2025年10月5日放送の大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第38話「地本問屋仲間事之始」。
出版を統制しようとする松平定信に対し、蔦重(横浜流星さん)が仲間と結束して、新たな道を切り開いていく一方で、喜多川歌麿(染谷将太さん)が妻・きよ(藤間爽子さん)を失います。歌麿の狂気と愛、蔦重の知恵と情が凝縮された壮絶な回となりました。
本記事では、「べらぼう」38話の徹底レビュー&感想をわかりやすくご紹介します。
見逃してしまった方や、もう一度じっくり振り返りたい方にもおすすめです。
>>こちらの記事で『べらぼう』のあらすじネタバレを全話紹介 しています。
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べらぼう第38話「地本問屋仲間事之始」のあらすじ

歌麿ときよの悲劇:梅毒(瘡毒)による死と狂気
きよが梅毒(瘡毒)により命を落とし、その死を受け入れられない歌麿は遺体を描き続ける狂気に囚われます。蔦重は「鬼の子」という言葉で歌麿を諭し、きよを旅立たせます。この壮絶な喪失体験が、後の「美人大首絵」誕生の原点となっていきます。
松平定信の改革:出版統制令と業界存亡の危機
天明の大飢饉後の治安悪化に対し、定信は人足寄場を設置するよう長谷川平蔵に命じます。さらに出版統制令を発布し、黄表紙や洒落本も規制対象に。出版業界は存続の危機に立たされることになります。
蔦重の反撃:京伝との和解と「地本問屋仲間」結成
蔦重は山東京伝と和解し、江戸の地本問屋を結集。「株仲間」として団結する策を提案し、大量の草稿提出作戦を実行。
長谷川平蔵への根回しと吉原での伏線回収を経て、定信から「江戸の誇り」として地本問屋仲間の結成を認めさせることに成功します。
平蔵が花の井(小芝風花さん)から『一目千本』の入銀にと50両だまし取られ、そのお金で二文字屋が救われたのは▶べらぼう3話”千客万来『一目千本』”
史実と次回への布石:梅毒の脅威と京伝の結婚
当時、江戸の遊女の約半数が梅毒に罹患していたとされ、治療法のない恐ろしい病えでした。一方、京伝は吉原・扇屋の菊園を妻に迎え、後に良好な夫婦関係を築いたことが伝えられています。
【べらぼう】第38話の感想と徹底レビュー

第38話「地本問屋仲間事之始」は、一瞬の光と深い闇が交錯するような回でした。
地本問屋の仲間たちが結集し、明るい未来が見えてきたかと思いきや、
最後の数分で突き落とされるような展開。
それでも、その痛みの中に「命を描く」という作品の本質が見えた気がします。

そう思わないと歌麿が報われなくて涙。どこまで辛い目に遭えば許されるの?と思ってしまいます。
きよの死:胸をえぐるリアリティと森下脚本の残酷さ
最も衝撃的だったのは、やはりきよの最期の場面でした。
梅毒(瘡毒)に蝕まれた彼女の姿は、美しくも痛ましく、
見る者の胸をえぐるほどのリアリティがありました。
脚本の森下佳子さんのドラマ『大奥』の時も感じたのですが、
あえて「目を背けたくなる現実」を真正面から描く手法を取られていると思います。
そのリアルさがあるからこそ、登場人物の痛みがまっすぐ心に届くのだと思います。
そして、歌麿の狂気的な振る舞い。
「まだ生きてる」と言いながら、腐敗するきよのそばを離れない歌麿。
きよを抱きしめ、絵筆を止められずにいるその姿は、
愛と絶望が混ざり合った「残される者の苦悩」を感じました。
「命を描く者」としての蔦重と歌麿

蔦重が駆けつけ、歌麿を抱きしめる場面。
「お前は鬼の子なんだ。生き残って命を描くんだ」
この言葉に、蔦重と歌麿の「創る者」としての宿命が凝縮されていました。

管理人は日曜日の夜にはワナワナしてしまったのですが、今思うとこの瞬間が38話の核だと感じます。「命を描くこと=誰かの死を無駄にしないこと」ということかなと考えます。
このシーン、染谷将太さんも横浜流星さんも、完全に蔦重と歌麿の「素」の感情でぶつかっていたように見えました。
蔦重が受け止め、歌麿が殴り返す……その気迫は本気同士のぶつかり合い。
『べらぼう』吉原の頃に、蔦重が駿河屋市右衛門(高橋克実さん)に階段から突き落とされたあの場面を思い出しました。
受ける側が本気だからこそ、芝居が生きる。
まさに俳優同士の信頼と演出の力が生んだ名場面でした。
美しさは痛みの果てに:「美人大首絵」の原点

