2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」も、いよいよ北条義時が執権となり、ストーリーも大詰めになってきました。
毎週、わくわくどきどき視聴されている方も多いと思います。
臨場感あふるオープニングテーマや劇中曲を聞くだけで、情景が浮かんできますね。
この曲はどんな人が作曲しているのだろうと思われている方も多いと思います。
音楽担当のエバン・コールさんはどんな人か?
劇中の曲についても、深堀りしていきます。
「鎌倉殿の13人」のこれまでの復習はこちらから
エバン・コールさんの経歴
エバン・コール(Evan Call、1988年6月29日 生まれ、アメリカ合衆国カリフォルニア州出身)
エバン・コールさんが生まれ育ったのは、カリフォルニアの州都サクラメントから北東に車で約40分のリンカーンという都市。
カウボーイのロデオ大会が行われたり、カントリーソングが流れる自然いっぱいな田舎町だったそうです。
お父さんが狩りが大好きで、エバンさんもよくついていったそうですが、狩りに行く車の中で(移動時間は16時間くらい!)アメリカのルーツ音楽であるブルーグラスがずっと流れていたそうで、エバンさんの音楽の原点になっているとのこと。
ブルーグラスがどんな雰囲気なのか聞いてみましょう。
伊豆にいた頃、三浦義村がコミカルに登場するシーン。この雰囲気ですね。
10歳頃からギターに触れるようになり、やがて、日本のアニメ「ポケモン」や「ドラゴンボール」をきっかけに日本文化に興味を持つようになられます。
バークリー音楽大学に進む前に、留学生だった奥様とお知り合いになり、どんどん日本への理解が深まっていったそうです。
そして、ボストンのバークリー音楽大学でフィルムスコアリングを学び、色々なご縁に恵まれ
2012年から日本で作曲活動を開始。映像音楽を中心に、ボーカルソングへの楽曲提供や作詞、歌唱まで幅広くご活躍されています。
エバン・コールさんのTwitter↓
日本語がとても自然で尊敬します。
主な作品
映画『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』
劇場アニメ『ジョゼと虎と魚たち』
中川大志さんが主人公の恒夫の声、目を閉じるとそこに畠山重忠さんが。
アニメ『ハクメイとミコチ』
アニメ『さんかく窓の外側は夜』
NHK BS時代劇『螢草 菜々の剣』などの劇伴
NHK『サタデースポーツ/サンデースポーツ』の音楽
鎌倉殿の13人で表現したいこと
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」オリジナル・サウンドトラック Vol. 1
番組の冒頭で流れる壮大な楽曲。
メインテーマでいちばんエバン・コールさんが表現したかったのは、「どろどろした時代感」と「武士の魂」。
平安末期から鎌倉時代は世の中が固まっておらず、武士が生まれてくる時代。
泥臭い戦いや勢いだけで相手を倒すこともある。そういう”どろどろした”時代をオープニングで表現したかったので
”プリミティブ(原始的)”をキーワードに、楽器よりも原始的な”声”に着目し、男性コーラスを用いたとのこと。
作曲を始める段階で、数本の台本と、北条義時の衣装をまとった小栗旬さんの写真、伊豆に建てるセットの写真を見てイメージを膨らませたそうです。
また、劇伴(ドラマの中でかかる伴奏音楽)では、和楽器だけではなく、バンジョーやマンドリン、タゲル、ハルパなど、各国の伝統楽器を用いて懐かしさやコミカルさ表現しています。
サウンド全体が低音を重要視したアレンジになっているのは、エバン・コールさんが小さい頃から親しんだ土地の音楽が低音が強いものが多く、それがエバンさんのアイデンティティーになっているからだそうです。
エバン・コールさんは日本に住んで10年、以前三味線を習っていたことも。現在は地方の古民家に住んで(静かで景色が素晴らしい場所だそうです)、毎日”和”を感じて生活しているので、今回、意識的には日本らしさを強調しなかったものの、日本のメロディーや和声の感覚がなじんでいるので、ところどころにじみ出ていると思う。とのことです。
そして、本編の後に放送される「大河紀行」1の楽曲演奏は、ギタリストのポール・ギルバートさま。
「光速ギタリスト」の異名を持つ超絶スーパーギタリストです。
ギターだけで表現されるメインテーマ、音のひとつひとつが美しくて聞きほれます。
余談ですが、今年56歳のポール・ギルバートさん、大谷翔平選手と同じ193センチの長身です。
短い髪の毛もカッコいいです。
そのほか、劇中で流れるクラッシック曲
もっとたくさんあると思いますが、聞き取れたものだけピックアップさせていただきます。
1話、ドボルザーク「新世界より」 義時が女装した頼朝を乗せて、馬で逃げるシーン。
12話 ビバルディー「四季冬より第一楽章」政子が亀のことを頼朝に話したとき
13話 ビバルディー「四季冬より第一楽章」 義仲が義高を人質に出すと決めたシーン
18話 ビバルディー「四季冬より第一楽章」 義経が漕ぎ手を射抜いたところ
19話 ビバルディー「四季冬より第一楽章」 義村が義経と戦おうと立ち上がったところ
最後に
クライマックスに向けて、楽曲の雰囲気も少し変わってきましたが、エバン・コールさんの楽曲はどれも「鎌倉殿の13人」にピッタリで、曲を聞くだけで、シーンが目に浮かぶ方も多いと思います。
ちなみに管理人は「オープニングテーマ」と「八重」「坂東の女たち」が、大好きです。
最終話に向けてさらに予測不可能な絶叫展開が待っている「鎌倉殿の13人」。
今回は、音楽担当のエバン・コールさんについて深堀りしました。
参考:NHKドラマガイド「鎌倉殿の13人」前編
ミュージックレビューサイト「Mikiki」https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/31160
コメント