大河ドラマ『べらぼう』第6話は”鱗剝がれた『節用集』”。本を愛する蔦重と鱗形屋の運命は?
6話のあらすじと見どころ・江戸ことばをご紹介し、『べらぼう』はどこで見れるのかについても解説します。
・6話を見逃してしまった
・6話の内容が気になる
・6話の江戸ことばの面白さを知りたい
・『べらぼう』再放送は?どこで見れる?全話を見たい!
という方は、ぜひ続きをご覧ください。
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第6話”鱗剝がれた『節用集』”の簡単あらすじ
※以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。
・蔦重は鱗形屋孫兵衛と青本づくりに奔走する
・鱗形屋が『節用集』の海賊版を作っていると知った蔦重は悩む
・江戸城内では日光社参を巡って権力争い。
蔦重(横浜流星さん)は、挿絵入りの青本を作ろうと、鱗形屋孫兵衛(片岡愛之助さん)と共にアイデアを考え、ネタ集めに奔走します。
そんな中、須原屋(里見浩太朗さん)から『節用集』の偽板が出回っていると聞き、蔦重は鱗形屋を疑いますが…。
一方江戸城内では、松平武元(石坂浩二さん)が莫大な費用がかかる日光社参を提案する。田沼意次(渡辺謙さん)は、予算の無駄遣いを理由に、徳川家治(眞島秀和さん)に中止を訴えます。

蔦重と鱗形屋の「本を愛する」心が通じた瞬間があっただけに、ラストの展開はシビアでした。
6話のみどころと注目ポイント
1.鱗形屋も蔦重も本への思いは同じ!
鱗形屋と「本への情熱」で通じる部分がある蔦重。オーソドックスで面白味のない青本を、生まれ変わらせようと鱗形やとアイディアを出し合います。
二人が目指すのは「本好きの女郎も、本嫌いの野郎も楽しんで読める本」です。そこで二人が考え出したのは、江戸っ子が楽しめる活きのいい話。主人公には吉原で話題になっていた「金々野郎」をもってきます。
「金々野郎」とは、今で言うところの「イケてる」「当世風」の男性たちのこと。特徴は細いまげに引きずる長い着物で当世風を気取ったお上りさんたちのことです。

蔦重の吉原ネットワークで、金々野郎たちのずっこけエピソードを集めていきます。
2.地口が飛び交う飛び交う!
地口って?
ことわざや成句などに、発音の似た語句を当てて作り変える言語遊戯。「驚き、桃ノ木、山椒の木」「恐れ入り谷の鬼子母神」などが有名。
鱗形屋と蔦重の会話でポンポン地口や独特の言い回しが飛び交います。「金々野郎」の企画にも地口を必ず入れようという話になります。

この場面の蔦重と鱗形屋の会話が、時代劇でよく見る江戸っ子の喋り方で、ちょっとどすが効いていて、軽妙でとてもいい味が出てます。
「金々野郎」の話に悪い奴を入れるというとになり、「悪い手代といわば源四郎ですね」と蔦重。
鱗形屋:いいじゃねぇか、うがってらぁ。
蔦重:そういう「うがち」を全編にちりばめて、着物の紋を見れば、あいつのことかってわかるっていう…
鱗形屋:なるほど~、ありがた山のボンビがらす。
蔦重:恐れ入り谷の鬼子母神
鱗形屋・蔦重声をそろえて:おぉ~、地口!
『べらぼう』6話より
3.鱗形屋が『節用集』の偽板(ぎはん)を作っているのは知ってるけど
明和九年の大火以来、鱗形屋の経営は火の車。番頭・藤八(徳井優さん)との会話や、摺り損じの紙の多さ等々から、偽板(海賊版)を作っていることもうすうす察知します。
蔦重には、①奉行所に密告する。②鱗形屋に見つかりますよと忠告する。③何もしない。の三つ選択肢がありますが、九郎助稲荷に向かって自問自答した蔦重が選んだのは「運元にすらぁ」の③何もしない。でした。
4.ラストシーンで長谷川平蔵の捕り物!
結局長谷川平蔵が鱗形屋やってきて、鱗形屋は御用となりました。

時代劇ファンにはたまらない「鬼平」誕生シーンです。
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長谷川平蔵と蔦重はバディになるのか?
余談ですが、横浜流星さん出演の「土スタ」のインタビューで、もともとは重と長谷川平蔵がバディ―のような役どころになると思って、横浜流星さんが舞台で共演以降、親交の深い中村隼人さんを長谷川平蔵役に希望した。というお話がありました。
3話で親の財産を使い果たして、吉原には行けなくなったと花の井(小芝風花さん)に知らせてきた長谷川平蔵。これで出番は終わりかと思ったら、捕り物で再登場しました。

