『光る君へ』41話”揺らぎ”では、三条天皇が即位し、道長との間での駆け引きが本格化します。盤石と思われた道長体制に「揺らぎ」が生まれます。
気の休まることがない道長はこのまま闇に落ちていくのでしょうか。まひろに語った道長の本心とは? それを聞いた、まひろは。そして、清少納言の姿が哀しいです。
を知りたい方にネタバレあらすじとみどころと「光る君へ」41話の視聴方法をお届けします。
大河ドラマ「光る君へ」の再放送は、地上波では放送翌週の土曜午後1:05から放送されます。
放送後7日以内はNHKプラス、7日過ぎた場合や見逃しイッキ見したい場合には、1話から最新話まで全話配信されているNHKオンデマンドで。
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41話で紫式部と清少納言が決裂することになります。かつて定子が幼い一条天皇に好きなものは?と尋ねた時「母上、椿餅、松虫」と答えたのが思い起こされます。
第41話あらすじ(ネタバレ注意)
即位した三条天皇(木村達成さん)と道長(柄本佑さん)の間では、早くも水面下で覇権争いが始まろうとしていました。道長の息子たちの序列争いも表面化します。
まひろ(吉高由里子さん)は天皇を失った悲しみに暮れる彰子(見上愛さん)を慰め、和歌の会を催すことに。すると、招かれていないききょう(ファーストサマーウイカさん)が現れます。
まひろの実家では、娘の賢子(南沙良さん)と若武者・双寿丸(伊藤健太郎さん)が仲を深めはじめます。
賢子を演じる南沙良さんは『鎌倉殿の13人』で頼朝と政子の娘・大姫を演じておられました。『鎌倉殿の13人』21話「仏の眼差」での大姫のスピリチュアルで透明感のある演技は『光る君へ』の賢子にも通じています。
「光る君へ」ネタバレあらすじまとめはこちらから↓
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紫式部の生涯。まひろは42歳。
紫式部の生涯を年表にまとめてみました。第41話にあたるのは、赤字の部分です。
年 | 年齢 | 出来事 | 天皇と周辺 |
---|---|---|---|
966年 | 三郎/道長が生まれる | 円融天皇 | |
970年頃? | 1歳 | まひろ/紫式部が生まれる | |
978年 | 8歳 | 三郎/道長と出会う 母・ちやはが亡くなる | |
984年 | 15歳 | まひろが成人する。 父・為時、式部省の役人に。 | 花山天皇即位 |
985年 | 16歳 | 4月7日道隆主催・漢詩の会 | 忯子死去。 |
986年 | 17歳 | 為時、解職。 | 藤原義懐が権中納言に。 一条天皇即位 |
990年 | 21歳 | 藤原定子が一条天皇に入台。 兼家を継ぎ、道隆が関白に | |
993年 | 24歳 | 清少納言が定子に仕える | |
994年 | 25歳 | 都で天然痘が大流行する | |
995年 | 26歳 | 道隆が死去、道兼が死去。 6月 道長が右大臣に 長徳の変 | |
996年 | 27歳 | 父・為時の赴任地・越前に同行。 | 道長、左大臣に。 |
998年 | 29歳 | 帰京。藤原宣孝と結婚。 | |
999年 | 30歳 | 長女・賢子(大弐三位)出産。 | 彰子が一条天皇に入内。 一条天皇と定子に敦康親王誕生 |
1000年 | 31歳 | 定子が皇后、彰子が中宮に。 定子死去。 | |
1001年 | 32歳 | 藤原宣孝と死別。 | |
1004年 | 35歳 | 『源氏物語』執筆開始。 | |
1005年 | 36歳 | 道長の求めで宮仕え開始。 道長の娘・彰子に仕える。 | |
1006年 | 37歳 | 宮仕えを放棄→再び戻る。 | |
1007年 | 38歳 | 『源氏物語』が人気になる。 | |
1008年 | 39歳 | 一条天皇と彰子の間に敦成親王 (後の後一条天皇)誕生 | |
1009年 | 40歳 | 一条天皇と彰子の間に敦良親王誕生 | |
1010年 | 41歳 | 『紫式部日記』執筆開始。 | |
1011年 | 42歳 | 弟・惟規死去。 | 一条天皇が退位。三条天皇即位。 一条天皇死去。 |
1012年 | 43歳 | 彰子が皇太后となる | |
1013年 | 43歳 | 宮仕えを辞める | |
1014~31年 | 44~61歳 | 紫式部死去(諸説あり) | |
1028年 | 道長死去(62歳) |
清少納言の定子への「推し」と「母性」
一条天皇が亡くなって悲しみに沈む彰子を慰めようと、まひろが藤壺での歌会を開きます。
