大河ドラマ『べらぼう』第10話は、”『青楼美人』の見る夢は”。華々しい瀬川の最後の花魁道中。そして花魁たちの普段を描いた『青楼美人合姿鏡(せいろうびじん あわせすがたかがみ)』が完成します。
・10話を見逃してしまった
・10話のみどころやあらすじは?
・10話の江戸ことばの面白さを知りたい
・尾美としのりさんはどこで登場するの?
・『べらぼう』再放送は?どこで見れる?全話を見たい!
について、お届けします。
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第10話”『青楼美人』の見る夢は”の簡単あらすじ
※以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。
・瀬川の身請けが決まり落ち込む蔦重
・最後の花魁道中に併せて錦絵を制作することに
・意次は、家治から種姫を養女にすると告げられる
瀬川(小芝風花さん)の身請けが決まり、落ち込む蔦重(横浜流星さん)。そんな中、忘八の親父さまたちから瀬川最後の花魁道中に合わせて出す錦絵の制作を依頼されます。自分の本が市中の本屋から取り扱い禁止になり、捨てられていることを知った蔦重は危機感を募らせます。
江戸城では、意次(渡辺謙さん)が家治(眞島秀和さん)から、種姫(小田愛結さん)を養女にして、ゆくゆくは家基(奥智哉さん)と夫婦にすると告げられます。

瀬川が蔦重の横を通って吉原大門を通り過ぎる時、台本には「目を合わせる」と書いてあったそうですが瀬川役の小芝さんは「目を合わせることができなかった」とコメントされていました。
10話のみどころと注目ポイント
瀬川が籬の手前に座って本を読んでいる姿や、花嫁道中の時に、地面に残された瀬川の高下駄の跡など、印象に残る美しい場面がたくさんありました。
瀬川と蔦重を繋ぐ「本」

忘八の親父さま方から依頼されて蔦重が制作した『青楼美人合姿鏡』。瀬川の身請け前の姿を本で見られるのは、これが最初で最後です。

↑の画像右端が瀬川、本を読んでいます。瀬川が読んでいるのは表紙が白っぽいので『女重宝記』でしょうか?塩売文太物語ではないですね。
蔦重が瀬川に『青楼美人合姿鏡』を届けに言ってしみじみと話す場面で、劇伴も環境音も流れない無音になった瞬間がありました。幼いころから一緒に過ごしてきた時間がここで真っ白になって、ここからは「本」と通じて、二人の夢が綴られていくだなぁと感じました。
瀬川と蔦重のやり取りが切なくて、明るいので、ご紹介させていただきます。
瀬川:ずるいよ…こんなふうに描かれると楽しかったことばかり思い出しちまうよ。
蔦重:俺は吉原を楽しいことばかりの場所にしようと思ってんだよ。
蔦重:お前も同じだったんじゃねえの? こりゃ、2人で見てた夢じゃねえの?
『べらぼう』10話より
瀬川が花嫁道中をして、吉原大門に立っている蔦重とすれ違う場面で、上の会話の続きが流れます。
蔦重:だから俺はこの夢から覚めるつもりは…毛筋ほどもねえよ!
瀬川:そりゃまあ、べらぼうだねぇ(目に一杯涙)
『べらぼう』10話より
瀬川の花嫁花魁道中が切なく、でも明るい!
鳥山検校に身請けされた瀬川が吉原を華々しく去っていく姿が丁寧に美しく描かれています。

10話は『青楼美人合姿鏡』の制作過程や、絵師が実際に絵を描いたりする様子がこれまでの回に比べると少なかったのですが、その分、瀬川と蔦重の万感の思いが凝縮されていました。
吉原大門から出ていく瀬川。すれ違う蔦重の顔はにっこりしていて「本を売る」蔦重の覚悟を感じました。瀬川の吉原に向けて「おさらばえ」と言ってお辞儀した姿に、名跡「五代目瀬川」の粋が宿っていました。

小芝さんが台本には蔦重と「目を合わす」とあっても、目を合わせられなかった点に、横浜流星さんと同じ「役を生きる」蔦重と瀬川の深い気持ちを感じました。同じ「夢」を追う、切っても切れない絆と縁はこれからも続くと確信します!
蔦重と瀬川は深く想い合いながらも、吉原の現実は高く分厚く、結ばることはありませんでした。鳥山検校のご内儀となった瀬川は、『塩売文太物語』と『青楼美人合姿鏡』の奥付けを見て蔦重を思い出すんだろうなぁと思います。↓は『青楼美人合姿鏡』の奥付けです。


タイトルの『蔦重栄華乃夢噺』が、ここから本格的に始まる予感がしますね。
『塩売文太物語』は誰も傷つかず、ハッピーエンドのお話↓。この筋ならよかったですね。
『青楼美人合姿鏡』蔦重の企画力と北尾重政、勝川春章の二大絵師!
10話では、勝川春章(前野朋哉さん)×北尾重政(橋本淳さん)×蔦重で『青楼美人合姿鏡』を制作します。
『青楼美人合姿鏡』は、安永5(1776)年、蔦重が企画・構成、作画は北尾重政と勝川春章の合作。四季折々の風物を楽しむ遊女の日常の姿が描かれた多色摺り、質の良い紙、格別豪華な造本で仕立てられました。

