大河ドラマ【べらぼう】8話 ネタバレあらすじとみどころ”逆襲の『金々先生』”

大河ドラマ『べらぼう』第8話は”逆襲の『金々先生』”。名跡を襲名して負担がのしかかる瀬川。瀬川の気持ちに全く気付かない蔦重。そして地本問屋と吉原の忘八の対決が気になります。

について、お届けします。

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第8話”逆襲の『金々先生』”の簡単あらすじ

※以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。

蔦重（横浜流星さん）が手掛けた、名跡「五代目瀬川（小芝風花さん）」の名を載せた細見『籬の花』は大評判となり、吉原には瀬川目当ての客が押し寄せます。瀬川の新たな客として盲目の大富豪、烏山検校（市原隼人さん）が現れます。

一方、偽版の罪を償った鱗形屋（片岡愛之助さん）は、青本の新作『金々先生栄花夢』で再起をかけた攻勢に出ます。そして、蔦重を地本問屋の仲間に入れるという約束を撤回したいと、鶴屋をはじめてする地本屋が吉原にやってきて…。

8話のみどころと注目ポイント

吉原の女たちの幸せとは？

8話では、蔦重が瀬川の協力に報いるためには…と考える段があったり、客がくれば白い飯がお腹いっぱい食べられて、吉原の女たちは幸せになると思っていたのが、客が押し寄せれば、それはそれで女郎たちにとってはきつい負担があるということを知って、蔦重が考え込む場面がありました。

「つるべ蕎麦」で、豪快にそばつゆをまきちらしながら蕎麦を食べる次郎兵衛と蔦重。半次郎(六平直政さん）も交えて「吉原の女たちが報われるには？」について会話します。

次郎兵衛：そりゃ、やっぱり身請けじゃないの。

半次郎：身請けより、間夫だろ。間夫はつとめの憂さ晴らし。

『べらぼう』8話より

※間夫（まぶ）：遊女が心底惚れた男のこと。歌舞伎の演目『助六』で、遊女の揚巻（あげまき）は、金持ちの遊客から間夫の助六が罵倒されたとき、有名なセリフ「間夫がなければ女郎は闇」と返します。うつせみにとっての新之助のような存在。

「玉の輿」なのか「精神的な繋がり」なのか、現代の結婚観にも通じる気がします。

身請けって？

九郎助稲荷・語り（綾瀬はるかさん）が解説していましたが、「身請け」とは、女郎が客に身の上を引き受けてもらうことで、その費用は100両（＝600万円くらい）から「瀬川」クラスになると千両（＝6千万円くらい）とのことです。

吉原の年季奉公は10年。だいたい17歳でお披露目されるので27歳まで。ですが、有休は年に2日しかない、休みたければ自分でその日をお金を出して買う、身の回りの品々、禿の身の回り等々、全て花魁自身の負担なので、年季が明けても借金が残っていることが多く、また、心身ともに負担がかかることから、市中の女性より平均寿命も短く、1話でなくなった朝顔のように病で亡くなる人も多数いました。

そんな苛酷な状況を小さい頃から見て育っている蔦重。瀬川は身請けしてもらって「名のある武家の奥方や、商家のお内儀になって欲しい」と願うのも無理はありません。それが、瀬川がとびきり幸せになる道だと信じています。

これを聞いていた九郎助稲荷（綾瀬はるかさん）も蔦重に

九郎助稲荷：バ～～～カ。バ～カ、バカ。豆腐の角に頭ぶつけて死んじまえ。

せーの、この、べらぼうめぇ！

『べらぼう』8話より

8話に登場した3冊の本

8話では、『金々先生栄花夢』、『塩売文太物語』、『女重宝記』の3冊が登場しました。

『金々先生栄花夢（きんきんせんせいえいがのゆめ）』

『金々先生栄花夢』は、作画とも恋川春町です。鱗形屋から出版した本作が大ヒット。黄表紙の先駆けとなります。

恋川春町は、駿河小島藩に仕える武士・倉橋格で、岡山天音さんが演じられます。 挿絵も文章も書ける戯作者。

蔦重（横浜流星さん）と恋川春町（岡山天音さん）は、今後、朋誠堂喜三二（尾美としのりさん）の仲介で知り合う設定です。

吉原のPR本という側面もあり、吉原のような遊里ではこんな風に客が遊んでくれたら。という本でもありました。中国の『邯鄲の夢』をもじって、全ては一瞬の夢だったというオチもついています。

