8月21日(日)午後『鎌倉殿の13人』で畠山重忠を演じる中川大志さんと、足立遠元を演じる大野泰広さんが、KAAT神奈川でスペシャルトークショーに出演されました。幸運にも倍率10倍の観覧者に当選しましたので、当日の様子をお届けします。惜しくも当選されなかった9割の方に、少しでも当日の様子がお伝えできれば幸いです。
当日の模様はメモ用紙の殴り書きと頼りない記憶をもとにしました。自分でも解読不可能な箇所は割愛しております。できる限り聞いたままの言葉で、聞いたままの順番で書かせていただきましたので、不自然な点があることをお許しください。
会場のKAAT神奈川は、横浜・山下公園のすぐ近く、マリンタワーや中華街も徒歩数分の、これぞ横浜!な場所です。
横浜でのトークイベントにお二人が登壇されたのは、畠山重忠の終焉の地が横浜市旭区だったのと、(ドラマでは描かれていませんが)安達遠元は娘を畠山重忠に嫁がせ、舅・婿というご縁からだそうです。中川さんと大野さんは三谷幸喜さんの『真田丸』でも共演していただけあり、息の合ったトークをされていました。
畠山重忠終焉の地・横浜市旭区
お二人が舞台に登場する前に、横浜市旭区のマスコットキャラクター「あさひちゃん」が、畠山重忠ゆかりの「首洗い井戸」や「首塚」「逆さ矢竹」、重忠の妻が自害した「籠塚」、一族郎党が祭られた薬王寺の六ツ塚など、区内の旧跡を紹介してくれました。
私は横浜市民で、旭区のズーラシアにはよく訪れるものの、相鉄本線・鶴ヶ峰駅で下車したことがなかったので、行ってみたいと思いました。
いよいよ登場
中川大志さんはグレーのダブルのスーツに中は黒の柄シャツ。大野さんは紺のシャツに黒のズボン、白のスニーカーでした。司会進行はNHK坂本有花アナウンサー。アクリル板を挟んで、坂本アナ、センターに中川さん、大野さんでした。坂本アナはもちろん『鎌倉殿の13人』を欠かさず見ているようで、時々マニアックな質問をされていました。
横浜にはよく来られますか?
中川大志さんは、ゆずのファンということもあり、ゆずの地元や、家族と一緒に中華街やコスモワールドも行った。とのことで、すかさず大野さんが、「タンバリン持ってゆず聞きながらドライブしたりしたの?」とつっこむと、中川さんも「自転車でゆっくりゆっくりですかね」と、ゆずトークされていました。
『鎌倉殿の13人』スペシャルトーク全貌
畠山重忠、安達遠元という人物について
畠山重忠、安達遠元という人物について、撮影前から知っていましたか?
お二人とも名前は聞いたことがある程度で、教科書にも出てこない人物なので、そこからお墓参りに行ったり、撮影の前には「演じさせていただきます。よろしくお願いいたします」とご挨拶に行ったとのことです。中川さんも大野さんも「武蔵から鎌倉に、はせ参じた」とか、実際の距離感を知っているのと知らないのとでは違うので、車ですけど、移動した道筋をたどった。とのことです。
今回、大野さんが横浜市・旭区に、娘(畠山重忠の妻)が祭られた「籠塚」や、重忠終焉の地にお参りした写真が紹介されました。畠山重忠の地元は埼玉県・深谷で、横浜市旭区は終焉の地というだけ、それも800年も前のことなのに、地元の方々がずっときれいにして下って、愛され続ける重忠に驚いたとのことです。
中川さんが、トークショーをすると終わり間際という印象がありますが、史実が変わるかもしれません。大河ドラマでは散り際が一番の見せ場です、和田義盛とも1話から一緒で、いがみ合いつつ、一番分かりあっている仲。ライバルでありながらよき友とのことでした。
石橋山の戦いの撮影は去年夏、気温が40℃の時で、馬の背中は暑いんですよ。と。
ですが、畠山重忠の地元・深谷は、馬の産地ということもあり、馬を道具ではなく相棒として大事に考え、けがを負った馬を背負ったという逸話もあるほど、馬に愛情を持っている武将だとのことでした。
撮影準備・稽古は?
