2023年大河ドラマ「どうする家康」第15話は、家康の揺れる心情と「チーム徳川」家臣団の組織力が見事でした。そして、家康が「どうする?どうする?」と苦渋の決断をしていく姿に胸を打たれました。
・15話を見逃した
・15話「姉川でどうする!」のみどころを知りたい
そんな方に向けて、ネタバレあらすじと感想をお届けします。
大河ドラマ「どうする家康」の再放送は、地上波では放送翌週の土曜午後1:05から放送されます。
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「その後、なんやかんやあった後、金ヶ崎の戦いは無事乗り切ったのでありました」とナレーションで終わってしまった辺りから、今回も合戦メインではなく、人間模様や感情にフォーカスした回なのかもと思いました。
家康は信長に従うのか、それとも浅井長政に寝返って信長を裏切るのか?
史実は変えられませんが、家康や「チーム徳川」家臣団の皆さんの心情が本当はこうだったのかも。と思えるようなストーリー展開に引き寄せられました。
信長の絶対的な自信の陰に潜む、どこかもろい部分が「信長が家康の耳を噛む」行動に凝縮されているような気がします。最初の頃の「狼と白兎」の構図ではなく、「トム&ジェリー」のような愛あふれる間柄を感じたのは私だけでしょうか?
また、ムロツヨシさん演じる秀吉の底意地の悪い部分に磨きがかかってきましたが、時折見せるいい人な部分を見ていると、人は善人か悪人かのどちらか一方というわけではなく、ブラックな中にも善なる部分が混在していることに気付かされます。
第15話あらすじ(ネタバレ注意)
藤吉郎(ムロツヨシさん)と共に金ヶ崎の激戦を生き延びた家康(松本潤さん)。
息つく暇もなく、信長(岡田准一さん)に浅井・朝倉討伐の先陣を命じられます。
そんな中、浅井長政(大貫勇輔さん)から「信長に義はない。ともに信長を討ち取ろう」と密書が届く。姉川を挟んで両軍が向き合い、決戦の時が迫る中、家康は信長を裏切るか否かの選択を迫られる。
家臣の中でも意見が分かれ、浅井・朝倉軍が迫るところに家康陣へ信長から銃弾が撃ち込まれる…。
天下分け目の「関ケ原の戦い」で、家康が味方の小早川陣に大砲を打ち込んだことは有名ですが、信長の行動からヒントを得たのか…と妙に納得しました。
徳川家康の生涯。
徳川家康の生涯を年表にまとめてみました。第14話にあたるのは、赤字の部分です。
年 | 出来事 |
---|---|
1542年 | 三河国・岡崎城で生まれる |
1547年 | 尾張国・織田信秀(信長の父)の人質となる |
1549年 | 父・弘常が暗殺される。 駿河国・今川義元の人質となる。 |
1560年 | 「桶狭間の戦い」で義元討ち死。岡崎城に戻る。 |
1562年 | 織田信長と清須同盟 |
1563年 | 今川義元の偏諱である「元」の字を返上し「家康」と名乗る |
1563~64年 | 三河一向一揆(1563~1564) |
この辺り | |
1572年 | 「三方ヶ原の戦い」で武田信玄に敗北。 直後に武田信玄死去。 |
1582年 | 「本能寺の変」で信長死去。 |
1584年 | 「小牧・長久手の戦い」で羽柴秀吉(のちの豊臣秀吉)と戦う。 |
1600年 | 秀吉死後の「関ケ原の戦い」で勝利。 |
1603年 | 征夷大将軍に任命。江戸幕府を開く。 |
1605年 | 息子・秀忠に跡を継がせる。 |
1615年 | 「大阪夏の陣」で豊臣家を滅ぼす。 |
1616年 | 75歳で死去。 |
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乱世を終わらせるのは誰?
「乱世を終わらせるのは誰」というのが15話のキーワードになっています。信長は自分こそが乱世を終わらせると信じブレることがありません。
そして、家康の家臣団筆頭である石川数正(松重豊さん)も、過去・現在・未来を見据えて「乱世を終わらせるのは誰」という視点で家康を説得していきます。
「義」って何?
家康のお母さん役を担っている酒井忠次(大森南朋さん)は、硬軟あわせ持っています。「エビすくい」をしているかと思えば「チーム徳川」の頭脳にもなります。家康を頭ごなしに批判するでもなく、イエスマンもなく、まるでコーチングのコーチのように若い家康に問いかけて答えを導く手伝いをします。
酒井:義?義とはなんでござる?わたしにはさっぱりわかりません。
家康:おまえは学がないからな。
酒井:殿は、殿は本当に分かっておいでなのか?