『べらぼう』では、蔦重が吉原の人脈を生かして集めた元ネタを鱗形屋が本にしたというストーリー展開になっています。

『金々先生栄花夢』のざっくりあらすじ

田舎から出てきた貧しい若者・金村屋金兵衛は、目黒不動で立身出世を祈願します。名物・粟餅ができ上がるのを待つ間にウトウトして…。

夢の中で、大金持ちの養子になって、お金を湯水のように使いまくります。例えば『べらぼう』の長谷川平蔵がチップの紙札を撒いたように、節分の豆まきの代わりに金銀を枡に入れて豆のように撒いたりします。

目が覚めた金々先生。まるで泡のようなほんの束の間の夢の話。金村屋金兵衛はこの夢で改心して、故郷へ帰っていきます。

『金々先生栄華夢』についてと『べらぼう』でのオマージュ拾いはこちらで詳しくご紹介しています。

『塩売文太物語（しおうりぶんたものがたり）』

瀬川が手に取っては読み返し、蔦重との子ども時代を思い出す『塩売文太物語（しおうりぶんたものがたり）』。こちらも鱗形屋が出版した子供向けの本です。

『塩売文太物語』については、こちらで詳しくご紹介しています。

瀬川は『塩売文太物語』のような、とびきり楽しい幸せを望んでいるんですね。

『女重宝記（おんなちょうほうき）』

蔦重が瀬川にとびきり幸せになってもらいと、プレゼントした『女重宝記（おんなちょうほうき）』は、1692(元禄５)年刊行のベストセラー婚活本です。

お琴やお香などの習い事、メイクの仕方や『源氏物語』などの古典、結婚式の日取り決めや式次第、出産のことなど、これを実践すればよいという女性の生き方指南書です。

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初登場・鳥山検校（市原隼人さん）

瀬川との初会で、たくさんの本や禿も楽しめるように双六などを持参した大富豪・鳥山検校（とりやまけんぎょう）。

検校とは？

徳川家康が今川の人質だった子ども時代、伊豆圓一という目の不自由な少年と仲良しだったことや、家康の側室・於愛の方（『どうする家康』では、広瀬アリスさん演）が極度の近視だったことなどから、江戸時代に盲人保護が奨励されました。

目の不自由な人たちの組織「当道座(とうどうざ)」には70以上の位があり、その最高位が検校です。その下に別当＞勾当(こうとう)＞座頭と続きます。

当道座は、税金が免除されたり、高利貸しが許されているなど優遇されていたので、武士に高利貸しをして『べらぼう』の鳥山検校のように大富豪になる人もいました。

鳥山検校を演じる市原隼人さんについては、8話のキャスト考察・鳥山検校（市原隼人さん）で詳しくご紹介しています、

駿河屋市右衛門(高橋克実さん)の行動が痛快！

吉原細見『籬の花』の成功、そして吉原に蔦重の「耕書堂」という本屋ができることを祝う宴席が設けられました。

本当は一番喜んでいる蔦重の育ての親・駿河屋市右衛門。蔦重にお酒を注ごうとして、蔦重からいやいや親父様こそ。と言われて「おめえ、おれにケンカ売ってんのか？」の反応が、かえって愛情ダダ漏れでした。

そして、蔦重の地本問屋への仲間入りを見送りたいと言いに来た地本問屋・鶴屋（風間俊介さん）とのやり取り。最初は「金で動くものと動かないものがある」と真っ当なことを言っていると思っていたのですが、人払いをしてからの鶴屋のいやな感じに、駿河屋はプッツン激怒。

鶴屋の襟首をつかんで、階段から蹴落とします。

一旦、本屋としての蔦重を認めバックアップすると決めたら、駿河屋市右衛門の振り切りがすごいです。そして、忘八の親父様方の結束も固いです。階段上からの忘八の親父様方の画角が迫力満点です。

今後、吉原VS地本問屋のバトルはどんな風に展開していくのか、どんな経緯で蔦重は日本橋に店を構えることになるのか、見逃せません。

8話に出てきた「江戸ことば」

8話は、シリアスな場面が多かったこともあり、江戸ことばは少なめでした。

8話も続く！平沢常富（尾美としのりさん）はどこ？

8話では、29分26秒で登場です。6話で吉原大門で次郎兵衛とすれ違う場面の回想シーンです。尾美としのりさんがはっきりいらっしゃいました。

8話の冒頭クレジットに「（回想）平沢常富」とでていましたので、2話で源内に話しかけた場面かな？と思い、源内（安田顕さん）の登場シーンを目の皿状態で見ていましたが、そこではなかったようです。

