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【源氏物語】二十七帖「篝火(かがりび)」簡単あらすじ&登場人物と感想

『源氏物語』二十七帖「篝火(かがりび)」 光る君へ
『源氏物語』二十七帖「篝火(かがりび)」

この記事では、全54帖ある超長編『源氏物語』の二十七帖「篝火(かがりび)」のあらすじと主な登場人物を簡単にまとめました。

『源氏物語』二十七帖「篝火(かがりび)」は『光る君へ』では何話のどの辺りのこと?についても独自の考察と感想もお届けします。

『光る君へ』『源氏物語』の両方を楽しんでいただくきっかけになれば幸いです。

大河ドラマ「光る君へ」の全話のあらすじ&感想はこちらからどうぞ。

【源氏物語】二十七帖「篝火(かがりび)」あらすじ。

一言あらすじは?

ある七月の夜、光源氏は玉鬘に琴を教え、その琴を枕に玉鬘と添い寝をした。

もうちょっと長いあらすじは?

内大臣が引き取った近江の君の悪評を耳にするにつけ、玉鬘は光源氏の自分への接し方に感謝を覚えるようになります。光源氏は足しげく玉鬘の元を訪ね、琴を教えたりします。養父の思いと玉鬘を我がものにしたいという思いの狭間で揺れながら、玉鬘と添い寝する光源氏。

主な登場人物

光源氏:36歳。

玉鬘:22歳。光源氏から言い寄られて困っていたが、近江の君と我が身を照らし合わせ、光源氏に感謝し始めている。

二十七帖「篝火(かがりび)」のポイント

六条院での初秋が描かれています。「篝火」は短い章なので、一気に読めます。篝火を絶やさないのは、玉鬘が誰かに強引に契りを結んでしまわれないための防犯の意味で、裏を返せば光源氏が若い頃に忍んで思いを遂げてきた経験値からの防犯体制なところにおかしみがあります。そして、7月のまだ暑い夜に篝火を焚くと、涼しく見える。という表現も幽玄に感じます。

玉鬘の貴婦人教育として、琴を教える光源氏。玉鬘の何とも言えない愛らしさと美しさにたまらず愛の歌を詠みますが、玉鬘はどう返答していいのやらとサラッと流します。心を奪われながらも、自分の地位と、近親相姦のようになってはいけないという自制心が大いに働いて、光源氏は添い寝はしても男女の仲には至りません。篝火のように燃える恋心を抱きながらも、光源氏の政治脳が発動します。

玉鬘も、実父・内大臣に引き取られた近江の君が内大臣から冷遇されているという噂を聞くにつけ、自分が内大臣のところに引き取られていたとしても、近江の君と同じような扱いを受けたかもしれないと思うと、言い寄られるのは困るにしても光源氏の父性に感謝する部分が多くなってきました。

『源氏物語』六条院のどこに誰が住んでいたか
『源氏物語』六条院のどこに誰が住んでいたか
いろは
いろは

与謝野晶子版と瀬戸内寂聴版では「光源氏の玉鬘への思い」の現代語訳が若干違います。それぞれの解釈を楽しむことできますので、ぜひ読み(聴き)比べて見て下さい。

「光る君へ」では何話のどの辺りなのか考察、そして感想も。

『光る君へ』では、琴を枕に添い寝する。といった、そのものズバリのシーンはないのですが、篝火といえば4話”五節の舞姫”で、篝火が灯される中、まひろが五節の舞姫として舞った場面が非常に印象的です。そのほかにも夜に行わる儀式の際には、篝火が焚かれ荘厳な雰囲気に満ちていました。

「琴を奏でる」のオマージュは、1話”約束の月”で道長の兄・道綱と妻・貴子が呼吸を合わせて笛と琴を演奏している場面がありました。夫婦仲が良いことがわかる場面でした。

6話”二人の才女”で道綱主宰の漢詩の会で、女房たちが琴を演奏していたシーン。そして23話”雪の舞うころ”では、笛の名手・一条天皇が右大臣・顕光の娘、元子の琴に合わせて演奏するシーンがありました。一条天皇は笛を吹いて共に過ごしてきた定子のことが忘れられず、元子との琴にも呼吸が合わない様子で、途中で笛を吹くのをやめてしましました。

