「鎌倉殿の13人」38話は、時政とりくが娘婿の平賀朝雅に鎌倉殿の地位を継がせようとして、実朝に出家を強要し、親子で戦わなければならない展開です。
38話のざっくりしたあらすじや感想をまとめます。
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泣けるシーンばかり
義時が率いる家人に対して、政子が土下座をして、父の命乞いをするシーン。
最後の義時と時政のシーン以上に、このシーンで泣けてきました。
政子が軟禁されている実朝の実母であると同時に、企てた側の時政の実の娘だからだと思いました。この板挟みと、政子は尼御台という立場で、もう鎌倉の頂点にいるので、策略も謀略もなく時政を助けたかったのだろうと思いました。
子が父を殺すなんてあってはならない。という道徳観を強調したかったのだとも思います。
さらに深読みすると、義時が強硬な態度を取らない限り、周りが「まぁまぁ許してやって」とはならないので、これも時政VS義時ではなく「北条一族全体」として生き残るためには。と考えた義時の策略だったのか?と、最近の義時を見ていると考えてしまいます。
時政が臨終のときに手を握ってあげられない、父上を恨みます。と言ったのも、これ以上余計なことは何もするな、伊豆でおとなしく余生を過ごすようにと、時政に釘を刺したように感じました。
時政がウグイスの声を義時に教えてるシーンは、時政自身が自分をウグイスに例えたんですね。
伊豆の片田舎の豪族だった北条家の当主・時政が、りくに喜んでほしいばかりに声高らかに鳴いてしまったと。鳴くよウグイス、鎌倉幕府。です。
もう二度と会えない親子ですが、ウグイスの声を聞けばお互いを思い出せます。
三浦義村(山本耕史)がすごい!
めっぽう強いですね。
以前、9話で八重さんが善児に殺されそうになった時にも、助けに入ったのは義村です。
師匠の善児より強かったので、善児の弟子のトウより強いはず。という理解をしました。
トウに向かって「俺の女にならないか」と言ったのも、まんざら冗談ではなく、家人という意味も含めてなのかな。と思ったりしました。
義村なら、きっとトウを差し向けたのは義時だと分かっていたでしょうし、トウの取り合いをしても面白いかもしれません。
過去に義村がちょっかいを出したのは、
10話で八重さんに「先に進んだらいかがですか。力になる。」と言ってみたり
12話で亀に「いっそ俺の女にならないか」
→義時に突っ込まれて「頼朝の女だ。その時、おれは頼朝を超える」
13話では、りくにツンツンされて、まんざらでもない表情をし、
同じ13話で巴に「惚れてるのか木曽殿に。初恋の相手か」とちょっかい出しています。
これを八田知家がすると、違うドラマになりそうですが、義村だとサラッと流せるのが不思議です。
義時が執権になった際の、あ・うんの呼吸の出来レースも、見ごたえがありました。
19話「果たせぬ凱旋」で、頼朝が義経追討を命じた時、義経のあまりの強さに御家人たちは尻込みしていました。
唯一、梶原景時が自分が戦大将になると名乗りをあげましたが、続く者がいません。
義時が義村に目配せしていて、義村が仕方ないなぁという様子で賛同し、畠山重忠、和田義盛と続いていきました。困った時には、義村です。
泰時の妻・初(福地桃子)
あっぱれ、三浦義村の娘!です。
姑ののえとも適度な距離感を保ちつつ、舅の義時の思いをちゃんと理解し、夫の泰時にはいっぱいの愛情を注いで気づかせてあげる。
時政も昔、三浦義澄(佐藤B作)に励まされていましたので、代々三浦家あっての執権・北条家だなと思います。
和田義盛と実朝
この2人の組み合わせは「鎌倉殿の13人」オリジナルコンビだと思いますが、実朝がまだ10代の設定と考えると、大好きな義盛が軟禁されている場に来てくれてホッとしたと思います。
『草燃える』の実朝(篠田三郎)は、もう少し世捨て人っぽいイメージで描かれていましたが、
「鎌倉殿の13人」の実朝(柿澤勇人)は心優しい、素晴らしい人格者に育っています。
自分の言葉の重さをちゃんと理解して、芯の強いところも非常に良いです。長生きしてほしいです。
「羽林(ウリン)」という呼称も響きが実朝(柿澤勇人)の雰囲気に合っています。
和田義盛は義村曰く「ば かず」を踏んでいるので、動物的な勘でここは踏み込んでよし。と判断しているように思いました。
記憶力は今一つで、実朝本人に、自分ではなく執権が鎌倉を動かす。という時政の伝言を言わせてしまうところも、義盛だから憎めないし、実朝が優しいから成り立つシーンだと思いました。
りく(宮沢りえ)
強欲で憎まれ役なのですが、宮沢りえさんが演じると、「りくが喜ぶなら」と思えるのが不思議です。
時政の「りくと一緒にいられればそれでいい」と思う気持ち、理解できます。
政子と実衣が流罪になるりくに挨拶にくる場面でも、時政はりくと結婚して幸せそうだった。と言っていました。
りくを喜ばせるために頭をフル回転させる生活は、時政に喜びと幸せな日々を与えていたと思います。
自分を暗殺しようとする怖い息子の義時に対しても、はっぱをかけるりくに賛美を送りたいです。
音楽が変わってきました
平賀朝雅が討たれて、執権が時政から義時に代替わりするのは、朝廷に相談なく事が進んでいきました。朝廷は鎌倉も配下と思っているので、ここから京と鎌倉の摩擦が激しくなりそうです。
ストーリーの世界観にピッタリな「レクイエム」に、わなわな震えました。
義時の衣装も、最初の頃のアースカラーからどんどん色が濃くなり、最後のシーンでは黒の装束になりました。鎌倉殿の実朝は白なので、ダークな仕事は義時が一手に引き受け、実朝には日なたの道を歩んでもらおうという決意だと感じました。
「鎌倉殿の13人」サウンドトラックはこちらから↓
最後に
「鎌倉殿の13人」38話は、時政とりく、子どもの義時、政子、実衣、時房のそれぞれの感情が繊細に描かれていて、本当にそういうやりとりがあったのでは。とジーンとくる回でした。
時政の処遇を評議する際に、三善康信が時政が伊豆で頼朝を助けたから今日の鎌倉がある。と言っていたのを聞いて、その通りだと改めて思いました。善良な三善康信がいてよかったです。
義時は実朝と鎌倉を守るために全部を背負う覚悟です。
後継ぎの泰時もよい感じに成長しているので、鎌倉は安泰かもしれませんが、後鳥羽上皇率いる朝廷は、義時にどう相対していくのでしょうか?
>>こちらの記事で『鎌倉殿の13人』のあらすじネタバレを全話紹介 しています。
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本ページの情報は2022年10月時点のものです。最新の情報はU-NEXTサイトでご確認ください。
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