大河ドラマ『べらぼう』第11話は、”富本、仁義の馬面”。浄瑠璃の歌いと舞いの魅力がたっぷり、仁義と粋な「男」の心意気が満ちている回でした。そして、鳥山検校に嫁いだ瀬川改め瀬以との再会もありました。
・11話を見逃してしまった
・11話のみどころやあらすじは?
・11話の江戸ことばの面白さを知りたい
・尾美としのりさんはどこで登場するの?
・『べらぼう』再放送は?どこで見れる?全話を見たい!
について、お届けします。
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第11話”富本、仁義の馬面”の簡単あらすじ
※以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。
・『青楼美人合姿鏡』の売れ行きが悪い
・俄祭りに富本豊志太夫を呼んでこいと指示される蔦重
・鳥山検校に嫁いだ瀬以と再会する蔦重
『青楼美人合姿鏡』が売れず頭を抱える蔦重(横浜流星さん)は、忘八の親父さまたちから 俄(にわか)祭りの目玉に浄瑠璃の人気太夫・富本豊志太夫/午之助(寛一郎さん)を招きたいと言われます。
ですが、りつ(安達祐実さん)たちと芝居小屋を訪れ、午之助に俄祭りの参加を求めるが、過去吉原への出入り禁止を言い渡された午之助は、蔦重を門前払いする。
そこで浄瑠璃の元締め・鳥山検校(市原隼人さん)を訪ね瀬以(小芝風花さん)と再会することに。

浄瑠璃の素晴らしさと共に、江戸時代の吉原や士農工商制の実態が垣間見えるストーリーでした。りつの説明に「なるほど」と思われた方も多いと思います。
11話「富本、仁義の馬面」のみどころと注目ポイント
浄瑠璃を歌う太夫の人気ぶりと、芸術文化が花開いている一面と、士農工商の四民の外と設定された役者は吉原に出入りしてはいけないという決まりがあったという江戸中期の治世の実態が、よくわかる内容でした。
そして、蔦重のエモーショナルな面と、それを商売に繋げていくセンスに11話も脱帽です。
ピンチはチャンス

『青楼美人合姿鏡』は豪華で高価。平沢常富(尾美としのりさん)のような通には大うけですが、庶民の手にはなかなか届かず、販売数が伸び悩みます。

↑の画像右端が瀬川、本を読んでいます。実際には、豪華版と安価版が出されたらしいので、安価版はそれなりに売れたのかも知れません。
蔦重は、吉原から瀬川がいなくなったこともあり、どこか気が抜けた様子。新しいアイディアが浮かばない様子です。須原屋市兵衛(里見浩太朗さん)に「何をやったらいいのか分からない」と弱音を吐く蔦重ですが、須原屋は「一回くらいのつまづきで」と励まされます。
日光社参を見物した大文字屋(伊藤淳史さん)は「これだ!」とひらめきます。蔦重のピンチに大文字屋のひらめき、そしてりつの賛同。

ピンチはチャンス。蔦重自身がイマイチな時は、周りが盛り上がります。
忘八の親父様方も一丸となって「俄(にわか)」の祭りを神田に負けぬ祭りにするわいなぁ。と意気込みます。老若男女が楽しめる吉原の呼び物にすれば、吉原に人がやってくる。やってきた人が本も買ってくれるという寸法です。
浄瑠璃の正本に商機あり
数話前から次郎兵衛もハマっている三味線と浄瑠璃。忘八の親父様方もりつの手ほどきを受けて三味線のお稽古をしていたので、浄瑠璃と三味線は大流行していたのでしょう。

蔦重は、『吉原細見』や『一目千本』を作った時に「中の人」効果と「信頼性」が売れる秘訣だともう分かっているので、「直伝」の二文字をもらえるようにお願いします。
現代風に例えるなら、大人気のイケメンシンガーの歌を、シンガーさんと同じように楽器を奏でながら自分も歌ってみたいと思うのは当然のこと、ましてや本家本元直伝の「正本」を使えば、「推し」が直接指導してくれているような気持ちになります。

女性に大人気の富本豊志太夫にあやかって、浄瑠璃をうまく歌えたらモテる。と世の男性が思うのも自然なので、大流行したんだろうなぁと思います。
蔦重は、まず富本豊志太夫/午之助(寛一郎さん)に真心で謝り、女郎たちの素直な反応で心情に訴えて太夫の信頼を勝ち取ります。そこで「俄」の参加のOKをもらい、さらに、留四郎が持ってきた鳥山検校からの襲名OKのサプライズギフトもあいまって、豊志太夫から喜んで直伝の許しをもらいます。

