8月10日放送の大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第30話「人まね歌麿」のキーワードは「時が来た」。幕府の派閥争いの行方と、歌麿の芸術的覚醒が交差する回でした。
松平定信が田沼意次との対決姿勢を鮮明にする一方、歌麿は過去のトラウマに苦しみ、師・鳥山石燕との再会をきっかけに自分にしか描けない絵の道へと歩み出します。政治も芸術も、大きな転換期を迎えました。
本記事では、「べらぼう」30話の徹底レビュー&感想をわかりやすくご紹介します。
見逃してしまった方や、もう一度じっくり振り返りたい方にもおすすめです。
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第30話のあらすじ

松平定信(井上祐貴さん)は、一橋治済(生田斗真)から政界入りを打診され、田安家の存続か復活と家格の引き上げを約束に承諾。「田沼を追い落としてみせましょう」と決意します。
定信の「黒ごまむすびの会」は反田沼派の巣窟となり、大奥の知保の方(高梨臨さん)に接触し、味方につける戦略を進めます。
そんな中、幕府は庶民から資金を集めて大名に貸す「貸金会所令」を布告。30話の終盤、治済が大雨の中で「時が…来た」と舞う不吉な場面。そして、利根川決壊の大洪水へとつながっていきます。
蔦重(横浜流星さん)は入銀方式の狂歌絵本制作を企画し、「人まね歌麿」と評判になってきた喜多川歌麿を売り出す「時が来た」と決意。歌麿に枕絵制作を勧めますが、歌麿は幼少期のトラウマに阻まれ、「こんなべらぼうで…」と苦悩します。
そこへ、かつての師・鳥山石燕(片岡鶴太郎)が現れ、「その目にしか見えぬものを現すのが絵師の務めじゃ」と助言。歌麿は石燕のもとで写生を始め、牡丹の花を一心に描き出します。
歌麿が「こんな形もあるんだ」とインスピレーションを得ていた、鳥居清長の枕絵=春画の代表作『袖の巻』は、映画『春の画 SHUNGA』でご覧いただけます。
第30話のみどころ

松平定信「黒ごまむすびの会」と権力闘争の火蓋
養母・宝蓮院の体調と併せて、田安家の存続か復活を条件に政界入りを決意した松平定信が、反田沼派を集めて「黒ごまむすびの会」を組織します。
質素な黒ごまむすびを皆で頬張る姿は、倹約家らしい一面と同時に、結束を固める象徴的な場面でした。田沼意次が「ダマリヅメが今やガナリヅメだ」と皮肉るほど、定信は老中たちに積極的に口を出し始めます。政局の緊張感が一気に高まる回でした。
「貸金会所令」と蔦重からアイデア
幕府が打ち出した「貸金会所令」は、庶民から金を集めて大名に貸し付ける制度。これは、蔦重が考案した「広く安く入銀を募り狂歌本を作るシステム」からヒントを三浦庄司が意次に進言した政策です。三浦庄司は、唐来三和作の回文「きるなのねからかねのなるき(莫切自根金生木)」を引用しながら、黄表紙の面白さに目覚めたと語ります。
歌麿の「こんなべらぼうで…」と生みの苦しみ
歌麿は「人まね歌麿」とその名が知られるようになってきました。蔦重は「時が来た」と枕絵を描いてみないかと歌麿の提案します。しかし、歌麿は幼少期のトラウマに苦悩します。蔦重はプロデューサーとしての視線で、歌麿を日本一の絵師にしたいと思う反面、絵が掛けなくても歌麿との絆は固いと歌麿に言いますが、歌麿は思わず「こんなべらぼうで…」と吐き捨てる場面は胸に迫ります。
ていは「これを知る者は、これを好む者にしかず」と、才能があっても本人の望みと一致しなければ意味がないと心配します。
鳥山石燕の助言と「写生」への開眼
歌麿の黒く塗りつぶされた絵を見た鳥山石燕は、「その目にしか見えぬものを現すのが絵師の務めじゃ」と語り、歌麿を弟子に迎えます。石燕の庵で牡丹の花を写生する歌麿。その品種名が「歌麿」という、制作陣の粋な仕掛けも印象的です。
家治と意次のやり取りににじむ信頼
将棋を指しながら、家治が意次を「まとうどの者=正直者」と評する場面も心に残ります。家治の父・徳川家重が臨終の際に形容したという言葉で、長年の信頼関係がにじみました。
30話「人まね歌麿」の感想と徹底レビュー!

