大河ドラマ『べらぼう』第7話は”好機到来『籬(まがき)の花』”。タイトルの「籬(まがき)」は吉原の赤い格子のこと。ということは、花は花魁のことですね。
・7話を見逃してしまった
・7話のみどころやあらすじが知りたい!
・7話の江戸ことばの面白さを知りたい
・『べらぼう』再放送は?どこで見れる?全話を見たい!
について、お届けします。
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第7話”好機到来『籬(まがき)の花』”の簡単あらすじ
※以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。
・倍売れる吉原細見を作るのを条件に、地本問屋の仲間入りの約束を取り付ける蔦重
・西村屋が小泉忠五郎と組んで、別の細見で対抗する。
・細見のお披露目直前に、花の井が「瀬川」を襲名することに。
鱗形屋が偽版の罪で捕まったこの機会を逃すまいと、蔦重は倍売れる吉原細見を作ることを条件に、地本問屋の仲間に加えてもらう約束を取り付けます。
これに反発する西村屋は、浅草の本屋・小泉忠五郎と組んで、別の細見を作って蔦重を阻もうとします。そんな中、細見のお披露目直前に、花の井が「瀬川」の名跡を継ぐと蔦重に伝えます。蔦重の細見が売れるようにとの思いからです。

「瀬川」襲名は、蔦重の吉原細見の大きな目玉になりました。
7話のみどころと注目ポイント
蔦重の心意気にグッとくる。
7話では、BGMが末広がりの明るい劇伴ではなく、サスペンス系の楽曲だった箇所が2か所ありました。蔦重が忘八の親父様方に「忘八の心意気」を熱弁する場面と、吉原細見『籬の花』を地本問屋の集まりに持って行った場面です。

蔦重がいわゆる「見得を切る」場面では、このBGMなんだと思いました。あっけらかんと明るいのではなく、蔦重の度胸と商才、策士ぶりが痛快です。
忘八の親父さま方に熱弁を放つバートは、見ていてグッときました。花の井がいる松葉屋の主(正名僕蔵さん)も
「花魁たちに胸を張らせてやるのが、忘八のたった一つの心意気じゃねぇか」にさすがにグッときちまったよ。
『べらぼう』7話より
と言って、蔦重を応援できるような細見がバカ売れする方法はないか、女将のいねと花の井と一緒に考えます。

蔦重の熱弁で、蔦重自身も含めた吉原で生きる忘八軍団の気持ちがひとつになった気がしました。
蔦重の頭の中は、アイディアの宝庫
「倍売れる細見を作る」と先に決めて、そのあとで「では、どうするか?」を考える蔦重。
まずひらめいたのは、①半値にする こと。

半値にすれば、安いからと買う人も増える、かかり(経費)も半分で済むから儲け的にはOK!と考えた蔦重。頭いいです。
そばにいた次郎兵衛も「策士だね~」と蔦重の髷をなでなで。次郎兵衛のこの大らかな励ましが蔦重の力になっている気がします。いい関係ですね。
次は新之助がアイディアを持ってやってきます。②懐でかさばらず、持ち歩きしやすい。

2話での平賀源内の懐がすごく膨らんでいて「何が入っているんだろう、重そう」と思っていたので、なるほど。です。
②懐でかさばらず、持ち歩きしやすい。は、①半値との相性もバッチリです。①②でスリム化したのに、蔦重は③川岸見世も全部情報を入れ込む。と言い出します。これを聞いた新之助に「無茶だ」と言われた時の蔦重の名言です。
無茶だからこそ、値打がある。決め手になるってもんじゃねぇすか。
『べらぼう』7話より
何に対してもあきらめない蔦重のこの思考回路が、未来を切り開いていくんだと確信しました。
自分が儲けることは考えていない蔦重の様子に、新之助は「蔦重の吉原への思いは李白の『静夜思』みたいだ」と言います。
李白の「静夜思」って?
中国の有名な詩で、静かなひたむきな心で故郷を思う気持ちを表しています。
管理人が抱く「静夜思」のイメージは下の画像の感じです。新之助が蔦重を見て「静夜思」を思い浮かべたのは、蔦重の清く澄み切った吉原への気持ちを感じたからだと思いました。

