2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』第23回「さらば半兵衛」は、タイトルの通り、竹中半兵衛(菅田将暉さん)の最期が描かれた回でした。
黒田官兵衛(倉悠貴さん)の嫡男・松寿丸をめぐる攻防と、小一郎(仲野太賀さん)と慶(吉岡里帆さん)の間に生まれた新しい命。そして、天才軍師・竹中半兵衛の死。命の尊さが押し寄せた45分でした。
この記事では、『豊臣兄弟!』第23回「さらば半兵衛」のあらすじ、みどころ、感想、そして史実や『軍師官兵衛』『鎌倉殿の13人』との見比べポイントをお届けしてまいります。
>>こちらの記事で『豊臣兄弟!』のあらすじネタバレを全話紹介 しています。
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「さらば半兵衛」というタイトルから、半兵衛の最期は覚悟していましたが、まさか赤ちゃんの誕生にここまで涙するとは思いませんでした。
『豊臣兄弟!』第23回あらすじ(ネタバレあり)

荒木村重(トータス松本さん)の説得に向かった黒田官兵衛(倉悠貴さん)が有岡城に幽閉されてしまいます。
さらに村重は官兵衛が織田方を裏切ったという噂を流し、織田信長(小栗旬さん)は官兵衛の嫡男・松寿丸(森優理斗さん)を処刑するよう命じました。
竹中半兵衛(菅田将暉さん)は、余命わずかな自分が松寿丸を処刑する役目を引き受けると申し出ました。表向きには身代わりを用意して救う策を語りますが、実は信長の怒りを鎮めるため、本当に松寿丸を殺める覚悟を決めていたのでした。
一方、松寿丸のいる長浜城では慶(吉岡里帆さん)や寧々、なか(坂井真紀さん)たちが力を合わせ、松寿丸を守ろうと奮闘します。が、ついに半兵衛が松寿丸の居場所を突き止めます。
しかし、その時、慶が産気づきます。
生まれたばかりの小一郎(仲野太賀さん)と慶の娘を抱き上げた半兵衛は涙を流しながら、「この子を抱いた手で子を殺めるなどできぬ」と松寿丸を救う決意をします。
半兵衛は身代わりを立てて信長の首実検を乗り切り、松寿丸を自らの居城・菩提山城へ匿います。
やがて病状が悪化する中、半兵衛は三木城攻めの陣へ向かいました。
「戦場を見たい」
そう願った半兵衛は輿に担がれながら前線へ赴きます。
そして、生野銀山を利用した調略によって宇喜多直家(緋田康人さん)が織田方へ寝返ったとの知らせを聞いた半兵衛は、仲間たちに囲まれながら静かに横たわり、
「死にとうないのう……まだ……」と言い残して息を引き取りました。

菅田将暉さんの、過酷な減量をされたであろう痩せ細った腕と、こけた頬は鬼気迫るものがありました。今回は松寿丸救出や黒田官兵衛幽閉という歴史的な大事件が描かれましたが、管理人の心に最も残ったのは、新しい命の誕生と半兵衛の涙でした。
第23回「さらば半兵衛!」のみどころ&感想

大河ドラマ『軍師官兵衛』サプライズ?田中哲司さん登場にニヤリ
今回、冒頭のキャストクレジットを見ていて思わず「お」となりました。慶の父・安藤守就役の田中哲司さんのお名前を発見したからです。
田中哲司さんといえば、大河ドラマ『軍師官兵衛』での、だんだん壊れていく荒木村重の怪演が強烈な印象を残しました。
今回は、その荒木村重の謀反によって黒田官兵衛が幽閉され、松寿丸の命が危機にさらされるという、『軍師官兵衛』の核となるエピソードが描かれています。
そんな回における、慶の懐妊に絡めての父親登場という流れが自然で、「これは『軍師官兵衛』ファンへのサービスかも」と思ったりしました。
誰か一人に負わせない『豊臣兄弟!』
今回の松寿丸救出劇は、最後までどう決着するのか分からずハラハラしましたが、『豊臣兄弟!』らしいと思ったのは「半兵衛だけが秘密を抱え、全てを背負う」という展開でなかったことです。
秀吉には秀吉の、半兵衛には半兵衛の思いがあって、さらに、小一郎には「誰か一人に責任を負わせたくない」という思いがあって、互いに口に出さない思いを思いやりながら行動しています。
戦国ドラマでありながら、常にホームドラマのような温かさがあるのが、『豊臣兄弟!』の味わいだと思いました。
今回も、誰かを悪者にして勧善懲悪で進めるのではなく、それぞれが悩みながら最善を探していく姿が丁寧に描かれていました。

