大河ドラマ『べらぼう』第42話「招かれざる客」では、母・つよの静かな退場と、ていの懐妊。そして「看板娘」ブームの熱気の裏側で、蔦重と歌麿の間に埋められない溝が生まれます。
本記事では、「べらぼう」42話の徹底レビュー＆感想をわかりやすくご紹介します。
見逃してしまった方や、もう一度じっくり振り返りたい方にもおすすめです。
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べらぼう第42話「招かれざる客」のあらすじ
新年を迎えた江戸。耕書堂の店先に立つ蔦重（横浜流星さん）は、身上半減から立ち直る姿は、すっかり大店の旦那です。
母・つよ（高岡早紀さん）が亡くなり、妻・てい頭痛の仕草がつよにそっくりで、妻の懐妊を知った蔦重とていは「お腹の子は母の生まれ変わりだ」と思います。
歌麿（染谷将太さん）の美人大首絵が評判を呼び、江戸の町では「看板娘」ブームが巻き起こります。水茶屋「難波屋」のおきた、煎餅屋「高島屋」のおひさ……庶民が憧れる実在の娘たちが絵の中に登場し、まるで現代のアイドルのような人気を集めました。
江戸が賑わいを取り戻す中、幕府では松平定信（井上裕貴さん）が倹約令の徹底を求め、「素人娘の名を絵に記すことを禁ずる」というお触れを出します。繁栄の影に再び規制の波。
そんな折、蔦重は店の借金返済のため、駿河屋市右衛門（高橋克実さん）の提案を受け入れ、歌麿に女郎の大首絵50枚を描かせると約束します。
「借金のかたに俺を売ったのか」と返す歌麿。しかも蔦重から「てい（橋本愛さん）が子を授かった」と知らされ、心は大きく揺れます。芸術への情熱と、蔦重への秘めた想い…その両方が壊れていく瞬間でした。
歌麿のもとには、かつて蔦重に憧れた少年・万次郎（中村莟玉さん）が現れます。西村屋の跡取りとして、「先生の絵を狭めてしまう気がします」と新たな仕事を持ちかける万次郎。
幕府では、蝦夷地に現れたロシア船の報告と、光格天皇の「尊号事件」をめぐり定信が孤立。
【べらぼう】第42話の感想と徹底レビュー
母・つよの退場と「生まれ変わり」
蔦重が尾張に出張中にさらっと亡くなった母・つよ（高岡早紀さん）。
登場と同じさらっとした退場でしたが、てい（橋本愛さん）の懐妊と見事に呼応します。
つよが結ってくれた髪、ていがつわりではなく頭痛がすること。蔦重もていも「お腹の子はつよの生まれ変わりだ」と思うところ、その通りだと思いました。
つよと同じようにフラッと耕書堂に現れては自然に溶け込んでいる唐来三和も再登場しました。
クールポコ＆爆笑問題！
餅つきの場面で登場したのは、5話で年の瀬に餅つきをしていたクールポコのお二人と、爆笑問題の太田さん。大当開運（太田光さん）がクールポコの前で「やっちまったなぁ！」と叫んでいたのは、アドリブ？ト書きにあったの？逆輸入逆の真相が知りたいです。
さらに、相学仲間として田中裕二さんも出演。
「“相”の字を使うな」と苦言を呈する場面は、史実で「婦人相学十躰」が「婦女人相十品」に改題された背景を巧みに織り込んでおり、脚本の妙が光ります。
蔦重の復活と「看板娘」推し活ブームの熱気
正月の挨拶に耕書堂の店先に立つ蔦重（横浜流星さん）の紋付姿、重ね襟に粋な羽織がカッコよかったです。晴れやかな新年の朝でした。
そんな中で始まるのが、「看板娘」ブーム。
水茶屋のおきた（椿さん）、煎餅屋のおひさ（汐見まといさん）、そして芸者の豊ひな（門脇遥香さん）も。
実在の町娘をモデルにした歌麿（染谷将太さん）の美人画は、現代で言えばまさに「推し活」の先駆けです。おきたの出す茶一杯が48文、おひさの煎餅が100文という狂乱ぶりも、江戸のアイドル経済を感じさせます。
推し活の熱量は古今東西同じなんですね。蔦重が言っていたように、まさしく歌麿が筆が経済をけん引しています。
成長した万次郎、そして“次の蔦重”の登場
鱗形屋の次男・万次郎（野林万稔さん）が成長して、中村莟玉さん演じる万次郎として再登場。
かつて恋川春町（岡山天音さん）が妖怪の絵を描いてあげたあの少年が、立派な本屋の跡取りになっていました。
万次郎が歌麿に語りかける「先生の絵を狭めてしまう気がします」という台詞は、まるでかつての蔦重の言葉のようでした。
次世代の蔦重の登場が、物語のバトンを感じさせます。
鱗形屋を演じた歌舞伎役者の愛之助さんの息子役で、歌舞伎役者さんの中村莟玉さんの登場。こちらもバトンを感じます。
歌麿の苦悩と「決別宣言」の瞬間
歌麿の表情が痛いほど切ない回でした。歌麿は描くことを心から愛している、職人気質の絵師。
