この記事では、全54帖ある超長編『源氏物語』の三十帖「藤袴(ふじばかま)」のあらすじと主な登場人物を簡単にまとめました。
『源氏物語』三十帖「藤袴(ふじばかま)」は『光る君へ』では何話のどの辺りのこと?についても独自の考察と感想もお届けします。
『光る君へ』『源氏物語』の両方を楽しんでいただくきっかけになれば幸いです。
大河ドラマ「光る君へ」の全話のあらすじ&感想はこちらからどうぞ。
【源氏物語】三十帖「藤袴(ふじばかま)」あらすじ。
一言あらすじは?
玉鬘の素性・出仕することが広まり、求婚者たちは焦る。
もうちょっと長いあらすじは?
内大臣の母・大宮が亡くなり、喪に服していた玉鬘は尚侍への出仕を迷っていましたが、出仕は10月に決定します。夕霧は藤袴を手に玉鬘に想いを告げるますが、玉鬘は応じませんでした。一方、光源氏が玉鬘を側室とするのではという噂に、夕霧が真意を問い詰めますが、光源氏はこれを巧みにかわします。
求婚者たちから多くの手紙が届きます。中でも鬚黒と蛍兵部卿宮からは熱心に文が送られてきます。玉鬘は蛍兵部卿宮にだけに返事を送りました。
三十帖「藤袴(ふじばかま)」のポイント
体調の悪かった大宮が亡くなるのがもう少し遅かったら、玉鬘は冷泉帝に出仕して光源氏の側室のようになっていたのかもしれませんが、そこは『源氏物語』。大宮が亡くなり、内大臣も玉鬘も喪に服していて、出仕の時期が遅れます。
こういう運命のいたずらによって、玉鬘は翻弄されていくのだなぁというのがじりじり感じられる巻です。
夕霧も玉鬘にアタックしてますね。そして父・光源氏に、玉鬘を側室にするつもりなの?と聞いたりも。光源氏の若い頃を彷彿させます。
「光る君へ」では何話のどの辺りなのか考察、そして感想も。
『光る君へ』では、そのものズバリのオマージュシーンはありませんでしたが、10話”月夜の陰謀”を初めとする道長(柄本佑さん)とまひろ(吉高由里子さん)の文のやりとりは美しい光景でした。
道長が出す文に対して、漢文で返事を出すまひろ。道長には本意がつかめなくて、行成に聞いていたりしていました。この時代、ストレートな物言いはしないので、一定数誤解が生まれていたような気がします。
大河ドラマ「光る君へ」の全話ネタバレあらすじはこちらかどうぞ↓
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まとめ
三十帖「藤袴(ふじばかま)」の簡単あらすじと感想、「光る君へ」におけるオマージュを探りました。
玉鬘の素性や出仕することが世間に知れて、焦る求婚者たち。デットヒートは鬚黒と蛍兵部卿宮です。できれば蛍兵部卿宮に嫁いで欲しかったと思うのは私だけではない気がします。
夕霧の繊細な面と大胆な面の両方も味わえる巻です。
『源氏物語』は54帖の超大作。スキマ時間を利用して3か月かかってやっと読破しました。前半で目の疲れに悩まされて、耳の読書を色々試してみました。その様子はこちらからお読みいただけます。
『光る君へ』の放送が終了した2024年12月には『源氏物語』の2周目も聴き終えて、まひろへの新たな気付きがありました。そのことを書いた記事が『天狼院書店メディアグランプリ』に掲載されました。よろしければこちらもどうぞ↓
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「源氏物語」を読んでみたい方におすすめの本7選!
『源氏物語』原文は文字数約100万文字(といってもイメージ沸きませんよね)、400字詰め原稿用紙で約2400枚と言われています。現代語訳だと注釈の言葉も入ってくるので、とんでもない長編小説です。
まずはオーディブルでざっくり内容を把握して、興味のある部分を深堀りしていくことをおススメします。
活字や紙のボリュームを見ると「むり~」と思ってしまいますが、オーディブルだと全体ボリュームに関係なく流れていきますので私には耳での読書が合っていました。
一番売れている現代語訳は角田光代さん版。全8巻です。
現代語訳は瀬戸内寂聴版と与謝野晶子版もおすすめします。
読破するぞと読み始めたものの、須磨の巻あたりでギブアップするのを「須磨がえり」(高床式倉庫のネズミ返しみたいですね)と言うらしいですが、そこまでたどり着けず、二帖”帚木”で「どの巻もこんなに長いの~」と思って諦める人も多いと聞きます。
私は七帖”紅葉賀”で目の疲労に悩まされて、オーディオブック併用にしました。朗読の収録時間は『源氏物語・与謝野晶子版』で70時間。瀬戸内寂聴版で135時間くらいです。途中寝てしまったり、翌日はまた最初から、でもやっぱり意識を失いながら、約3か月で聴き終わりました。
いきなり100万文字の大海に漕ぎ出さず、まずはざっくり『源氏物語』を味わいたい方には、田辺聖子さんの『新源氏物語』がおススメです。一帖”桐壺”がなくて二帖”帚木”から始まっていて、ぎゅっと詰まっています。
参考文献としておススメなのは「紫式部の欲望」。作者の酒井順子さんの着眼点が面白くて、今のご時世だと非難されてしまうかもしれない見解も楽しく読めました。
「イギリスは美味しい」など英国エッセイでご存知の方も多い国文学者の林望先生の源氏物語関連本は、分かりやすく古典に寄せた知見を読めます。「くり返し読みたい」シリーズは特に絵が多くて優しい内容です。
真打ちは林望先生の「謹訳源氏物語」。林望先生の「謹訳平家物語」もとてもいいのですが、源氏物語も読みやすくて、リンボー先生独特の品があります。前書きを読むと内容が予想できるので、ネタバレ不要の方はご注意下さい。
※本ページの情報は2024年12月時点のものです。最新の情報はU-NEXTや各公式サイトでご確認下さい。
#源氏物語
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