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【豊臣兄弟!第33回感想】北庄城の別れ|勝家と市、舞う蝶と秀長の覚悟

5.0
『豊臣兄弟!』第33回”北庄城の別れ” 豊臣兄弟!
『豊臣兄弟!』第33回”北庄城の別れ”

大河ドラマ『豊臣兄弟!』第33回「北庄(きたのしょう)城の別れ」では、賤ヶ岳の戦いに敗れた柴田勝家と市が北庄城で最期の時を迎えました。

厳しい現実を受け入れられない秀長(仲野太賀さん)が、千宗易(吉岡秀隆さん)との出会いや懐かしい鐘の音に導かれていきます。

この記事では、第33回「北庄城の別れ」のあらすじと、管理人いろはの感想、宮﨑あおいさんの市と山口馬木也さんの柴田勝家の最期、蝶となった演出、そして秀長が天下を目指す覚悟を決めるまでについてお届けします。

>>こちらの記事で『豊臣兄弟!』のあらすじネタバレを全話紹介 しています。
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33話「北庄城の別れ」あらすじ

柴田勝家の居城・北庄城
柴田勝家の居城・北庄城

賤ヶ岳の戦いで羽柴秀吉軍に敗れた柴田勝家は、北庄城へ退却。

秀吉は、前田利家に先陣を命じ、北庄城へと兵を進めます。

北庄城の市は茶々、初、江の三姉妹を城から逃がし、自らは勝家と運命をともにすることを選びます。

二人の死を受け止めきれない小一郎は、そのまま大徳寺へ。

千宗易との出会い、や寺の鐘の音を聞いた小一郎は、自分が武士になった原点を思い出します。

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33話「北庄城の別れ」のみどころと感想

二羽の蝶となった勝家と市
舞う蝶となった勝家と市

オープニングテーマが流れず、横書きのクレジットではじまった33話。

第17回「小谷城落城」、第27回「本能寺の変」と同じく、心して見なければならない厳しい回なのだと覚悟しました。

いろは
いろは

※クレジットでは、今回から「羽柴美濃守長秀:仲野太賀」となっていますが、本記事は「小一郎」で書かせていただきます。

前半は、北庄城での柴田勝家と市の最期。後半では、二人を死なせてまで天下を目指すことに納得できずにいた小一郎が、再び前へ進むまでが描かれました。

「北庄城の別れ」というタイトルから、勝家と市の最期を中心に描く回だと思っていましたが、実際にはその後の、小一郎が覚悟を決めるまでが大きな軸になっていました。

前半は勝家と市、後半は秀長の再出発

北庄城と柴田家の滅亡は、思っていたよりもかなり短い尺で、七本槍として知られる若武者たちも、今回登場したのは加藤清正、福島正則、片桐且元、平野長泰の4人でした。

33話で描きたかったのは戦そのものではなく、兄・秀吉が天下人になることを、小一郎自身も本当に望んでいるのかどうかの答えを出すことが、今回必要だったのだと感じました。

後半にたっぷり時間を使って、小一郎が大徳寺へ行き、千宗易と出会い、自分の原点までさかのぼって考え直したこと。『豊臣兄弟!』の独自性だと思いました。

池松壮亮さんの秀吉に見えた「痛み」

以前の人懐っこい藤吉郎から、着実に「天下人・秀吉」へ暗躍していて、嫌いになりそうだった秀吉ですが、今回は秀吉の内面で痛みが爆発しそうなのがすごく伝わってきました。

特に北庄城攻めを命じる場面での、目が血走り、身体は震え、抑え込もうとしても隠しきれない秀吉の苦しさが表に出ていました。

秀吉は「鬼」にならなければ前へ進めない自分自身に苦しみもがいているように見えました。池松壮亮さんが秀吉の苦しみを、セリフではなく、身体反応で見せていてすごいな。と思いました。

いろは
いろは

わなわな震える。という表現がありますが、池松さん演じる秀吉の場合、身体の中にある怒りや苦しみ、悲しみのマグマが今にも爆発しそう。そんな印象を受けました。

宮﨑あおいさんの市|母、妻、そして「織田の女」の最期

宮﨑あおいさん演じる市の母としての包容力、妻としてのかわいらしさ、そして「織田家」を背負った誇りと品格が素晴らしく、まさに市の集大成のような回だったと思います。

勝家より先に逝こうとした市

市は「もう嫁いだお方の最後を見送るのはたくさんでございます」と、勝家より先に自害しようとします。

そして、喉元に刀を突きたてる市。その瞬間、勝家がその刀を素手でつかみ、手の平から血を流しながらも、市の自害を止めます。

このシーンを見て、かつて中島歩さん演じる市の前の夫・浅井長政が、信長が市に贈った鏡を燃える炎の中から素手で取り出した場面を思い出しました。

長政は炎へ手を、勝家は刀の刃を手で。

物静かな長政と、武闘派の勝家はキャクターが全く違いますが、身を挺して妻の市を守るとっさの行動には、「市の夫」として共通する覚悟や思いを感じました。

宮崎あおいさん演じる市は、戦国の世にあって政略結婚や戦に翻弄されただけではなく、二人の夫から深く愛された女性だとこの場面を見て改めて感じました。

「いい顔をしておる」若武者たちを見た市

北庄城内で最後の戦いを繰り広げる中、藤堂高虎や石田三成ら若武者たちが、勝家と市を天守閣の一番上へと追い詰めます。

彼らを見た市が、「いい顔をしておる」と褒めた場面。

死を目前にしながらも、市の言葉には、若者たちを一段高いところから大きく包む品格が漂っていて、『篤姫』の頃の宮﨑あおいさんから、更に深みを増していて、あっぱれ。と思いました。

