『鎌倉殿の13人』31話では、若くて元気なはずの頼家が病に倒れます。比企と北条の食うか食われるかの対決の回です。頼朝のそばで英才教育を受けてきた義時が変貌していきます。映画『ゴッドファーザー』のような血で血を洗う戦いが始まりました。(小栗旬さんがアル・パチーノに見えてきました。)みんながダークサイドに落ちていく中、純粋なままでいられる人はいるのか。
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31話のあらすじ(ネタバレ)
源頼家(金子大地)の後継者をめぐり、激しさを増す北条と比企の争い。比企能員(佐藤二朗)はせつ(山谷花純)が産んだ頼家の長男・一幡(相澤壮太)を推し、早々に朝廷の許しを得ようと躍起になるが、大江広元(栗原英雄)らは取り合わない。一方、義時(小栗旬)は比奈(堀田真由)に頼んで比企の動向を探り、三浦義村(山本耕史)にも相談を持ち掛ける。そんな中、政子(小池栄子)のもとに北条時政(坂東彌十郎)、りく(宮沢りえ)らが集まり……
引用:https://www.nhk.or.jp/kamakura13/story/31.html
前回の30話では、佐藤二朗さん演じる比企能員が最高に憎たらしかったですが、31回は比企も北条も関係なく、みんな憎々しい表情マックスでした。
源平合戦の折、西国の武士は身内が死ぬとまず供養してから、東国の武士は死んだ身内をまたいで戦いに突き進む。という姿を見てきましたが、31話では、東国・坂東武者の荒々しい姿を目の当たりにしました。
跡継ぎ候補
跡継ぎ候補は以下の三人です。
名前 | 生まれ年 | 後の | 親 | 乳母夫 |
千幡 | 1192年 | 実朝 | 源頼朝×北条政子 | 阿野全成 |
一幡 | 1198年 | ーー | 源頼家×側室せつ | 比企能員 |
善哉 | 1200年 | 公暁 | 源頼家×正室つつじ | 三浦義村 |
頼家は頼朝と政子の長男、千幡は次男です。
(頼朝と政子の間には四人の子ども①大姫(女) ②頼家 ③三幡(女) ④千幡(実朝))
一幡と善哉(公暁)は頼家の子どもです。
頼家は1182年生まれです。政子が頼家を産んだ10年後、35歳で千幡を産み、頼家は18歳の時、つつじとの間に善哉をもうけたということになります。
コミカルなシーンはある?
31話にコミカルなシーンはあったのかどうか。
三浦善村の自作の書、時政の「大事なものが3つある」のシーンに笑えました。
この2つのシーンを、よくぞねじ込めたなというのが正直な感想です。役者さんたちは気持ちの切り替えをどうやってしたのか。感心するばかりです。
全成の息子が修行中の寺で斬首されたと、時房から聞いた時、義時は目に涙を一杯ためていたように思いました。義時の胸の内に、怒りよりも悲しみが先に押し寄せてきた印象でした。
計り知れない悲しみが、迷いのない道へと進ませたのかもしれません。
比企能員と北条時政
二人で膝と突き合わせて話をするシーン。その昔、大敗を期した石橋山の戦いについて、比企は頼朝に加勢せず留まり、北条は迷いなく頼朝についた点を、お互いの立場で振り返っていました。
時政は頼朝の舅という立ち位置のほか、頼朝という人間に絶対的なものを感じたからの加勢でした。対する比企能員、二代目鎌倉殿・頼家の舅という立場に時政と何も変わりはありません。ただ一点違うのは、能員は頼家を信じ切っていなかったというところです。これが、すなわち「天に守られているかどうか」の違いになってくるような気がしました。
今まで退場したひとたちは、最期はどこか「良い人」に描かれて、見ている側も救われる部分がありましたが、比企能員(佐藤二朗)さんは、最期まで悪役を貫かれ、返ってあっぱれでした。
善児とトウ
義時が泰時に厳しい指示を出した時に、どうなるのだろうかと思っていましたが、絶妙なタイミングでトウと善児が登場しました。この2人、今後出番が多くなってくる予感がします。
諦めの悪い男
諦めの悪い男はてっきり義時かと思っていました。最後ギリギリのところまで詰めて、戦いを回避しようと、いや、大義名分を固めるための諦めの悪さだったのでしょうか。
ところが、頼家が目を覚ました。頼家こそ、諦めの悪い男だったのかもしれません。もし毒を盛られていたとしても、若いから回復したのかもしれません。目覚めたら、そりゃせつや一幡に会いたいですよね。
まとめ
おいおいと突っ込みたくなるほど、義時がすっかり変わってしまいました。比奈さんの「人は変わっていくもの」という言葉が刺さりました。頼朝のやり方に反目しながらも右腕となって動いてきた義時こその戦略と大胆な決断でした。頼家は愚君と言われますが、ここで病に倒れなければ起死回生のチャンスがあったかもしれません。木曽義仲のように「そこに義があるのか」と言ってると、政は進まないのか。頼朝の政治手腕を身につけている義時ならではの采配が続いていきます。
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