の「助六」のセリフ回しが素晴らしくて感動しました。
ゲコンカシコロウサコンケガ ヰコナカサカイコト(『金々先生栄華夢』のカ行抜きことば)
海のもんとも山のもんともつかねぇものに金出すかね(若木屋が大文字屋に)
あったりめえだ。べらぼうめ(丁子屋が平沢と知り合いなのかと蔦重に聞かれて)
鳴らしてんじゃねぇぞ、このうらなりが(若木屋が大文字屋に)
そのでけぇ鼻の穴に猪牙舟、放り込んでやらぁ(大文字屋が若木屋に言い返す)
名セリフ
「助六さん、たんと吸いなんし~」
「キセルの雨が降るようだ~」(禿ささめたちの助六のセリフ)
※戯号:戯作者の筆名。どこの誰だかわからないようにするため。
※廻状:回し読みの文書。俄祭りの案内が親父様方に回ってきた。
一度視聴しただけでは、聞き取れない地口や洒落っ気たっぷりのセリフ回し。U-NEXTなら、再生速度が0.6~2倍まで変更できますので、ゆっく地口をお楽しみいただけます。
『べらぼう』第12話”俄(にわか)なる名月余情”のキャスト
絵師や戯作者さんたちが、だんだん増えてきてワクワクしますね。
第12話の全キャスト一覧(役名のある人) |
蔦屋重三郎:横浜流星 平賀源内:安田顕 瀬以:小芝風花 小田新之助:井之脇海 うつせみ:小野花梨 富本豊志太夫:寛一郎 松平定信:寺田 心 松の井:久保田紗友 勝川春章:前野朋哉 留四郎:水沢林太郎 長兵衛:三浦獠太 丁子屋長十郎:島英臣 豪商:林家三平 りん:蜂谷眞未 ひさ:東雲うみ 忠七:斉木テツ 万次郎:野林万稔 唐丸(回想):渡邉斗翔 長崎屋小平治:千葉清次郎 桐屋伊助:キンタカオ 玉屋庄兵衛:岡山和之 万字屋半四郎:岡けんじ 泉屋与市:車邦秀 山口巴半助:真木仁 鳥山検校:市原隼人 次郎兵衛:中村蒼 若木屋与八:本宮泰風 松葉屋半左衛門:正名僕蔵 大文字屋市兵衛:伊藤淳史 扇屋宇右衛門:山路和弘 半次郎:六平直政 りつ:安達祐実 いね:水野美紀 ふじ:飯島直子 北尾重政:橋本淳 恋川春町:岡山天音 平沢常富:尾美としのり 西村屋与八:西村まさ彦 鱗形屋孫兵衛:片岡愛之助 駿河屋市右衛門:高橋克実 語り(九郎助稲荷):綾瀬はるか |
『べらぼう』12話のキャスト徹底解説はこちらで詳しくお届けしています↓
『べらぼう』第12話”俄(にわか)なる名月余情”の制作陣
脚本 | 森下佳子 |
音楽 | ジョン・グラム |
テーマ音楽指揮 | 下野竜也 |
演出 | 小谷高義 |
大河ドラマ『べらぼう』1週間の放送予定は?
大河ドラマ『べらぼう』は、衛星放送も併せると1週間に4回放送されています。
日曜日 | おひる12時15分~13時 | BSプレミアム4K |
日曜日 | ゆうがた6時~6時45分 | BS |
日曜日 | よる8時~8時45分 | NHK総合 |
次の土曜(日曜日の再放送) | おひる1時05分~1時50分 | NHK総合 |
※地上波放送のNHK総合よりも、NHK BSプレミアム4K、NHK BSの方が早く放送されます。※放送日時は変更される場合があります。
また、NHKの受信契約をしている方はNHK+(プラス)で放送後の番組を7日間視聴できます。
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まとめ
大河ドラマ『べらぼう』第12話は、”俄(にわか)なる名月余情”。「我と人との隔てない幸せなひととき」を過ごした人々に、次はどんな出来事が待っているのでしょうか。
・吉原発の祭り「俄(にわか)祭り」を巡って、大文字屋と若木屋が対立。
・平沢常富=朋誠堂喜三二の“本当の顔”が明かされる!
・蔦重は朋誠堂喜三二を知って…
『べらぼう』ネタバレあらすじまとめはこちらから↓
『べらぼう』10話までの内容とみどころをざっくりまとめています。
『べらぼう』のキャスト一覧はこちらから
放送後7日以内はNHKプラスで、7日過ぎた場合や『べらぼう』初回からの見逃しイッキ見には、U-NEXTでNHKオンデマンドを
『べらぼう』の見逃し配信がどこで見れるかはこちらでご紹介しています↓
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『べらぼう』大河ドラマガイド・前編はこちらから↓
前半のあらすじや、豪華な出演者インタビューなど盛りだくさんの内容です。
NHK大河ドラマ 歴史ハンドブック べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~: 蔦屋重三郎とその時代 (NHKシリーズ) はハンディタイプで、ゆかりの地めぐりのおともにピッタリです↓
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