ドラマ【陽炎の辻】で田沼時代の貨幣経済がよくわかる！【べらぼう】と一緒に見ると面白さ100倍！

2025年の大河ドラマ『べらぼう』では、江戸の敏腕プロデューサー蔦屋重三郎が出版で時代を切り拓く姿が描かれています。前半部分では田沼意次と平賀源内の「新しい経済への革命」が鮮やかに描かれています。

この記事では

・『べらぼう』と『陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜』の共通点を知りたい！
・『べらぼう』と『陽炎の辻』の時の貨幣経済って？
・『べらぼう』と『陽炎の辻』の視聴方法は？

というあなたにお届けします。

『べらぼう』と『陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜』は。時代背景や登場人物の境遇、当時の貨幣経済をめぐる混乱と活気が驚くほど重なっています。

この記事では、両作品を通して浮かび上がる「田沼時代のリアルな経済と人間模様」の魅力を、具体的な場面を挙げながらたっぷりとご紹介します。

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『陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜』とは？経済の動きが見える“生活密着型”時代劇

ドラマ『陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜』は、佐伯泰英さんの時代小説シリーズ『居眠り磐音 江戸双紙』を原作としたNHKの人気時代劇シリーズ。主演は山本耕史さんで、心優しき浪人・坂崎磐音が人々と寄り添いながら江戸で暮らしていく物語です。

舞台は田沼意次の治世下。商人が力を持ち、武士が貧しくなる時代。そこでは、「お金」が人間関係を左右する現実がリアルに描かれています。

南鐐二朱銀で見る『陽炎の辻』と『べらぼう』の貨幣リンク

『べらぼう』前半部分では、田沼意次が推し進めた新通貨「南鐐二朱銀」が登場しました。この銀貨は、田沼意次（渡辺謙さん）と平賀源内（安田顕さん）が夢に描いた貨幣制度の安定と流通を狙った経済改革の象徴です。

一方、『陽炎の辻』でもこの「南鐐二朱銀」にまつわるエピソードが非常に丁寧に描かれています。

『陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜』第2話のみどころ！通貨の信用をめぐる攻防！

磐音が浪人として暮らすことを決めて江戸の町では、両替商・今津屋（渡辺いっけいさん）が、田沼意次が制定した、「南鐐二朱銀8枚＝金一両」という「公定レート」を守ろうとします。

しかし、田沼が提唱した「数量」換金ではなく、これまでの貨幣経済は「重量」換金だったこともあったり、制度の転換期にはそれを利用して、悪事を働く人もたくさんいるわけで…

『陽炎の辻』でも商売敵の今津屋を潰そうとする他の両替商が、わざと銀12枚で金一両と交換し、混乱を引き起こします。

そんな「利ザヤ」で混乱を招こうとした動きを磐音が逆手にとった作戦が痛快！既得権益と「信頼」の絶妙なバランスが作用して、貨幣制度の本質が浮かび上がる名場面です。

武家の娘が吉原に。”経済が人の運命を変える”というリンク

『べらぼう』では、豪商・鳥山検校に身請けされた瀬川（小芝風花さん）を逆恨みして斬りつけた松葉屋の女郎・松崎/さえ(新井美羽さん)が、借金により吉原に売られた武家の娘として登場します。

一方、『陽炎の辻』でも、磐音の許嫁・奈緒がまさに同じ運命をたどります。

家が没落し、最後は花魁として生きる道を選ばざるを得なかった奈緒の姿は、“経済が女性の運命を変える”という歴史の現実を象徴しています。

「ウナギ」と「ネコ」もリンク！？ 江戸庶民の暮らしが見えてくる

磐音が江戸で最初についた職は、なんと鰻屋さん。剣術の腕を見込まれて用心棒となってからも朝はウナギ屋さんに働きに言っている磐音に親近感を覚えます。

ここで思い出すのが、あの有名な「土用の丑の日」の話。『べらぼう』では、2話で歯磨き漱石香のキャッチコピーを瀬川と蔦重が唱えていましたが、夏場に売れないウナギを売るために「土用にはウナギを食べよう」と平賀源内が考案したキャッチコピーだという話。

『陽炎の辻』で磐音がウナギをさばく姿を見ながら、『べらぼう』の源内の面影を重ねてニヤリ…という視聴体験が味わえます。

また、磐音は「陽だまりでうたたねする猫のよう」と例えられる存在。

『べらぼう』でも描かれた“江戸のネコブーム”といい、意外なところでもリンクが潜んでいます。

さらにニンマリ！キャストのクロスオーバーも発見

『陽炎の辻』で暴利な利息を立てに、長屋の娘を売り飛ばそうとする高利貸しを演じるのは徳井優さん。『べらぼう』では、蔦屋重三郎のライバル・鱗形屋の番頭として登場しています。