最後の一押し、花の井の「瀬川」襲名!
これまでの48文から半値の24文にして、薄くて、情報は満載!の吉原細見が完成しましたが、もう一押し何か欲しいところです。
松葉屋の女将・いねが「見切ったざんす!」と、名跡の襲名が決まった時は吉原細見がバカ売れすることを思い出しました。
2話で平賀源内が会いたいと言った松葉屋の名跡「瀬川」。実は4代目瀬川が自害したことで「瀬川は不吉な名前」と言われて、20年近く継ぐ者がなかったそうで、その「瀬川」を花の井が襲名することになりました。
九郎助稲荷で「花の井 改め 瀬川」と書いた紙を渡された蔦重と、渡した花の井の会話が粋でした。
蔦重:男前だな、おまえ。
蔦重:いつもありがとな。
花の井:礼にゃ およばねぇ、けど 任せたぜ 蔦の重三(じゅうざ)!
『べらぼう』7話より

これはもう蔦重を助けるため。以外の何ものでもないですが、花の井の気持ちに気付いてない重三です。
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西村屋と小泉忠五郎組の『新吉原細見』は?
小泉忠五郎の『新吉原細見』
蔦重を阻止するために、西村屋(西村まさ彦さん)が話しを持ちかけたのは、浅草の摺り物屋・小泉忠五郎(芹澤興人さん)でした。

6話までで鱗形屋や松葉屋に出入りしている小泉忠五郎の姿があったので、「吉原細見」や地本作りの経験は長いと分かる忠五郎。
小泉忠五郎は以前から細見作りをしてきた自負があり、当初、蔦重に「一緒に作らないか?」と持ち掛けたものの、蔦重がきっぱり断ったので、蔦重には「分別がない」と捉え、嫌悪感をあらわにします。
吉原の改め(校閲と編集を合わせた仕事)に回っている時に蔦重に出くわすと、蔦重の足を踏んでメラメラ闘志をむき出しにしたり、細見の巻末にある蔦重の名前をいまいましそうに指パッチンしていました。
小泉忠五郎を見ていると、儲けたいとか、嫌がらせをしたいのではなく、自分の方が経験豊富で、仕事にプライドを持っているからこその蔦重への嫉妬心とライバル心だと感じました。
その証拠に、忠五郎が仕上げてきた『新吉原細見』は、上品な小川紙製で江戸から地方への土産物や贈答品としても喜ばれそうな品でした。これこそ、市場競争だなぁと思いました。
キャストについての詳しい解説はこちらの記事でお届けします。よろしければ併せてどうぞ。
西村屋与八は、悪人なのかどうか?
西村屋与八(西村まさ彦さん)は、悪人に分類されるはずですが、どうもつかみどころがないです。
偽版で主が投獄中の鱗形屋に出向いて、女将・りん(蜂谷眞未さん)に、細見の版木を譲ってくれないかと口説く際の、数枚ずつ小判を出す姿がなんとも怪演。

りつさん、持ちこたえて~と念じていたところ、6話で初登場した次男・万次郎が登場してきっぱり断ってくれました。お見事。
西村屋が手代の忠七(斉木テツさん)の膝で耳掃除をしてもらっているシーンがありましたが、あれは当時の一般的な光景なのか、西村屋には女将はいないのか?ちょっと怪しい印象を受けました。
とにかく、利益を追求している最終形が西村屋なんだろうと思うのですが、西村さんが演じるとなぜかふわっとつかみどころがなくて、憎めないのがほんとうに不思議です。
西村さんは、NHK特集ドラマ『眩(くらら)~北斎の娘~』でも西村屋与八を演じられています。
ラスボスは鶴屋喜右衛門(風間俊介さん)?
物腰はあくまで柔らかく、地本問屋を取りまとめる鶴屋喜右衛門。
一見、蔦重のことを認めているようにも見えますが、微笑みの下に「策略」が見え隠れします。
蔦重には「倍売れば、仲間に加えることを考えましょう」といい、西村屋と小泉忠五郎コンビという対抗馬も持ってくるように仕向けるのも絶妙というか怖いです。
次回以降、鶴屋は蔦重をどう見ていくのか非常に気になります。
7話に出てきた「江戸ことば」
7話も江戸ことばがたくさん出てきました。「ありがた山~」と「べらぼう」、「仕方仲橋」は、すっかり浸透してきました。流行語大賞になりそうで、楽しみです。