瀬以の立場を思って蔦重は引き下がったものの、鳥山検校に掛け合っておいたのもプラスに働きました。蔦重というより大文字屋(伊藤淳史さん)のお手柄と言えます。
太夫は鱗形屋にも「だったら、なおさらあいつのことを助けてやりたいね。それが男ってもんだろ」と蔦重を応援するセリフを言っていました。蔦重は、超売れっ子歌手と独占契約を結んだようなもの。その地位を狙っていた鱗形屋(片岡愛之助さん)の悔しさと言ったら…。
ですが、鱗形屋さんを思う「男」も、ちゃんと存在しています。
恋川春町『辞闘戦新根(ことばたたかいあたらしいのね)』が出てきた。
鱗形屋では、倉橋格/恋川春町(岡山天音さん)が万次郎に絵をかいて「これなーんだ」となぞなぞ風に聞いていました。
倉橋格が描いていた絵の元ネタは、安永7年(1778年)に鱗形屋孫兵衛から出版の『辞闘戦新根(ことばたたかいあたらしいのね)』です。蔦重が出した『青楼美人合姿鏡』が1776年の出版なので、ちょうど恋川春町が妖怪や本の構想を練っているところなのかなと思います。

倉橋格「これなーんだ」、万次郎「大木の切り口、太いのね」

倉橋「これなーんだ」、万次郎「あ、天井みたか」

『金々先生栄華夢』が大ヒットしたのに、財政が苦しい鱗形屋はたくさんの報酬を倉橋に払えなくて…と詫びます。すると、倉橋が元はと言えば、当家の家老が鱗形屋に濡れ衣を着せたからで…と。
倉橋:当家の家老が…男のすることではない。。
鱗形屋:すいやせん
『べらぼう』11話より

ここにも立派な「男」がいましたね。
「エレキテル」に夢中な源内

「困った時には源内先生」で相談しに行った蔦重でしたが、「江戸のレオナルド・ダ・ヴィンチ」の平賀源内はエレキテルの再現に没頭中でした。
西洋で発明された放電装置「エレキテル」の復原※エレキテルは電気針治療器として活用されたそうです。「寒熱昇降機(温度計)」や、鉱物の知識を応用して石綿(アスベスト)を使った燃えない布「火浣布(かかんぷ」)」』など、発明家としての源内の魅力も「べらぼう」で余すところなく見たいものです。

新之助も元気そうでした。うつせみを身請けすべく頑張っている様子で、ぜひこの2人にはハピーエンドを用意してあげて欲しいです。
日光社参の規模がすごい
安永五(1776)年4月、吉宗公以来の48年ぶりに日光社参が行われました。江戸城を出発するのに12時間かかったというとんでもない規模。
江戸時代に将軍が日光東照宮に参拝すること。徳川家康の命日である4月17日に参拝するように実施された。莫大な費用と人出を要したので、幕府の財政がひっ迫し回数が減少。安永五(1776)年に10代将軍家治が実施した際は、行列の先頭が日光に到着した時、最後尾はまだ江戸にあったとも言われています。
日光社参の行列を見物するのに、途中の街道では露店が営業したりで、経済効果は相当なものだったと思います。

ドラマの中で行列の順番が書いてある本を手にしている人もいたので、田沼意次が想定した「見世物」にして収益を上げる面では成功したのかな。と思いました。
『べらぼう』第11話”富本、仁義の馬面”の江戸ことば(地口)は?
11話では、地口のほかに芝居がかったセリフもたくさん出てきました。かをりが蔦重に「主さんのためなら、たとえ火の中水の中、道行もの果ては極楽浄土」や、りくが「神田に負けぬ祭りにするわいなぁ」と見得を切ったり、粋な演出がたっぷりでした。
神田に負けぬ祭りにするわいなぁ(地口ではないですが、りつが見得を切って)
ごめんごめんひょっとこお面(蔦重が瀬以に)
由良さんこちら 手の鳴る方へ(かをりや女郎・禿たちが門之助に)
大木の切り口、太いのね(倉橋格(恋川春町)が万次郎にこれなーんだと聞いた答え)
天井みたか(倉橋格(恋川春町)が描いた『辞闘戦新根』案の妖怪の絵を見て万次郎が)
ありがた山で(鱗形屋が倉橋に)

11話のキーワード「男」もいっぱい出てきました。
「男」が付くセリフも粋でした。
富本豊志太夫が「こんな涙見せられて、断る男がどこにいる」「それが男ってもんだろう」と義理堅い男っぷりを全開にすれば、倉橋格が「男のすることではない」と武士の礼節を見せてくれました。
11話では、平沢常富(尾美としのりさん)は蔦重としゃべった!