将軍への『吉原錦絵献上』という超絶ビッグプロジェクトなので、豪華多色摺りです。瀬川への結婚のはなむけとしても最高の一品です。蔦重の育ての親・駿河屋が50両をポンと出してました(貸付ですが)。
内容は、人気の花魁の日常生活を描いた内容で、花魁たちの「オン」の姿ではなく、お客のいない時間帯のくつろぐ女郎たちの「オフ」の様子を描きました。
3話『一目千本』で、クラファンで120人の女郎を描いた本を北尾重政に依頼した時に、「一色摺りで、120人もの女郎を描くと、みんな同じになって面白味がなくなる」から、「見立てはどうだい?」と北尾重政がアイディアを出していました。
今回の『青楼美人合姿鏡』は「多色摺り」で、女郎たちの「動きのある自然な姿」ということで、『一目千本』制作に至った、大勢の女郎を描く時の「課題」を全部裏返したらこうなった。という結果だと思いました。

蔦重の企画力と、北尾重政と勝川春章の絵の力。3人の発想力と遊び心が大当たり!です。
10話での蔦重と北尾重政と勝川春章の3人で歩いている姿は「面白いことを始めるぞ」というムードがいっぱいでした。
『青楼美人合姿鏡』は豪華版と通常分の2種類が刊行されたそうです。将軍に献上したり花魁がお客に配るのは豪華版。個人で購入するには求めやすい通常版と、ゆいところに手が届く販売戦略だったようです。
『青楼美人合姿鏡』は、姿だけじゃない!巻末には女郎たちの発句も
『青楼美人合姿鏡』の巻末には、姿が掲載された女郎たちが詠んだ発句が掲載されています。本を手に取った人が、好きな花魁の句に好きな句を続けて「推し活」を楽しむ趣向です。

「巻中諸君四時詠唫」の瀬川(左のページ三行目と四行目)の部分を抜粋します。
前書き:きのふこそとしは暮しかと詠る遠山のながめにも心かよひて
うくいすや 寝ぬ眼を覚ます 朝朗(あさぼらけ) 瀬川
『青楼美人合姿鏡』:国立国会図書館デジタルコレクションより
鳥山検校の元に身請けされて嫁ぐので、「心通いて」は、鳥山検校に向けて年の暮れ、すぐにでもあなたの元に嫁ぎたいわ。と「前置き」している印象を受けます。
そして、春の吉原の早朝、うぐいすが鳴いて夜が明けていく様子。いよいよ吉原を嫁ぐ日のことなのか、これまで何回も明けてきた吉原の朝のことともとれる、句を瀬川は詠んでいます。

ベタですが、下の句は「まだまだ見たい夢噺」と詠ませていただきます。
『青楼美人合姿鏡』には、他にも、生け花や三味線の稽古をしている姿。文を書いている姿なども美しく描かれています。当時の花魁たちの教養の高さが分かります。
花魁たちが勢ぞろい!
沿道に集まった瀬川の花嫁道中を観衆に向けて、蔦重が『青楼美人』をPRします。
志津山(東野絢香さん)、亀菊(大塚萌香さん)、勝山(平舘真生さん)、常盤木(椛島光さん)、
嬉野(染谷知里さん)、春風(青山美郷さん)ら、花魁・女郎が吉原大道に勢ぞろいしました。
3話で蔦重と北尾重政が初めてタッグを組んだ『一目千本』に登場した花魁たちです。個別にどんなうふに見立てられたのかは、3話キャスト徹底解説記事でご紹介しています。
10話に出てきた「江戸ことば」
10話では、『青楼美人合姿鏡』を田沼意次に献上する場面で、意次が蔦重のことを「ありがた山か?」と尋ねてからの、蔦重の江戸ことばの連打が痛快でした。

名刺代わりの「江戸ことば」でつかみはOK!田沼意次にしっかり蔦重の存在感を印象づけていました。
べらぼうめ(大文字屋が蔦重に)
ありがた山か?(田沼意次が蔦重のことを覚えていて)
かたじけ茄子、大当たりのこんこんちき、仰せのように油町(蔦重が田沼意次に向かって)
毛筋ほどもねぇ(蔦重が瀬川に、吉原を良くするという瀬川と2人で見ていた夢が覚めることは…)
そりゃ、まぁべらぼうだね(瀬川が蔦重に)
おさらばえ(江戸ことばではないですが、瀬川が吉原を去る時に)
10話も続く!平沢常富(尾美としのりさん)はどこ?