西村屋が蔦重のシャレ言葉を「ふざけないと入ってこれない」と言っていたので、シャレ言葉は現代のダジャレと同じくらいの受け止められ方なんだなぁと思いました。
「濡れ手に粟餅」:長谷川平蔵が蔦重に←6話のプレイバック
「にわかのお邪魔 ご無礼つかまつりの三郎」:蔦重が地本問屋の集まりに突然現れて。
「ありがた山~」:忘八の親方様方の集まりで、蔦重が大文字屋の「はった~」に対して。
「平気のへいだね」:次郎兵衛が鱗形屋が捕まったのに平気な様子の蔦重を見て。
「べらぼうめ!」:摺師さんが蔦重にそんな割りの悪い仕事できるかと
「江戸中、担いで回るのすけだ」:九郎稲荷で蔦重が花の井から「西村屋の細見は蹴散らせそうかい?」と聞かれて、「やれることは全部やって、これでだめなら」に続いて
「いいね、そりゃべらぼうだ」:花の井が蔦重の心意気を聞いて
「危うく遅まき唐がらし」:蔦重が地本問屋の集まりに遅れて到着して
「仕方仲橋(しかたなかばし)」:蔦重が西村屋の細見には瀬川襲名が反映されていないことに対して。
『吉原細見”籬の花”』の製本を『一目千本』の時と同じように、きく(かたせ梨乃さん)たちが手伝っていましたが、その時の手仕事歌も吉原っぽかったです。
間夫(まぶ)だと思って摺りなんし 摺りなんし~
折り目はきっちりつけなんし つけなんし~
銭がなくなりゃ 切りなんし 切りなんし~
憎いアイツと刺しなんし 刺しなんし~
『べらぼう』7話より
※間夫(まぶ):遊女が心底惚れた男のこと。歌舞伎の演目『助六』で、遊女の揚巻(あげまき)は、金持ちの遊客から間夫の助六が罵倒されたとき、有名なセリフ「間夫がなければ女郎は闇」と返します。うつせみの新之助のような存在ですね。
7話も続く!平沢常富(尾美としのりさん)はどこ?

7話では、14分28秒で尾美としのりさんを発見しました。夜、つるべ蕎麦の向こう側の赤いのれんのお店の縁台に座っている人。背格好と着物の色も水色ですので、尾美としのりさん確定だと思います。
そのほか、12分27秒で蔦屋の向いにあるつるべ蕎麦から「ありがとうございました~」と見送られている人(但し着物は藤色)も、縁台に座っている人(こちらの着物は黄緑)も、もはや尾美としのりさんにしか見えなくなってきました。幻覚?それとも分身の術?
その他にも17分49秒で、つるべ蕎麦で座っている人2人のうち、画面右側にいる人の背格好が尾美さんに似ているのと、20分39秒でもつるべ蕎麦が映っています。(まるで刑事のようにつるべ蕎麦の張り込みをしている管理人ですが)、ここには尾美さんらしき方はいらっしゃいませんでした。
7話は尾美さんだと確信が持てないシーンが多かったので、もしかして地本問屋の集まりに顔を出しているかも?留守居役として、番所などに出向いたりしている?などなど、目を皿のようにして何度も探しましたが、残念ながら尾美としのりさんのお姿は確認できませんでした。

