大河ドラマ『べらぼう』第47話「饅頭こわい」は、長く暗躍していた一橋治済との対決がついに終結し、写楽誕生の謎へとつながる重要な回でした。
最終回目前となり、1年間にわたる物語の積み重ねが一気に回収された 「べらぼう」の核心に触れる一話 でした。
この記事では、47話のあらすじ・みどころ・感想とともに、管理人・いろはが予想する「影の功労者」と、森下佳子さん作品ならではの描き方に触れつつたっぷりお届けします。
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『べらぼう』47話「饅頭こわい」あらすじ
曽我祭で治済を討つはずだった松平定信たちの計画は、逆に治済に見抜かれ、毒饅頭による報復へと転じます。大崎は寝返りを見抜かれ、毒饅頭により最期を迎え、耕書堂でもみの吉たちが毒饅頭を口にして被害を受けてしまいます。
苦しむみの吉の「毒饅頭を食べさせたやつが毒饅頭を食って、うっかりぽっくりってなぁ」という言葉が、蔦重の逆転の発想を生みます。
そこで鍵となったのは、死の直前に大崎が蔦重に託したお金を包んだ一通の文。
文には治済の数々の悪行が記されており、これを読んだ将軍・家斉は幼い頃の記憶を思い出し、父・治済への反旗を決意します。
そして清水家の茶会にて、茶菓子には手を出さなかった治済も、家斉が飲んだ茶を見て安心した治済は、自らも茶を飲みます。仕込まれていたのは 命を奪う毒ではなく「深い眠り薬」 でした。
昏倒した治済は密かに能役者・斎藤十郎兵衛（治済と瓜二つ）と入れ替えられ、阿波の孤島へ流されます。「殺さない報復」こそ、蔦重が選んだ「文化人としての矜持」であり、「仇討ちで外道に堕ちないための最善」でした。
ラストシーンでは、白河へ帰る定信が耕書堂を訪れ、黄表紙を抱えながら去る姿は、1年を締めくくるような静かな名シーンでした。
みどころ① 「能」つながりの入れ替わりが斬新！
これには、管理人も思わず膝を打ちました。
そうきたか～～！と声が出る展開。
治済が能愛好者で、能面を並べ入る姿や、自らも能を舞う姿など、写楽が「能」と繋がる伏線は以前から散りばめられていましたが、治済の替え玉となるのが、写楽の正体と言われている能役者・斎藤十郎兵衛だったという着地は、視聴者の想像を軽々と超えてきました。
脚本家・森下佳子さんが当初は「文化での仕返し」という観念的な結末を想定していたものの、
「これでは視聴者がスッキリしない」と方向転換したという裏話もあり、
まさに 「森下マジック」が炸裂した回だと思います。
みどころ② 生田斗真さんの二役がすごすぎる（語彙力を失いました）
治済と十郎兵衛を演じる生田斗真さんは、同じ俳優とは思えない、佇まい・表情・歩き方のすべてが違う。
茶室から十郎兵衛が出てきた瞬間の重心の低い能役者の姿や、入れ替わった後の能面を喜ぶ表情は、これまでの治済とはまったく違っていました。
「すごい」しか出てこなくて、生田斗真さんの技量が47話の象徴そのものでした。
みどころ③ 毒饅頭がまさかの眠り薬。武士ではなく「文化人の仇討ち」
家斉が茶室で和菓子をパクパク食べていた時、「解毒剤飲んだの？一蓮托生の覚悟？」とハラハラしたのは管理人だけではないと思います。
ですが、仕込まれた薬の正体は 眠り薬でした。武士の世界で「成敗＝死」が常識の中、殺さずに報いを受けさせるという、蔦重らしい結末でした。栗山たち知識人も関わっていたと思うと、47話の幕引きとして最も美しい形だと感じました。
みどころ④ 大崎の遺文が将軍を動かす：乳母だからこその説得力
46話で大崎がお金を包んだ紙を蔦重に渡した時、「絶対何か書いてある」と思っていたので、ここはかなりデキすぎな気もしますが、乳母だった大崎が書いた文だからこそ家斉の心を動かすという設定と、2話以降の「謎の死」の真犯人の答え合わせができてスッキリした感もありました。
そして蔦重も同じアイデアを考えていたというデキすぎ感「べらぼう」らしい痛快な展開でした。
みどころ⑤ 耕書堂に訪れた定信は、文学少年。
黄表紙を買い占め、「か行抜きことば」で気持ちを伝え、国許へ帰る前に「念願の耕書堂」にやっと訪れた定信。蔦重にこう言います。
上がった凧を許して、笑うことができれば、全ては違った
『べらぼう』47話より
定信は本来文化や黄表紙を愛する文学青年で、敬愛する恋川春町を死に追いやり、その才能を潰したことへの深い後悔を抱えていたことが浮かび上がりました。
BGMからしてもう最終回のようで、春町や田沼意知の魂まで成仏しそうな静けさで、蔦重と定信は、立場は違えど「おタク気質」で似ているところがあり、ようやく心が通った場面でした。