そこへ敦康親王からの贈り物だと、彰子に椿餅を持って来た清少納言。敦康親王が東宮になるはずだったのに、彰子の息子・敦成親王が東宮になって、和歌の会では「この世の春」とばかり楽しそうな皆の様子に切れる清少納言。
「もう敦康様のことは過ぎたことにおなりなのでございますね。このように楽しそうにお暮らしとは思いもよらぬことでございました」と、悲しみに暮れている彰子に刺すような言葉を放ちます。
ちょうど、赤染衛門、まひろ、あかね。と歌を詠んだあとだったので、赤染衛門が場を和ませるべく、清少納言にも「歌を詠んで」と言いますが、清少納言は「ここは私が歌を詠みたくなるような場ではございません」とぴしゃり。
薄紫の装束に身を包んでいる清少納言。喪に服しています。
さらに「脩子内親王さまと私がおりますので、敦康親王さまのことはお忘れになられても大丈夫でございます。」と彰子にキツイ言葉を言い放ちます。敦康親王の将来を閉ざした父・道長を散々責めた彰子は本当は清少納言と同じ気持ちなのですが、清少納言はそのことを知る術もなく、結果だけ見ると確かに清少納言の言う通りなので……。
清少納言の言葉で彰子は深く傷つき、まひろは清少納言のことを「得意げなひどいお方」と決別します。
ここで、清少納言の定子への偏愛度をまひろたちと比較してみます。
かってまひろが石山寺で話を聞いた『蜻蛉日記』の作者・寧子(財前直見さん)は辛さを癒すために、『和泉式部日記』のあかねも同じくです。書くことによって救われた2人です。
まひろは彰子へ「推し活」もしていますが、自分が軸にあるので草子地として俯瞰した見方で『源氏物語』を書いています。一方、清少納言は定子を慰めるために『枕草子』を書き始めて、定子をまるで我が子のような愛で愛し続けている。という図式になります。
行成がもし「男もすなる日記というものを女もしてみんとてするなり」と何か物語を書いたとしたら、一条天皇と道長の中間に立って、あくまで王道を歩むことを選ぶと思うので、立ち位置はこの辺りだと思います。
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三条天皇と道長のパワーゲーム
三条天皇は、亡き一条天皇よりずっと年上で長い間天皇になりたくて待っていただけあって、道長を取り込もうとしたりけん制したり、色々な戦術を繰り出してきます。道長はそのたびに将来を見据えて「急がば回れ」の姿勢を貫きます。
三条天皇と道長の駆け引きは以下の通りです。
- 道長に関白を→道長・固辞する
その心は→関白は陣定めに出ない=政に関われなくなる。 - 娍子と妍子の2人を女御に→道長・断り切れず呑む
その心は→三条天皇は、娍子と皇子を守りたかった。
道長は、彰子を中宮にした「一帝二后」を自分もしたから - 顕信を蔵人頭に。→道長・固辞する
その心は→三条天皇は道長に便宜を図って貸しを作りたい。
道長は三条天皇に貸しを作りたくなかった。→余波あり。
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顕信と明子への余波
道長は考えがあって辞退した、明子との息子・顕信の蔵人頭職。
父・道長によって出世の道を閉ざされたと悲観した顕信は出家してしまいます。
これまでも倫子の子・頼通が優遇されていると明子も思い込んでいて、顕信もそう刷り込まれてきているので、これは致し方ない余波な気がします。
もともと気性の激しい明子。かつては道長の父・兼家を呪詛したために、お腹にいた道長との子を失う経験をしてきていますが、今回、大事な息子を出家に追い込んだ道長を今にも呪詛しそうな勢いです。
あちらが立てばこちらが立たず。彰子からも恨まれ、顕信は出家、明子からも「あなたが殺したのよ」と言われ、道長は気が休まる時がないです。
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行成からも「おかしくおわします」と苦言。
『源氏物語』を読みすぎなのか、久しぶりに彰子を訪ねてきた敦康親王が御簾の中に入ってい言ったことを行成から聞いて、道長は、敦康親王が2度と内裏に上がれないようにしろ、と行成に命じます。
これには、いくら道長推しの行成も「敦康親王から多くのことを奪いすぎでございます。敦康さまがお気の毒でございます」と道長に苦言を呈します。
行成、斉信、公任の三人と、まひろがいれば、道長は「はだかの王様」にならずに済みそうです。
まひろとの約束だけが救いの道長。
疲れ果てた道長がまひろの局にやってきます。軽口を叩きあって和む二人。
まひろが道長に直球を投げます。
まひろ:道理を飛び越えて敦成様を東宮に立てられたのは、なぜでございますか?
