この記事では、全54帖ある超長編『源氏物語』の二十四帖「胡蝶(こちょう)」のあらすじと主な登場人物を簡単にまとめました。
『源氏物語』二十四帖「胡蝶(こちょう)」は『光る君へ』では何話のどの辺りのこと?についても独自の考察と感想もお届けします。
『光る君へ』『源氏物語』の両方を楽しんでいただくきっかけになれば幸いです。
大河ドラマ「光る君へ」の全話のあらすじ&感想はこちらからどうぞ。
【源氏物語】二十四帖「胡蝶(こちょう)」あらすじ。
一言あらすじは?
光源氏は春の御殿で船楽を催す。玉鬘に懸想文が多数寄せられ、光源氏も玉鬘に恋心を打ち明ける。
もうちょっと長いあらすじは?
光源氏36歳の3月のこと。光源氏は六条院の春の御殿で船楽を催し、秋好中宮の女房たちを招きます。紫の上は、鳥と蝶の衣裳の童子に舞を舞わせて、秋好中宮からの「春秋あらそい」に応じます。その素晴らしさに秋好中宮からは舞を舞った童子たちに美しい色合いの衣が褒美とされます。歌を詠んだり管弦や舞が行われ、その素晴らしさに皆が陶酔しました。
夏になり、玉鬘へは次々と求婚の文が寄せられます、それらの品定めをしつつ、玉鬘に対して養父以上の感情が芽生えてきたことを紫の上にも指摘される光源氏。玉鬘への思慕を押さえがたくなった源氏は、ある夕暮れにとうとう想いを打ち明け、玉鬘の側に添い寝します。それ以上はなかったものの、玉鬘は養父の思わぬ言動に情けない気持ちになり困惑するばかりです。
主な登場人物
光源氏:36歳。
紫の上:光源氏の正妻(級)春の御殿で光源氏と住み、明石の姫君を養育している。
玉鬘:22歳。花散里が養育している。
二十四帖「胡蝶(こちょう)」のポイント
胡蝶(こちょう)では、春と夏の出来事が書かれています。光源氏は船を造らせて、美しい六条院の庭園の池に舟を浮かべての舟遊びを催します。
そして、養女として六条院に迎えた玉鬘。光源氏の計算通り、玉鬘の評判が高まって、夏の頃にはたくさんの文が届けられるようになります。そして、光源氏の悪い癖が再燃。紫の上との経緯をなぞるかのような光源氏の言動に、正妻級になっている紫の上から、玉鬘への気持ちを指摘されてたじたじの光源氏。強引に玉鬘を我がものにはしなったものの、一度男女としての好意を口に出したが最後、養父なのに玉鬘に言い寄るようになって、玉鬘は光源氏を憎んだり、自分を情けなく思ったり散々です。
美しい玉鬘に母・夕顔の姿を投影して、若き日の激しい恋を思い出してしまったのでしょう。それと、玉鬘に言い寄る男性が多ければ多いほど、光源氏は取られたくない。という気持ちが働いたのかもしれません。紫の上には、あなたへ抱いた気持ちとは全然違うと言っていましたので、ぜひ貫いて欲しいものです。
「光る君へ」では何話のどの辺りなのか考察、そして感想も。
『光る君へ』ではそのものズバリのシーンはないのですが、2024年春に『光る君へ』の特別番組として放送された『生中継 古都の春 光る君へ千年の桜 極上の夜桜と平安文化を堪能する2時間』という番組内で、京都・大覚寺の池に舟を浮かべ、舟の上で雅楽が演奏される雅な光景が再現されました。番組の出演は、大覚寺には吉高由里子さんと町田啓太さんのお二人、三井寺にファーストサマーウイカさん、長谷寺に井上咲楽さんで、大覚寺の吉高さんは自然体、町田さんはNHKの番組「漫画家イエナガ」のように、勉強になるコメントをして下さっていました。
『生中継 古都の春 光る君へ千年の桜 極上の夜桜と平安文化を堪能する2時間』はU-NEXTで2024年12月14日まで配信されています。
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雅な平安文化。という点で見ると、34話”目覚め”で、土御門邸で催された「曲水の宴」も見逃せません。自邸の庭園にある池や川を自然と見立てて、その小宇宙で歌を詠み、音楽を楽しむ様子がとても雅です。
>>『光る君へ』34話「目覚め」のネタバレあらすじとみどころはこちらから。
