9月7日放送の大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』34話「ありがた山とかたじけ茄子(なすび)」は、松平定信が老中首座となり、質素倹約と統制の世が始まる転換点でした。
田沼時代の華やかさから一転、「見せしめ」として蔦重が慣れ親しんだ人たちが罰せられていきます、そこでひるまず「書をもって抗う」と宣言する蔦重の姿は胸アツ。
「明鏡止水」と言いながらていが眼鏡を外すシーン、南畝の断筆宣言、そして意次との「ありがた山」「かたじけ茄子」の場面など、見どころがいっぱいの回でした。
本記事では、「べらぼう」34話の徹底レビュー&感想をわかりやすくご紹介します。
見逃してしまった方や、もう一度じっくり振り返りたい方にもおすすめです。
>>こちらの記事で『べらぼう』のあらすじネタバレを全話紹介 しています。
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第34話のあらすじ

松平定信の台頭と田沼意次の失脚
新之助の死の余波が残る中、蔦重は三浦(原田泰造さん)から事件の真相を耳にしますが、犯人は見つからず憤りを募らせます。幕府ではついに田沼意次が失脚し、松平定信が老中首座に就任。
読売には「吉宗公の孫→生まれ変わり」「熊をも倒した柔術の達人」といった逸話が並び、世論は定信を熱烈に歓迎します。
実は、定信が隠密を使って市井の声を収集し、自らを「世直し」として宣伝。田沼政治を強烈に批判し、徹底的な質素倹約へと180度の方向転換をはかりました。
ていと蔦重の言い合い
世間から「田沼贔屓」として白い目を向けられても、蔦重はあえて豪華な出版計画を進めます。これに真っ向から異を唱えたのが妻のていでした。
「至極真っ当なこと」と定信の倹約令に賛同するていは、「働くな死ぬまで遊べでは世は成り立ちませぬ」と蔦重に厳しく告げます。対して蔦重は「死ぬまで遊べ」と返し、二人は久々の本気の夫婦喧嘩に。ていが眼鏡を外して「明鏡止水」と、蔦重を射抜くように見据えるシーンは、大迫力でした。
その心は、自分がお店を潰したことがあるので、夫の蔦重にも自分の思いだけを通すのではなく、落ち着いてお店を守ることを考えて欲しいという、ていの願いがありました。
田沼意次との最後の対面
蔦重は意を決して田沼意次の屋敷を訪れます。
「田沼様が作った世が好きだった。だからこそ、今の世に抗い、最後の一派として風を守りたい」
そう頭を下げる蔦重に、意次は「好きにするがいい。我が心のままじゃ」と返答。
「ありがた山でございます」「こちらこそ、かたじけ茄子」と言葉を交わし、互いの思いを確かめ合います。これが二人の最後の対面となります。

意次を演じる渡辺謙さんは阪神タイガースファンとしても有名。渡辺さんのラストシーンとなったこの日に阪神がリーグ優勝を決めました。最高のはなむけですね。
戯作者を再び集め、「書で抗う」決意
田沼派が次々と粛清される中、蔦重は戯作者・絵師の皆さんを集めます。筆を折ると言った南畝も同席する中で、蔦重は「贅を尽くしたもんを作りてえんです」と熱弁。「書をもって抗う」と宣言し、黄表紙や狂歌絵本『画本虫ゑらみ』など豪華な出版を断行しました。
時代の逆風に立ち向かう彼らの姿は、文化の灯を絶やさぬ覚悟そのものでした。
こういう時の蔦重の熱弁は、人の心を動かします。
34話「ありがた山とかたじけ茄子」の感想と徹底レビュー!

松平定信の真の姿は?一言で言い表せない複雑さ
放送前に見た『歴史探偵×べらぼうコラボ』の影響もあり、34話だけを切り取ると「情報操作」「処罰強化」で狡猾に映る一方、定信を単純な「悪」と決めつけにくい後味が残りました。
『歴史探偵』で見た、定信の地元・白河の団子(皆で分け合えるよう定信が小さく作らせたという逸話)を思い出すと、彼の「倹約」は自己演出と理想が混在する複層体。
SNSでも「やり手に見えて手段がセコい」「現代ならエゴサ常習」と賛否が割れました。

