大河ドラマ『鎌倉殿の13人』33話は、二代将軍・頼家が修善寺に送られ、鎌倉では時政が権力をかさにふるい始めます。傷心の頼家と、人の心に目覚めた善児の運命はどうなるのか。そして、義時の葛藤や救いを求める気持ちが垣間見えます。和歌を好んだ実朝、実の母の政子と乳母である実衣の存在感も気になる展開です。
33話あらすじ(ネタバレ注意)
鎌倉では政子(小池栄子)の次男・源実朝(嶺岸煌桜)を鎌倉殿とする新体制が始まり、北条時政(坂東彌十郎)が執権別当に就任。時政を裏で支えるりく(宮沢りえ)は実朝の正室を京から迎えることを進言し、娘婿である平賀朝雅(山中崇)を通じて後鳥羽上皇(尾上松也)に願い出る。しかし、御家人たちは派手に権力をふるう北条を敬遠。三浦義村(山本耕史)の忠告に義時(小栗旬)も苦笑する。一方、失意の源頼家(金子大地)は……
引用:https://www.nhk.or.jp/kamakura13/story/33.html
実朝(嶺岸煌桜)
ここで、後継者をおさらいします。
名前 | 生まれ年 | 後の | 親 | 乳母(夫) |
千幡 | 1192年 | 実朝 | 源頼朝×北条政子 | 実衣 |
一幡 | 1198年 | ーー | 源頼家×側室せつ | 比企能員 |
善哉 | 1200年 | 公暁 | 源頼家×正室つつじ | 三浦義村 |
一幡は今回、亡くなったことが確認されましたので、実朝(千幡)と善哉になりました。 実朝(嶺岸煌桜)は1192年生まれ、1203年に鎌倉殿に着任時点で11歳です。母・政子(小池栄子)から、祖父・義朝のどくろ(本当は誰のかわかりません)を渡され「鎌倉殿」の心構えを教えらました。 どくろに向かって挙兵を誓った頼朝(大泉洋)姿は3話の最後のシーンです。何とも言えずシュールな絵でしたが、伊豆の片田舎で頼朝と北条家が仲良く過ごしていた明るくポップな頃でした。
頼家(金子大地)
失意の底にいる頼家は、自分の事を忘れさせないように鎌倉に文を送りますが、その内容がよろしくない。ケンカ売り過ぎです。頼家討伐の命を知って、泰時が「生きてさえいれば、また道も開けます」と頼家に逃げるように勧めましたが、「座して死を待つつもりはない」と、散り際を早める行動に走ります。頼家が本来持っている一途で真面目な性格が視野を狭め、実の母でさえも拒絶してしまうようになります。やりきれないです。余談ですが、頼家の好物は「干しアワビ」なんですね。32話で頼家が息子の一幡は「干し柿」が好物だと言っていました。山海の珍味を味わえる豊かな食生活だったことが伺えます。
善児(梶原善)
一幡との出会いによって、人の心に目覚めてしまった善児。そうなると『鎌倉殿の13人』では退場が迫ってくることを意味し、ハラハラしていました。何話で退場するのか、誰によって。が気になります。「反響を見ながら善児を育てていった」と話されていたことからも、善児は架空の人物設定なので、三谷さん次第でどんな風にでも変化していきます。「善児」というネーミングも、演じている梶原善さんの「善」からのなのか、善児という役の生涯を表しているからなのか、謎のままです。
宗時の布袋は目につくところに置いていた。トウになら本望。一幡という文字に止まった。と、物言わぬ殺し屋・善児にも人間らしい散り際が準備されていて、悲しさの中に少しだけ安堵感がありました。
善児を演じている梶原善さんは1966年2月25日生まれ。テレビ画面で梶原善さんを見ない日はないくらい、いろんな番組に出演されています。三谷幸喜さん作品では常連です。
1話の「善児と一緒に川遊びをしましょう」は忘れられない言葉です。
1話のあらすじhttps://dramani-hoheto.com/kamakuradono-e1/
善児に殺された人は、千鶴丸、工藤茂光、北条宗時、江間次郎、伊東祐親、伊東祐清、藤原頼衡、源頼家です。暗殺者・善児の果たした役割の大きさを実感しました。
詳しくは、退場者一覧をどうぞ
義時(小栗旬)
政所別当となって実質トップに立った父・時政の横暴ぶりに(絶対りくの差し金ですが)、困惑している義時です。本来の義時の思いとは違う他者のせいで闇へ落ちていくしか道がないことに苦しんでいます。 善児の家で、亡き兄・宗時の布袋を見つけ、全てを悟った時の義時の「わたしに善児が責められようか(いや責めることなどできぬ)」という言葉、辛すぎます。
また、頼家討伐に反発する息子・泰時を、心の底では支持している姿と、15年ぶりに会った運慶も義時の顔を見て「悪い顔だが、まだ救いはある。おのれの生き方に迷いがある。」と言うシーンで、義時が少しだけ救われたかなと思いました。義時が実際やっていることはダークサイド一辺倒ですが、心の中では悩み苦しんでいるんだと語りかけてくるようで、見ている私たちも救われます。
実朝を取り巻く人々
源仲章(生田斗真)が初登場し、京から鎌倉に下って実朝に深く関わっていくことになります。三善康信(小林隆)さんの和歌の伝授も「タタタタタ タタタタタタタ」と楽しそうでしたが、乳母の実衣に阻止されて、源仲章(生田斗真)が担当することになりそうです。後に藤原定家に師事を受ける源実朝は歌人としてたくさんの和歌を後世に残しています。
『小倉百人一首』
引用:「新勅撰集」より鎌倉右大臣こと源実朝
世の中は つねにもがもな なぎさこぐ あまの小舟の 綱手かなしも
まとめ
33話では、頼家と善児が散り、トウがどんな思いで生きてきたのかも明らかになりました。
『鎌倉殿の13人』後半は、良い人になると退場が近くなるという展開が続いています。重苦しいストーリーの中にも、三善康信が実朝に和歌を教えようとする場面と、時房が義時に「ぼくはどんな存在ですか?」義時「考えたこともなかった」というやりとりには、クスっと笑えました。義時の心の葛藤に焦点があてられ、希望の星である泰時とよき補佐役になりそうな時房に次の世代を託したくなります。和歌を好んだ実朝、実の母の政子と乳母である実衣の存在感も気になる展開です。
回を追うごとに、色々な布石が置かれていることに気づく『鎌倉殿の13人』
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