2025年のNHK大河ドラマ『べらぼう』は、江戸中期を舞台に、江戸のメディア王と言われた「蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう)」の生きざまを描く注目の作品です。主人公の蔦屋重三郎を演じるのは大河ドラマ初出演・初主演の横浜流星さんです。
タイトルの「べらぼう」という言葉には、江戸文化の本質が凝縮されているということが実感できます。
この記事では、「べらぼう」の語源や文化的背景、大河ドラマ『べらぼう』の魅力を掘り下げます。
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「べらぼう」の語源とその変遷
「べらぼう」は、江戸時代から使われている言葉で、「常識外れ」「桁外れな」という意味を持ちます。その語源にはいくつかの説があります。
- 芸人「便乱坊(べらんぼう)」説
江戸時代に見世物小屋で人気を博した奇人「便乱坊(べらんぼう)」に由来するという説です。滑稽な芸を披露する彼の姿が、のちに「普通ではない者」を指す言葉へと転じたとされています。 - 「箆棒(へらぼう)」説
穀物を潰す道具「箆棒」から派生し、「穀潰し(ごくつぶし)」という意味で使われていた説です。これは、働かずに遊び暮らす者を軽蔑する言葉としての起源を持つといわれています。 - 「べらんめえ」への影響
「べらんぼう」が変化して「べらんめえ」となり、江戸っ子特有の威勢の良い言葉として現在まで残っています。
教育出版の『江戸ことば・東京ことば』や東京堂出版の『江戸語辞典』で「べらぼう」について↑のように説明されていました。図書館で閲覧できますので、ご興味ありましたらぜひどうぞ。
大河ドラマ『べらぼう』に込められた思い
大河ドラマ『べらぼう』藤並英樹チーフ・プロデューサーが、「べらぼう」というタイトルについて次のように語られています。
“べらぼう”とは、そもそも「たわけ者」「バカ者」という意味でした。それが時を経て、「甚だしい」「桁外れな」という「普通を超える」さまを表す言葉に変化。江戸の言葉の「べらんめえ」の語源ともいわれています。
『べらぼう』番組公式ホームページより
その周囲には常識外れにしか見えない発想・行動から、蔦屋重三郎はきっと「べらぼう奴(め)!」と罵られていたことでしょう。しかしその扱いは時代の寵児へと変わっていきます。そんな重三郎に親しみと尊敬を込めた言葉として「べらぼう」と名付けました。
蔦屋重三郎は、江戸文化を象徴する出版事業で成功を収める一方、寛政の改革による厳しい取締りを受けながらも、人々に「楽しさ」を届けることに挑み続けます。その姿勢はまさに「べらぼう」の精神そのものです。
蔦重の生涯と新しい大河ドラマについては、こちらの記事もどうぞ↓
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主演・横浜流星さんの挑戦
蔦屋重三郎を演じる横浜流星さんは「蔦重を生きる」という姿勢で、役作りに対して真摯に取り組んでおられます。町人髷や着物姿で軽快に動き回る彼の姿は、江戸時代の町人の活気を感じさせます。
横浜流星さんが、特に難しかったのは江戸言葉と地口(だじゃれ)だと語っています。
映像作品として時代劇に出演するのは、今回が初めて。所作が本当に難しくて苦戦しています。言葉も難しい。いわゆる江戸ことば「べらんめぇ口調」ですが、コテコテではないもののふだん使っている言葉ではないので、イントネーションや間合い、声のトーンとか、専門家の方の指導を受けながら、蔦重のキャラクターとして違和感がないよう、しっかりと落とし込んでいます。
『べらぼう』番組公式ホームページより
第1回のサブタイトル「ありがた山の寒がらす」も地口です。「ありがた山」は「ありがたい」に「山」をつけたもので、「寒がらす」は山にいそうな鳥の名前なら何をつけてもいい遊び心が詰まった表現です。
「べらぼう」に象徴される蔦屋重三郎の生き方
横浜流星さんは「べらぼう」という言葉について次のように語っています。
蔦重の生き方そのものだと感じます。彼は安牌に生きるのではなく、枠に囚われない生き方を選びました。人々に『楽しい』を届けるために、常識にとらわれず新しい挑戦を続ける。その姿勢が『べらぼう』の言葉に表れていると思います。
2025年1月5日Yahoo記事より
とにかく明るく!と指示が出ているそうで、朝があまり強くない横浜流星さんは必死で頑張られているようです。市右衛門役の高橋克実さんのコメント「遅い時間になってもバテずに元気いっぱいの流星くんを見て元気をもらう」から活気あふれる現場が想像できます。
江戸文化の再発見
『べらぼう』は、江戸時代の活気や文化を鮮やかに描く作品です。「べらぼうめ!」という威勢の良い掛け声には、江戸っ子の心意気と型破りな生きざまが詰まっています。『べらぼう』を通じて、江戸文化やその精神に触れることができるのは、大河ドラマならではの醍醐味です。
甲冑を身に着けての合戦がない大河ドラマですが、蔦重が「商い」で江戸時代を戦い抜く姿は、新しい大河ドラマのジャンルを築いてくれると期待しています!
2025年の大河ドラマ『べらぼう』。その物語と共に、「べらぼう」という言葉の奥深さも感じ取ってみてはいかがでしょうか?
まとめ
この記事では、「べらぼう」の語源や文化的背景、大河ドラマ『べらぼう』の魅力をお届けしました。
今年は『べらぼう』の放送に合わせて、各地で浮世絵の展覧会や江戸時代に関係する催し物が目白押しです。『べらぼう』を楽しみながら、江戸時代を手に取り、肌で感じてみたいですね。
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