『豊臣兄弟!』は、秀吉も繊細で、小一郎も兄者の思いを汲み取って、半兵衛は自分が全ての責めを冥土に持って行こうとして…と、とにかく複雑です。
命の誕生は、すべての策や勝ち負けを超えていく
今回、管理人が最も心を揺さぶられたのは慶(吉岡里帆さん)と小一郎の子の誕生シーンでした。
松寿丸をどう救うのか。半兵衛は本当に処刑を実行してしまうのか…といったことばかり気にしていましたが、そんな大人たちの思惑を一瞬で吹き飛ばしたのが、新しい命の誕生でした。
出産直後の慶の火照ったような表情。「ありがとう」と声をかける小一郎。そして、生まれたばかりの子を抱き上げた半兵衛の涙。
半兵衛が赤ちゃんを抱きながら口にした「わかりませぬ」という言葉には、理屈では説明できない感情が詰まっていたように思います。
戦国の世では、勝つための策や駆け引きが何より重要ですが、生まれたばかりの赤ちゃんの存在は、そんな計算や思惑をすべて吹き飛ばしてしまいます。
この世の作為的なものを一瞬で帳消しにし、ただ「生きること」の尊さだけを残してくれる気がしました。

この場面を見ていて、管理人は自分の子どもが生まれた日のことを思い出し、一気にこみ上げてきて大号泣でした。
菅田将暉さんが演じ切った「軍師・竹中半兵衛」
竹中半兵衛を演じた菅田将暉さんがとにかくすごかったです。
ラストシーンでは、どれほど厳しい減量をされたのだろうと心配になるほど頬がこけ、腕も細くなっていて、病に侵された半兵衛の姿は鬼気迫るものがありました。
さらにそのやせ細った姿だけではなく、赤ん坊を抱いた時にあふれ出た感情。松寿丸を救う決意を固めた時の覚悟。そして、仲間たちに囲まれながらの穏やかな笑顔。それぞれ全く違う表情を見せながら、菅田さんは一人の軍師の人生を見事に演じ切っていました。
短い場面でしたが、信長との場面が特に忘れられません。半兵衛自身が責めを負って死ぬつもりだと信長に思わせる説得力。そして、それを見抜きながらも「大義であった」と労う信長。
『鎌倉殿の13人』での、菅田将暉さんと小栗旬さんの名場面を思い出します。詳しくは、このあとの『歴代大河との見比べ』の部分でご紹介しています。
信長と半兵衛の今回の場面は、小栗さんと菅田さんお二人の感情が溶け合うような名シーンでした。

23回もどっぷり感動の渦に巻き込まれました涙
歴代大河ドラマとの見比べ:『軍師官兵衛』との違いと『鎌倉殿の13人』の名場面。
今回の「さらば半兵衛」と、岡田准一さん主演の2014年の大河ドラマ『軍師官兵衛』、さらには『鎌倉殿の13人』も見比べを深堀りさせていただきます。
・荒木村重の謀反
・黒田官兵衛の幽閉
・松寿丸処刑命令
・竹中半兵衛の最期
は、『軍師官兵衛』でも重要な見せ場となったエピソードですが、同じ出来事でも『豊臣兄弟!』と『軍師官兵衛』では見え方が大きく異なっていました。
松寿丸救出の立役者
『軍師官兵衛』では、当然ながら中心軸は岡田准一さん演じる黒田官兵衛です。
有岡城に幽閉された官兵衛は、自分の息子・松寿丸が処刑される危険にさらされていることを知りません(幽閉中に村重から伝えられ、官兵衛は生きる希望を失っていきます)。
そして、竹中半兵衛(谷原章介さん)が松寿丸を実は救った。といういことが分かるのは、半兵衛亡きあとであり、官兵衛が幽閉から救い出されたあとになります。
一方、『豊臣兄弟!』では竹中半兵衛自身の葛藤や決断が物語の中心になっていて、信長の命に背いてまで、なぜ松寿丸を救ったのか、半兵衛の心の変化が丁寧に描かれていました。