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山口馬木也さんの柴田勝家|最後まで「鬼柴田」

柴田勝家公像:北庄城址
柴田勝家公像:北庄城址

山口馬木也さんが演じる柴田勝家は、本当に格好よかったです。

無骨な武将として描かれてきた勝家でしたが、33話では「武人」としての強さだけでなく、市を思う不器用な愛情や、山口さんご自身の色気も伝わってきて素晴らしかったです。

不器用な夫としての勝家

市が作った(美味しいとは言えない)料理を、勝家が懸命に食べる場面ですで涙腺が崩壊しそうでした。「うまい」と言って完食する姿から勝家の優しさがにじみ出ていました。

勝家と市の普通の夫婦のような1コマに、市が浅井に嫁ぐ前からの2人の間の長年の信頼を感じました。

刀を持った瞬間に「鬼神」へ変わる

羽柴方の兵が城内へ攻め込んでくると、穏やかな勝家が「鬼神」に変貌します。ここからの山口馬木也さんのダイナミックな殺陣が本当に見応えがありました。

市と手をつないだままでの、城内の狭い廊下や階段での迫ってくる兵たちを次々となぎ倒していく勝家。力強い太刀筋と、相手を圧倒するような気迫。「鬼柴田」と呼ばれた武将の強さを、これでもかというほど見せてくれました。

そして何より、山口馬木也さんが柴田勝家に配役された意味を、存分に味わえる場面でした。時代劇には欠かせない方なんです。カッコいいんです。

山口馬木也さんの他の出演作も、『豊臣兄弟!』と一緒にU-NEXTで視聴できます。
・『八重の桜』の榎本武揚
・『鎌倉殿の13人』の山内首藤経俊
・『大富豪同心』 溝口左門
・『大岡越前』鴨田十蔵 役
・『小吉の女房』高野長英 役
・『剣樹抄〜光國公と俺〜』両火房
・『柳生十兵衛七番勝負~島原の乱』の 鈴鹿真太郎▶配信なし
・映画『侍タイムスリッパー』主人公・高坂新左衛門

勝家と市の最期の演出

柴田家と織田家の家紋
柴田家と織田家の家紋

武士の中の武士の柴田勝家と最後まで織田の誇りを貫いた市が、天に舞い、そして蝶へ……。とても美しい演出ですが、蝶になるの?と、少し驚きました。

天守から手を取り合って飛び降りる二人

二人が選んだのは、「武将とその妻」としてではなく、夫婦としてともに逝くことだったのか?とも思いましたが、勝家の「これが戦よ」の言葉からすると、市とのことも含めて人生そのものが戦だという意味なのか?と思ったりしました。

いろは
いろは

いずれにしても、斬新~!と思いました。

蝶になった演出は若干ファンタジー?

そして、二人が蝶になる演出は、私は中国の古い物語を思い出し、中国版ロミオとジュリエットとして有名な『梁山伯と祝英台』のラストシーンに思いを馳せました。

『梁山伯と祝英台』のオマージュだったら素敵だなぁと思ったり、柴田家の家紋が「丸に二つ雁金(まるにふたつかりがね)」ということから、雁には転生しなかったものの、羽を開いて飛ぶ蝶になったのかな。と思ったりしました。

『豊臣兄弟!』は小さいお子さんも見ているとのことなので、ファンタジーに寄せたのかな。と思ったりしました。

そして、茶々の前に現れた蝶

さらに、秀吉の無防備な背中を見て、市から託された守り刀を抜こうとする茶々を、蝶が止めるように秀吉の肩に舞います。

蝶の演出そのものは好みが分かれそうですが、茶々と秀吉の関係に新たな緊張が生まれた場面として、とても印象に残りました。

いろは
いろは

渡り鳥の雁が秀吉の肩に乗るのは無理があるので、そういう意味でもヒラリと飛んできて、浅井三姉妹を見守っている市の化身が蝶。というのは素敵な発想だと思いました。

秀長はなぜ大徳寺へ?|鐘の音が呼び戻した原点

大徳寺塔頭・総見院
大徳寺塔頭・総見院

勝家と市の最期を見届けた小一郎は、秀吉のもとへ戻らず、大徳寺へ向かいました。

兄の辛さも目の当たりにし責めることもできず、勝家と市を死なせてまでの「天下統一」に納得できない。

小一郎は大徳寺で千宗易(吉岡秀隆さん)に出会い、そして聞こえてきたのが、寺の鐘の音でした。第2回「願いの鐘」で、中村から清洲へ旅立つ小一郎、藤吉郎、直を励ますように、母・なかたちが鳴らしていたあの鐘の音です。