“顔は同じでも、立場が違う”という視点で見ると、さらに作品の味わいが増してきます。

『陽炎の辻』あらすじ

浪人・坂崎磐音（さかざき・いわね）は、ある事件をきっかけに豊後関前藩を離れ、江戸・深川の長屋で暮らしを始めます。
かつては剣の達人として知られた磐音は、心の傷を抱えながらも、長屋の人々の悩みや事件に寄り添い、ときに剣で、ときに心で人々を助けていきます。

鰻屋で働きながら過ごす日々、過去の悲しみ、許嫁・奈緒の運命…。江戸の庶民の暮らしと人情が、やさしくも切なく描かれます。

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『陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜』作品概要

『陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜』は、2007年から2017年にかけて第3シリーズまで制作され、スペシャルドラマも放送された人気シリーズです。山本耕史さんが演じる“静かで温かくて強い磐音”のたたずまいは、彼の代表作のひとつとして語り継がれています。

作品名	『陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜』 シーズン１：11話 シーズン２：12話 シーズン３：14話 スペシャル：2話＋完結編1話
原作	佐伯泰英『居眠り磐音 江戸双紙』
音楽	佐藤直紀
脚本	尾西兼一 あべ美佳
演出	西谷真一 清水一彦
キャスト	坂崎磐音：山本耕史 おこん：中越典子 品川柳次郎：川村陽介 奈緒：笛木優子 おきね：原田夏希 磯次：中本賢 徳三：深沢敦 おそめ：瓜生美咲 はつね：石井トミコ おいち：悠木千帆 参次：金岡翼 おしん：鍋本凪々美 おしま：大村彩子 上野伊織：吉田朋弘 鉄五郎：河西健司 松吉：内野謙太 幾代：高瀬春奈 伊代：尾高杏奈 佐々木玲圓：榎木孝明 坂崎正睦：平泉成 中居半蔵：鶴見辰吾 今津屋吉右衛門：渡辺いっけい お艶：檀れい 金兵衛：小松政夫 笹塚孫一：佐藤Ｂ作 竹蔵：高橋克実 由蔵：近藤正臣　ほか

山本耕史さんと大河ドラマ出演作

山本耕史さんは、これまで数多くのNHK時代劇・大河ドラマに出演し、どの作品でも深みのある演技で印象を残しています。

• 『新選組！』（2004年）：土方歳三 役（主演：香取慎吾）
• 『真田丸』（2016年）：石田三成 役（主演：堺雅人）
• 『鎌倉殿の13人』（2022年）：三浦義村 役（主演：小栗旬）
• 『陽炎の辻』（2007年～）：坂崎磐音 役（主演）

特に『鎌倉殿の13人』の三浦義村役では、ただの正義でも悪でもない、複雑な内面を持つ人物像を見事に演じ、最後まで目が離せませんでした。

山本耕史さんの出演作について、こちらで詳しく解説しています↓

原作は、佐伯泰英『居眠り磐音 江戸双紙』

『陽炎の辻』の原作は、佐伯泰英さんによる大人気時代小説シリーズ『居眠り磐音 江戸双紙』です。
2002年に双葉文庫より書き下ろしで刊行が始まり、全51巻で完結。現在も多くのファンに読み継がれています。

剣と人情、江戸の四季の風情を描いたこの作品は、時代小説初心者にも読みやすく、映像化されたドラマとあわせて楽しむことで、より深く物語世界に浸ることができます。

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『陽炎の辻』も『べらぼう』もNHKの番組なので、放送後はNHKオンデマンドで視聴できます。※Tver、Hulu、Netflix、Disney＋では見られません。

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まとめ

この記事では

・『べらぼう』と『陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜』の共通点を知りたい！
・『べらぼう』と『陽炎の辻』の時の貨幣経済って？
・『べらぼう』と『陽炎の辻』の視聴方法は？　についてお届けしました。

蔦重、磐音、田沼意次、平賀源内たちが生きた時代は、まさに「貨幣が時代を動かす」大転換期でした。その激動の時代を「庶民と武士の目線」で描いた『陽炎の辻』と「出版と政治の目線」で描いた『べらぼう』の二作品を見比べると、当時の江戸の人々の息遣いが手に取るように感じられます。

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