史実は同じでも、誰の視点で描くかによって違うドラマになると改めて感じました。
『軍師官兵衛』の半兵衛と『豊臣兄弟!』の半兵衛
『軍師官兵衛』の竹中半兵衛(谷原章介さん)は、「完成型の軍師」という印象があり、黒田官兵衛の兄貴分の位置づけだったように思います。
常に冷静で、先を見通し、若き官兵衛を導く存在で、まさに「伝説の軍師」と呼ぶにふさわしい人物でした。
一方、『豊臣兄弟!』の半兵衛は、もう少く若くて青い印象を受けました。もちろん軍師としては超一流で、生野銀山を抑えるために竹田城や、上月城での残虐に見せる判断など、随所に的確で冷淡な判断を下してきました。
だからこそ、今回の生まれたばかりの赤ちゃんを抱いて涙を流す半兵衛の「伝説の軍師」から「一人の人間」になった瞬間が際立ったと思います。
史実の半兵衛も三木城攻めの陣中で亡くなった
史実でも竹中半兵衛は天正7年(1579年)、三木城攻めの陣中で亡くなっていて、病を患いながら戦場を離れず、平井山本陣において、36歳の若さで生涯を閉じました。
秀吉から静養を勧められた際、「陣中で死ぬことこそ武士の本望」と語ったというエピソードも残っています。
今回の『豊臣兄弟!』でも、病を押して戦場へ向かう姿が描かれていました。
・慶の出産の際に居合わせた
・赤ちゃんとの接触
・松寿丸救出をめぐる葛藤
・宇喜多直家の寝返りを見届ける展開
・「死にとうないのう……まだ……」という最期の言葉
はオリジナルの演出です。
大河ドラマの面白いところは、史実の骨組みを大切にしながら、歴史のスキマを「こうだったかも」「こうだったら面白い」と鮮やかに彩っていく点だと感じます。
『鎌倉殿の13人』ファンには、さらに胸アツな場面。
今回の信長(小栗旬さん)と半兵衛(菅田将暉さん)の場面を見ていて、管理人が思い出したのは大河ドラマ『鎌倉殿の13人』でした。
小栗旬さんと菅田将暉さんといえば、『鎌倉殿の13人』では北条義時と源義経を演じられていました。
『鎌倉殿の13人』20話”帰ってきた義経”で、義時が善児とともに奥州平泉に逃げ延びた義経のもとを訪ねる場面。
静御前と生まれたばかりの子どもの末路を義経に伝え、心理戦に持ち込む義時。
しかし義経はすべてを悟った上で、置き土産として鎌倉攻めの戦略を義時に語ります(*後に新田義貞が実際にその戦法で鎌倉幕府を攻め落とすことになります)。
あの時の小栗さんと菅田さんも、心の内で語り合っているような場面を演じられていました。
そして今回の信長と半兵衛。立場も時代も違いますが、互いに胸の内はわかっていて、今生の別れになることを知っている。そんな空気が流れていたように感じます。
小栗旬さんと菅田将暉さんだからこそ生まれた、ぜいたくな名場面だったと思います。
余談ですが、『豊臣兄弟!』で藤堂高虎を演じている佳久創さんも、『鎌倉殿の13人』で弁慶を演じていました。御三方の作品別の役どころは以下の通りです。
| 俳優名 | 鎌倉殿の13人 | 豊臣兄弟! |
|---|---|---|
| 小栗旬さん | 北条義時 | 織田信長 |
| 菅田将暉さん | 源 義経 | 竹中半兵衛 |
| 佳久 創さん | 武蔵坊弁慶 | 藤堂高虎 |
義時と義経の会話に挟み込む形で、主君・義経の防波堤になるため、さまざまな武装姿(というかコスプレ)を「どうですか?これ」と見せに来て、最期の時を稼ごうとする一途な姿がとても印象的でした。
ご興味がありましたら『鎌倉殿の13人』20話について詳しくご紹介していますので、あわせてどうぞ▶『鎌倉殿の13人』20話”帰ってきた義経”ネタバレあらすじ
放送当時流行した「全部、頼朝=大泉のせい」を実感していただけます。
『豊臣兄弟!』を見逃した方へ(視聴方法)