34話「曲水の宴」の撮影裏話が「100カメ」で放送されました。あのカワイイ鳥にはモーターがついている?よろしければ100カメ『光る君へ』見逃し配信を見る方法とみどころ も併せてどうぞ。
2024年春、宇治の平等院に行ったのですが、面積は2ヘクタールとのことで『源氏物語』の六条院と同じ規模ということになります。確かに池に舟を浮かべて日がな一日歌を詠んだり楽しめる広さだなぁと思いました。
「光る君へ」は『源氏物語』を土台にして全方位にストーリーを展開していますね。
大河ドラマ「光る君へ」の全話ネタバレあらすじはこちらかどうぞ↓
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まとめ
二十四帖「胡蝶(こちょう)」の簡単あらすじと、「光る君へ」におけるオマージュを探りました。
六条院で迎える四季折々の風景と、平安貴族の雅。玉鬘の「思い通りに行かない宿命」と光源氏の悪いクセなど、これまでのストーリーを受けての展開もあり、続きを早く読みたくなります。
光源氏が紫の上と新枕を共にしたのは光源氏22歳、紫の上が14歳の時です。玉鬘はこの時22歳、36歳になった光源氏は思慮深くなったのですね。
『源氏物語』は54帖の超大作。スキマ時間を利用して3か月かかってやっと読破しました。前半で目の疲れに悩まされて、耳の読書を色々試してみました。その様子はこちらからお読みいただけます。
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「源氏物語」を読んでみたい方におすすめの本7選!
『源氏物語』原文は文字数約100万文字(といってもイメージ沸きませんよね)、400字詰め原稿用紙で約2400枚と言われています。現代語訳だと注釈の言葉も入ってくるので、とんでもない長編小説です。
まずはオーディブルでざっくり内容を把握して、興味のある部分を深堀りしていくことをおススメします。
活字や紙のボリュームを見ると「むり~」と思ってしまいますが、オーディブルだと全体ボリュームに関係なく流れていきますので私には耳での読書が合っていました。
一番売れている現代語訳は角田光代さん版。全8巻です。
現代語訳は瀬戸内寂聴版と与謝野晶子版もおすすめします。
読破するぞと読み始めたものの、須磨の巻あたりでギブアップするのを「須磨がえり」(高床式倉庫のネズミ返しみたいですね)と言うらしいですが、そこまでたどり着けず、二帖”帚木”で「どの巻もこんなに長いの~」と思って諦める人も多いと聞きます。
私は七帖”紅葉賀”で目の疲労に悩まされて、オーディオブック併用にしました。朗読の収録時間は『源氏物語・与謝野晶子版』で70時間。瀬戸内寂聴版で135時間くらいです。途中寝てしまったり、翌日はまた最初から、でもやっぱり意識を失いながら、約3か月で聴き終わりました。
いきなり100万文字の大海に漕ぎ出さず、まずはざっくり『源氏物語』を味わいたい方には、田辺聖子さんの『新源氏物語』がおススメです。一帖”桐壺”がなくて二帖”帚木”から始まっていて、ぎゅっと詰まっています。
参考文献としておススメなのは「紫式部の欲望」。作者の酒井順子さんの着眼点が面白くて、今のご時世だと非難されてしまうかもしれない見解も楽しく読めました。
「イギリスは美味しい」など英国エッセイでご存知の方も多い国文学者の林望先生の源氏物語関連本は、分かりやすく古典に寄せた知見を読めます。「くり返し読みたい」シリーズは特に絵が多くて優しい内容です。
真打ちは林望先生の「謹訳源氏物語」。林望先生の「謹訳平家物語」もとてもいいのですが、源氏物語も読みやすくて、リンボー先生独特の品があります。前書きを読むと内容が予想できるので、ネタバレ不要の方はご注意下さい。
※本ページの情報は2024年11月時点のものです。最新の情報は各公式サイトでご確認下さい。
#源氏物語
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