10話では、41分06秒に画面いっぱいに登場しました!それも、人物紹介の着物・羽織もの、襟巻だったので、とても分かりやすかったです。
蔦重が『青楼美人』には、今日ここにいる花魁たちも載っている。と売り込みの口上を言っている時に、桐菱屋の亀菊(大塚萌香さん)が、尾美さんに向かって、色っぽい視線を送ります。で、尾美さん=平沢常富が「俺のこと?」といやぁ参ったな~と首の後ろをかく仕草、嬉し気な表情をしていました。

10話も9話に続くボーナス出題です。デレっと楽しそうな尾美としのりさん=平沢常富はさすが「宝暦の色男」です。
「桐菱屋」亀菊(大塚萌香さん)は、3話の「一目千本」で、山葵(わさび)に見立てられた「ツン」とした感じの花魁ですが、平沢に視線を投げるということは、人を見る目があるのでしょう。
クレジットにお名前が出た2話からの「尾美としのりはどこ?」について、こちらで詳しくレポートしていますので、よろしければお読みください↓
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第10話のキャスト
忘八の親父様方に対抗する勢力が、西村屋と鶴屋を呼んでいたり、江戸城内でも種姫が将軍の養女になる話が持ち上がるなど、次回以降、一波乱起きそうな種がいっぱい撒かれていました。
第10話の全キャスト一覧(役名のある人) |
蔦屋重三郎:横浜流星 平賀源内:安田顕 瀬川:小芝風花 田沼意知:宮沢氷魚 知保の方:高梨臨 うつせみ(回想):小野花梨 徳川家基:奥智哉 田安賢丸:寺田 心 松の井:久保田紗友 とよしま:珠城りょう まさ:山下容莉枝 勝川春章:前野朋哉 朝顔(回想):愛希れいか 留四郎:水沢林太郎 小泉忠五郎:芹澤興人 名見崎徳治:中野英樹 八五郎:阿部亮平 熊吉:山根和馬 丁子屋長十郎:島英臣 志津山:東野絢香 亀菊:大塚萌香 勝山:平舘真生 常盤木:椛島光 嬉野:染谷知里 春風:青山美郷 種姫:小田愛結 はなぞの:平尾菜々花 はなさと:齋藤さくら さくら:金子莉彩 あやめ:吉田帆乃華 長崎屋小平治:千葉清次郎 桐屋伊助:キンタカオ 伊勢屋九平治:会田泰弘 玉屋庄兵衛:岡山和之 万字屋半四郎:岡けんじ 泉屋与市:車邦秀 井筒屋孫兵衛:佐藤政之 山口巴半助:真木仁 鳥山検校:市原隼人 次郎兵衛:中村蒼 若木屋与八:本宮泰風 松葉屋半左衛門:正名僕蔵 大文字屋市兵衛:伊藤淳史 扇屋宇右衛門:山路和弘 りつ:安達祐実 いね:水野美紀 ふじ:飯島直子 北尾重政:橋本淳 平沢常富:尾美としのり 鶴屋喜右衛門:風間俊介 西村屋与八:西村まさ彦 高岳:冨永愛 宝蓮院:花總まり 徳川家治:眞島秀和 松平武元:石坂浩二 三浦庄司:原田泰造 鱗形屋孫兵衛:片岡愛之助 駿河屋市右衛門:高橋克実 須原屋市兵衛:里見浩太朗 田沼意次:渡辺謙 語り(九郎助稲荷):綾瀬はるか |
『べらぼう』10話のキャスト徹底解説はこちらで詳しくお届けしています↓
第10話の制作陣
脚本 | 森下佳子 |
音楽 | ジョン・グラム |
テーマ音楽指揮 | 下野竜也 |
演出 | 大原拓 |
『べらぼう』1週間の放送予定は?
日曜日 | おひる12時15分~13時 | BSプレミアム4K |
日曜日 | ゆうがた6時~6時45分 | BS |
日曜日 | よる8時~8時45分 | NHK総合 |
次の土曜(日曜日の再放送) | おひる1時05分~1時50分 | NHK総合 |
※地上波放送のNHK総合よりも、NHK BSプレミアム4K、NHK BSの方が早く放送されます。※放送日時は変更される場合があります。
また、NHKの受信契約をしている方はNHK+(プラス)で放送後の番組を7日間視聴できます。
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まとめ
大河ドラマ『べらぼう』第10話は、”『青楼美人』の見る夢は”。華々しい瀬川の最後の花魁道中。そして花魁たちの普段を描いた『青楼美人合姿鏡(せいろうびじん あわせすがたかがみ)』が刊行されました。
・瀬川の身請けが決まり落ち込む蔦重
・最後の花魁道中に併せて錦絵を制作することに
・意次は、家治から種姫を養女にすると告げられる
『べらぼう』ネタバレあらすじまとめはこちらから↓
『べらぼう』のキャスト一覧はこちらから
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『べらぼう』大河ドラマガイド・前編はこちらから↓
前半のあらすじや、豪華な出演者インタビューなど盛りだくさんの内容です。
NHK大河ドラマ 歴史ハンドブック べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~: 蔦屋重三郎とその時代 (NHKシリーズ) はハンディタイプで、ゆかりの地めぐりのおともにピッタリです↓
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