ということは、出版業界の取り締まりに絡んで、今後も長谷川平蔵が登場するのかな。と思ったりしました。
長谷川平蔵は持っていた粟餅を蔦重に差し出して、鱗形屋が没落したら版元の権利が蔦重の手の内に入ってくることから「濡れ手に粟、棚からぼたもち。の濡れ手に粟餅だな」と蔦重に「世の常」を示しました。
長谷川平蔵がボンボンから鬼平に進化して、時々、蔦重を助けたり、生きる道を示唆したりするようになるのか。期待しています。
日光社参と、武士のひっ迫と、佐野雅言の登場
江戸市中の蔦重と鱗形屋との関係と絡み合うように、幕府の「田沼派」と「武元派」の争いも表面化してきました。
もともと、武士は農民と土地を守るために戦い武功を立て、領地をもらったりして生計を立ててきたのに、天下泰平「パクス・トクガワーナ」の時代にあっては戦いがないので、収入を増やす手立てがありません。
藩から支給されているのは「米」で、武士はこれを両替商で金に両替して生活費に充てていました。両替商は藩士から買い上げた米を米蔵に閉じ込めて流通量を調整してドッカンドッカン儲け、世の中の物価は高騰して、武士の暮らし向きはドンドン苦しくなっていきました。
一方、徳川の権力を守るために、参勤交代で藩の武力や経済力をそぎ、6話で松平武元が推し進めたように「日光社参」で徳川の威光を示さなければならず、田沼意次が推進する「経済至上主義」「米ではなく貨幣経済」の政策は何歩も先を進みすぎていて、由緒や身分の高い方々から受け入れられませんでした。
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6話に出てきた「江戸ことば」
6話でも、江戸ことばがたくさん出てきました。

九郎助稲荷と蔦重の対話シーンが多かった6話。悩みながら成長していく蔦重を綾瀬はるかさんがしっかりサポートしている感じがします。
だれが | 江戸ことばとシャレ言葉 |
---|---|
金々野郎 | 心得タヌキさ(知ったかぶりで) たわむれタヌキさ~(花魁を間違えて) |
うつせみの文 | 花のさわりのなきようにいたす(新之助に) |
蔦重 (横浜流星) | お手上げ。上がったり屋のカンカン坊主(鱗形屋に) 占め子の兎(鱗形屋との会話で) 恐れ入り谷の鬼子母神(鱗形屋との会話で) 告げ口ってのは、クズ山クズ兵衛だな(九郎助稲荷に) 運天にすらぁ(九郎助稲荷に) |
鱗形屋 (片岡愛之助) | うがってらぁ(蔦重との会話で) ありがた山のボンビがらす(蔦重との会話で) |
藤八 (徳井優) | 火事が終わってもどうしてどうして、火の車よ(蔦重に) |
九郎助稲荷 (綾瀬はるか) | 仕方中橋ですね~(蔦重に) |
※うつせみが蔦重に託した新之助への文。便箋の上の部分が赤く塗られていましたが、これは吉原の女郎の文の慣習だそうです。うつせみの新之助への切ない気持ちが伝わってきます。
※花のさわりのなきように:本編でもありましたが、自腹で揚げ代を払うから新之助にお金のことは気にせず会いに来て欲しいという意味。
※占め子の兎(しめこのうさぎ):物事がうまくいったときに使う言葉で「しめた!」という意味で使われ、「兎を絞めた(しめた)」にかけた洒落言葉。
※半可通(はんかつう):よく知らないのに知ったふりをすること。通人ぶること。いいかげんな通人。
※運天にする:何もしないで運を天に任せる。
気になる平沢常富(尾美としのりさん)はどこ?

6話では、平沢常富(尾美としのりさん)は、17:52ごろに映っていました。「目ばかり頭巾」をかぶった客が、吉原大門で頭巾を外されるのを見て、次郎兵衛(中村蒼さん)が笑っているところに、通りすがりで一緒に笑っている場面で発見しました(U-NEXTで再生17:52)。