きよを失った後、歌麿は彼女の亡骸を何枚も描き続けました。
その筆跡の中から生まれたのが、後に「美人大首絵」と呼ばれる様式です。
愛した人の面影を、絵の中で永遠に留めようとする。
喪失の痛みが、芸術へと昇華されていく瞬間でした。
「美しさ」と「残酷さ」の表裏こそが、森下さんが描きたかった人間の真実なのかもしれません。
演出・寺井純玲さんの手腕──静けさの中の衝撃
今回の演出は、寺井純玲(てらい・すみれ)さん。
NHK大分局でドキュメンタリーや地域発ドラマを手がけてこられた方だそうです。
「らんまん」で植物標本や書籍の小道具を担当されていたというご経歴があり、
この衝撃的なラストシーンの演出に納得でした。
蔦重と京伝、踏ん張る時だ
蔦重が京伝(古川雄大さん)と再び向き合う場面には、希望が灯りました。
「世に抗うとかそういうことではなく、モテたいから描いてる」
政演のこの言葉には、人間らしさと洒落っ気がありました。
その正直さを、蔦重も受け入れ、「踏ん張る時だ」と返します。
そして、地本問屋、戯作者、摺師、絵師たちが集まる場面。
「べらぼうめ!」「ありがた山でごぜえます!」と声を上げるあの高揚感。
江戸の出版人たちの魂が再び燃え上がって、京伝にもその火が付きました。
長谷川平蔵の「大通」さと伏線回収の妙

長谷川平蔵(中村隼人さん)の登場もみどころでした。
吉原でのやり取り、「やっぱり吉原はよいのぉ」というセリフと
あの「シケ」が、懐かしさと平蔵が歩んだ人生の哀歓が混ざっていて、深みを感じました。
そして、「一目千本」の入銀にと、
花の井(小芝風花さん)からだまし取られた50両の伏線がここで回収されます▶平蔵は3話で蔦重に担がれて入銀のために花の井に50両渡しました。
結局その時の50両は入銀には使われず、右から左に二文字屋に届けた50両で、女郎たちが救われました。二文字屋の女将・きく(かたせ梨乃さん)と二代目女将が平蔵にお礼を述べます。
蔦重の「昔だまし取ったお金をお返ししただけ。利息も付けました」
このセリフに込められた江戸っ子の粋と誇り。
平蔵の「さすが俺の金蔵を空にした女(瀬川のこと)だ」という返しも最高でした。
この一連のやり取りの後、平蔵を通じて定信が心を動かされ、
「黄表紙と錦絵は江戸の誇り」と定信に言わせます。
蔦重たちの作戦と、以前受けた恩をきちんと平蔵に返したことで、「出版が生き残る道」が開けた瞬間です。
長谷川平蔵の「シケ」や、人足寄場を作り、維持するのに奔走する平蔵の姿など、詳しく解説しています▶長谷川平蔵ってどんな人?↓

こういう気持ちのよい伏線回収は、見ていてもスカッとしますね。
喪失の果てに見える「再生」
最後に残るのは、やはり“再生”というテーマでした。
きよを失い、歌麿は筆を取り戻し、
蔦重は仲間たちと再び立ち上がる。
どちらの物語も、悲しみを抱えながら前へ進む強さを描いていました。
「蔦重がしくじったままで終わるのかと思いきや、
明るく末広がりに終わってよかった」
そう思わせてから、一気に引きずり込む。
森下佳子さんの脚本が持つジェットコースター的な緩急が、
この第38話でも見事に発揮されていました。

次回は、地本問屋の仲間たちがどんな形で時代に挑むのか。
そして、歌麿がきよを描いた筆で何を表現していくのか見逃せません。
38話に登場した、印象に残った言葉・地口まとめ

『べらぼう』38話では、悲しみの中にも笑いと粋が光る回でした。
出版人たちが再び集まり、声を掛け合う場面では、
「べらぼう」が咲き乱れていました。
「べらぼうめ!」「べらぼうが!」
地本問屋の面々が集まり、統制令への対抗策を話し合う場面。
「べらぼうめ!」
「べらぼうが!」
と次々に飛び交うその掛け声は、江戸っ子たちの誇りと反骨の象徴のようでした。
「ありがた山でごぜえます」
北尾重政(古川雄大さん)や勝川春章、宿屋飯盛たちが蔦重に助太刀を申し出た場面で登場。
「ありがた山でごぜえます」
という言葉には、蔦重の心からの感謝が込められています。
さらにラスト近くでは、「みなさま、ありがた山にございます」という場面があり、
仲間たちの絆が確かに結ばれたことを感じさせました。
「春町先生に草場の陰から嵐みたいな屁ひられるところだった」
蔦重が政演(京伝)に向かって放ったひとこと。
亡き戯作者・恋川春町を引き合いに出しながら、
「言ってくれてありがた山だ」と笑う場面は、涙と笑いの境界線のようでした。
このセリフひとつで、春町が今も彼らの中に生き続けていることが伝わります。
「くだらなくなどなかろう」
松平定信(井上祐貴さん)が、平蔵の誘導に乗せられて思わず放った言葉。
「くだらないもの」として切り捨ててきた黄表紙や錦絵を、
本当は文学青年の定信が自ら「江戸の誇り」として言い換える場面は胸が熱くなりました。