後半の29分頃、鱗形屋が出した『金々先生』を次郎兵衛が面白そうに読んでいるシーン。蔦重がそれを見つけて、元ネタは自分たちが集めていたものだ。という話をした箇所で、

次郎兵衛が「え、じゃあ最後の”目ばかり頭巾”のこれは、俺の話？」で、6話の回想シーンが流れるという塩梅でした。

クレジットにお名前が出た2話からの「尾美としのりはどこ？」について、こちらで詳しくレポートしていますので、よろしければお読みください↓

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第8話のキャスト

8話では鳥山検校（市原隼人さん）が新しく登場したり、お笑いコンビ・サルゴリラの児玉智洋さんと赤羽健壱さんが大河俳優デビューされました。

第8話の全キャスト一覧（役名のある人）

蔦屋重三郎：横浜流星 平賀源内：安田顕 花の井：小芝風花 田沼意知：宮沢氷魚 小田新之助：井之脇海 うつせみ：小野花梨 松の井：久保田紗友 とよしま：珠城りょう まさ：山下容莉枝 留四郎：水沢林太郎 長兵衛：三浦獠太 りん：蜂谷眞未 忠七：斉木テツ 去る客：児玉智洋 懲りない客：赤羽健壱 丁子屋長十郎：島英臣 村田屋治郎兵衛：松田洋治 奥村屋源六：関智一 松村屋弥兵衛：高木渉 岩戸屋源八（回想）：中井和哉 小泉忠五郎（回想）：芹澤興人 はなぞの：平尾菜々花 はなさと：齋藤さくら さくら：金子莉彩 あやめ：吉田帆乃華 柯理:高木波瑠 あざみ：前田花 万次郎：野林万稔 長崎屋小平治：千葉清次郎 桐屋伊助：キンタカオ 伊勢屋九平治：会田泰弘 玉屋庄兵衛：岡山和之 万字屋半四郎：岡けんじ 泉屋与市：車邦秀 井筒屋孫兵衛：佐藤政之 山口巴半助：真木仁 鳥山検校：市原隼人 次郎兵衛：中村蒼 松葉屋半左衛門：正名僕蔵 大文字屋市兵衛：伊藤淳史 扇屋宇右衛門：山路和弘 半次郎：六平直政 りつ：安達祐実 いね：水野美紀 ふじ：飯島直子 平沢常富（回想）：尾美としのり 鶴屋喜右衛門：風間俊介 西村屋与八：西村まさ彦 三浦庄司：原田泰造 鱗形屋孫兵衛：片岡愛之助 駿河屋市右衛門：高橋克実 須原屋市兵衛：里見浩太朗 田沼意次：渡辺謙 語り(九郎助稲荷)：綾瀬はるか

『べらぼう』8話のキャスト徹底解説はこちらで詳しくお届けしています↓

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第8話の制作陣

脚本	森下佳子
音楽	ジョン・グラム
テーマ音楽指揮	下野竜也
演出	新田真三

『べらぼう』1週間の放送予定は？

日曜日	おひる12時15分～13時	BSプレミアム4K
日曜日	ゆうがた６時～６時45分	BS
日曜日	よる８時～8時45分	NHK総合
次の土曜（日曜日の再放送）	おひる1時05分～1時50分	NHK総合

※地上波放送のNHK総合よりも、NHK BSプレミアム4K、NHK BSの方が早く放送されます。※放送日時は変更される場合があります。

また、NHKの受信契約をしている方はNHK＋(プラス)で放送後の番組を7日間視聴できます。

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＞『べらぼう』第１話から最終話までのあらすじ・ネタバレ

まとめ

『べらぼう』第8話では、蔦重は地本問屋の仲間入りはできませんでした。書物問屋の須原屋市兵衛とは良好な関係を築いているように見える蔦重。耕書堂の将来を見守りたいですね。そして、瀬川の身請け話はどうなるのか、こちらも目が離せません。

『べらぼう』ネタバレあらすじまとめはこちらから↓　

『べらぼう』のキャスト一覧はこちらから

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