中川さんは、義経チームの右腕として活躍されました。戦で先陣を切るので、刀、ナタ、弓、馬術など、畠山の戦い方と所作の稽古をしたそうです。
足立遠元は文武両道ということで、 大野さんは、戦いのシーンもあるのかなと思っていたら、衣装合わせの時、スタッフの方が衣装・装束・鎧を準備してくださっていたのが、「鎧いりませーん」とのことで、まぼろしの鎧となったそうです。しいて稽古といえば、すり足や、大姫のためにトンボをとる練習(冗談)ですかねーと場を和ませていました。
見栄え(畠山重忠)
最初のころは注目されていなかった「見栄え」というキーワード。鎌倉入りするシーンで、頼朝が上総広常ではなく、畠山に先頭を行かせたあたりから、みんながいじるようになってきて、山本耕史さん演じる三浦義村が「表にでてくるな。見栄えが」畠山「そうですが、やはり見栄えが」あたりから、前半ではスキのない堅物・畠山だったのが、いじってもらえるような人間らしいキャラになってきたなと思いました。
中川さん本人のアイディアで、29回からヒゲをつけ始めたんですが、小栗旬さんと山本耕史さんから「フレディー・マーキュリーにしか見えない」と言われ、山本さんには「お疲れさマーキューリー」と。中川さんも映画「ボヘミアン・ラプソディー」を見たそうで、大野さんに「そっち?」と突っ込まれていました。
和田義盛は回を追うごとにヒゲや胸毛などが、濃くなっていて、メイクは我々より一時間早く入り、メイクオフにも我々より一時間多くかかる。とこのとで、中川さんがメイク室に行って、椅子や机回りに毛がいっぱい落ちていたら「あー和田さんが座っていたんだな」と思うと。
ここで山本耕史さんからのビデオメッセージが映し出されました。
中川さんがこの言葉を受けて「タンクトップ着ているかもしれません」
できる男(足立遠元)
※足立遠元が登場する最初のシーンは、10話で政子に謁見の人々を取り次ぐ役で、最後に「で、あなた誰?」と聞かれた場面です。実衣が「あの人が一番怪しい」と言ってました。
大野さんによると、歴史上の足立遠元は、父の代から京と武蔵を足掛かりに、人脈と情報網を駆使した優れた人物だったようだと、13人の宿老に選ばれた時、足立遠元は年齢70歳だったそうで「とりあえず、わからなかったら足立に聞きに行こう」みたいな相談相手だったのではと思うとのことです。史実では娘を比企と畠山に嫁がせていることからも「できる男」だったとのことです。
『鎌倉殿の13人』の原作だと三谷さんも言っている『吾妻鏡』にも、1207年を最後に足立遠元の記述はないそうで、その2年後には息子が書かれているそうです。史実の間の事柄をふわっと創作できるところが足立の魅力。とのことです。
中川大志さんが語った撮影秘話
比企の館に攻め入るシーン
和田義盛は泥臭くバッタバッタと切り倒していくのに対して、畠山重忠は秒で3人切り倒す、それも放送で畠山だけスローモーションでした。2人の対比をよく表しているシーンで、和田役の横田さんは「畠山だけスローでなんだよー」と言っていたとか。
13人の宿老に入るのを断るシーンでも、いろんな力ややっかみがあるところに、わたしは入りません、損得ではなく、守るものは守る。という畠山の人物像がよく表れていると思います。
上総広常の最期
御所で皆の見せしめとして斬られるシーンの日は、小栗旬さんが朝から苦しそうで、スタジオの雰囲気も重かったです。上総広常は豪快でチャーミング、文筆の稽古をしていたことが分かった時には切なかったです。
源義経(菅田将暉)
共演シーンが多く、畠山は、アクセルしかない義経のブレーキになり、一緒に壮絶な戦いを戦い抜きました。タイプは違いますが、義経に憧れみたいなものは抱いていて、義経のハートに従う姿をリスペクトしていたと思います。
壇ノ浦のシーンで、義経が船の漕ぎ手を弓で打てといったときに「末代までの恥になります」と言ったのは、畠山らしいセリフだったなと思います。
梶原景時(中村獅童)
ちょっと通じる部分がありました。輪から離れて距離を置かれるところ、そもそも敵陣から頼朝に寝返って、頼朝に捨てられたところはシンパシーを感じました。散り方も武士道を極められていた。
あの人が生きていたら、ここでなんて言ってたかなーと思います。
全成(新納 慎也)
髪の毛がある状態で現場に来られるとドキッとしました。カットされたシーンなのですが、全成を畠山が見送るシーンがありました。大河ドラマ『真田丸』からの思いもあって、胸アツなシーンでした。
後から新納さんと「カットされてるー」と(笑)
お二人にとって印象的なシーンは?
