2025年大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』では、江戸時代の出版プロデューサー・蔦屋重三郎(蔦重)の波乱万丈の生涯が描かれています。
この記事では、蔦重が育った吉原・出版の拠点となった五十間道の「耕書堂」、そして蔦重に大きな影響を与えた平賀源内のゆかりの地をめぐったレポートをお届けします。

2025年3月14日に、管理人が大河ドラマ館を観覧した後、吉原〜スカイツリーを回った歴史散策ルートです。約15,000歩の散策旅を写真とともにご紹介させていただきます。
蔦屋重三郎ゆかりの地を巡る旅へ
今回の散策ルートは、以下の通りです。赤い矢印のところを徒歩で回りました。

(大河ドラマ館 )観覧のあと→ 山谷堀公園(猪牙船)→ 蔦重の墓(正法寺) →エレキテルトイレ(石浜公園) →平賀源内の墓 →見返り柳 →吉原大門跡 →五十間道 →新耕書堂 →吉原神社 →言問橋→スカイツリー
大河ドラマ館は別の記事でご紹介しています。
それでは、順番にご紹介していきます。
山谷堀公園(猪牙船)
山谷堀公園は、元は隅田川に注ぐ水路。江戸時代には「猪牙船」に乗って、隅田川~山谷堀を遡上するのが、吉原通いのルートの1つで、舟で吉原に通うことが陸路より「粋」で通だと言われていたそうです。

当時がしのばれる「猪牙舟(ちょきぶね)」が設置されていました。木製でした。「ちょきぶね」の語源は、舟の形が猪の牙ににていることから。長吉(ちょうきち)と言う人が考案したなど、諸説あるそうです。
舟の長さ30尺、幅は4尺6寸。細長く速度の速い舟だったそうです(1尺=30.3センチメートル、1寸=3.03センチメートル)。

猪牙舟の向こうに桜とスカイツリーが見えました。絶景です。撮影当日は3月14日、もうすぐ沿道の桜が満開になりそうです。

蔦屋重三郎の眠る「正法寺」
次に訪れたのは 正法寺。ここには、蔦屋重三郎の墓碑があります。
正法寺の意外な特徴!

お寺さんと聞くと、屋外のイメージだったのですが、蔦重の墓碑がある正法寺は屋根のある近代的な建物でした。建物に入っていいのかどうか一瞬迷います。
ですが、ありがたいことに、入口にも、入った中にも掲示をして下さっているので、迷わず建物の左手奥の蔦重の墓碑に伺えました。

出版界の革命児・蔦屋重三郎の墓碑

「江戸の出版界を変えた男」が眠る場所、正法寺は非常に静かで落ち着いた空間でした。
エレキテルトイレ(石浜公園)
次に訪れたのは 石浜公園。ここには「エレキテルトイレ」と呼ばれるユニークな公衆トイレがあります。

近代の技術×江戸時代の発想×現代のこどもたち
このトイレは、平賀源内の「エレキテル」から着想を得たデザインになっており、発明家の源内に敬意を表した施設です。
ちょうど隣に小学校があり、子どもたちが公園で元気に遊んでいる様子が微笑ましかったです。



役所広司さんが主演の映画『パーフェクトデイズ』を思い出しました。東京都内にはこういった芸術的な公衆トイレがたくさんあるのですね。
江戸の奇才・平賀源内の墓へ
次に訪れたのは、蔦重に大きな影響を与えた平賀源内 の墓。

江戸の偉人を大切に守る街の人々
源内の墓はとても丁寧に管理されており、近所にいらした地元の方が「源内さんのお墓?そこよ」と優しく教えてくれたのが印象的でした。

管理人は方向音痴なので、いつも地図を見ては首をひねっているので、地元の方に声を掛けられる確率が非常に高いです。
源内さんといえば、日本で初めて「エレキテル」を復元し、発明家としても知られる人物。ドラマ『べらぼう』では、安田顕さん演じる源内が奇想天外な発明をする姿が見どころの一つですが、その実在の人物の墓を訪れると、彼の革新性がいかに時代を超えて評価されているかが伝わってきました。

吉原の名残を探しに…「見返り柳」と「五十間道」
見返り柳から五十間道を進んで、「吉原大門」を超えると、そこには『べらぼう』の世界が広がっていました。
見返り柳

かつて吉原から帰る人々が名残惜しくて振り返ったとされる柳の木。
見返り柳から五十間道を実際に歩いてみると、細い道がゆるやかにカーブしており、今で言うテーマパークに向かう時のようなワクワク感があったのでは…と想像が膨らみました。