6話までは、芹澤興人さんもクレジットに名前はあるものの画面に映るだけで、7話から本格登場されましたので、今後は尾美としのりさんに全集中したいと思います!
クレジットにお名前が出た2話からの「尾美としのりはどこ?」について、こちらで詳しくレポートしていますので、よろしければお読みください↓
U-NEXTなら、再生速度が0.6~2倍まで変更できますので、ゆっくり「尾美としのりクエスト」をお楽しみいただけます。
第7話のキャスト
7話では、大文字屋の振袖新造・かをりと、遣手(やりて)・志ずが新しく登場しました。次郎兵衛が「危ないね~」と言っていた、かをりの蔦重へのぞっこんぶりも気になりますね。
『べらぼう』7話のキャスト徹底解説はこちらで詳しくお届けしています↓
第7話の全キャスト一覧(役名のある人) |
蔦屋重三郎:横浜流星 花の井:小芝風花 長谷川平蔵宣以:中村隼人 小田新之助:井之脇海 留四郎:水沢林太郎 ちどり:中島瑠菜 かをり:稲垣来泉 小泉忠五郎:芹澤興人 四五六:肥後克広 八五郎:阿部亮平 歌浦:馬渡綾 春風:青山美郷 りん:蜂谷眞未 忠七:斉木テツ 万次郎:野林万稔 岩戸屋源八:中井和哉 村田屋治郎兵衛:松田洋治 奥村屋源六:関智一 松村屋弥兵衛:高木渉 丁子屋長十郎:島英臣 長崎屋小平治:千葉清次郎 桐屋伊助:キンタカオ 伊勢屋九平治:会田泰弘 玉屋庄兵衛:岡山和之 万字屋半四郎:岡けんじ 泉屋与市:車邦秀 山口巴半助:真木仁 次郎兵衛:中村蒼 松葉屋半左衛門:正名僕蔵 大文字屋市兵衛:伊藤淳史 扇屋宇右衛門:山路和弘 半次郎:六平直政 りつ:安達祐実 志げ:山村紅葉 いね:水野美紀 ふじ:飯島直子 きく:かたせ梨乃 平沢常富:尾美としのり 鶴屋喜右衛門:風間俊介 西村屋与八:西村まさ彦 鱗形屋孫兵衛:片岡愛之助 駿河屋市右衛門:高橋克実 須原屋市兵衛:里見浩太朗 語り(九郎助稲荷):綾瀬はるか |
『べらぼう』のキャスト一覧はこちらから
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第7話の制作陣
『べらぼう』を見て、江戸の文化や風俗に興味を持たれる方も多いと思います。時代考証の方を中心にご紹介します。『50ボイス』で吉原風俗考証や版元考証の方のコメントが見れますのでぜひ。
脚本 | 森下佳子 |
音楽 | ジョン・グラム |
テーマ音楽指揮 | 下野竜也 |
演出 | 大原拓 |
時代考証 | 山村竜也 |
版元考証 | 鈴木俊幸 |
戯作考証 | 棚橋正博 |
風俗考証 | 佐多芳彦 |
インテマシーコーディネーター | 浅田智穂 |
インテマシーコーディネーターについては、『50ボイス』の記事で詳しくご紹介しています。よろしければどうぞ>>『べらぼう50ボイス』番組に携わる50人にインタビュー
『べらぼう』1週間の放送予定は?
日曜日 | おひる12時15分~13時 | BSプレミアム4K |
日曜日 | ゆうがた6時~6時45分 | BS |
日曜日 | よる8時~8時45分 | NHK総合 |
次の土曜(日曜日の再放送) | おひる1時05分~1時50分 | NHK総合 |
※地上波放送のNHK総合よりも、NHK BSプレミアム4K、NHK BSの方が早く放送されます。※放送日時は変更される場合があります。
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まとめ
『べらぼう』第7話のラストシーンでは、須原屋市兵衛に連れられて、釈放された鱗形屋が店に帰ってきました。8話では『吉原細見』の評判と、鱗形屋がどう出てくるのか、目が離せません。
・蔦重は鱗形屋孫兵衛と青本づくりに奔走する
・鱗形屋が『節用集』の海賊版を作っていると知った蔦重は悩む
・江戸城内では日光社参を巡って権力争い。
7話の名セリフは蔦重が忘八の親父さんたちに叫んだ熱い思いです。
花魁たちに胸を張らせてやるのが、忘八のたった一つの心意気じゃねぇですか!
『べらぼう』7話より
『べらぼう』ネタバレあらすじまとめはこちらから↓
『べらぼう』のキャスト一覧はこちらから
放送後7日以内はNHKプラスで、7日過ぎた場合や『べらぼう』第7話からの見逃しイッキ見には、U-NEXTでNHKオンデマンドを
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『べらぼう』大河ドラマガイド・前編はこちらから↓
第17話までのあらすじや、豪華な出演者インタビューなど盛りだくさんの内容です。
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