実は、徳井優さんもどこどこ~と探していたのですが、6話でしっかり鱗形屋の番頭役で登場されましたので、あとは尾美としのりさんに集中したいと思います
尾美としのりさんが演じる平沢常富とは、出羽国久保田藩(現在の秋田県)の藩士であり、江戸留守居役です。朋誠堂 喜三二(ほうせいどう きさんじ)の筆名で知られる戯作者。
鱗形屋の専属でしたが、その後蔦重とタッグを組みます。狂歌ブームの火付け役で、狂歌名「手柄岡持(てがらのおかもち)」で知られます。
クレジットにお名前が出てきた2話から「尾美としのり」さんを探した結果はこちらで詳しくレポートしていますので、よろしければお読みください↓
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第6話のキャスト
6話では蔦屋の奉公人・留四郎や、鱗形屋の息子・万次郎などが新しく登場しました。どんどん新たなキャストが登場する『べらぼう』。見逃せません。
『べらぼう』6話のキャスト徹底解説はこちらで詳しくお届けしています↓
第6話の全キャスト一覧(役名のある人) |
蔦屋重三郎:横浜流星 花の井:小芝風花 田沼意知:宮沢氷魚 長谷川平蔵宣以:中村隼人 小田新之助:井之脇海 知保の方:高梨臨 うつせみ:小野花梨 松の井:久保田紗友 とよしま:珠城りょう 徳川家基:奥智哉 留四郎:水沢林太郎 長兵衛:三浦リヨウ太 志津山:東野絢香 徳兵衛:山本圭祐 りん:蜂谷眞未 八五郎:阿部亮平 熊吉:山根和馬 柏原屋:川畑泰史 松平輝高:松下哲 斎藤茂右衛門:蔵本康文 万次郎:野林万稔 はなぞの:平尾菜々花 はなさと:齋藤さくら さくら:金子莉彩 あやめ:吉田帆乃華 次郎兵衛:中村蒼 半次郎:六平直政 ふじ:飯島直子 藤八:徳井優 平沢常富:尾美としのり 西村屋与八:西村まさ彦 佐野政言:矢本悠馬 松本秀持:吉沢悠 松平康福:相島一之 徳川家治:眞島秀和 松平武元:石坂浩二 三浦庄司:原田泰造 鱗形屋孫兵衛:片岡愛之助 須原屋市兵衛:里見浩太朗 田沼意次:渡辺謙 語り(九郎助稲荷):綾瀬はるか |
『べらぼう』のキャスト一覧はこちらから
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第6話の制作陣
『べらぼう』を見て、江戸の文化や風俗に興味を持たれる方も多いと思います。時代考証の方を中心にご紹介します。『50ボイス』で吉原風俗考証や版元考証の方のコメントが見れますのでぜひ。
脚本 | 森下佳子 |
音楽 | ジョン・グラム |
テーマ音楽指揮 | 下野竜也 |
演出 | 大原拓 |
時代考証 | 山村竜也 |
版元考証 | 鈴木俊幸 |
戯作考証 | 棚橋正博 |
風俗考証 | 佐多芳彦 |
インテマシーコーディネーター | 浅田智穂 |
インテマシーコーディネーターについては、『50ボイス』の記事で詳しくご紹介しています。よろしければどうぞ>>『べらぼう50ボイス』番組に携わる50人にインタビュー
『べらぼう』1週間の放送予定は?
日曜日 | おひる12時15分~13時 | BSプレミアム4K |
日曜日 | ゆうがた6時~6時45分 | BS |
日曜日 | よる8時~8時45分 | NHK総合 |
次の土曜(日曜日の再放送) | おひる1時05分~1時50分 | NHK総合 |
※地上波放送のNHK総合よりも、NHK BSプレミアム4K、NHK BSの方が早く放送されます。※放送日時は変更される場合があります。
また、NHKの受信契約をしている方はNHK+(プラス)で放送後の番組を7日間視聴できます。
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まとめ
『べらぼう』第6話では、鱗形屋が御用となり蔦重が念願の版元として活躍できる可能性が出てきました。世の常とはいうものの、「うまくやるってのは、こたえるもんすね」という蔦重の言葉が心に残ります。
・蔦重は鱗形屋孫兵衛と青本づくりに奔走する
・鱗形屋が『節用集』の海賊版を作っていると知った蔦重は悩む
・江戸城内では日光社参を巡って権力争い。
6話の名セリフは鱗形屋の青本への思いです。
おれは運命だと思ったよ。おまえさんが青本を生き返らせろ。っていった時。
『べらぼう』6話より
『べらぼう』ネタバレあらすじまとめはこちらから↓
『べらぼう』のキャスト一覧はこちらから
放送後7日以内はNHKプラスで、7日過ぎた場合や『べらぼう』第6話からの見逃しイッキ見には、U-NEXTでNHKオンデマンドを
『べらぼう』の見逃し配信がどこで見れるかはこちらでご紹介しています↓
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『べらぼう』大河ドラマガイド・前編はこちらから↓
第16話までのあらすじや、豪華な出演者インタビューなど盛りだくさんの内容です。
NHK大河ドラマ 歴史ハンドブック べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~: 蔦屋重三郎とその時代 (NHKシリーズ) はハンディタイプで、ゆかりの地めぐりのおともにピッタリです↓
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