五十間道
吉原に入る前の「五十間道」は、その名の通り約50間(約90m)の距離があります。
実際に歩くと、思ったより短く感じるものの、江戸時代の人々がこの道を通った情景が浮かんできました。

五十間道の実際の様子はXに投稿した動画でご覧いただけます。
見返り柳から吉原大門まで五十間。
— いろは (@dramanihoheto) March 16, 2025
1間=1.82mなので91メートル#べらぼう pic.twitter.com/qcWLCL8Z0I
吉原大門
左右両方をうまく撮影できなかったので、雰囲気だけでも味わっていただけたら幸いです。




当時の耕書堂があった場所は今はコインパーキングになっていて、特に碑などはありませんでした。
吉原の新たな観光拠点「江戸新吉原耕書堂」

女性にやさしい観光拠点
「江戸新吉原耕書堂」は、蔦重が開いた「耕書堂」をモデルに期間限定でオープンした吉原の観光拠点。


管理人が訪れた時には、幅広い年代の女性スタッフの方が6~7人いらっしゃり、皆さんご親切に色々教えてくださいました。
世間話から、このあとお参りしたい吉原神社の場所や、色々をお話を伺いました。スタッフの方は皆さん「べらぼうのお陰で、女性がたくさん足を運んでくれるようになったのがとても嬉しい」とおっしゃっていました。



店内には多種多様のグッズが所狭しと販売されていました。横浜流星さんファンの方々の要望にお応えして紫色のグッズもたくさんありました。

※店内の撮影、ブログ記事への掲載は快く許可を頂戴しました!
吉原名物のお土産もゲット!
すっかり話し込んでしまったスタッフの方に、おすすめのお土産をお尋ねして(食べ物で。とお聞きしました)、2種類購入しました!
・すぐ近所で製造していて、歌舞伎に卸しているレーズンサンド(べらぼう特別版)800円(だったと思います)

・吉原の花魁たちも食べていたであろう生姜漬け 700円(くらいでした)

江戸の風情を感じるお土産に大満足でした!
【江戸新吉原耕書堂】の詳細
【江戸新吉原耕書堂】の詳細は以下の通りです。大河ドラマ館の記事でご紹介した「循環バス」がお店の目の前に停まるとスタッフの方が声をかけてくださいます。
5つの稲荷社+弁財天が合祀された吉原神社

綾瀬はるかさんはいませんが…



かつて遊女たちが信仰した「吉原神社」は、現在も多くの人々が訪れるパワースポットです。
吉原大門をあとにして帰ります
吉原大門を出て五十間道を戻ります。吉原大門がぎりぎり一枚の写真に収まりました。


260年前の地形がそのまま残っていて、現代も多くの人の暮らしがここにあることがとても不思議に感じました。「ブラタモリ」をしている気分です。
ゴールはスカイツリー
山谷堀公園を歩いていると、お稲荷さんのようなオブジェを発見。お稲荷さん越しにスカイツリーが見えました。


スカイツリーが見えるので、向かって見ることにします。べらぼうに遠いのかもしれませんが、まだ午後3時半なので大丈夫です。




雨が降った翌日だったこともあり、すっきりと晴れて気持ちの良い一日でした。江戸と現代の交差点を行き来した「べらぼうゆかりの地めぐり」でした。
まとめ
今回は、『べらぼう』の舞台となった吉原を歩いてみました。「50間」の実際の距離感や、地形など、ドラマの世界がよりリアルに感じられました。
今回の「べらぼうゆかりの地めぐり」吉原編では、
・蔦重や平賀源内の墓を訪ねて足跡を感じて
・吉原の歴史を辿り、当時の街の賑わいを想像
・現代の吉原で新たな観光文化を発見しました。

『べらぼう』がさらに楽しくなる「べらぼうゆかりの地めぐり・吉原編」。よろしけばぜひ♪
前回の記事では、べらぼう江戸たいとう大河ドラマ館をレポートしています。瀬川の花嫁衣裳など写真多めでご紹介していますので、よろしければ併せてお楽しみ下さい。
大河ドラマ『べらぼう』全話のイッキ見には、U-NEXTをどうぞ!
『べらぼう』ネタバレあらすじとみどころを詳しくまとめています。
『べらぼう』のキャスト一覧を詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
『べらぼう』の見逃し配信がどこで見れるかはこちらでご紹介しています↓
#べらぼう
#ゆかりの地めぐり
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