酒井:義なんてものはきれいごと!屁理屈に過ぎませんぬ!これは我らと織田勢を引き裂こうとする浅井の策略。乗ってはいけませぬ。
「どうする家康」15話より
石川数正(松重豊さん)と酒井忠次(大森南朋さん)
石川数正と酒井忠次がコアな部分をしっかりとつかんで、その脇を子ども時代から一緒に成長してきた、鳥居元忠(音尾琢真さん)と七之助(岡部大さん)が固め、その周りを本多忠勝(山田裕貴さん)と榊原康政(杉野遥亮さん)が回遊している。そんな「チーム家康」の構図が見て取れます。
全員が自分の思ったことをストレートに言い合える風通しのよい組織であることが何よりの財産です。ですが、いざとなったら家康に従い命を懸ける覚悟を全員持っているところに無敵の団結力を感じます。
それと比較しますと、信長の周りには、得体のしれない秀吉(ムロツヨシさん)と明智光秀(酒向芳さん)、今回裏切った浅井長政(大貫勇輔さん)。と少し寂しい状況です。柴田勝家(吉原光夫さん)だけが、唯一の信頼株と言ったところでしょうか。
この後お市の方は柴田勝家に嫁ぐことになります。お市の方もさすが信長の妹だけあって、肝が座っていて全くブレない人だということが分かります。
家康の心が揺れます
家康は幼い頃から長く人質生活をしてきたので、人の顔色や気持ちには敏感です。そして用心深く思慮深くもあります。
ですが、話数が進んで「どうする?」という選択をするごとに、思慮深さの上に「直感」を載せて判断するようになってきました。
家康:わしは、浅井につきたい。
酒井:なにゆえ?
家康:それは、浅井殿が好きだからじゃ。
榊原:え?好きだから?
「どうする家康」15話より
酒井からは一度会っただけで何が分かるのだ。と言われていましたが、家康には人を見る目があるので、きっとその直感は当たっていると思います。
浅井につくということは、幕府軍の信長を裏切る=逆賊になるのですが、家康は「人の金平糖を奪うような将軍なんて」と子どもみたいな。ですが好き嫌いの基準が人の本質的な部分なので、納得できます。
そこで、石川数正が将来的なことも含めた展望を家康に話します。落ち着いた口調です。
あの、ぐっちゃぐっちゃをもう一度やりますか?
「どうする家康」15話より
これを聞いて家康は苦渋の決断をします。
松本潤さんの決意表明の時の声色ですが、14話までは少し上ずっていた印象があったのですが、今回15話では重厚感のあるしっかりとした声で「敵は…かかれー!」と命じていました。家康が完全に覚醒した印象を受けました。
第15話のキャスト
役名 | 俳優名 |
徳川家康 | 松本 潤 |
お市の方 | 北川景子 |
織田信長(回想) | 岡田准一 |
酒井忠次(左衛門尉) | 大森南朋 |
本田忠勝(平八郎) | 山田裕貴 |
榊原康政(小平太) | 杉野遥亮 |
鳥居元忠(彦右衛門) | 音尾琢真 |
夏目広次 | 甲本雅裕 |
井伊虎松 | 板垣李光人 |
大久保忠世 | 小手伸也 |
平岩親吉(七之助) | 岡部 大 |
信康 | 寺嶋眞秀 |
五徳 | 松岡夏輝 |
亀姫 | 吉田帆乃華 |
明智光秀 | 酒向 芳 |
山県昌景 | 橋本さとし |
柴田勝家 | 吉原光夫 |
老婆 | 柴田理恵 |
千代 | 古川琴音 |
浅井長政 | 大貫勇輔 |
木下藤吉郎 | ムロツヨシ |
穴山信君 | 田辺誠一 |
石川数正 | 松重 豊 |
武田信玄 | 阿部 寛 |
「どうする家康」のキャスト一覧はこちらから
第15話の制作陣
脚本 | 古沢良太 |
音楽 | 稲本 響 |
ナレーション | 寺島しのぶ |
演出 | 田中 剛 |
まとめ
心によどみのない浅井長政と対峙することになった家康は、「乱世を終わらせるのは誰か」を再認識します。信長につくか浅井につくかで悩む家康ですが、家臣団との激論で苦渋の決断をします。家臣団との団結が一段と固まった姉川の合戦。家康は瀬名と離れ岡崎を息子の信康に託し、浜松へと移ります。
このあとも厳しい展開が待っている「どうする家康」。今のうちに1話から見直してみてはいかがですか?
「どうする家康」ネタバレあらすじまとめはこちらから↓
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本ページの情報は2023年4月時点のものです。最新の情報はU-NEXTサイトでご確認ください。
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