『歴史探偵』では、自分と光源氏の境遇を重ねて(天皇=将軍になれる可能性があったのになれなかった)、『源氏物語』に心酔していたという史実があり、ものすごい文学青年という像が私の中で出来上がりました。
※エゴサ:「ego(自我)」と「search(検索)」を組み合わせた造語で、エゴサーチの略。自分が周りからどのような評価をされているか確認するために行う行為のこと。
夫婦喧嘩は“生活の論理”vs.“文化の矜持”
ていの「働かず死ぬまで遊べ。では、世は成り立ちませぬ」と蔦重の「死ぬまで遊べ」。お互い極端です。
黒ブチの眼鏡を外して「明鏡止水」蔦重を射抜くていの間合いと、蔦重の「なんで眼鏡外すんだよ」という江戸っ子ツッコミの妙で険悪な夫婦喧嘩のはずが笑いを誘います。
日本橋の大店の主としての現実感と、文化で時代に抗う「出版人」としての誇りがぶつかり、夫婦の関係が対立→対話へと進化しているのが見えました。
終盤、ていが「屁」の踊りの輪に真顔で入る場面が、根源で結ばれているていと蔦重の信頼関係を物語っていました。ていさんの真顔、大好きです。
田沼政治ドリームの美点と言葉の火力
蔦重の語りは今回も名調子でした。
「皆が欲まみれで、いいかげんで」「だからこそ、分を超えて親しみ、心のままに生きられるすき間があった」と、田沼ドリームの核心を、蔦重の言葉で圧縮する巧さ。地口はいつも通り切れ味抜群でした。
- 「ひとのふんどしで相撲取ったふんどし野郎」→松平定信のこと
- 「一生ふんどしが取れねえ病にかかっちまえ」→小さい頃からのこの悪口、実は黄表紙風。

蔦重の毒舌も笑いのセンスも天下一品の江戸の粋。横浜流星さんの小気味よいセリフ回しは毎回聞いていて本当に心地よいです。
三浦庄司(原田泰造さん)が語るもの
ここ数話、原田泰造さん演じる三浦がスパークしています。蔦重が見送る中、田沼の背後を歩く三浦のウォーキングは、コントのリズムでありつつ、田沼政治の余韻が漂っていました。
緊迫する政治劇、意知(宮沢氷魚さん)の死など、さまざまな苦難を三浦は意次の側近として、共に乗り越えてきたんだなぁとしみじみ思いました。
「ありがた山」「かたじけ茄子」成り上がり者同士の絆
意次が退場する前に蔦重との対面シーンが用意されていて、感慨深かったです。
蔦重:ありがた山の寒ガラスにございます!
意次:(蔦重の手を取って)こちらこそ、かたじけ茄子だ。
『べらぼう』34話より
「成り上がり者同士」で、ここまで駆け抜けたお二人。戯作で意次のことを貶めるかも。いやきっと貶めます。と言った蔦重に、「好きにするがいい。我が心のままじゃ」という意次の一言で、蔦重は「反骨エネルギー」を正式に受け取りました。
文化人たちに忍び寄る重い影。それでも「書で抗う」
定信の統制で、幕臣である太田南畝は断筆を決め、恋川春町・朋誠堂喜三二らも腹に石を抱えます。そんな空気を承知の上で、蔦重は「贅を尽くしたもんを作りてえんです」と再結集を呼びかけます。
そうして翌天明八年の正月に出版されたのは、
①朋誠堂喜三二『文武二道万石通』(ぶんぶにどうまんごくどおし)
②恋川春町『悦贔屓蝦夷押領(よろこんぶひいきのえぞおし)』
③山東京伝『時代世話二挺鼓(じだいせわにちょうつづみ)』
④狂歌絵本『画本虫撰(えほんむしえらみ)』喜多川歌麿・画 でした。
「うがつ」「豪華」という切り口で、時代の風向きに正面から立ち向かう出版ラインナップ。次回予告の“定信が褒めてしまう皮肉”は、言論と権力のズレを描く見事な伏線でした。
鳥山石燕(片岡鶴太郎さん)の一言が示す、創作の芯

蔦重が、歌麿の『画本虫ゑらみ』の序文を石燕に頼むくだりでの石燕のセリフ
石燕:硯の魂に相談してみんとなぁ。
『べらぼう』34話より
という一言。美しいセリフだなぁと思いました。「検閲」とか「世論」ではなく、自分の硯と向き合う石燕、歌麿は素晴らしい師匠についてよかったです。
狂歌が放つ反骨のユーモア
『世の中に 蚊ほどうるさきものはなし ぶんぶといふて 夜も寝られず』詠み人知らず。
「文武」を「ぶんぶ(蚊の羽音)」に掛ける言葉遊びが痛快すね。南畝の
『毛をふいて…君があたりにはひかかりなば』
の刺すような皮肉も含め、言葉が刃であり、笑いが盾であることを思い出させてくれます。
34話に登場した、印象に残った言葉・地口まとめ
地口や面白い表現
・ひとのふんどして相撲取ったふんどし野郎じゃねえか(蔦重が定信のことを)
・江戸っ子には三日法度か(元木網が)
・一生ふんどしが取れねえ病にかかっちまえってんだ(蔦重お得意の毒舌。小さい時からこの手の毒舌量産)
・ありがた山の寒がらすにございます(蔦重が意次に)
・こちらこそ かたじけ茄子だ(意次が蔦重に)
・楽しみにしているぞ ありがた山(意次が蔦重に)
・みなさまありがた山にございます(蔦重が集まった戯作者・絵師の皆さんに)
・ふんどしの守(蔦重が松代定信のことを)
・うちの商いは上がったりやのカンカン坊主(蔦重が)
・どうだろう、まぁ(朋誠堂喜三二が、蔦重に手伝ってほしいと言われて)
狂歌からの引用
『世の中に 蚊ほどうるさきものはなし ぶんぶといふて 夜も寝られず』詠み人知らず。定信の文武政治を批判した狂歌。
『毛をふいて 傷やもとめん さしつけて 君があたりに はひかかりなば』(南畝が詠んだ狂歌)
【ていの言葉】
・「明鏡止水」
ていが眼鏡を外し、蔦重を真っ直ぐに見据えて放った言葉。
邪念のない、落ち着いた静かな心境の意味。ていは、一度お店を潰したことがあるので、今回は主の蔦重に自分の思いだけで突っ走ってお店を潰すのではなく、お店を残すために考えて欲しい。と言う意味で使ってました。