そして、この一言が、地本問屋仲間結成のきっかけになりました。
「べらぼうな夫婦だね」
てい(橋本愛さん)と蔦重の話を聞いて、つやがみの吉に言ったひとこと。
「べらぼうな夫婦だね」
本を作り、本を愛する蔦重&てい夫婦はそばで見ていても微笑ましいです。

38話は地口が全然出てこないのかなーと思っていたら、後半ラッシュでした。鱗形屋や西村屋など懐かしい方々も登場しました。
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よくある質問
- Q『べらぼう』第38話の放送日はいつでしたか?
- A
2025年10月5日(日)に放送されました。
タイトルは「地本問屋仲間事之始(じほんどんやなかまことのはじまり)」です。
- Q第38話の脚本は誰が担当していますか?
- A
脚本はz全話通して森下佳子さん。
『世界の中心で、愛をさけぶ』『JIN-仁-』『大奥』などで知られる名脚本家です。
今回も、愛と死、芸術と狂気を鋭く描く筆致が印象的でした。
- Q第38話の演出は誰が担当しましたか?
- A
演出は寺井純玲(てらい・すみれ)さん。
2018年NHK入局後、大分放送局でドキュメンタリーや地域ドラマを手がけ、
朝ドラ『らんまん』では標本や植物資料の小道具制作にも携わられています。
本作では、静寂の中に衝撃を宿す繊細な演出が高く評価されました。
- Qきよ(歌麿の妻)が亡くなった理由は?
- A
きよは梅毒(瘡毒)によって命を落としました。
当時の江戸では治療法がなく、遊女や町人の間でも広く感染が拡大していました。
きよの死は、歌麿が“命を描く”芸術家へと変わる象徴的な出来事として描かれています。
- Q「地本問屋仲間」とは何ですか?
- A
「地本問屋仲間」とは、江戸の出版人たちが団結して結成した同業組織のことです。
奉行所の統制に対応するため、出版物の内容を自主的に検閲する「行事」を設け、
出版の自由を守るための仕組みとして実在しました。
蔦屋重三郎は、その立ち上げに深く関わった人物とされています。
- Q『べらぼう』はどこで見られますか?
- A
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- Q再放送はありますか?
- A
再放送は 翌週土曜日の13時5分(NHK総合) に予定されています。
- Q歌麿ときよのモデルは実在した人物ですか?
- A
喜多川歌麿は実在の浮世絵師であり、
「美人大首絵」の創始者として知られています。
きよについては史実には登場しませんが、
脚本上では“歌麿が美人画を描く原点となった女性”として創作された人物です。
- Q今後の展開で注目すべき登場人物は?
- A
第39話以降は、
出版統制下の江戸で、蔦重と京伝が再びタッグを組み、
「世に抗う戯作者たち」の物語が動き出します。
また、長谷川平蔵と定信の関係にも新たな波が起こりそうです。
『べらぼう』の見逃し配信情報は▶ べらぼう 今からどこで見れる? に詳しくまとめています。
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まとめ
第38話「地本問屋仲間事之始」は、つくる者たちが生きる意味を問う、心を揺さぶる回でした。
蔦重たちは出版統制に抗い、知恵と誇りで道を切り開きます。
一方、歌麿は愛するきよを失い、命の儚さを描くことでしか生きられない絵師へと……
この対照的な二つの物語が、まるで陰陽のように交差していました。
脚本の森下佳子さんが描く「痛みの中の希望」、
そして演出・寺井純玲さんの静けさの中の衝撃。
その融合によって生まれた第38話は『べらぼう』のテーマである
「命を描き、生き抜くことの美しさ」をもっとも強く伝えていたように思います。
定信の「くだらなくなどなかろう」という言葉が心に残りました。
くだらないと切り捨てられた庶民の娯楽が、
時代を動かし、人を救い、未来へと受け継がれていく。
「くだらなさの中にこそ、命の輝きがある」というのが、『べらぼう』の真骨頂だと感じます。
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第1話から通して見ると、蔦重・歌麿・京伝それぞれの「創作への覚悟」が、より深く感じられます。
今からでも間に合います。ぜひ、この機会に見逃しイッキ見してみてはいかがでしょう。
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次回、第39話「白河の清き住みかね身上半減」では、
蔦重と京伝に絶版命令が下り、いよいよ耕書堂が最大の危機を迎えます。
命を削って描いた彼らの物語が、どんな結末を迎えるのか。次回も見届けてまいりましょう。
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