べらぼう第47話「饅頭こわい」の感想と徹底レビュー
管理人の「ラスボスは三浦と須原屋さん」という予想は見事に外れましたが、47話の展開は「なるほど、そうきたか～！」と膝を打つものでした。
とくに「能」つながりの入れ替わりは衝撃的で、生田斗真さんの二役は息を飲むほど圧巻。
佇まい・目線・歩き方のすべてが違い、十郎兵衛が茶室から現れた瞬間、歩き方が完全に能役者そのものでした。
毒饅頭も、本当に毒だと思い込んでいた私。和菓子を次々と食べる家斉にハラハラしつつ、
眠り薬と分かった瞬間、「これが蔦重の仇討ちなのだ」と腑に落ちました。
大崎の文が家斉を動かすというのも、乳母ゆえの深みで少しデキすぎ感はあるものの感慨深いものがありました。
そして耕書堂での定信。黄表紙を抱え、少年のような笑顔を見せ、「か行抜きことば」で心を伝える姿に、やっと本来のキャラが出せてよかったね。と思いました。
最終回が近づく寂しさと、蔦重と定信の心が触れ合った喜びが胸に残りました。
【管理人の考察】写楽・仇討ち・傀儡のテーマが一つに結びつく回
47話の本質は、人を傀儡にしてきた治済が、最終的に自分が傀儡にされるという逆転の物語だったと考察します。
治済は人を操ることで権力を握ってきた男ですが、その治済が最も深く「傀儡」にしていたのは、
皮肉にも実の息子・家斉でした。
しかし家斉は父の支配をはるかに超えて、「眠り薬」の茶を飲ませるという形で、親殺しの十字架を背負うことのない、自らの未来を選びました。家斉自身が「自分が天」だと驕り高ぶっていない証拠とも言えます。
そして、
・写楽の誕生
・仇討ちの完結
・蔦重の文化人としての矜持
・定信との和解
すべての点が線となって結びついて、最終回へと向かいます。ちょっとだけ寂しいですね。終わってしまうんですね。
46話に登場した、地口や印象に残る言葉まとめ
毎話楽しみの地口や面白い表現。管理人は「ありがた山でございます」と「べらぼう」そして「かたじけなすび」は、日常会話で普通に使っています。
・「いキちキどコきキてケみキたカかカったカのコだカ」
（一度来てみたかったのだ／定信の“か行抜きことば”）
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よくある質問
- Q『べらぼう』47話はどんな内容でしたか？
- A
治済の毒饅頭による反撃から始まり、蔦重と定信が協力して殺さない仇討ちを実行した回です。能役者・斎藤十郎兵衛との入れ替わりで治済を島流しにし、写楽誕生の流れが一気に動き出します。終盤では、定信が耕書堂を訪れ、蔦重と心を通わせる感動的なシーンも描かれました。
- Q47話の「入れ替わり」は史実なの？
- A
史実の写楽正体説に「能役者・斎藤十郎兵衛説」があることから着想を得た、ドラマ独自のアレンジです。
- Q治済は最終的にどうなった？
- A
阿波の孤島へ島流し。命は奪われず、「生き続ける罰」を与えられています。
- Q家斉はなぜ父に逆らえたの？
- A
大崎の文と、幼少期の記憶が、心を揺さぶったためです。
- Q『べらぼう』はどこで見られますか？
- A
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- Q最終話の48話はどんな展開になりそうですか？
- A
第47話で治済の脅威は去り、物語はいよいよ「写楽誕生」と「蔦重のその後」に焦点が移っていきます。
最終話は文化の力が静かに輝く、余韻のある締めくくりになると予想され、蔦重の生きざまと、仲間たちの未来をそっと見届ける回になりそうです。
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まとめ
『べらぼう』47話「饅頭怖い」は、治済の長い暗躍に決着がつき、物語が大きく動き出した回でした。蔦重や定信、家斉それぞれの選択が重なり、1年間積み重ねてきたテーマが美しく結びつきます。
次回は、いよいよ最終回。江戸のエンターテインメントを牽引してきた蔦重の夢と矜持が、どんな形で結ばれるのか見届けたいですね。
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次回、第48話は、いよいよ最終回。終わってしまうんですね、寂しいです。蔦重の江戸患い（脚気）がとても気になります。
本ページの情報は2025年12月時点のものです。最新の情報はU-NEXTサイトでご確認ください。
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