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大河ドラマ【鎌倉殿の13人】伝説【草燃える】へのオマージュを探ります。

homage 草燃える

2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、1979年大河ドラマ「草燃える」と同じ時代(平安末期~鎌倉時代)が舞台で、源頼朝と北条政子夫妻、政子の弟・義時が登場します。

全く同じ題材を扱っているといってもいい、2つの名作ドラマ。

「鎌倉殿の13人」における「草燃える」へのオマージュを探ります。

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オマージュとは

オマージュとは、芸術や文学において、尊敬する作家や作品に影響を受け、似た作品を創作すること、またその創作物を指す語である。しばしば「リスペクト」と同義に用いられる。

Wikipediaより

「草燃える」を高校生の頃にリアルに見ていた三谷幸喜さんだからこそ、「草燃える」へのリスペクトを強く感じるシーンが多いです。

挙兵の情報をリークしたのは、どちらも敵方の八重と茜だった

伊豆の流人だった頼朝が平氏討伐に向けて挙兵をします。

挙兵の第一歩として、平家方の目代・山木兼隆(鎌:長塚京三、草:木原勝利)を倒すために、

「草燃える」では、大庭の娘・茜(松坂慶子)が、義時(松平健)に大庭軍出兵の日をリーク。

「鎌倉殿の13人」では、挙兵の日に山木が在宅かどうかを八重(新垣結衣)が矢を放ってリーク。

「草燃える」の茜はオリジナルキャラクターなのですが、その後、女たらしの頼朝に寝取られたことを恥じて、義時のもとを去り、京で泰時を産みます。

「草燃える」では、泰時の父は頼朝なのか義時なのかという疑問が残る形ですが「鎌倉殿の13人」では、八重は頼朝に言い寄られてもつっぱねていましたので、泰時は義時との子ども確定です。

「草燃える」と共通する点は、真っ向から敵方の女性に聞きに行くという義時の行動ですが、「鎌倉殿の13人」ではより強い女性像で描かれている点に注目です。

オリジナルキャラクターとして伊東祐親(滝田栄)と善児(梶原善)

史実に残っていない部分を描くのに、オリジナルキャラクターは欠かせません。

「草燃える」のオリキャラ伊東祐之(滝田栄)は、義時の盟友でしたが、政子に恋したことがあだとなり、転落の人生を歩みます。京で盗賊の一味となり、人肉鍋を食らい、どん底まで落ちぶれます。

伊東祐之(滝田栄)は武士から盗賊の一味になったことで、武士の階級だけでなく、身分や地域をまたいで行き来できる人物として欠かせない存在です。
ドラマの後半では暗黒に染まっていく義時に苦言を呈したり、良心というものを教えてくれる存在に変化していきます。

「鎌倉殿の13人」では、伊東祐之の役割の一部を善児が担っています。

「草燃える」では、義時の兄宗時を殺したのは伊東祐之(滝田栄)

「鎌倉殿の13人」では、宗時を殺したのは善児(梶原善)

「鎌倉殿の13人」で伊東祐親の家人として、まだ幼い千鶴丸をはじめ、冷酷に人を殺していく善児。
仕える主も伊東祐親→梶原景時→義時へと変化していきます。

「草燃える」で描かれた、荒廃した京での伊東祐之の暮らしぶりは、「鎌倉殿の13人」では善児とトウの暮らしに垣間見ることができます。

「草燃える」の伊東祐之の一部分をオマージュした善児を登場させることによって、「鎌倉殿の13人」でも、義がなくても人を殺せる人物像を描いています。

頼朝の死と安達盛長

「草燃える」での頼朝の死も、先に意識を失い馬から落馬説が採用されています。

二作品とも、頼朝のそばにいたのは安達盛長(「草燃える」では、政子に一報を伝えたのが安達盛長でした)。

頼朝が御所に運ばれて、昏睡状態が続いている状況も同じです。

三谷幸喜さんは、頼朝の最期のシーンについて「ぼくだったらこう描くのになぁ」という思いがあったとのことで、「鎌倉殿の13人」では、政子との最後の会話や、臨終の際の「虫の知らせ」ともいえる鈴の音で頼朝のそばにいた人一人一人のシーンを設けていました。

「草燃える」の安達盛長役は武田鉄矢さんで、金八先生が人気だった頃の出演です。
希代の名優、石坂浩二さんから学ぼうと石坂さんの演技や少し鼻にかかる声をまねしていたそうです。
「鎌倉殿の13人」の安達盛長役の野添義弘さんも大泉洋さんとシンクロする演技が話題でした。

義経がサイコパス

義経は時代を問わず人気のキャラクターですね。
1966年「源義経」主演:尾上菊之助、2005年「義経」主演:滝沢秀明では主人公として描かれています。1966年版と2005年版の「義経」は心優しい青年として描かれ、弁慶との絆が多く描かれています。

これに対し

「草燃える」では、義経(国広富之)は、政治能力に欠けた世間知らずな青年。

「鎌倉殿の13人」でも、義経(菅田将暉)は、世間知らずなサイコパスに描かれつつも、兄頼朝への一途な思いや、優しい一面なども描かれ、より一層人間味あふれる義経像に。


有名な弁慶の仁王立ちの部分も「草燃える」「鎌倉殿の13人」とも描かれていません。

後鳥羽上皇は尾上辰之助さんと、尾上松也さん。

「草燃える」で後鳥羽上皇を演じたのは、尾上辰之助(当時33歳)さん。後白河法皇役が二代目尾上松緑(当時66歳)さんでした。その後、尾上辰之助さんは40歳という若さでお亡くなりになりました。


「鎌倉殿の13人」で後鳥羽上皇を演じるのは、辰之助さんの親戚筋(血縁はなし)にあたる尾上松也さん。尾上辰之助さんへのオマージュだと思います。

巫女(みこ)の登場

「草燃える」では、京で大姫が巫女のところへ行き、巫女から義高の声を聞きます。

「鎌倉殿の13人」では、和田義盛が歩き巫女(大竹しのぶ)のもとへ実朝を連れていきます。

「鎌倉殿の13人」で大姫に義高の声を聞かせたのは全成でしたので、巫女は出てこないかと思ったら、
実朝の未来を予言するという設定で巫女が登場。大竹しのぶさんがサプライズ出演されました。

まとめ

「鎌倉殿の13人」のストーリーにおける「草燃える」へのオマージュを探りました。

「草燃える」の脚本家・中島丈博さんは、人間のドロドロした感情や愛憎劇を書かせたら天下一品。1979年当時は、今では放送できないようなきわどい表現もあり、色々チャレンジされた作品だと思います。

「鎌倉殿の13人」と「草燃える」を見比べて「草燃える」へのオマージュや、全く違う点など、色々探してみるのも楽しいです。

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管理人いろは

中学2年生の国語の授業で平家物語「敦盛の最期」を勉強して以来、歴史ドラマにはまっています。特にNHKの大河ドラマが大好きです。リアルタイムでテレビを見る時間がないので、あとから見逃し配信を見たり、過去の作品をイッキ見して楽しんでいます。ゆかりの地を訪ねるのも楽しみの一つです。ドラマにほへとでは、管理人いろはが実際に見た大河ドラマの情報をまとめています。PCやスマホでイッキ見する方法も紹介しています。大河ドラマよ永遠に♪

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