うーん、と二人とも考え込む。大野「来週でいいですかー?」
自分が出てるのに、オンエアを見てドキドキするシーンもいっぱいあって…。
大野「大姫のためにトンボを捕まるシーンかな。」
中川さん「頼朝が落馬した後、その経緯経過を御家人に説明したのが足立遠元だったのですが、和田や土肥が120%の圧で足立に迫っていったのを、止めに入ったのが畠山でした。」
大野さん「そういうに守られているから、娘を嫁がせたんだね」
中川さん「静御前が頼朝の前で舞うシーンで義村に「音曲をあなどるな!」と言ったシーン。
の割には「おまえ、担当それ?」という展開でした。」
中川さん「三谷幸喜さんの台本は、笑いじゃないシーンが変わっていったり、軽いシーンが重厚なシーンになったり、台本のイメージからの可能性がすごくある。」
大野「史実にない部分のバランスがよくて、三谷ワールドじゃないとやりきれないですよね。
月曜日は毎回休んじゃいたくなる。」
今度、大河ドラマでどんな役をしたい?
中川大志さんは「伊能忠敬に興味があります」大野さん「伊能忠敬の横にいて地図記号とか考える役」
大野さんは、「第2次世界大戦前後の、喜劇役者・エノケンさんを演じてみたい。」
撮影中のハプニングは?
いつもハプニングですけど、
ご飯を食べるシーンで串刺しの肉が出て、きっとあの時代だと鹿かイノシシだと思うのですけど(多分牛肉とかで)忠実に再現されているのですが、化石みたいに硬くて口の中で血が出てセリフが言えなかったことがあります。再現性が高くて汁物も薄くてー(笑)
大野「板の間に座る所作や手を使わずににじり寄る所作など、足がしびれたことがあります」
最後に
中川さんがこう締めくくっていました。
「史実が動いていく間が予測不可能です。言えないことがたくさんありますが、平和で明るいポップな北条ファミリーから義時、時政、りくのパワーゲームになっていきます。僕は畠山重忠を演じられてよかったです。たくさん愛していただいて、反響が育てていただいて、今後もすごいことになると思います。どうぞ、『鎌倉殿の13人』を最後まで見届けて下さい。」
大野「婿殿、これだけ愛されて、最後は華々しく散っておくれ。
中川「ははぁー」
まとめ
イベントが終わって舞台の袖に退場される時も、中川さんは振り返り、最後にもう一度両手を振って深々とお辞儀されました。イケメンで礼儀正しく、好感度しかないです。大野さんは先に退場される位置でしたので、中川さんに花を持たせられたと思います。お二人の会話の回しが軽快で、あっという間の1時間半でした。お二人の言葉の端々から、出演されているすべての俳優さんやスタッフ関係者の方に対する尊敬の念が伝わってきました。
「このまま残って夜8時からの『鎌倉殿の13人』の放送をパブリックビューングしたいですね。」と中川さんが言うほど、観覧に来ていた方々も反応よく、感じのよいイベントでした。
とにかく、中川大志さんが24歳という事実が驚きで、大野さんも「中川くんの中に40歳くらいの中の人がいる感じがします。」とその落ち着きや思慮深さを称えていました。義時(小栗旬)さんの息子・泰時役の坂口健太郎さんが30歳と考えると、中川大志さん、頑張っておられるなーと改めて思いました。大野さんのトークも温かいユーモアにあふれていて、お人柄がよく出ていました。
今回のスペシャルトークを観覧出来て本当によかったです。惜しくも当選されなかった方や、鎌倉殿ファン、中川さん大野さんファンの皆さまに、少しでも当日の様子がお伝えできれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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