蔦重の「弟子に描かせて、お前は仕上げだけすりゃいい」という一言が突き刺さります。
そして、駿河屋との取引の女郎絵50枚で100両という約束。
「俺を借金のかたに売ったってのか」という歌麿の叫びはもっともだと思いました。
さらに「ていが懐妊した」という蔦重の報告。生まれてくる子のためにも。の一言が、恋にも似た絆を完全に壊してしまいます。
蔦重の言葉が現実的であるほど、歌麿の孤独が際立って、このすれ違いの痛みは、恋の終わりを見ているようでたまりませんでした。
つよが心配していた蔦重の鈍感さが、歌麿の魂を遠ざけてしまいます。
過去の映画『写楽』では、歌麿（佐藤史郎さん演）は、鶴屋のお抱えになりました。
蔦重と歌麿の関係が今後どうなるのか、胸を締めつけられながら、次回の「裏切りの恋歌」が気になって仕方ないです。
映画『写楽』では、蔦重をフランキー堺さんが演じられています。歌麿との関係は「べらぼう」とは全く違う描かれ方をしています。見比べにぜひどうぞ。
42話の演出は西尾友希さん。「べらぼう」の演出や脚本にどんどんフレッシュな方が挑戦されていて、制作現場は風通しがよくてチャレンジできる場なのだと感じました。
42話に登場した、地口や印象に残る言葉まとめ
・ありがた山にございます！（蔦重が入銀の額が決まって、りつに）
・ともかくお口巾着で（ていが蔦重に懐妊のことを他言無用と）
・ババァっ子（蔦重がていのお腹の子につよの生まれ変わりだから）
・べらぼうめ（蔦重がお腹の中で動いたかな？の子に）
・今日はいか用たこ用で（蔦重が、耕書堂にやってきた爆笑問題の2人＝相学仲間へ）
・仕方中橋（歌麿が蔦重に頼み込まれて）
蔦重がお腹の子に向かって「べらぼう」や「ババァっ子」と呼ぶのは、照れ半分あっていかにも蔦重らしいワードセンスだなぁと思いました。
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よくある質問
- Q『べらぼう』42話「招かざる客」はどこで見られますか？
- A
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- Q第42話「招かざる客」はどんな内容でしたか？
- A
蔦重が耕書堂を立て直し、歌麿の美人画で町は「看板娘」ブームに沸きます。
一方で、松平定信は贅沢な風潮を禁じるお触れを出し、蔦重を再び目の敵に。
そんな中、蔦重は借金返済のため歌麿に「女郎の大首絵50枚」を描かせようとしますが、それが二人の間に決定的な亀裂を生むことになります。
蔦重の母・つよが他界し、妻・ていの懐妊が明らかになるなど、公私ともに転機を迎える回でした。
- Q42話のゲスト出演者は誰ですか？
- A
第42話には、バラエティでもおなじみの芸人コンビが登場しました。
餅つきの場面にはクールポコ（小野まじめさん、せんちゃん）が出演し、そこに現れたのが人相見・大当開運（太田光さん）さらに、その仲間として観相家（田中裕二さん）も登場し、爆笑問題の二人がそろって「人相学」を語る貴重な回となりました。
- Q『べらぼう』を全話まとめて見たいです。方法はありますか？
- A
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- Q再放送はありますか？
- A
再放送は 翌週土曜日の13時5分（NHK総合） に予定されています。
- Q次回・第43話はどんな話ですか？
- A
第43話「裏切りの恋歌」（11月9日放送予定）では、歌麿は万次郎と組み、新たな出版企画に乗り出す一方、蔦重は歌麿が離反したことを知り動揺。
幕府では松平定信がロシア船来航への対応をめぐり孤立を深め、ついに大老の座を狙いはじめまる、激動の一話となりそうです。
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まとめ
『べらぼう』第42話「招かざる客」は、蔦重が再び脚光を浴びる一方で、最も大切な絆である、歌麿との関係が静かに崩れていく切ない回でした。
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次回、第43話「裏切りの恋歌」では、歌麿が新たな道を歩み始めます。つよのように見守ってあげたいですね。
本ページの情報は2025年11月時点のものです。最新の情報はU-NEXTサイトでご確認ください。
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