『豊臣兄弟!』は、放送後1週間は、NHKプラスで見逃し視聴ができますが「1話からまとめて見返したい」「期限を気にせず、じっくり味わいたい」という方には、NHKオンデマンドでの視聴がおすすめです。
NHKオンデマンドでは、『豊臣兄弟!』を第1話から最新話まで一気見できます。放送直後に感じた余韻を確かめたり、地理や人物関係を整理しながら見直すのにも向いています▶視聴方法の詳しいまとめはこちら『豊臣兄弟!』どこで見れる?配信・見逃し・一気見ガイド
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よくある質問
- Q竹中半兵衛の死は史実ですか?
- A
はい。竹中半兵衛は1579年、三木城攻めの陣中で病没したと伝わっています。『豊臣兄弟!』で描かれた「戦場で最期を迎える」という大筋は史実に沿っています。
- Q松寿丸を救ったのは本当に竹中半兵衛だったのですか?
- A
黒田官兵衛の嫡男・松寿丸(後の黒田長政)を半兵衛が救ったという逸話は古くから伝わっています。ただし詳細な経緯については諸説あり、ドラマでは独自の解釈や演出が加えられています。
- Q「死にとうないのう……まだ……」は史実の言葉ですか?
- A
この言葉が史料に残されているわけではありません。『豊臣兄弟!』オリジナルの演出と考えられますが、人間味あふれる半兵衛らしい最期の言葉として多くの視聴者の心に残りました。
- Qなぜ半兵衛は松寿丸を救ったのでしょうか?
- A
史実では詳しい理由は分かっていません。『豊臣兄弟!』では、慶と小一郎の娘の誕生に立ち会い、命の尊さに触れたことで決意を変えたように描かれていました。管理人は自分亡きあとを託す軍師として黒田官兵衛を秀吉のそばに残したかったから、禍根を排除する意味もあったのではと推察しています。
- Q『鎌倉殿の13人』と今回のエピソードに共通点はありますか?
- A
小栗旬さんと菅田将暉さんは『鎌倉殿の13人』で北条義時と源義経を演じていました。今回の信長と半兵衛の静かな別れの場面に、管理人は『鎌倉殿の13人』での名場面を重ね合わせました。
- Q竹中半兵衛の居城・菩提山城はどこにありますか?
- A
菩提山城跡は現在の岐阜県不破郡垂井町にあります。竹中半兵衛ゆかりの城として知られています。
- Q『豊臣兄弟!』と『軍師官兵衛』はどちらから見ても楽しめますか?
- A
はい。どちらか一方だけ見ても楽しめますが、両方を見ると播磨攻めや黒田官兵衛、荒木村重などの描かれ方の違いが分かり、より深く楽しめます。特に『軍師官兵衛』16話「上月城の守り」、17話「見捨てられた城」は見比べにおすすめです。
- Q『豊臣兄弟!』はどこで見逃し配信されていますか?
- A
『豊臣兄弟!』は、放送後1週間はNHKプラスで見逃し視聴ができます。
1話からまとめて視聴したい方は、NHKオンデマンド(まるごと見放題パック)での視聴が便利です。
▶ 視聴方法の詳しいまとめはこちら:『豊臣兄弟!』どこで見れる?配信・見逃し・一気見ガイド
まとめ
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』第23回「さらば半兵衛」は、竹中半兵衛の最期を描きながらも、新しい命の誕生によって「命をつなぐこと」の尊さを感じさせる回でした。
松寿丸救出をめぐるコントのような長浜城、慶と小一郎の娘の誕生、半兵衛の決断と最期が美しく描かれました。

半兵衛との別れに涙したばかりですが、24話は有岡城の悲劇が待っています。救えなかった命を前に、小一郎は何を思うのか。帰還した官兵衛にも注目です。
#豊臣兄弟 #大河ドラマ