いろは
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倫子も琴を弾いていた場面がありましたし、ただ演奏するだけではなく、心を通わせるツールとして「琴」はマストアイテムだったみたいですね。

まひろは、母・ちやはの形見の琵琶を、その折々に奏でています。琵琶の音色自体、非常に物悲しい響きで、まひろの辛さや悲しみがひしひしと伝わってくるシーンばかりでした。

いろは
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「光る君へ」は『源氏物語』を土台にして全方位にストーリーを展開しています。 

大河ドラマ「光る君へ」の全話ネタバレあらすじはこちらかどうぞ↓

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まとめ

二十七帖「篝火(かがりび)」の簡単あらすじと、「光る君へ」におけるオマージュを探りました。

六条院での初秋、篝火のぱちぱちと燃える篝火と琴の音。想像すると、一気に平安・雅な世界にワープします。光源氏の玉鬘養育の様子には危険な香りもするものの、トップレディーになるためのトレーニングがちゃんと組み込まれています。

いろは
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風流人の気配り、目配りは、さすが光源氏です。

『源氏物語』は54帖の超大作。スキマ時間を利用して3か月かかってやっと読破しました。前半で目の疲れに悩まされて、耳の読書を色々試してみました。その様子はこちらからお読みいただけます。
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「源氏物語」を読んでみたい方におすすめの本7選!

『源氏物語』原文は文字数約100万文字(といってもイメージ沸きませんよね)、400字詰め原稿用紙で約2400枚と言われています。現代語訳だと注釈の言葉も入ってくるので、とんでもない長編小説です。

まずはオーディブルでざっくり内容を把握して、興味のある部分を深堀りしていくことをおススメします。

いろは
いろは

活字や紙のボリュームを見ると「むり~」と思ってしまいますが、オーディブルだと全体ボリュームに関係なく流れていきますので私には耳での読書が合っていました。

一番売れている現代語訳は角田光代さん版。全8巻です。

現代語訳は瀬戸内寂聴版と与謝野晶子版もおすすめします。

読破するぞと読み始めたものの、須磨の巻あたりでギブアップするのを「須磨がえり」(高床式倉庫のネズミ返しみたいですね)と言うらしいですが、そこまでたどり着けず、二帖”帚木”で「どの巻もこんなに長いの~」と思って諦める人も多いと聞きます。

私は七帖”紅葉賀”で目の疲労に悩まされて、オーディオブック併用にしました。朗読の収録時間は『源氏物語・与謝野晶子版』で70時間。瀬戸内寂聴版で135時間くらいです。途中寝てしまったり、翌日はまた最初から、でもやっぱり意識を失いながら、約3か月で聴き終わりました。

いきなり100万文字の大海に漕ぎ出さず、まずはざっくり『源氏物語』を味わいたい方には、田辺聖子さんの『新源氏物語』がおススメです。一帖”桐壺”がなくて二帖”帚木”から始まっていて、ぎゅっと詰まっています。

参考文献としておススメなのは「紫式部の欲望」。作者の酒井順子さんの着眼点が面白くて、今のご時世だと非難されてしまうかもしれない見解も楽しく読めました。

「イギリスは美味しい」など英国エッセイでご存知の方も多い国文学者の林望先生の源氏物語関連本は、分かりやすく古典に寄せた知見を読めます。「くり返し読みたい」シリーズは特に絵が多くて優しい内容です。

真打ちは林望先生の「謹訳源氏物語」。林望先生の「謹訳平家物語」もとてもいいのですが、源氏物語も読みやすくて、リンボー先生独特の品があります。前書きを読むと内容が予想できるので、ネタバレ不要の方はご注意下さい。

※本ページの情報は2024年12月時点のものです。最新の情報はU-NEXTや各公式サイトでご確認下さい。

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管理人いろは

中学2年生の国語の授業で平家物語「敦盛の最期」を勉強して以来、歴史ドラマにはまっています。特にNHKの大河ドラマが大好きです。リアルタイムでテレビを見る時間がないので、あとから見逃し配信を見たり、過去の作品をイッキ見して楽しんでいます。ゆかりの地を訪ねるのも楽しみの一つです。ドラマにほへとでは、管理人いろはが実際に見た大河ドラマの情報をまとめています。PCやスマホでイッキ見する方法も紹介しています。大河ドラマよ永遠に♪

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