感想と徹底レビュー
今回のキーワードは何といっても「時が来た」。
定信の政界デビュー、蔦重の新たな出版の挑戦、そして歌麿の芸術的な目覚め。三者三様の転換点に、この言葉が重なって響きます。

とりわけ、大雨の中で治済が舞いながら「時が来た」と告げるシーンは、もう背筋がぞわっとしました。生田斗真さんの怪しい魅力が花開いていました。次回への不穏な予感を、あれほど鮮やかに残す場面はなかなかありません。
歌麿の苦悩。染谷将太さんの迫真の演技が胸に詰まりました。幻覚や幻聴に襲われ、過去のトラウマに押しつぶされ、描いた絵を真っ黒に塗りつぶしてしまう姿。あの狂気を帯びた目と苦悩の表情は、まさに心の闇そのもの。歌麿の母とヤスはもう登場して欲しくないです、怖いです。
そして、蔦重と石燕、二人のコントラストがみどころだったと思います。
蔦重は「絵で世間を喜ばせる」ことを教える、いわば敏腕プロデューサー。鳥山石燕は「その目にしか見えぬものを現せ」と諭す、生粋のクリエイター。
アプローチはまるで正反対なのに、どちらも歌麿にとって欠かせない存在。蔦重は彼を日本一の絵師にしたいと願いながらも、生きてさえいてくれればいいと本気で思っている。その愛情が、じんわり伝わってきました。が、今の歌麿に必要なのは自分と同じクリエイター石燕の視線です。一回り大きくなって蔦重のところに帰ってくる日が楽しみです。
寺田心さんから井上祐貴さんになった松平定信の人間らしさがちらりと見えました。冒頭で、山東京伝の著作を読み込み、「京伝先生」と呼ぶ姿には、ただの堅物ではない、文芸への理解と敬意が見えます。質素な「黒ごまむすび」のエピソードも、実は、彼の豊かな人物像を表していたように思います。
そして最後にもうひとつ。歌麿が石燕邸で描いた牡丹の花、その品種名が「歌麿」だったという粋な仕掛け! SNSで「さりげなくすごい演出」と話題になるのも納得です。細部に宿るこだわりが、『べらぼう』の世界をより立体的にしていました。
30話に登場した、印象に残った言葉・地口まとめ
地口や面白い表現
・きるなのねからかねのなるき「莫切自根金生木」回文:唐来三和作(三浦が意次から蔦重の仇討ち=黄表紙は売れているのかと聞かれて、黄表紙の面白さに目覚めまして…と説明する)
・ダマリヅメが今やガナリヅメだ(意次が、定信が溜詰になってから、あれこれ口出ししてくることを指して。)
・こんなべらぼうで(歌麿が蔦重に。ひどいの意味で使っています。)
ちょっと難しい言葉
・溜詰(たまりづめ):溜間(たまりのま)にいる大名のこと。老中に物申すことができる大名たち。
・黒ごまむすびの会:定信が昼に質素な黒ごまむすびを弁当に持ってきたことから、それに倣って車座でお昼を食べている反田沼派の派閥のこと。
・まとうどの者=正直者(家治が、意次に。家治の父・9代将軍の徳川家重が臨終の際、意次のことを形容した)
ていの言葉
・「これを知る者は、これを好む者にしかず」(ていが歌麿のことを心配して蔦重に。意味:物事を知っている者は、それを好んでいる人には及ばない→歌麿が絵が描けるからって、その絵を描きたいかどうかは別の話。と、ていは歌麿が苦行になっているのを心配しています)
・蔦重の「濡れ手に粟」を「濡れ手で粟」に訂正。
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よくある質問
- Q『べらぼう』第30話「人まね歌麿」はどんな話ですか?
- A
松平定信が田沼意次との対決姿勢を鮮明にし、反田沼派の「黒ごまむすびの会」を発足。一方、喜多川歌麿は自分だけの絵を描くため苦悩します。かつての師・鳥山石燕との再会をきっかけに写生へ目覚め、牡丹の花を描き始めます。物語の最後には、大雨の中で治済が「時が来た」と舞い、不穏な展開を予感させました。
- Q第30話のキーワード「時が来た」はどんな意味で使われましたか?
- A
定信の政界進出、蔦重の新たな出版企画、歌麿の芸術的覚醒という三つの転換点に共通して使われ、それぞれの物語を象徴しています。治済が大雨の中で舞いながら口にした「時が来た」は、次回の大洪水への布石でもあります。
- Q歌麿に影響を与えた鳥山石燕とは?
- A
狩野派の絵師で、妖怪絵などで知られる人物。幼い頃の歌麿に絵を教えた師匠であり、「その目にしか見えぬものを現すのが絵師の務めじゃ」と助言し、歌麿が自分の絵を描くきっかけを与えました。べらぼうでは片岡鶴太郎さんが演じられています。
石燕が描いた妖怪については、こちらで詳しくご紹介しています。
▶【浮世絵ミステリー 江戸のお化け~妖しい魅力の謎~】鳥山石燕と妖怪ブーム『べらぼう』と一緒に深掘り!
- Q第30話のみどころは?
- A
江戸城では「黒ごまむすびの会」と大奥工作、耕書堂の周りでは歌麿の葛藤と石燕の助言、そして、枕絵と牡丹の写生シーンが特に印象的です。牡丹の品種が「歌麿」だったという細やかな演出も話題になりました。
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- Q『べらぼう』第30話はどこで見られますか?
- A
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まとめ
「べらぼう」第30話「人まね歌麿」は、政治と芸術の両輪が同時に大きく動いた転換点の回でした。
松平定信が田沼意次への対決姿勢を鮮明にし、歌麿は鳥山石燕との再会によって絵師への扉を開きます。
「時が来た」という言葉がそれぞれの物語を結び、最後の治済の不気味な舞が次回の大洪水への不穏な予感を残しました。
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もう一度見返して、この回に込められた転換の瞬間をじっくり味わってみてください。
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