天下を取るために武士になるのではなく、大事な人を守り、みんなが笑って暮らせる世にしたい。鐘の音は、小一郎を原点へ連れ戻しました。

いろは
いろは

千宗室がお茶が苦くて嫌いという設定も斬新ですし、今は甘いお菓子を先に食べてからお茶を頂くので、面白い解釈だなぁと思いました。

月代を剃った豊臣兄弟|ここから天下統一へ

33話で豊臣家全員集合シーンの人物配置図
33話で豊臣家全員集合シーンの人物配置図

大徳寺から戻った小一郎は、自らの意志で「兄者が笑って天下人になる道を見つける」と覚悟を決めました。

そして終盤、秀吉と小一郎はそろって月代を剃った姿になり、秀吉が皆の前で天下人となる決意表明をします。

『どうする家康』でも、家康が月代を剃り、覚悟を決めた場面がありました。これからは「なぜ自分が天下を取るのか」という大義名分を示していくフェーズに突入です。

33話を見て、天下人になるには、武力だけでなく、大義名分と、それを人々に信じてもらうための物語が必要なのだと改めて感じました。

ここからいよいよ、豊臣兄弟の天下統一への「遠く険しく、楽しき道」が始まっていくのだと思います。

『豊臣兄弟!』33話を見逃した・もう一度見たい方へ

『豊臣兄弟!』は、放送後1週間はNHK ONEで見逃し視聴できます。
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よくある質問

Q
『豊臣兄弟!』33話で秀長はなぜ大徳寺へ行ったの?
A

勝家と市の最期を目の当たりにした秀長は、二人を死なせてまで天下を目指すことに納得できず、秀吉のもとへ戻らず大徳寺へ向かいました。
そこで千宗易と出会い、さらに寺の鐘の音を聞いたことで、「大切な人を守り、みんなが笑って暮らせる世にしたい」という、自分が武士になった原点を思い出します。
この鐘の音は、第2回「願いの鐘」で、中村から清洲へ旅立つ小一郎たちを励ますように母・なからが鳴らした鐘とも重なる印象的な演出でした。

Q
勝家と市が蝶になったのはどういう意味?
A

33話では、柴田勝家と市が天守から身を投じたあと、蝶が舞う幻想的な演出がありました。
二人が現世の戦や苦しみから解き放たれ、夫婦としてともに旅立ったことを表しているようにも見えます。
さらに蝶は茶々のもとにも現れ、秀吉に守り刀を向けようとする茶々を止めるように舞いました。
私は中国の物語『梁山伯と祝英台』のラストシーンも思い出しましたが、作品内では蝶の意味が明確に説明されているわけではなく、見る人によって解釈が分かれそうな演出です

Q
33話で秀吉と秀長が月代を剃ったのはなぜ?
A

33話の終盤では、秀吉と秀長がそろって月代を剃った姿で登場しました。
秀長が「兄者が笑って天下人になる道を見つける」と覚悟を決めた直後でもあり、二人がこれまでとは違う段階へ進んだことを印象づける変化だったように感じます。
ここからは戦に勝つだけでなく、人を動かし、「なぜ自分が天下を取るのか」という大義名分を示していく、豊臣兄弟の天下統一への新しい章が始まります。

Q
『豊臣兄弟!』はどこで見逃し配信されていますか?
A

『豊臣兄弟!』は、放送後1週間はNHKプラスで見逃し視聴ができます。

1話からまとめて視聴したい方は、NHKオンデマンド(まるごと見放題パック)での視聴が便利です。

▶ 視聴方法の詳しいまとめはこちら:『豊臣兄弟!』どこで見れる?配信・見逃し・一気見ガイド

まとめ

第33回「北庄城の別れ」は、勝家と市の最期と、秀長が自分なりに天下を目指す意味を見つける回でした。

山口馬木也さんの勝家と宮﨑あおいさんの市が本当に見事。そして鐘の音に導かれ、原点へ戻った秀長。

ここからいよいよ、豊臣兄弟の天下統一への「遠く険しく、楽しき道」が始まります。

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いろは
いろは

次回は、秀吉が大坂城を築く一方で、家康の動きが気になります。人質時代や妻子を失った苦い記憶を抱える家康が、秀吉とどう向き合うのか注目です。

本ページの情報は2026年9月時点のものです。最新の情報はU-NEXTサイトでご確認ください。

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中学2年生で平家物語「敦盛の最期」に恋し、初めて見た大河ドラマは『草燃える』。以来、大河ドラマを心の友に、ゆかりの地を巡っています。近年は『べらぼう』ゆかりの地を歩いた体験をもとに、小冊子『いろはんぽ~江戸・たいとう版』を出版しました。ドラマにほへとでは、実際に見た作品の魅力を熱くお届けします。配信サービスやDVDレンタルなどの視聴方法もご紹介しています。大河ドラマを楽しみたい方のお役に立てればうれしいです。

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