ていの頭の中が何でも漢籍に変換されるように、蔦重の頭の中ではそれが全部黄表紙に変換されているような気がします。割れ鍋に綴じ蓋です。
ちょっと難しい表現
・田沼病:奢侈にやたらと憧れる病by定信
・定信の政策:「世のため人のため働け遊ぶな贅沢すんな」という徹底的な倹約思想。
・藤一宗(とういっそう):天明~寛政期の浮世絵の彫師(彫り師)、名匠と称えられていた、代表作は、蔦重制作狂歌本『潮干のつと』。よって全体の損害を小さくするという兵法三十六計のひとつ。
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よくある質問
- Q『べらぼう』第34話「ありがた山とかたじけ茄子」はどんな内容?
- A
松平定信が老中首座に就任し、質素倹約と統制の空気が一気に強まります。蔦屋重三郎は“書で抗う”決意を固め、戯作者や絵師を再び集結。ていとの本気の夫婦喧嘩、南畝の断筆宣言、そして田沼意次との「ありがた山/かたじけ茄子」が大きな見どころでした(放送:9月7日)。
- Qていが眼鏡を外した意味は?「明鏡止水」との関係は?
- A
ていは「店を守る立場」から、暴走しかねない蔦重を静かに制止します。眼鏡を外す所作は、心を澄ませた「明鏡止水」のモードへの切り替えの象徴。過去に一度店を潰した痛みを踏まえ「今度は同じ轍を踏まないで」という切実な願いが込められています。
- Q定信って結局、悪役?
- A
34話単体だと情報操作や処罰強化が際立ちますが、白河団子や、読売が伝えた逸話のように、倹約を理想として信じる側面も描写されました。単純な勧善懲悪ではなく、理想と自己演出が混ざる複層的な為政者像として捉えると腑に落ちます。
- Q「ありがた山」「かたじけ茄子」って何?
- A
江戸の言葉遊び(地口)です。「ありがたい」→「ありがた山」、「かたじけない」→「かたじけ茄子」。1話で蔦重が意次に「ありがた山でございます」とお礼を述べて以来、意次は蔦重を「ありがた山」と呼んできました。2人のこの合言葉は、成り上がり者同士の敬意と別れの挨拶として劇的効果を生んでいます。
- Q34話の「夫婦喧嘩」は何がすごかったの?
- A
「働くな死ぬまで遊べでは世は成り立ちませぬ」(てい)と「死ぬまで遊べ」(蔦重)。真正面衝突ながら緊張の中に笑い(眼鏡外し&ツッコミ)を混ぜる演出が秀逸。ラストの「屁」踊りの輪にていが真顔で混ざる小カットが、対立後の歩幅の取り直しをさりげなく示します。
- Q『べらぼう』第35話のみどころは?
- A
蔦重が出版した朋誠堂喜三二の『文武二道万石通』を定信が褒めてしまう皮肉が示唆され、言論と権力のズレが主題化。さらに歌麿ときよの再会、家斉と大奥の子の件など、再度ストーリーもみどころです。
- Q『べらぼう』第34話はどこで見れますか?
- A
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まとめ
第34話「ありがた山とかたじけ茄子」では、田沼時代が終わり、松平定信による質素倹約と統制の波が押し寄せる中、蔦重が文化の力で抗う決意を固めました。
夫婦の対立と信頼の再確認、田沼意次との別れ、そして「書をもって抗う」と再び筆を執る文化人たちの反骨精神が描かれました。
次回35話では、いよいよ黄表紙『文武二道万石通』の出版が、定信の勘違いを呼び、思わぬ展開に……。さらに歌麿ときよの再会など、文化と人の物語が続いていきます。
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本ページの情報は2025年9月時点のものです。最新の情報はU-NEXTサイトでご確認ください。
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