11話では、3分17秒に、つたや兼耕書堂の店先で『青楼美人合姿鏡』を手に取って、蔦重にいいね~と話しかけておられる姿が画面いっぱいに登場しました!
平沢常富:これ作ったのおまえさん?
蔦重:へぇ
平沢常富:いやぁ、いいもん作ったね~。これはいいよ、いい!
蔦重:ありがとうございます。(平沢に)よくいらしてますよね?どっかでおみかけしたことあるような…
平沢常富:どっかでは、会ってるんじゃないかな。
『べらぼう』11話より
蔦重(横浜流星さん)の「よくいらしますよね?どっかでおみかえしたことあるような…」は、まさに管理人も言いたかった一言です。

ついに平沢常富の登場です。いやぁ、すっきりしました~。
クレジットにお名前が出た2話からの「尾美としのりはどこ?」について、こちらで詳しくレポートしていますので、よろしければお読みください↓
U-NEXTなら、再生速度が0.6~2倍まで変更できますので、ゆっくり「尾美としのりクエスト」をお楽しみいただけます。
『べらぼう』第11話”富本、仁義の馬面”のキャスト
11話から小芝さんの役名が「瀬以」になって、寺田さんも「松平定信」になられました。
第11話の全キャスト一覧(役名のある人) |
蔦屋重三郎:横浜流星 平賀源内:安田顕 瀬以:小芝風花 小田新之助:井之脇海 うつせみ(回想):小野花梨 富本豊志太夫:寛一郎 松平定信:寺田 心 とよしま:珠城りょう 留四郎:水沢林太郎 かをり:稲垣来泉 市川門之助:濱尾ノリタカ 志津山:東野絢香 名見崎徳治:中野英樹 八五郎:阿部亮平 熊吉:山根和馬 丁子屋長十郎:島英臣 斎藤茂右衛門:蔵本康文 万次郎:野林万稔 長崎屋小平治:千葉清次郎 桐屋伊助:キンタカオ 伊勢屋九平治:会田泰弘 玉屋庄兵衛:岡山和之 万字屋半四郎:岡けんじ 泉屋与市:車邦秀 井筒屋孫兵衛:佐藤政之 山口巴半助:真木仁 鳥山検校:市原隼人 次郎兵衛:中村蒼 若木屋与八:本宮泰風 松葉屋半左衛門:正名僕蔵 大文字屋市兵衛:伊藤淳史 扇屋宇右衛門:山路和弘 半次郎:六平直政 りつ:安達祐実 志げ:山村紅葉 ふじ:飯島直子 倉橋格:岡山天音 平沢常富:尾美としのり 鶴屋喜右衛門:風間俊介 西村屋与八:西村まさ彦 鱗形屋孫兵衛:片岡愛之助 駿河屋市右衛門:高橋克実 須原屋市兵衛:里見浩太朗 田沼意次:渡辺謙 語り(九郎助稲荷):綾瀬はるか |
『べらぼう』11話のキャスト徹底解説はこちらで詳しくお届けしています↓
『べらぼう』第11話”富本、仁義の馬面”の制作陣
脚本 | 森下佳子 |
音楽 | ジョン・グラム |
テーマ音楽指揮 | 下野竜也 |
演出 | 小谷高義 |
『べらぼう』1週間の放送予定は?
日曜日 | おひる12時15分~13時 | BSプレミアム4K |
日曜日 | ゆうがた6時~6時45分 | BS |
日曜日 | よる8時~8時45分 | NHK総合 |
次の土曜(日曜日の再放送) | おひる1時05分~1時50分 | NHK総合 |
※地上波放送のNHK総合よりも、NHK BSプレミアム4K、NHK BSの方が早く放送されます。※放送日時は変更される場合があります。
また、NHKの受信契約をしている方はNHK+(プラス)で放送後の番組を7日間視聴できます。
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まとめ
大河ドラマ『べらぼう』第11話は、”富本、仁義の馬面”。救われる女がいると聞いたからには助けてやりたいと思うのが男ってもの。
稲荷町やら吉原やらと離れ小島になっている蔦重や太夫たちが、文化や時代を引っ張っていく姿に魅せられます。
・『青楼美人合姿鏡』の売れ行きが悪い
・俄祭りに富本豊志太夫を呼んでこいと指示される蔦重
・鳥山検校に嫁いだ瀬以と再会する蔦重
『べらぼう』ネタバレあらすじまとめはこちらから↓
『べらぼう』のキャスト一覧はこちらから
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