より強い力をお持ちになろうとされたのは…道長:おまえとの約束を果たすためだ。やり方が強引だったことは承知しておる。
「光る君へ」41話より
されど俺は常に、おまえとの約束を胸に生きてきた。今もそうだ。
そのことは、おまえにだけは伝わっておると思っておる。
道長の本心がこうだとするならば、道長の思いはあまりにも少年の心過ぎますし、あまりにも純愛過ぎます。
ですが、この言葉通りだとすると、つじつまが合うことばかりです。
2024年11月1日放送「あさイチ~プレミアムトーク」での道長を演じた柄本佑さん。12話”思いの果て”でまひろに妾になるのを断られた道長が、その足で倫子のところに行ったのは、妾になるのを断られたからではなく、まひろに「直秀のように理不尽に殺される民がいなくなるように政でこの国を変えて」と言われたことを「よし、やってやるぞ」と思って倫子さんの元に飛んで行ったとコメントされていました。
ということは、道長はまひろから「身分の高いあなたは偉くなって、国の中心からこの国を変えて」と言われたことを、ただ愚直にやり遂げようとしているだけなのです。
道長、そういえば子どものころはぼーっとした三男坊でした。単細胞すぎるマインドや思考回路が今になってじんわり効いてきました。
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賢子と双寿丸のやりとりからまひろは彰子にある提案をする。
惟規の死によって溝が埋まったまひろと賢子。賢子は「怒るのがキライ」で、母・まひろにしか怒っていないと話します。
まひろは幼い頃に母・ちやはを目の前で殺されて、怒りを胸に抱いていなければ生きてこれなかったのに対し、賢子は、実の父・道長、育ての親・宣孝、祖父・為時の気質を受け継いで怒るのがキライに育ちました。
賢子と双寿丸の距離が段々と近づいて来ています。その姿に道長と自分の姿を重ねるまひろ。双寿丸が文字が書けないと聞くと「もしかして高貴な生まれなのでは?」「足で文字が書けるの?」と三郎/道長とのエピソードがどんどん浮かんできて、若い二人に絡みます。
双寿丸の存在が、まひろにも賢子にも「光」を与えている印象を受けました。演じる伊藤さんの醸し出す雰囲気なのかもしれません。
双寿丸を演じる伊藤健太郎さんは映画『十二単衣を着た悪魔』で『源氏物語』の世界にタイムスリップした主人公を演じられています。よろしければ関連記事もどうぞ。
双寿丸から「武者であることに誇りを持って、一人ではなくみんなで戦う」。人には得手不得手があるという話を聞いて、ヒントを得たまひろは、道長が敦康親王のことを排除しようとしていると嘆き悲しんでいる彰子に「仲間をお持ちになってはいかが」と提案します。
さっそく彰子は四人の弟を呼びます。頼通、教通のほか、異母兄弟の頼宗、顕信の四人に「父上をお諫みできるのは私たちのみ。力を合わせましょう」と呼びかけます。
この場面、詮子が道長と力を合わせていた姿を彷彿させます。
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まとめ
41話”揺らぎ”では、三条天皇と道長の駆け引きが激化します。道長の周りではいたるところで「揺らぎ」が生まれます。
ブラック道長が目指しているのは、ただまひろとの約束です。そして、定子への思いを抱き続けている清少納言の姿が哀しいです。
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大河ドラマガイド・前編はこちらから↓
あらすじや人物相関図、そして豪華な出演者インタビューなど盛りだくさんの内容です。
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